要点刑法197条の3は加重収賄罪を定め、公務員が賄賂を受け取った上で職務上不正な行為をし又は相当の行為をしなかったとき、一年以上の有期拘禁刑に処する。単純収賄より刑が重い。
Q · 賄賂をもらった公務員は、みんな同じ罪になるの?
いいえ。職務を歪めると加重収賄で刑が跳ね上がります
刑法197条の3の加重収賄罪は、公務員が賄賂を受け取った上で、本来すべき職務を歪めた場合に成立します。単純収賄(197条)が5年以下なのに対し、加重収賄は1年以上の有期拘禁刑(上限20年)と刑が大幅に重くなります。さらに3項は、在職中に請託を受けて職務を歪めた元公務員が、退職後に賄賂を受け取った場合(事後収賄)も処罰します。「受け取っただけ」か「受け取って動いた」かが分水嶺です。
「単なる収賄」と「加重収賄」の間には、刑の重さで天と地ほどの段差がある。普通の収賄(197条)は5年以下、だが公務員が賄賂をもらった上で実際に職務を歪めた、つまり通すべきでない許可を通した、見逃すべきでない違反を見逃した、その瞬間に刑は跳ね上がり「1年以上の有期拘禁刑」、上限は20年に達する。執行猶予のハードルも一気に上がる。197条の3が描くのは、賄賂を受け取る「だけ」の罪ではなく、受け取って「動いた」罪だ。さらに3項は、退職した後でも、在職中に請託を受けて職務を歪めていたなら、辞めてから賄賂を受け取った時点で処罰する。「辞めたから関係ない」「もう公務員じゃない」は通用しない。賄賂と職務の歪曲が結びついた瞬間、あなたが現役か元職かは問題ではなくなる。
刑法197条の3が定める加重収賄罪は、収賄罪を犯した公務員が、その見返りとして職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかった場合に成立する加重類型である。単純収賄罪が賄賂の収受自体を処罰するのに対し、本罪は賄賂と職務の歪曲が結びついた点を捉えて刑を加重する。3項は退職した元公務員の事後収賄も処罰の対象とする。
公務員が賄賂を受け取った上で、その見返りに職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかった場合に成立する罪です(刑法197条の3)。単純収賄より刑が重くなります。
単純収賄は賄賂の収受自体を罰し5年以下。加重収賄は受け取った上で職務を歪めた点を罰し、1年以上の有期拘禁刑(上限20年)と段差が桁違いです。
1項・2項は1年以上の有期拘禁刑で、上限は20年に達します。執行猶予のハードルも単純収賄より高くなります。3項の事後収賄は5年以下の拘禁刑です。
公務員であった者が、在職中に請託を受けて職務を歪めた見返りを退職後に受け取る罪です(刑法197条の3第3項)。辞めた後でも受領時点を捉えて処罰されます。
なります。国公立病院の医師、独立行政法人や公団の職員など、法律で公務員とみなされる人が対価をもらって職務を歪めれば加重収賄の射程に入ります。
収受した賄賂は刑法197条の5により没収され、費消等で没収できないときはその価額が追徴されます。利得をそのまま保持させない仕組みです。
加重収賄は自分の職務を歪める罪。あっせん収賄(197条の4)は他の公務員に不正な職務行為をさせるよう口利きし、その報酬として賄賂を受ける罪です。
公務員が職務に関し、自分ではなく第三者に賄賂を供与させる罪です(刑法197条の2)。加重収賄1項の前提犯罪の一つになります。
社交儀礼の範囲内と認められれば賄賂性が否定されることもありますが、職務との対価関係があれば金額の大小を問わず賄賂になりえます(197条)。まして見返りに職務を歪めれば加重収賄です。業界裏話ヒント:実務では「職務との関連性」と「対価性」で判断され、相手が決裁権を握る案件が進行中に渡された物は、たとえ少額でも危険視されます。「儀礼だから安全」という金額の安全圏は存在しません
受け取って職務を歪めた公務員側(加重収賄、1年以上の拘禁刑)の方が、渡した側(贈賄、198条、3年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金)より格段に重い。公務員には全体の奉仕者としての高い廉潔性が求められるからです。業界裏話ヒント:捜査機関は重い収賄側を落とすため、軽い贈賄側に先に供述を促すことがあります。渡した側こそ早期の弁護士相談が効きます
危険です。3項の事後収賄は、在職中に請託を受けて職務を歪めた人が退職後に賄賂を受け取った、その受領時点を捉えて処罰します。時効は受け取った時から起算されるので、在職中の行為が古くても受領が最近なら時効は完成していません。業界裏話ヒント:「コンサル料」「顧問料」名目での退職後の受領は、捜査の典型的な着眼点です。在職中の職務との関連が記録から浮かべば、名目を変えても事後収賄を問われます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為主体 | 現職の公務員 | — |
| 職務の歪曲の要否 | 必要(不正な行為をし又は相当の行為をしなかった) | — |
| 法定刑 | 1年以上の有期拘禁刑(上限20年) | — |
| 請託の要否 | 1項は前提犯罪に従い、2項は職務歪曲との関連を要する | — |
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