戸籍法 第60条
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- 認知をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
- 一父が認知をする場合には、母の氏名及び本籍
- 二死亡した子を認知する場合には、死亡の年月日並びにその直系卑属の氏名、出生の年月日及び本籍
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第60条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第60条の条文原文は「認知をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。」で始まります。
- 戸籍法第60条は第三節 認知に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第60条の前の条は戸籍法第59条です。
- 戸籍法第60条の次の条は戸籍法第61条です。
- 戸籍法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法60条は、認知届の記載事項を定める。父が認知する場合は母の氏名と本籍を、死亡した子を認知する場合は死亡年月日と直系卑属の氏名・出生年月日・本籍を届書に書く。
Q · 認知届には、普通の届出事項のほかに何を書かなければいけないの?
父の認知なら母の氏名・本籍、亡くなった子なら孫等の情報
戸籍法60条により、認知届には一般的な記載事項(同法29条)に加えて特別の事項を書きます。父が認知する場合は母の氏名と本籍です。すでに死亡した子を認知する場合は、子の死亡の年月日と、その子の直系卑属(子や孫)の氏名・出生の年月日・本籍を書きます。死亡した子の認知は直系卑属がいる場合に限られ、直系卑属が成年ならその承諾も必要です(民法783条2項)。
解説
認知届は用紙一枚、記入欄も十数か所しかない。それでも受理された瞬間に法律上の父子関係が生まれ、扶養義務も相続権も同時に動き出す。戸籍法60条は、その届書に何を書くかを定めた条文で、特に二つの欄を指定している。一つ目は、父が認知する場合の母の氏名と本籍である。判例上、母と子の関係は出産した事実だけで当然に成立する(最判昭和37.4.27)。そのため実務上の認知はほぼ父がする手続であり、どの母から生まれた子なのかを戸籍上でつなぐためにこの欄が必要になる。二つ目は、すでに亡くなった子を認知する場合の、その子の直系卑属(子や孫など、その子の血を引く下の世代)の氏名・生年月日・本籍である。民法783条2項により、死亡した子を認知できるのは直系卑属がいる場合に限られ、その直系卑属が成年であれば本人の承諾も要る。つまりこの欄は、亡くなった子の先にいる孫へ、親族関係と相続のつながりを伸ばすための欄である。認知は届出によって初めて効力が生じる届出(創設的届出)であり、出した後に気が変わっても取り消すことはできない(民法785条)。書く前に知っておくべきことは、記入欄の数よりずっと多い。
法的な位置づけ
戸籍法60条は、認知の届出における届書の記載事項を定める規定である。認知をしようとする者は、一般的記載事項に加え、父が認知する場合には母の氏名及び本籍を、死亡した子を認知する場合には死亡の年月日並びにその直系卑属の氏名、出生の年月日及び本籍を記載して届け出なければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.認知の要件と承諾者を確認する 子が成年なら子本人の承諾(民法782条)、胎児なら母の承諾、死亡した子なら直系卑属がいること、その直系卑属が成年なら承諾(民法783条)が必要かを確認する
- 2.60条の特別記載事項の情報を集める 父が認知する場合は母の氏名と本籍を、死亡した子を認知する場合は死亡の年月日と直系卑属の氏名・出生の年月日・本籍を、戸籍謄本等で正確に確認する
- 3.認知届書を記入し証人の署名を得る 市区町村で認知届書を入手し、一般的記載事項と60条の特別記載事項を記入する。任意認知では成年の証人2名の署名を得る
- 4.市区町村役場に提出する 届出人の本籍地または所在地の市区町村役場に提出する。窓口で本人確認書類を提示する。受理の時点で認知の効力が生じ、以後撤回はできない
よくある質問 AI による整理
Q1認知届とは何ですか?
婚姻関係にない父母の子について、父が自分の子であると認めて市区町村に出す届出です。受理によって法律上の父子関係が生じる創設的届出です。
Q2認知届はどこに出せばいいですか?
