戸籍法 第32条
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未成年者又は成年被後見人がその法定代理人の同意を得ないですることができる行為については、未成年者又は成年被後見人が、これを届け出なければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第32条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第32条の条文原文は「未成年者又は成年被後見人がその法定代理人の同意を得ないですることができる行為については、未成年者又は成年被後見人が、これを届け出なければならない。」で始まります。
- 戸籍法第32条は第一節 通則に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第32条の前の条は戸籍法第31条です。
- 戸籍法第32条の次の条は戸籍法第33条です。
- 戸籍法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法32条は、未成年者や成年被後見人が法定代理人の同意なしにできる行為(認知・婚姻・15歳以上の縁組等)について、本人自身が届出をしなければならないと定める。
Q · 未成年の子が出す認知届を、親が止めることはできる?
できない。認知に親の同意は不要で本人が届け出る
戸籍法32条により、法定代理人の同意なしにできる行為の届出は本人がしなければなりません。未成年者の認知には親の同意が不要とされているため(民法780条)、認知届は未成年の父本人が自分の署名で提出でき、親が窓口で止める手段はありません。受理後に争えるのは、血縁上の親子関係がない場合の認知無効の訴え(民法786条)などに限られ、しかも期間制限があります。
解説
役所の窓口で「親御さんの同意書はありますか」と聞かれて引き下がる必要がない届出がある。戸籍法32条は、未成年者や成年被後見人(判断能力が不十分として家庭裁判所が後見開始を決めた人)が法定代理人(親権者や成年後見人)の同意なしにできる行為については、本人が自分で届け出なければならないと定める。「同意なしにできる行為」は民法が決めている。代表例は、父親が未成年でもできる認知(民法780条)、成年被後見人の婚姻・協議離婚・養子縁組(民法738条など)、15歳以上の子の養子縁組や氏の変更だ。こうした身分行為(結婚や親子関係など、人の身分を決める行為)は本人の意思が核心であり、親でも後見人でも代わりに決められない。だからハンコを押すのも本人、窓口に出すのも本人になる。親が反対していても、後見人が眉をひそめても、届出の主導権は本人にある。逆に言えば、周りの大人がどれだけ気をもんでも、本人の届出を横から止める手段はほとんどない。止める道は届出の前か、無効を争う後にしかない。
法的な位置づけ
戸籍法32条は、未成年者又は成年被後見人が法定代理人の同意を得ずにすることができる行為について、その届出を本人がしなければならないとする規定である。法定代理人を届出義務者とする同法31条の特則として、民法上本人の意思のみで成立する身分行為(認知、成年被後見人の婚姻・協議離婚・縁組、15歳以上の者の縁組等)の届出主体を本人に固定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.届出が本人届出の対象か確認する 予定している届出が、法定代理人の同意なしにできる行為(認知、成年被後見人の婚姻・協議離婚・縁組、15歳以上の者の縁組・氏の変更など)に当たるかを確認する。当たる場合、届出人は本人になる
- 2.届書を本人が作成・署名する 市区町村役場で届書を入手し、本人が署名する。婚姻届・縁組届・協議離婚届は成年の証人2人の署名も必要。未成年者を養子とする縁組は、直系卑属の場合を除き家庭裁判所の許可審判書を添付する
- 3.本人確認書類をそろえて窓口に提出する 本人が窓口に出向き、マイナンバーカードや運転免許証などで本人確認を受けて提出する(戸籍法27条の2)。本籍地以外で届け出る場合など、戸籍証明書の添付が必要かどうかは提出先で確認する
- 4.受理後に戸籍の記載を確認する 受理から数日〜数週間後に戸籍謄本を取得し、記載内容を確認する。受理は形式審査の結果にすぎず、有効性の最終判断は裁判所に委ねられる点を意識しておく
- 5.家族側は事前の備えを残す 偽造届出が心配なら本人に不受理申出(戸籍法27条の2第3項)を出してもらう。本人の判断能力が心配なら、届出前に主治医の認知機能評価を記録に残してもらう
よくある質問 AI による整理
Q1戸籍法32条とは?
未成年者や成年被後見人が、親権者・後見人の同意なしにできる身分行為について、届出を本人自身がしなければならないと定める規定です。
Q2成年被後見人 婚姻届 後見人の署名は必要?
不要です。成年被後見人の婚姻に後見人の同意はいらず(民法738条)、届書には本人と相手方、成人の証人2人が署名します。
Q3未成年 認知届 親の署名 必要?
