戸籍法 第16条
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- 婚姻の届出があつたときは、夫婦について新戸籍を編製する。但し、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
- 2.前項但書の場合には、夫の氏を称する妻は、夫の戸籍に入り、妻の氏を称する夫は、妻の戸籍に入る。
- 3.日本人と外国人との婚姻の届出があつたときは、その日本人について新戸籍を編製する。ただし、その者が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第16条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第16条の条文原文は「婚姻の届出があつたときは、夫婦について新戸籍を編製する。但し、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限…」で始まります。
- 戸籍法第16条は第三章 戸籍の記載に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第16条の前の条は戸籍法第15条です。
- 戸籍法第16条の次の条は戸籍法第17条です。
- 戸籍法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第16条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法16条は、婚姻の届出があったとき夫婦について新戸籍を編製すると定める。ただし氏を称する側がすでに筆頭者なら、相手がその戸籍に入る。
Q · 結婚したら、夫の実家の戸籍に入るの?
入らない。夫婦で新戸籍が作られ、親の戸籍からは除籍される
戸籍法16条1項により、婚姻の届出があると夫婦について新しい戸籍が作られ、選んだ氏の側の者が筆頭者になります。親の戸籍に入ることはありません。例外は、選んだ氏の側の者がすでに自分の戸籍の筆頭者である場合で、このときは新戸籍を作らず、相手がその戸籍に入ります(同項但書・2項)。外国人との婚姻では、日本人について新戸籍が作られ、外国人配偶者は戸籍に入りません(3項)。
解説
「〇〇家に嫁ぐ」という言い回しは、戸籍の上では七十年以上前に役目を終えている。婚姻届が受理されると、原則として夫婦二人だけの新しい戸籍が作られる。どちらの親の戸籍にも入らない(16条1項本文)。例外は一つだけである。選んだ氏の持ち主が、すでに自分の戸籍の筆頭者(戸籍の先頭に記載される人)であれば、新しい戸籍は作られず、相手がその戸籍に入る(同項但書、2項)。つまり、婚姻届の「婚姻後の夫婦の氏」欄にチェックを入れた瞬間、戸籍をどこに作るか、誰が筆頭者になるかが決まる。再婚相手が筆頭者なら、あなたが入るのは、元配偶者の「除籍」の記録が残っている戸籍である。外国人と結婚する日本人については、その日本人について新しい戸籍が作られる(3項、すでに筆頭者であれば既存の戸籍のまま)。外国人配偶者は戸籍に入らず、身分事項欄に婚姻の事実が記載されるだけである。役所の書類を埋める作業に見えるが、実際には家族の記録の設計図を描いている。
法的な位置づけ
戸籍法16条は、婚姻の届出に伴う戸籍の編製を定める規定である。婚姻届が受理されると夫婦を単位とする新戸籍を編製するのが原則であり、夫婦が称する氏の側の者がすでに戸籍の筆頭者である場合に限り、相手方がその既存の戸籍に入る。日本人と外国人の婚姻では、日本人についてのみ新戸籍を編製する。
手順
- 1.夫婦の氏を先に話し合って決める 婚姻届の「婚姻後の夫婦の氏」欄は、戸籍の作られ方と筆頭者を決める欄である。提出後に変えるには家庭裁判所の許可が必要なので、提出前に二人で決めておく
- 2.氏を称する側が筆頭者かどうか確認する 氏を称する側の戸籍謄本(全部事項証明書)を取り寄せ、本人が筆頭者かどうかを確認する。筆頭者であれば新戸籍は作られず、相手が既存の戸籍に入る。過去の婚姻の記録が同じ戸籍に残っていないかもあわせて確認する
- 3.新本籍の場所を決める 新戸籍が作られる場合は、国内の実在する地番または街区符号から新本籍を選ぶ。既存の戸籍の記録を新しい本籍地の戸籍に書き写したくない事情があれば、婚姻届を出す前の転籍(108条)も検討する
- 4.婚姻届を提出し、国際結婚なら氏の変更期限を記録する 証人2名の署名がある婚姻届を市区町村に提出する。外国人と婚姻し相手の氏を名乗りたい場合は、婚姻の日から6か月以内に氏の変更届(107条2項)を出す。同日提出するか、期限を記録しておく
よくある質問 AI による整理
Q1婚姻届を出すと戸籍はどうなる?
原則として夫婦二人の新しい戸籍が作られ、氏を称する側が筆頭者になります(戸籍法16条1項)。それぞれの親の戸籍からは「婚姻により除籍」と記載されます。
Q2戸籍の筆頭者とは何ですか?
戸籍の最初に記載される人で、戸籍を特定する見出しの役割を持ちます。旧民法の戸主と違い法的な権限はなく、死亡や離婚でも地位は他の人に移りません。
Q3筆頭者の戸籍に入る場合とはいつ?
婚姻で称する氏の側の者がすでに自分の戸籍の筆頭者であるときです(戸籍法16条1項但書・2項)。離婚歴があり筆頭者のままの人の氏を選んだ場合が典型です。
Q4国際結婚で外国人は戸籍に入れる?
入れません。戸籍は日本国民だけを登録する制度です。日本人について新戸籍が作られ、外国人配偶者の氏名・国籍・生年月日などが日本人の身分事項欄に記載されます(16条3項)。
Q5婚姻届の新本籍はどこでもいい?
日本国内の実在する地番または街区符号であれば、住所と違う場所でも選べます。夫婦が称する氏の側の者が筆頭者で既存戸籍に入る場合は、新本籍欄の記入は不要です。
Q6入籍と婚姻届の違いは?