届出人の本籍地、または所在地の市区町村役場に提出します(戸籍法25条)。子の本籍地などへの提出も実務上認められています。
Q3認知届に母の本籍が分からないときはどうする?
母の本籍は60条の必要的記載事項です。母本人に確認するか、母の戸籍謄本・住民票(本籍記載)で確認してから記入します。空欄では受理されない可能性があります。
Q4認知届の証人は必要ですか?
任意認知の届書には、成年の証人2名の署名が必要とされています。裁判認知の届出では証人は不要です。
Q5子どもが成人していても認知できる?
できます。ただし成年の子を認知するには、その子本人の承諾が必要です(民法782条)。承諾がなければ届出は受理されません。
Q6認知届を出すと子の戸籍はどうなる?
子の戸籍の身分事項欄に認知の事実と父の氏名が記載されます。子の氏や戸籍は自動では変わらず、父の氏にするには家庭裁判所の許可と入籍届が必要です。
Q7認知届 必要書類は?
認知届書と届出人の本人確認書類が基本です。成年の子や胎児、死亡した子の認知では承諾書の添付が必要になる場合があります。事前に市区町村窓口で確認を。
Q8認知届 取り下げできる?
受理後に撤回(取り消し)はできません(民法785条)。事実に反する認知であれば、認知無効の訴え(民法786条)という裁判手続で争うことになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認知届を出したら、父親の今の家族にバレますか?
父の戸籍の身分事項欄に認知の事実が記載されるため、戸籍謄本を見れば分かる。ただし役所から家族へ通知が行く仕組みはない。転籍すれば父側の認知事項は新しい戸籍に書き写されないが、除籍簿には残る(戸籍法60条の届出がその出発点になる)。実務のポイント:隠し通せるのは生きている間だけである。相続手続で出生からの戸籍を集めた瞬間に必ず判明するので、遺言で相続関係を整理しておく方が、残された家族どうしの衝突は小さく済む
Q2亡くなった息子を今から認知して、孫に財産を残せますか?
直系卑属がいる場合に限って認知でき(民法783条2項)、届書には孫の氏名・生年月日・本籍を書く(戸籍法60条)。孫が成年なら、孫本人の承諾が必要である。認知すると孫とあなたは法律上の祖父と孫になり、あなたの死後、孫は亡き息子に代わって相続する代襲相続人になりうる(民法887条2項)。実務のポイント:遺贈なら認知しなくても財産を渡せるが、代襲相続人になれば遺留分(最低限保障される取り分)まで守られる
間違えやすい点 AI による整理
- あなたにとって認知届は「父親としての気持ちを示す書類」かもしれない。だが法律から見れば、扶養義務、相続権、親権者を変更できる可能性、場合によっては子の国籍まで連動するスイッチである。記入欄が少ないからといって、効果が小さいわけではない。この落差を知らずに気軽に署名すると、後から動かせなくなる
- 「母親は子を認知しなくていいのか」と疑問に思う人がいるが、この問い自体が前提からずれている。判例上、母と子の関係は出産した事実によって当然に発生する(最判昭和37.4.27)。だから60条は、父が認知する場合にだけ母の氏名と本籍の記載を求めている
- 転籍すれば父の戸籍から認知の記載が消える、ということは比較的知られている。父側の認知事項が新しい戸籍に書き写されない扱いがあるからだ。しかし消えるのは新しい戸籍の表面だけで、除籍簿や改製原戸籍には記録が残る。相続手続では亡くなった人の出生から死亡までの戸籍をすべて集めるため、認知した子の存在は父の死後にほぼ確実に判明する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる認知 | 戸籍法60条:生存中の子・死亡した子の任意認知 | 戸籍法61条:胎児認知 戸籍法63条:裁判による認知 |
| 特別の記載事項 | 父が認知する場合の母の氏名・本籍、死亡した子の直系卑属の情報 | 胎児認知である旨、母の氏名・本籍 裁判が確定した日 |
| 届出期間 | 期間の定めなし(届出によって効力が生じる) | 期間の定めなし(母の本籍地に届け出る) 裁判確定の日から10日以内(報告的届出) |