必要ありません。未成年者でも法定代理人の同意なしに認知でき(民法780条)、認知届は認知する本人が自分の名義で提出します。
Q415歳 養子縁組 本人だけで できる?
15歳以上なら本人が縁組の当事者として届出をします(民法797条参照)。ただし未成年者を養子にするには、直系卑属の場合を除き家庭裁判所の許可が必要です。
Q5成年後見人は婚姻届を取り消せる?
取り消せません。後見人の取消権(民法9条)は財産上の行為が対象で、婚姻には及びません。争うなら届出時の意思能力欠如を理由とする婚姻無効の手続です。
Q6成年被後見人は協議離婚できる?
できます。協議離婚にも民法738条が準用され(民法764条)、後見人の同意は不要です。離婚届も本人が届け出ます。
Q7戸籍法31条と32条の違いは?
31条は未成年者等が届出義務者のとき親権者・後見人を届出義務者とする原則、32条は同意不要の行為について本人を届出人とする特則です。
Q8認知症の親の婚姻届は無効にできる?
届出時に意思能力がなかったと立証できれば婚姻無効を主張できます。認知症の診断名だけでは足りず、届出日前後の医療・介護記録が勝負になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1未成年の息子が勝手に認知届を出しちゃいました。親として取り消せますか?
取り消せない。認知に法定代理人の同意は不要であり(民法780条)、認知した本人も取り消せない(民法785条)。争えるのは、血縁上の親子関係がない場合の認知無効の訴え(民法786条)くらいで、期限もある。実務のポイント:養育費の負担が心配なら、争うより家庭裁判所の養育費調停で、息子の現在の収入(学生ならほぼゼロ)を前提にした金額を決めるほうが現実的だ。収入が増えれば後から増額を請求される前提で考えておく
Q2後見人をしている母が再婚すると言ってます。後見人の立場で止められないんですか?
止められない。成年被後見人の婚姻に成年後見人の同意は不要であり(民法738条)、届出は本人がする(戸籍法32条)。婚姻は財産上の契約と違い、後見人による取消の対象にならない。実務のポイント:勝負は届出の前に決まる。入籍の話が出た時点で、主治医に長谷川式などの認知機能検査を依頼し、カルテに残してもらう。後から「意思能力がなかった」と主張する唯一の武器になる
Q3成年被後見人が婚姻届を出すとき、窓口で何か特別な確認はあるんですか?
戸籍の窓口は書類の形式を審査する場であり、本人の判断能力を調べる権限はない。本人確認(戸籍法27条の2)はあっても、意思能力の有無は窓口では判断されない。医師の診断書の添付を求めるかどうかは、実務の取扱いを最新のものでご確認いただきたい。実務のポイント:受理されたことは「有効な婚姻」の証明にはならない。受理はあくまで入口であり、有効かどうかは裁判所が決める
間違えやすい点 AI による整理
- 「未成年の息子が勝手に認知しないよう、親の同意書を出させればいい」と考える親は多いが、問いの立て方そのものがずれている。認知には最初から同意という関門が存在しない。親が介入できる場面は法律上用意されておらず、できるのは話し合いだけだ
- 成年被後見人でも結婚できることは知られているが、その影響の深さは知られていない。財産上の契約なら後見人が取り消せるのに(民法9条)、婚姻は取り消せない。争えるのは「届出時に意思能力がなかった」という婚姻無効だけで、立証責任は争う側の親族にのしかかる。認知症の診断名だけでは足りない
- 親や家族から見れば「保護されている人が勝手に届け出た」出来事でも、法律から見れば「本人が本人にしかできない行為をした」だけである。2022年4月に成年年齢が18歳へ下がり未成年の婚姻がなくなったため、未成年者について本条が働くのは、いまは認知・15歳以上の縁組・氏の変更などに絞られている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 届出をする人 | 戸籍法32条:未成年者・成年被後見人本人 | 戸籍法31条:親権を行う者・後見人(本人の届出も妨げない) 戸籍法27条の2:届出人の本人確認と不受理申出 |
| 対象となる場面 | 同意なしにできる身分行為(認知・成年被後見人の婚姻・15歳以上の縁組等) | 未成年者等が届出義務者となる届出一般 窓口に出頭した者が届出人本人かどうかの確認 |
| 法定代理人の関与 | 関与なし。同意も代理も不要 | 代理人が届出義務を負う 関与なし。本人自身が不受理申出で防御 |
| 周囲が争う手段 | 受理後の婚姻無効・縁組無効・認知無効の主張 | 届出内容の誤りについての戸籍訂正 不受理申出による受理前の阻止 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も認領・結婚等の登記は当事者本人を申請人とする構造。2023年の成年年齢18歳化で未成年者の結婚は想定されなくなった点も日本と共通
