戸籍法 第113条
クイックジャンプ
戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第113条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第113条の条文原文は「戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請する…」で始まります。
- 戸籍法第113条は第五章 戸籍の訂正に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第113条の前の条は戸籍法第112条です。
- 戸籍法第113条の次の条は戸籍法第114条です。
- 戸籍法第113条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第113条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第113条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/113
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法113条は、戸籍の記載が法律上許されないもの、または錯誤・遺漏がある場合、利害関係人が家庭裁判所の許可を得て訂正を申請できると定める。重大な身分変更は116条の確定判決による。
Q · 戸籍に書かれた生年月日が間違っていたら、どうやって直すの?
家裁の許可を得て役所に訂正申請すれば直せる
戸籍法113条により、戸籍の記載に錯誤や遺漏がある場合、利害関係人は本籍地を管轄する家庭裁判所の許可を得て訂正を申請できます。許可審判が確定したら、1か月以内に審判書謄本と確定証明書を添えて市区町村役場に訂正を申請します(115条)。役所側の記載ミスなら職権訂正(24条)で済むこともあります。一方、親子関係の存否など身分関係の根幹に関わる訂正は、116条に基づく確定判決が必要です。
解説
役所の書類は正しいものだ。多くの人はそう信じているが、戸籍は人の手で書かれ、届出人の申告どおりに記載される。生年月日の一字違い、父母欄の漏れ、外国人配偶者の氏名のつづり違い。こうした誤りを見つけても、窓口で「直してください」と言うだけでは直らない。戸籍法113条によれば、利害関係人(本人、親族、相続人など、その記載によって身分上・財産上の影響を受ける人)が家庭裁判所の許可を得て、はじめて訂正を申請できる。ここで押さえておくべき分かれ道が一つある。家裁の許可で済むのは、原則として身分関係に重大な影響を及ぼさない比較的軽微な誤りに限られる。親子関係そのものを覆すような訂正は、116条に基づく確定判決(人事訴訟)が必要になる。どちらのルートを使うかで、かかる時間は数か月から一年以上まで変わる。実務上、その境界については解釈が分かれている。
法的な位置づけ
戸籍法113条は、戸籍の記載が法律上許されないもの、または錯誤・遺漏を含むものである場合に、利害関係人が家庭裁判所の許可を得て訂正を申請できる旨を定める規定である。実務上、その対象は身分関係に重大な影響を及ぼさない比較的軽微な事項に限られ、重大な身分事項の訂正は同法116条の確定判決による訂正に委ねられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.誤りの箇所と正しい事実を特定する 戸籍謄本の誤記・遺漏の箇所を特定し、正しい事実を示す資料(出生証明書、母子手帳、旧戸籍、外国の身分証明書など)を集める
- 2.役所で職権訂正の可否を確認する 本籍地の市区町村役場の戸籍係に、市区町村長の職権訂正(戸籍法24条)で扱えるかを確認する。役所側の記載ミスなら家裁を経ずに済むことがある
- 3.家庭裁判所に戸籍訂正許可を申し立てる 職権訂正ができない場合、本籍地を管轄する家庭裁判所に戸籍訂正許可の申立書を提出する。収入印紙800円と郵便切手を添える
- 4.審判確定後1か月以内に訂正を申請する 許可審判が確定したら、審判書謄本と確定証明書を添えて、1か月以内に市区町村役場へ戸籍訂正申請を行う(戸籍法115条)
- 5.必要に応じて戸籍の再製を申し出る 訂正の痕跡を残したくない場合、錯誤や市区町村長の過誤が原因であれば、戸籍法11条の2に基づく再製申出を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1戸籍訂正許可とは何ですか?
戸籍の誤記や記載漏れを直すために、家庭裁判所が訂正を認める審判です。戸籍法113条が根拠で、許可を得た後に役所へ訂正を申請します。
Q2戸籍訂正の申立てにかかる費用はいくら?