| 承諾の要否 | 成年の子・成年の直系卑属の承諾(民法782条・783条2項) | 母の承諾(民法783条1項) 不要(裁判で父子関係が確定済み) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では認領は民法上の行為として成立し、戸籍法上の認領登記を行う。婚外子は生父の認領により婚生子とみなされる。
韓国は戸籍制度廃止後、家族関係登録法の下で認知申告を行う。日本と同様に申告によって効力が生じる。
ドイツの父性承認は公的証書による方式を要し、原則として母の同意が必要である。役所への届出で完結する日本より要式性が高い。
米国では多くの州が、出生時に病院等で署名する任意の父性承認書(VAP)の制度を採用している。州ごとに扱いが異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし父親が認知届を出す前に事故で亡くなったら、どうなる? 本人による任意の認知はもうできず、残る道は死後認知の訴え(民法787条)だけになる。期限は父の死亡の日から3年。DNA 鑑定の資料になる遺品や、父方の親族の協力を確保できるかどうかが勝負になり、残り日数は毎日減っていく
- 交際相手に頼まれ、自分の子ではないと知りながら認知届に署名したとする。日本国籍を取らせることが目的の偽装認知なら、公正証書原本不実記載罪(刑法157条)に加えて国籍法の虚偽届出罪にも問われうる。後悔しても「取り消し」はできず(民法785条)、残るのは認知無効の訴えという重い手続だけである
- 30歳で亡くなった息子に5歳の娘がいる。息子の実父として今から認知すれば、あなたとその孫は法律上の祖父と孫になる。届書には孫の名前と本籍を書くことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 父が自分から認知する場合は、母欄を正確に書くために戸籍謄本で本籍を確認しておく2. 子が成年なら子本人の承諾が、亡くなった子を認知するなら成年の直系卑属の承諾が必要(民法782条、783条2項) 3. 父が認知に応じない場合は、まず家庭裁判所に認知調停を申し立てる(調停を経ることが原則、家事事件手続法257条)。審判や判決が確定したら、申し立てた人が確定日から10日以内に届け出る(戸籍法63条)
訴えられた側:1. 親子関係に確信がなければ、署名する前に DNA 鑑定を受ける。認知は後から取り消せない(民法785条) 2. 自分の知らない認知届を出されるおそれがあるなら、本籍地の市区町村に不受理申出をしておく(戸籍法27条の2第3項) 3. 事実に反する認知がされた場合は、認知無効の訴え(民法786条)を検討する。令和4年(2022年)改正で、訴えられる人と期間が限定され、期間は原則7年となった(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):本人が自分から認知する任意認知の届出には期限がなく、父の生存中はいつでもできる。裁判による認知は確定日から10日以内(戸籍法63条)、遺言による認知は遺言執行者が就任した日から10日以内(同64条)に届け出る。父の死後に認知を求める訴えは、父の死亡の日から3年を過ぎると起こせない(民法787条)。届出の期間を守らないと5万円以下の過料(戸籍法137条)の対象になる
学説
通説:任意認知は戸籍法の定める届出によって効力を生じる要式行為である(民法781条1項)。戸籍法60条の特別記載事項は、認知によって生じる親子関係の範囲と、影響を受ける者を戸籍上特定するための要件と解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に伴う家族法改正にあわせて現行戸籍法が制定され、認知届の記載事項として本条が置かれた。
- 戸籍法 第61条胎児認知の届出事項と届出地
- 戸籍法 第62条嫡出子出生届に認知届の効力
- 戸籍法 第63条裁判認知の10日以内届出
- 戸籍法 第64条遺言認知の執行者による届出
- 戸籍法 第27条の2届出時の本人確認と不受理申出
- 民法 第781条認知は戸籍法の届出で行う実体規定
- 民法 第783条胎児・死亡した子の認知要件
- 民法 第786条事実に反する認知の無効の訴え
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