要点刑法25条の2は執行猶予中の保護観察を定める。25条1項では裁量的、25条2項の再度の猶予では必要的に付され、行政官庁の処分で仮に解除できる。
Q · 執行猶予に「保護観察付き」とあったら、何が変わるの?
遵守事項を守る義務が生じ、違反すれば猶予が取り消されます
刑法25条の2により、執行猶予には保護観察が付されることがあります。25条1項の通常猶予では裁判所の裁量、25条2項の再度の猶予では必要的に付されます。保護観察が付くと、保護司との面会や転居・旅行の届出など遵守事項を守る義務が生じ、違反の情状が重いと26条の2第2号で猶予が取り消され、宣告されていた刑が現実になります。なお成績が良好なら、行政官庁の処分で保護観察を仮に解除できます(本条2項)。
執行猶予がついた、これで刑務所に入らずに済んだ、そう胸をなで下ろした瞬間に見落とすものがある。判決主文に「保護観察に付する」の一言があるかどうかで、その後の数年間の生活がまるで違う。保護観察付きになると、定期的に保護司と面会し、転居や長期旅行には届出が要り、決められた約束事(遵守事項)を守る義務が課される。これを破って情状が重いと判断されれば、執行猶予そのものが取り消され、本来の刑が現実になる。さらに知っておくべきは、25条1項の通常の執行猶予では保護観察は裁判官の裁量だが、再度の執行猶予(25条2項)では必ず付くという点だ。そして本条が用意した隠し扉が「仮解除」。成績が良ければ行政官庁の処分で保護観察を一時的に外してもらえ、その間は法律上「保護観察に付されなかった」とみなされる。これが将来、万一の再犯時にあなたを救う伏線になる。
刑法25条の2は、執行猶予者に対する保護観察の付与とその仮解除を定める規定である。25条1項の執行猶予では裁量的に、25条2項の再度の執行猶予では必要的に保護観察が付され、行政官庁の処分により仮に解除されたときは、25条2項ただし書および26条の2第2号の適用上、保護観察に付されなかったものとみなされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
犯罪をした人を社会の中で生活させながら、保護司や保護観察官の指導監督のもと更生を図る制度です。執行猶予者については刑法25条の2が根拠となります。
執行猶予者の保護観察期間は、執行猶予の期間そのものです。刑法25条により猶予期間は1年以上5年以下で、判決で定められます。
遵守事項違反の情状が重いと、刑法26条の2第2号により執行猶予が取り消され、宣告されていた懲役・禁錮(拘禁刑)が執行されます。一度の違反で即実刑ではなく情状判断です。
25条1項の通常の執行猶予では裁判所の裁量で付されますが、25条2項の再度の執行猶予では必ず付されます。1項では弁護活動で付さない方向も争えます。
保護観察自体が就労を禁じるわけではありませんが、転居や長期出張に届出が必要な場合があります。無断で動くと遵守事項違反になりうるため事前相談が重要です。
成績が良好なとき、行政官庁の処分で保護観察を仮に解除できます(本条2項)。保護観察所・保護司に相談し、更生保護法の手続に従って判断されます。
地域で更生を支える非常勤の国家公務員(民間ボランティア)で、保護観察対象者と定期面会し生活状況を確認・助言します。守秘義務を負います。
猶予期間を取消しなく経過すれば、刑法27条により刑の言渡しの効力は消滅します。ただし前科の記録(犯歴)が完全に抹消されるわけではありません。
普通の執行猶予は期間中に新たな罪を犯さず取消事由がなければ刑が消えますが、保護観察付き(25条の2第1項)は加えて保護司との面会や届出など遵守事項を守る義務が課されます。違反が重いと26条の2第2号で猶予が取り消されます。業界裏話ヒント:25条1項の通常猶予では保護観察を付けるかは裁判官の裁量です。つまり弁護活動で『付けない』方向に争える余地がある。判決が出た後では動かせないので、勝負は宣告前にある
遵守事項として転居や一定期間以上の旅行に届出が求められるのが通常で、無断で動くと遵守事項違反になりえます。違反の情状が重いと猶予取消しの対象です(26条の2第2号)。業界裏話ヒント:取消しは『違反したら即実刑』ではなく『情状が重いとき』の裁量判断。やむを得ない事情を事前に保護司へ相談し記録を残しておくと、後で取消しを争う際の決定的な材料になる。黙って動くのが最悪手です
保護観察の成績が良好なとき、行政官庁の処分で観察を一時的に外す制度です(本条2項)。仮解除中は法律上『保護観察に付されなかった』とみなされ(本条3項)、25条2項ただし書や26条の2第2号の不利益が及びません。業界裏話ヒント:仮解除は単なる『ご褒美』ではなく将来の保険です。万一その後に再犯しても、仮解除されていれば再度の執行猶予の道が残る。これを意識して良好な成績を積みにいくかどうかで、数年後の選択肢の数が変わる
原則として、保護観察付き猶予の期間中にさらに罪を犯した者は再度の執行猶予を受けられません(25条2項ただし書)。ただしその保護観察を仮解除されていれば、本条3項により『付されなかった』とみなされ、再度の猶予の可能性が残ります。業界裏話ヒント:ここを知らないまま諦めて実刑を受け入れる人がいます。過去の保護観察が仮解除されていたかどうかは記録で確認できる。弁護人にこの一点を必ず洗わせるべきです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護観察の付与 | 25条の2:1項猶予は裁量、2項の再度の猶予は必要的に付す | — |
| 違反時の効果 | 遵守事項違反が取消しの前提となる義務を課す | — |
| 外す・消す手段 | 本条2項の仮解除(行政官庁の処分) | — |
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