家庭裁判所への申立てには収入印紙800円と連絡用の郵便切手が必要です。戸籍謄本の取得費用も別にかかります。最新の金額は裁判所で確認してください。
Q3戸籍訂正許可の申立てはどこの家庭裁判所に出す?
原則として、訂正すべき戸籍のある本籍地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。住所地ではない点に注意が必要です。
Q4戸籍訂正の審判が出るまでどれくらいかかる?
事案によりますが、軽微な誤りなら申立てから1〜3か月程度が一つの目安です。資料が乏しい場合や照会が必要な場合はさらに長くなります。
Q5戸籍訂正の申立ては本人以外でもできる?
できます。戸籍法113条は申立権者を「利害関係人」としており、本人のほか親族や相続人など、記載により身分上・財産上の影響を受ける人が含まれます。
Q6戸籍訂正許可が出たら何をすればいい?
審判確定から1か月以内に、審判書謄本と確定証明書を添えて市区町村役場へ戸籍訂正を申請します(戸籍法115条)。怠ると過料の対象になりえます。
Q7戸籍訂正の申立てが却下されたらどうする?
告知から2週間以内に即時抗告ができます(家事事件手続法86条)。身分関係の根幹に関わる事項が理由なら、116条の人事訴訟ルートを検討します。
Q8戸籍訂正の申立てに必要な書類は?
申立書、訂正すべき戸籍の謄本、正しい事実を示す資料(出生証明書、母子手帳、旧戸籍、外国の身分証明書など)が基本です。事案により追加資料を求められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士に頼まないと家裁の戸籍訂正って無理ですか?
軽微な誤りであれば、本人申立てで十分対応できることが多い。申立書の書式は裁判所のウェブサイトにあり、戸籍謄本と正しい事実を示す資料を添付すれば審理が進む(戸籍法113条)。実務のポイント:申立ての前に、本籍地の役所の戸籍係に「職権訂正(24条)で扱えないか」を聞いておくとよい。役所側の記載ミスであれば、家裁を通さずに済むことがある
Q2親子関係が違うと分かったんですが、113条で直せますか?
原則として直せない。実務では、親子関係の存否のように身分関係に重大な影響を及ぼす訂正は、116条に基づき人事訴訟の確定判決を得て行うものとされている。113条の申立てをしても却下される可能性が高い。実務のポイント:嫡出否認や親子関係不存在確認では、どの訴えを使うか、出訴期間があるかで戦略が大きく変わる。家裁に行く前に、訴訟類型の選択を専門家と詰めること
間違えやすい点 AI による整理
- 役所のミスなのだから役所が勝手に直すはずだと思われがちである。たしかに市区町村長による職権訂正(24条)の道はある。しかし誤りが届出人の記入に由来する場合や、事実関係の確認が必要な場合、役所は動けない。誰も気づかなければ、誤った記載は何十年もそのまま残る。相続の場面で初めて発覚することも珍しくない
- 「どんな誤りでも家裁に申し立てれば直せる」と思うのは、問いの立て方そのものが違う。本当の問題は「どの手続で直すか」である。父子関係の不存在など、身分関係の根幹に関わる訂正は113条の許可では足りず、116条に基づき人事訴訟の確定判決を得る必要がある。入口を間違えれば、申立ては却下される
- あなたにとって、訂正は元に戻すだけの作業に見えるかもしれない。しかし戸籍の上では、誤った記載を線で消し、訂正の事実が書き加えられる。つまり訂正の履歴は証明書に残り続ける。結婚や就職の際に家族が戸籍謄本を見る場面で、この差を痛感する人がいる。痕跡を消したい場合は、11条の2の再製申出という別の手続まで考える必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の主体 | 113条:利害関係人が家裁の許可を得て申請 | 24条:市区町村長が職権で訂正 116条:確定判決を得た者が申請 |
| 対象となる誤り | 身分関係に重大な影響を及ぼさない軽微な錯誤・遺漏等 | 届出書類等から誤りが明白な記載 親子関係の存否など身分関係の根幹に関わる事項 |