ドイツでは制限行為能力者の父性承認は本人のみが行えるが、法定代理人の同意を要する。同意を不要とする日本(民法780条)とは保護の設計が異なる
フランスは子の認知など「厳格に一身専属的な行為」を列挙し、保護を受ける成年者について代理も補佐も許さないと明文で定める
米国では親子関係の任意承認を州法で規律し、未成年者による署名の扱いは採用州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 高校3年、17歳。付き合っている彼女が妊娠した。自分の親は「認知なんてするな」と怒鳴るが、認知に親の同意はいらない(民法780条)。認知届(戸籍法60条)は彼が自分の署名で出せる。ただし一度受理されれば、扶養義務(民法877条)も相続関係も確定する。紙一枚の重さを知ってから出すべきだ
- 認知症で成年後見を受けている82歳の父が、半年前に知り合った女性と婚姻届を出していたら、どうなる? 後見人である長男の同意は法律上不要(民法738条)。後見人だからといって取り消すことはできず、争う道は「届出の時点で父に意思能力がなかった」として婚姻無効を訴えることだけになる。相続の構図は一夜で書き換わる
- あなたは成年後見人で、被後見人の母が「来週、あの人と入籍する」と言い出した。届出の日は迫っている。止める権限はない。あなたにできるのは、その時点の母の判断能力を医師の記録で残すことだけだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 戸籍謄本を取得し、届出の日付と届出人を確認する2. 届出日前後の診療録、介護記録、後見の記録を集め、本人の判断能力を裏付ける3. 意思能力がなかったと言えるなら、家庭裁判所に婚姻無効・縁組無効の調停を申し立て、不成立なら人事訴訟へ進む4. 偽造の疑いがあれば、有印私文書偽造・公正証書原本不実記載として警察に相談する5. 今後に備え、本人に不受理申出を出してもらう
訴えられた側:親族から「届出は無効だ」と迫られた本人や相手方は、届出時点で本人が意味を理解していたことを示す材料を残す。本人の言葉を記録したメモや動画、証人の陳述、医師の意見書などだ。後見人の同意がないことは無効の理由にならない(民法738条、780条)。反論の軸は意思能力の有無に絞ってよい
時効(請求できる期限):認知・婚姻・縁組などの創設的届出(届出によって効力が生まれる届出)に期限はなく、受理の時点で効力が生じる。婚姻無効・縁組無効の主張にも期間制限はない。これに対し認知無効の訴えは、令和4年(2022年)民法改正(2024年4月施行)により、原則として子・認知者・母がそれぞれ定められた時点から7年以内に限られた(民法786条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:身分行為は本人の意思に基づくことを本質とし、意思能力がある限り制限行為能力者も単独で行える。本条はこの実体法上の原則を戸籍手続に反映したもので、届出人を本人に限ることで代理人による意思の置き換えを防ぐ。
実務上の整理:2022年4月の成年年齢引下げと婚姻適齢の統一(男女とも18歳)により未成年者の婚姻はなくなった。現在、未成年者について本条が働く場面は認知、15歳以上の縁組・離縁、氏の変更などに限られる。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)成年後見制度導入に伴う改正(2000年施行) 禁治産制度の廃止に伴い、「禁治産者」の文言を「成年被後見人」に改めたとみられる(人的検証が必要)
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法施行に伴う戸籍法全部改正(昭和22年法律第224号)で現行戸籍法が制定され、本条も設けられた
- 2.平成11年(1999年) 改正:成年後見制度の導入(2000年施行)に伴い、禁治産者に関する文言が成年被後見人に改められたとみられる(改正法の特定は要確認)
- 戸籍法 第31条未成年者等の届出義務者を法定代理人とする原則
- 戸籍法 第60条認知届の届出事項
- 戸籍法 第66条縁組届の届出人
- 戸籍法 第74条婚姻届の届出事項
- 戸籍法 第27条の2窓口の本人確認と不受理申出
- 民法 第738条成年被後見人の婚姻に同意不要とする実体規定
- 民法 第780条未成年者等の認知に同意不要とする実体規定
- 民法 第797条15歳未満は代諾、15歳以上は本人が縁組
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