戸籍法 第74条
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- 婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
- 一夫婦が称する氏
- 二その他法務省令で定める事項
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第74条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第74条の条文原文は「婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。」で始まります。
- 戸籍法第74条は第六節 婚姻に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第74条の前の条は戸籍法第73条の2です。
- 戸籍法第74条の次の条は戸籍法第75条です。
- 戸籍法第74条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第74条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第74条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/74
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法74条は、婚姻届に「夫婦が称する氏」と法務省令で定める事項を記載して届け出るよう定める。婚姻は、この届出が受理されることで効力を生じる。
Q · 婚姻届には何を書かなければいけないの?
夫婦が称する氏と、法務省令が定める事項です
戸籍法74条は、婚姻届に「夫婦が称する氏」と「その他法務省令で定める事項」を書くよう求めています。法務省令(戸籍法施行規則)では、同居を始めた時期や初婚・再婚の別などが定められています。婚姻は届出が受理されて初めて効力を生じます(民法739条)。日本人同士の婚姻では、氏の欄を空欄にした届書は受理されません。成年の証人2名の署名も必要です。
解説
結婚式を挙げても、指輪を交換しても、十年一緒に暮らしても、日本の法律の上では他人のままである。二人が夫婦になるのは、役所の窓口に出した一枚の紙が受理されたときだけだ(民法739条は、この届出を婚姻が効力を持つための条件にしている)。戸籍法74条は、その紙に何を書くかを決めている。条文が名前を挙げて求める記載事項は一つしかない。「夫婦が称する氏」である。夫の氏にするか妻の氏にするかという二択のチェック欄が、あなたの銀行口座、パスポート、資格の登録、ネット上の実績の名義をどれだけ書き換えることになるかを決める。しかもこの選択は、婚姻中は原則としてやり直せない(家庭裁判所の許可を得て氏を変えるには「やむを得ない事由」が必要で、認められるのはまれである)。同居を始めた時期や、初婚かどうかといった残りの記載事項は、法務省令である戸籍法施行規則に任されている。記入例をなぞって五分で書き上げる人と、この欄の重さを知ったうえで書く人とでは、その後十年の手間がまるで違ってくる。
法的な位置づけ
戸籍法第74条は、婚姻の届出で届書に書く事項を定める規定である。婚姻をしようとする者は、夫婦が称する氏およびその他法務省令で定める事項を届書に記載して届け出なければならない。民法739条の届出婚主義と民法750条の夫婦同氏原則を、戸籍事務の手続として具体化する機能を持つ。
よくある質問 AI による整理
Q1婚姻届の「夫婦が称する氏」とは?
婚姻後に夫婦が名乗る氏で、夫の氏か妻の氏のどちらかを選びます。戸籍法74条が届書への記載を求め、選ばれた氏を名乗ってきた側が新戸籍の筆頭者になります。
Q2婚姻届の氏の欄を空欄で出せる?
日本人同士の婚姻では出せません。民法750条と戸籍法74条により夫婦の氏の記載は必須で、空欄の届書は窓口で補正を求められ、直さなければ受理されません。
Q3婚姻届はどこの役所に出す?
夫婦どちらかの本籍地、または届出人の所在地の市区町村役場に出せます(戸籍法25条)。所在地には住所地だけでなく一時的な滞在地も含まれるため、旅行先でも提出できます。
Q4婚姻届が受理されないのはどんな場合?
氏の未記載、証人2名の署名不備、婚姻適齢(18歳)未満、重婚、近親婚など、民法の婚姻要件や方式を欠く場合です。窓口では書類の形式をもとに審査します。
Q5結婚した後で夫婦の氏を変えられる?
原則としてできません。やむを得ない事由があれば家庭裁判所の許可を得て氏を変更できますが(戸籍法107条1項)、許可の基準は厳しく、認められる例はまれです。
Q6夫婦別姓はいつから選べる?
現時点で選択的夫婦別姓は法制化されていません。最高裁は夫婦同氏の制度を合憲とし、見直しを国会に委ねています。最新の改正状況をご確認ください。
Q7婚姻届の新本籍はどこにしてもいい?
日本国内で地番が存在する場所なら、住所と無関係に選べます。後から転籍して移すこともできますが、戸籍証明書を取る窓口が遠くなる点は考えておく必要があります。
Q8婚姻届は郵送でも出せる?
