要点刑法27条の2は、三年以下の拘禁刑について刑の一部のみを服役させ、残部を一年以上五年以下の期間執行猶予できると定める。猶予期間は実刑部分の終了後から起算される。
Q · 一部執行猶予って、結局どういう判決なの?
刑の一部だけ服役し残りを猶予する中間的な制度です
刑法27条の2の一部執行猶予は、三年以下の拘禁刑について、刑の一部だけを実際に服役させ、残部を一年以上五年以下の期間執行猶予できる制度です。対象は前科のない人、前回全部猶予だった人、前刑終了から五年以内に再犯のない人の三類型に限られます。裁判所が再犯防止に必要かつ相当と認めた場合のみ選択でき、多くは保護観察が付きます。猶予期間は判決日ではなく、実刑部分を終えた日から起算されます。
裁判で有罪になったら、結末は「刑務所に入る(実刑)」か「執行猶予で社会に戻る」かの二択だと思っていないか。2016年6月から、その中間が法律に書き込まれた。刑法27条の2は、三年以下の拘禁刑なら、刑の一部だけを実際に服役させ、残りの期間を執行猶予にできると定める。たとえば二年の刑のうち一年六月だけ服役し、残り六月を一年から五年の猶予期間にする、という設計だ。これが効くのは、初犯に近い人、過去に全部執行猶予だった人、前刑終了から五年以内に再犯のない人に限られる。覚せい剤などの薬物事犯で特に使われ、施設で隔離したうえで社会内処遇につなげる狙いがある。あなたが量刑の場に立ったとき、弁護人がこの一部猶予を引き出せるかどうかで、刑務所にいる時間が年単位で変わる。だが裁判官は「必要かつ相当」と認めたときしか使えない、つまり再犯防止の見込みを示せなければ動かない。
刑の一部執行猶予は、三年以下の拘禁刑について刑の一部のみを実際に執行し、残部の執行を一年以上五年以下の期間猶予する制度である。刑法27条の2が対象者を三類型に限定し、裁判所が再犯防止に必要かつ相当と認める場合に選択できる。実刑部分の終了後に猶予期間が起算される点で、判決確定時から起算する全部執行猶予と区別される。
三年以下の拘禁刑について刑の一部だけ服役させ、残部を一年から五年の期間執行猶予する制度です。刑法27条の2が根拠で、実刑と全部執行猶予の中間に位置します。
平成25年(2013年)改正で新設され、平成28年(2016年)6月1日に施行されました。再犯防止のため、施設内処遇と社会内処遇を一本の判決で接続する目的で導入されました。
刑法27条の3で裁量的に付すことができ、薬物使用等一部猶予法では必須です。多くの事案で保護観察が付き、出所後も遵守事項のもとで監督されます。
判決日ではなく、実刑部分を服役し終えた日から起算します(刑法27条の2第2項)。まず実刑を務め、出所後に猶予の時計が動き出します。
全部執行猶予は一切服役しませんが、一部執行猶予は刑の一部を必ず服役したうえで残部を猶予します。本来実刑だった人を一部社会に戻す制度です。
猶予期間中の再犯など刑法27条の4・27条の5の取消事由に当たると猶予が取り消され、猶予されていた残刑を服役します。一部は必要的取消です。
一部執行猶予は判決時に裁判所が決める量刑の選択肢、仮釈放は服役後に行政機関が許可する早期釈放です。決定主体も時点も異なります。
薬物事犯で多く用いられます。一般則で要件を満たさなくても、薬物使用等一部猶予法が薬物事犯に限り要件を緩和し、保護観察付きの一部猶予の道を残しています。
刑全体のうち裁判官が「執行猶予しない」と定めた部分だけ服役します。たとえば拘禁刑二年で六月を一部猶予なら、一年六月服役して残り六月が猶予期間(一年から五年で別途設定)になります。猶予期間は出所日から数え始めます(刑法27条の2第2項)。業界裏話ヒント:実刑部分と猶予期間は別々に裁判官が決めるので、弁護活動次第で実際に服役する月数が動きます。「二年の判決=二年服役」ではない。判決主文の読み方を弁護人に必ず説明させること
刑法27条の2の一般要件を満たさなくても、薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律という特別法が、薬物事犯に限って一部猶予の道を別に用意しています。こちらは保護観察が必須です。業界裏話ヒント:この特別法は、繰り返す薬物依存を「隔離より治療」で断ち切る発想で作られたもの。依存症治療プログラムへの参加意欲を具体的に示せると、裁判官が一部猶予を選びやすくなる。やる気を口で言うだけでなく、受診予約や自助グループ参加の記録という形にするのが効く
一部執行猶予は、取消事由(刑法27条の4以下)に当たると猶予が取り消され、猶予されていた残りの刑を服役することになります。再犯の内容によっては必ず取り消される類型もあります。業界裏話ヒント:一部猶予には多くの場合保護観察が付き、遵守事項違反だけでも取消しの引き金になりうる。出所して気が緩んだ時期が最も危ない。保護司との面接や住所届出など、地味な遵守事項を一つ落とすだけで再収監されたケースが現実にある。出所後こそ気を抜かないこと
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 服役の有無 | 刑法27条の2:刑の一部を必ず服役し残部を猶予 | — |
| 決定の時点・主体 | 判決言渡し時に裁判所が決定 | — |
| 猶予・残期間の起算点 | 実刑部分を終えた日から猶予期間を起算(2項) | — |
| 監督・取消 | 保護観察を付しうる、取消で残刑を服役(27条の4以下) | — |
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