未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる。
要点刑法 21 条は、未決勾留の日数の全部又は一部を本刑に算入できると定める。算入は第一審裁判所の裁量で、自動ではない。上訴中の勾留は刑訴 495 条で法定通算される。
Q · 勾留されてた日数って、ちゃんと刑期から引かれるの?
自動ではなく、裁判官の裁量で全部か一部が算入されます
刑法 21 条により、未決勾留(判決確定前の身柄拘束)の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができます。ポイントは「できる」という文言で、算入するか、全部か一部かは第一審裁判所の裁量です。実務では相当程度算入されますが、自動ではなく、手続を不当に遅延させたと評価されると一部にとどまることもあります。判決主文の「未決勾留日数中○○日を本刑に算入する」の記載を必ず確認してください。なお上訴中の未決勾留日数は刑事訴訟法 495 条により法定で通算されます。
あなたが痴漢の疑いで逮捕され、否認したまま留置場で23日間過ごしたとする。ようやく保釈され、半年後に有罪、拘禁刑1年の判決。ここで多くの人が信じ込んでいる前提がある。「あの勾留された日数は、当然刑期から引かれるはずだ」。刑法21条は、その期待を裏切る可能性を秘めている。条文はこう書く。「未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる」。鍵は末尾の「できる」だ。義務ではない、裁量である。判決を確定する前にあなたが身柄を拘束されていた日数(未決勾留)を、刑期に組み入れるかどうか、組み入れるなら全部か一部か、それを決めるのは裁判官だ。実務では相当程度算入されるが、自動ではない。訴訟を不当に引き延ばしたと見なされれば、一部しか算入されないこともある。あなたの留置場での一日一日が、刑期から差し引かれるか、ただ消えるか。その分水嶺は、判決文の最後の一行に隠れている。
刑法 21 条は未決勾留日数の本刑算入を定める規定である。未決勾留とは、判決が確定する前に被告人が受ける身柄拘束をいう。本条は、その日数の全部又は一部を言い渡された本刑に算入する権限を第一審裁判所の裁量に委ね、算入の要否と範囲を個別事案に応じて判断させる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
判決が確定する前に、被告人が逮捕・勾留により身柄を拘束される期間のことです。本来は刑罰ではなく、逃亡や証拠隠滅を防ぐ手続上の拘束ですが、有罪時には刑法 21 条で本刑に算入される余地があります。
自動ではありません。刑法 21 条は「算入することができる」と定め、第一審での算入は裁判官の裁量です。実務では相当程度算入されますが、全部とは限らず一部にとどまることもあります。
被告人が手続を不当に遅延させたと裁判所が評価した場合などに、裁量で算入日数が絞られることがあります。否認や訴訟引き延ばしと見なされる事情があると、全部算入されない余地が残ります。
第一審の弁論終結前に、弁護人を通じて「未決勾留日数を全部本刑に算入してほしい」と明示的に主張し、記録に残すことが重要です。判決確定後の追加請求は原則できません。
上訴中の未決勾留日数は、刑法 21 条の裁量とは別枠で、刑事訴訟法 495 条により法定で本刑に通算されます。一審の裁量算入と上訴中の法定通算は別々の仕組みです。
無罪・不起訴の場合は算入する刑がないため、刑法 21 条は働きません。代わりに憲法 40 条と刑事補償法により、抑留・拘禁日数に応じた金銭補償(1 日あたり最大 12,500 円)を請求できます。
関係します。保釈が認められれば勾留が短くなり、未決勾留日数も少なくなります。保釈保証金を準備できるかどうかが、結果として算入対象となる勾留日数の多寡に影響します。
判決主文の「未決勾留日数中○○日を本刑に算入する」という記載で確認します。量刑の年数だけでなく、この算入日数まで確認しないと実際の収監日数は分かりません。
そう思われがちですが、刑法21条は「算入することができる」と定めており、第一審での算入は裁判官の裁量です。実務上は相当程度算入されますが、全部とは限りません。一方、控訴・上告中の未決勾留は刑事訴訟法495条で法定通算され、こちらは自動です。業界裏話ヒント:判決主文に「未決勾留日数中○○日を本刑に算入する」と書かれているかは、弁護人でも判決当日に主文を聞いて初めて確認するもの。被告人本人や家族は、量刑の年数だけ聞いて安心しがちですが、算入日数まで確認しないと、実際に何日収監されるかは分からない
原則として算入の対象ですが、裁判所が「被告人が手続を不当に遅延させた」と評価した場合、全部ではなく一部しか算入しない裁量を行使することがあります。正当な防御は萎縮させるべきではありませんが、運用上はそうした考慮が働く余地が残ります。業界裏話ヒント:これがいわゆる「人質司法」批判の一側面です。否認すると勾留が延び、その長い勾留が必ず満額算入される保証もない。だからこそ否認方針を固める前に、勾留の見通しと算入リスクを弁護人と具体的に詰めておくことが、知っている被告人と知らない被告人の分かれ目になります
刑法21条の算入はあくまで有罪で刑が科される場合の話なので、無罪なら算入する刑自体がありません。代わりに憲法40条と刑事補償法に基づき、抑留・拘禁された日数について金銭補償を請求できます。補償額は1日あたり1,000円から最大12,500円の範囲で裁判所が定めます(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:刑事補償は自動では支払われず、無罪判決が確定した後に自分で請求しなければなりません。請求できる期間にも制限があるので、無罪を勝ち取った安堵で動かずにいると、補償を受け損ねることがあります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 刑法 21 条:第一審の未決勾留日数の算入 | — |
| 算入の性質 | 裁量(全部又は一部を算入できる) | — |
| 適用される局面 | 有罪・第一審判決時 | — |
| 被告人がとるべき行動 | 弁論終結前に全部算入を主張 | — |
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