郵送でも提出できます。この場合、届出の効力は役所に届いて受理された時に生じるため、記念日を合わせたい人は窓口への持参が確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所が閉まってる休日でも婚姻届って出せるの?
出せる。時間外窓口で書類を預かり、役所が開いている日に審査する。受理されれば、提出した日が婚姻の日になる。本人確認ができなかった届出には、後日その旨の通知が届く(戸籍法27条の2第2項)。実務のポイント:記念日を決めているなら、平日のうちに窓口で下書きを見てもらうとよい。休日に出した後で補正が必要になると、日付がずれるおそれがある
Q2旧姓のまま仕事を続けたいけど、どうすればいい?
婚姻届ではどちらかの氏を選ぶ必要がある(民法750条、本条)。そのうえで、住民票・マイナンバーカード・パスポートには申請すれば旧姓を併記できる。実務のポイント:夫の氏を選ぶ夫婦は約95% だが、法律はどちらを選ぶべきとは決めていない。事実婚という選択もあるが、相続権や配偶者控除を失う。そこまで比べたうえで決めるべきである
Q3証人って親じゃなきゃダメ? 押印も必要?
成年であれば、友人でも外国人でも証人になれる。2名が必要である(民法739条2項)。証人は生年月日・住所・本籍を書いて署名する(戸籍法33条)。令和3年(2021年)9月からは押印が不要になった。実務のポイント:押印がなくなったぶん、署名は必ず本人に書いてもらうこと。代わりに書くと、私文書偽造と疑われる材料になる
Q4婚姻届に戸籍謄本はまだ添付するの?
令和6年(2024年)3月1日からは、戸籍情報のシステム連携が始まったため、原則として添付しなくてよい。実務のポイント:窓口の端末で確認できない古い記録が残っているなど、例外的に書類を求められることもある。遠方に本籍がある人は、提出先の役所に事前に電話しておくと二度手間を避けられる(最新の運用をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「婚姻届は役所がチェックしてくれるから、出せば安心」と思われがちだが、窓口の審査は書類の形式を見る審査である。本人に結婚する意思があるかどうかまでは確かめない。だから偽造された届出も受理されることがある。それを消すには、家庭裁判所で婚姻無効を確定させてから戸籍の訂正を申請する(戸籍法116条)という長い手続が必要になる
- 役所の窓口で「夫婦別姓は選べますか」と尋ねる人がいるが、問いの立て方がずれている。今の民法750条と本条のもとでは、日本人同士の婚姻で氏の欄を空欄にした届書は受理されない。最高裁は平成27年(2015年)と令和3年(2021年)に、夫婦同氏の制度を合憲と判断した。選択的夫婦別姓は国会で議論されている立法の問題であり(最新の改正状況をご確認ください)、窓口で交渉して決まる話ではない。逆に外国人と結婚する場合は、何もしなければ氏は変わらない
- 証人欄はおまけのようなものだと軽く見られているが、成年2名の署名は民法739条2項が求める方式であり、欠けていれば窓口は受け付けない。一方で、証人の不備を見落としたまま受理された婚姻は有効として扱われる(民法742条2号ただし書)。つまり証人は、婚姻が成立するかどうかではなく、受理されるかどうかを分ける関門である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 戸籍法74条:婚姻届の記載事項(夫婦が称する氏など) | 戸籍法107条:外国人配偶者の氏への変更などの氏変更届 戸籍法16条:婚姻による新戸籍の編製と筆頭者 |
| 氏の決め方 | 日本人同士は夫か妻の氏を二択で記載 | 外国人との婚姻では、6か月以内の届出で外国人配偶者の氏に変更可(2項) 届書で選んだ氏を名乗ってきた側が筆頭者になる |
| 家庭裁判所の関与 | 不要(届出が受理されれば効力が生じる) | 1項はやむを得ない事由と家裁許可が必要/2項は期間内なら不要 不要(受理に伴い戸籍事務として編製される) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は書面・証人2名・戸政機関での登記により婚姻が成立する。夫婦はそれぞれ本来の姓を保持するのが原則で、書面による約定があれば配偶者の姓を冠することができ、日本のような同氏の強制はない。
韓国も申告婚主義をとる。夫婦別姓(婚姻による姓の変更なし)が原則のため、婚姻申告では夫婦の姓ではなく子の姓・本の協議の有無などが記載事項になる。
