要点刑法 195 条は、裁判・検察・警察の職務を行う者やその補助者が職務に当たり被疑者らに暴行・陵辱・加虐の行為をした場合に、七年以下の拘禁刑を科す特別公務員暴行陵虐罪を定める。
Q · 取調べで刑事に殴られたら、普通の暴行罪になるの?
いいえ、刑法 195 条の特別公務員暴行陵虐罪で重く罰せられます
刑法 195 条により、裁判・検察・警察の職務を行う者やその補助者が、職務に当たって被疑者などに暴行や陵辱・加虐の行為をすれば、七年以下の拘禁刑となります。通常の暴行罪(刑法 208 条、二年以下)の三倍以上の重さです。第 2 項では、留置場の看守、護送中の警察官、入管施設で収容を担う職員も対象になります。殴る蹴るだけでなく、人格をおとしめ苦痛を与える扱いも『陵辱若しくは加虐の行為』として処罰されえます。
取調室で刑事に机を叩かれ怒鳴られた、留置場で看守に乱暴に扱われた、入管施設で職員に体を押さえつけられた。これらに共通する盲点がある。普通の暴行罪(刑法 208 条、二年以下)ではなく、刑法 195 条という別格の犯罪が成立しうるという点だ。「裁判、検察若しくは警察の職務を行う者」とその補助者が、職務の遂行に当たって被告人・被疑者その他の者に暴行や陵辱・加虐の行為をすれば、七年以下の拘禁刑。一般人同士の暴行より三倍以上重い。なぜか。権力を握る側が、抵抗できない立場の人間に手を出したからだ。2 項では、法令により拘禁された者を看守・護送する者も対象になる。つまり留置場の看守も、護送中の警察官も、そして入管施設の収容を担う職員も射程に入る。あなたが知っておくべきは、取調べで受けた仕打ちが「ただの厳しい取調べ」なのか「犯罪」なのか、その線引きがこの条文にあるということだ。
刑法 195 条が定める特別公務員暴行陵虐罪は、裁判・検察・警察の職務を行う者およびその補助者が、職務の遂行に当たって被告人・被疑者その他の者に暴行または陵辱・加虐の行為を加える犯罪をいう。法令により拘禁された者を看守・護送する者も主体に含まれる。通常の暴行罪より加重され、法定刑は七年以下の拘禁刑である。
裁判・検察・警察の職務を行う者やその補助者が、職務上、被疑者などに暴行や陵辱・加虐の行為をする犯罪です。刑法 195 条が根拠で、法定刑は七年以下の拘禁刑です。
法定刑が七年以下の拘禁刑のため、公訴時効は 5 年です(刑訴法 250 条 2 項)。ただし暴行で死傷した場合は致死傷罪(196 条)となり時効はより長くなります。
通常の暴行罪(208 条)は二年以下ですが、特別公務員が職務上行うと 195 条で七年以下と三倍以上重くなります。権力を握る側への加重処罰です。
怒鳴る程度では直ちに違法とは限りませんが、身体への有形力の行使や人格をおとしめる言動は 195 条の暴行・陵辱に当たりえます。線を越えれば犯罪です。
拘禁された者を看守する者として 195 条 2 項の射程に入りうるとの議論があります。収容者への暴行・加虐は刑事責任の対象になりえます。
直後に傷の写真と診断書を取り、弁護人を通じて警察本部・検察庁の監察部門へ申し入れ、刑訴法 230 条に基づく刑事告訴を検討します。
194 条の職権濫用罪は不法な逮捕監禁を罰し、195 条は職務上の暴行・陵辱・加虐を罰します。手段が拘束か身体的加害かで分かれます。
暴行・陵辱を受けて得られた自白は、任意性が否定され証拠から排除されえます(憲法 38 条 2 項、刑訴法 319 条)。冤罪防止の入口になります。
怒鳴る、机を叩くといった行為が直ちに暴行となるわけではありませんが、身体への有形力の行使(小突く、押さえつける、長時間立たせる等)や、人格を著しくおとしめる言動は『暴行』『陵辱若しくは加虐の行為』に当たりうります(刑法 195 条 1 項)。業界裏話ヒント:取調べの違法性は、後で供述調書の『任意性』を争うときの核心になります。違法な取調べで得た自白は証拠から排除されうる(憲法 38 条 2 項、刑訴法 319 条)。だからこそ、その場で抗議し、弁護人に即時連絡した記録を残せるかどうかが、後の裁判の流れを左右する
本罪は『暴行』だけでなく『陵辱若しくは加虐の行為』も処罰対象です(刑法 195 条)。必要な医療を意図的に与えない、過酷な環境に放置するといった不作為的な加虐も、状況によっては該当しうります。業界裏話ヒント:拘禁施設での放置や医療放置は、195 条の刑事責任と並行して、国家賠償法 1 条による民事賠償でも追及できる。刑事告訴が起訴に至らなくても、民事は別途立証できれば賠償が認められる。両方の入口を同時に押さえるのが実務の定石
なります。195 条 1 項は『これらの職務を補助する者』を含み、2 項は『拘禁された者を看守し又は護送する者』を独立に対象としています。留置担当官や護送に従事する者も射程に入ります。業界裏話ヒント:近年問題化している入管施設での収容者への対応も、収容を担当する職員が 2 項の『看守する者』に当たりうるという議論がある。『警察官じゃないから関係ない』という整理は通用しない。誰が拘束する側に立っているか、その立場で判断される
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 195 条:職務上の暴行・陵辱・加虐の行為 | — |
| 主体 | 裁判・検察・警察の職務者とその補助者、看守・護送者 | — |
| 法定刑 | 七年以下の拘禁刑 | — |
| 結果的加重 | 死傷すれば 196 条(致死傷)でさらに重い | — |
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