| 必要な裁判手続 | 家事審判(相手方のない手続) | 不要(管轄法務局の許可を経る場合あり) 人事訴訟等の確定判決 |
| 所要期間の目安 | 数か月程度 | 比較的短期 一年以上に及ぶこともある |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では戸籍登記事項に錯誤・脱漏があれば戸政事務所への更正申請で扱われ、日本より行政手続で完結する場面が多い
韓国は2008年に戸籍制度を廃止し家族関係登録制度へ移行したが、家庭法院の許可による訂正という構造は日本と類似する
ドイツでは明白な誤りは戸籍局が自ら訂正し、それ以外は裁判所の命令による訂正となる二段階構造をとる
フランスでは身分証書の訂正は裁判所または共和国検事が扱い、軽微な誤記は検事が行政的に訂正できる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父の相続手続で出生から死亡までの戸籍を取り寄せたら、母の生年月日が一年ずれて記載されていた。銀行の窓口では「戸籍と住民票の記載が一致しない」と言われ、手続が止まってしまう。本籍地の家裁に許可を申し立て、審判書の謄本を持って役所に訂正を申請する。それが解除への最短ルートである
- 子どもの出生届を出した役所の担当者から、あなたに連絡が来たらどうなるか?「届出書の続柄欄の記入に誤りがあり、そのまま記載された」。この場合、あなたは届出人として訂正する立場にある。市区町村長の職権訂正(24条)で済むのか、113条の申立てが必要なのか、最初に窓口で確認すること
- 家裁の許可審判が出てから、もう三週間が経っている。訂正申請の期限は審判確定から1か月(115条)で、放置すれば過料の対象になりうる。審判書謄本と確定証明書をそろえ、今週中に役所へ行くこと
取るべき行動
被害を受けた側:1. 誤りの箇所を特定し、正しい事実を示す資料(出生証明書、母子手帳、旧戸籍、外国の身分証明書など)を集める2. 本籍地の市区町村役場で、職権訂正(24条)が可能かどうかを先に確認する3. 職権訂正ができない場合は、本籍地を管轄する家庭裁判所に戸籍訂正許可を申し立てる。収入印紙800円と郵便切手が必要(最新の改正状況をご確認ください) 4. 身分関係の根幹に関わる訂正だと言われたら、116条の人事訴訟ルートを弁護士に相談する
訴えられた側:誤った記載のせいで、あなたが他の相続人から疑われたり、訂正に反対されたりする立場の場合:1. 家裁の許可審判は相手方のいない手続だが、利害関係人として意見を述べたり、許可の審判に対して即時抗告を検討したりできる場合がある2. 訂正によって相続分が変わるおそれがあるなら、その訂正が113条で扱える軽微なものかどうかを争点にする3. 審判書の写しを入手し、根拠となった資料を確認する
時効(請求できる期限):113条の申立て自体に期限はない。ただし許可審判が確定した日から1か月以内に、審判書謄本を添付して訂正を申請しなければならない(戸籍法115条)。正当な理由なく怠ると過料の対象になりうる(戸籍法135条、最新の改正状況をご確認ください)。却下された場合の即時抗告は、告知から2週間以内(家事事件手続法86条)
学説
実務上の通説:113条の許可による訂正は軽微な事項に限られ、身分関係に重大な影響を及ぼす訂正は、対立当事者のある人事訴訟を経た確定判決(116条)によるべきとする。手続保障の観点から段階的に扱う考え方である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:現行戸籍法の制定により、家庭裁判所の許可による戸籍訂正の規定として置かれた(昭和23年1月1日施行)
- 戸籍法 第24条市区町村長による職権訂正
- 戸籍法 第114条無効な創設的届出の訂正許可
- 戸籍法 第115条許可審判後1か月以内の訂正申請
- 戸籍法 第116条確定判決による戸籍訂正
- 戸籍法 第11条の2訂正後の痕跡を消す戸籍再製
- 家事事件手続法 第39条別表第一事項として家裁が審判
- 人事訴訟法 第2条重大な身分訂正の前提となる訴訟
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める