ドイツでは婚姻氏(Ehename)の決定は任意で、定めなければ各自が婚姻前の氏を保持する。婚姻は戸籍官(Standesbeamter)の面前での意思表示によって成立する。
米国では州が発行する婚姻許可証と挙式・登録で婚姻が成立する。氏の変更は任意で、許可証の申請時や事後の手続で選べる州が多い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 婚姻届を土曜の夜に時間外窓口へ出したら、結婚記念日はいつになる? 役所が開いている日に審査して不備がなければ受理され、効力は提出した日にさかのぼる。ただし記入漏れで補正を求められると、その日付がずれるおそれがある。記念日にこだわるなら、平日のうちに窓口で記載内容を事前に確認してもらっておく
- 別れ話に応じない交際相手から「勝手に婚姻届を出してやる」と言われた。役所の窓口は書類の形式しか審査しないため、署名を偽造された届書でも受理されることがある。今日のうちに役所で不受理申出(戸籍法27条の2第3項)をしておけば、あなたが自分で窓口に来て出したと確認できない届出は受理されない
- あなたは友人に頼む手間を省こうとして、証人欄に友人の名前を本人に断りなく書いてしまった。婚姻そのものは有効になる可能性が高い(民法742条2号ただし書)。しかしあなたのしたことは有印私文書偽造・同行使(刑法159条、161条)にあたりうる。
- 外国人の夫の姓を名乗りたい。婚姻の日から6か月以内なら、家庭裁判所を通さずに届出だけで変えられる(戸籍法107条2項)。7か月目に入ると家庭裁判所の許可が必要になる。
- 旧姓で十年分の実績を積んできたフリーランスのデザイナー。「夫の氏」に何となく印を付ける前に、請求書の名義、事業用口座、屋号、資格登録、ポートフォリオサイトを一覧にしておく。住民票やマイナンバーカードには旧氏を併記できるが、旧姓名義の口座を認めるかどうかは金融機関によって違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 身に覚えのない婚姻が載っていないか、戸籍証明書を取って確認する2. まだ載っていなければ、すぐに本人が役所で不受理申出をする(戸籍法27条の2第3項) 3. すでに受理されていたら、家庭裁判所に婚姻無効の調停を申し立てる(民法742条1号)。審判や判決が確定したら1か月以内に戸籍訂正を申請する(戸籍法116条) 4. 偽造が疑われるなら、届書の写しを保全したうえで警察に相談する
訴えられた側:1. 相手から「結婚する気はなかった、婚姻は無効だ」と主張されたら、届出の時点で意思があったことを示す証拠を集める。LINE のやり取り、同居の実態、挙式、親族への紹介などである2. 届出の時に意思があったなら、あとで気持ちが変わっても婚姻は無効にならない。解消したいなら離婚の手続になる3. 窓口で補正を求められたら、その日のうちに追完して受付日を守る
時効(請求できる期限):婚姻届は届け出ることで婚姻を成立させる「創設的届出」なので、出生届の14日のような提出期限はない。効力は届出が受理された時点で生じる(受理されれば提出日にさかのぼる)。関連する期限:外国人配偶者の氏に変える届出は婚姻の日から6か月以内(戸籍法107条2項)。日本人が外国の方式で結婚したときは、結婚の証書の謄本を3か月以内に提出する(戸籍法41条)。婚姻無効の裁判が確定してからの戸籍訂正申請は1か月以内(戸籍法116条)
学説
通説・戸籍実務:戸籍事務管掌者の審査は形式的審査にとどまる。本条の記載事項を欠く届書は補正の対象となり、補正されなければ受理されないが、当事者の婚姻意思の有無までは審査されない。
制度改革論:夫婦同氏を戸籍手続で強制する本条1号は、氏を改める側(多くは妻)に不利益が偏るとして、選択的夫婦別姓の導入に合わせて記載事項の見直しを求める見解がある。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に伴う家族法改正に合わせて、現行戸籍法が制定された。婚姻届の記載事項として夫婦が称する氏などを定めた。
- 戸籍法 第16条婚姻による新戸籍の編製と筆頭者
- 戸籍法 第27条の2本人確認と不受理申出
- 戸籍法 第33条証人の記載事項と署名
- 戸籍法 第107条外国人配偶者の氏への変更届
- 戸籍法 第116条確定判決に基づく戸籍訂正
- 民法 第739条届出を婚姻の効力発生要件とする
- 民法 第750条夫婦同氏の実体規定
- 民法 第742条婚姻の無効事由と方式違反の扱い
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