「入籍」は本来、既存の他人の戸籍に入ることを指す戸籍用語です。初婚同士の婚姻では新戸籍が作られるため、厳密には誰も入籍しません。法律上の手続名は「婚姻届」です。
Q7親と子と孫が同じ戸籍に入れる?
入れません。戸籍は夫婦とその同氏の子を単位に編製され(戸籍法6条)、三代が同じ戸籍に載ることはありません。子が婚姻すれば親の戸籍を離れて新戸籍を作ります。
Q8結婚後に戸籍の筆頭者を変えられる?
筆頭者だけを入れ替える手続はありません。筆頭者は称する氏で決まるため、婚姻後に氏を変えるには家庭裁判所の許可(107条1項)が必要で、要件は厳しいです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1結婚したら旦那の実家の戸籍に入るんですか?
入らない。夫が親の戸籍にいる限り、夫婦について新しい戸籍が作られ、夫が筆頭者になる(戸籍法16条1項)。義実家の戸籍では、夫の欄に「婚姻により除籍」と記載されるだけである。実務のポイント:「入籍」は本来、他人の戸籍に入るという意味の言葉である。初婚同士が新しい戸籍を作る場合は、厳密に言えば誰も「入籍」していない。役所の職員が「婚姻届」と言い直すのはそのためである
Q2新しい本籍って、好きな場所にしていいんですか?
日本国内に実在する地番または街区符号であれば、住所と一致していなくてもよい(戸籍法6条)。皇居や思い出の地を選ぶ夫婦もいる。実務のポイント:以前は本籍が遠いと、謄本を郵送で取り寄せる手間がかかった。2024年3月から広域交付が始まり、最寄りの役所で取れるようになっている。ただし、本人が窓口に行く場合に限られ、郵送や代理人による請求はできない(最新の運用状況をご確認ください)
Q3バツイチの彼の氏にしたら、元奥さんの名前がある戸籍に入るって本当?
彼が離婚後もその戸籍の筆頭者であれば本当である(戸籍法16条1項但書、2項)。あなたは元妻が「除籍」と表示されている戸籍に入る。実務のポイント:婚姻前に彼が転籍(108条)すれば、新しい本籍地の戸籍には離婚事項や除籍者は原則として書き写されない。ただし、元の除籍謄本には記録が残り、相続手続の際には必ず出てくる。見た目を整えるだけの対策だと理解したうえで使うべきである
Q4外国人と結婚したら、私の戸籍や名字はどうなるの?
あなたについて新しい戸籍が作られ、あなたが筆頭者になる(戸籍法16条3項、すでに筆頭者であればそのまま)。配偶者は戸籍に入らず、身分事項欄に記載されるだけである。氏は自動的には変わらない。実務のポイント:相手の氏を名乗りたい場合、婚姻から6か月以内なら窓口への届出だけで変更できる(107条2項)。期限を過ぎると家庭裁判所の許可が必要になり、手続が一気に重くなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「結婚したら夫の実家の戸籍に入る」と思われがちだが、夫が親の戸籍にいる限り、夫婦には新しい戸籍が作られる(16条1項)。親、子、孫の三代が同じ戸籍に入ることは戸籍法が認めていない(6条、17条)。「嫁入り」は慣習上の言葉であって、法律上の仕組みではない
- 「どっちの親の戸籍に入るべき?」という家族会議は、問いの立て方から間違っている。親の戸籍に入るという選択肢はそもそも存在しない。本当に話し合うべきなのは、どちらの氏を名乗るか、新しい本籍をどこに置くか、そしてどちらかがすでに筆頭者ではないか、の三つである
- 筆頭者は戸主のような家長ではなく、法的な権限は何もない。そのことは多くの人が知っている。見落とされがちなのは、筆頭者の地位が死亡や離婚でも移らないことである。そのため、再婚相手が筆頭者であれば、過去の婚姻の記録が残る戸籍にそのまま入ることになる
- あなたにとって外国人配偶者は家族そのものである。一方、戸籍の上では、相手はあなたの身分事項欄に書かれた一行の記載にすぎない。家族の関係を証明するには、戸籍謄本に加えて住民票や相手国の書類が必要になる場面がある。このずれに気付かないまま手続に向かうと、役所の窓口で足止めされる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 戸籍が動くきっかけ | 戸籍法16条:婚姻の届出 | 戸籍法19条:離婚等による復氏 戸籍法108条:転籍の届出 |
| 原則的な戸籍の動き | 夫婦について新戸籍を編製 | 婚姻前の戸籍に戻る(復籍) 本籍を移し、新しい本籍地で戸籍を編製 |
| 新戸籍が作られない/例外となる場合 | 氏を称する側がすでに筆頭者のとき、相手がその戸籍に入る | 元の戸籍が除かれているとき、または新戸籍編製の申出があるときは新戸籍 戸籍の構成員は変わらず、場所だけが変わる |
| 過去の記録の扱い | 既存戸籍に入る場合、同じ戸籍に過去の婚姻・除籍の記録が並ぶ | 婚姻中の戸籍では「除籍」と記載される 離婚事項や除籍者は原則として移記されないが、元の戸籍は除籍簿に残る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では結婚登記が婚姻の成立要件であるが、戸籍は世帯(戸)単位で編成され、日本のように婚姻を契機に夫婦単位の新戸籍を必ず作る仕組みではない
韓国は2008年に戸籍制度を廃止し、個人単位の家族関係登録簿に移行した。婚姻しても登録簿が新たに作られることはない
ドイツは婚姻を戸籍局の婚姻登録簿に記載する出来事単位の登録制度であり、家族単位の登録簿は持たない
米国は州ごとに婚姻許可証と婚姻証明書を管理し、家族単位の身分登録制度は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 顔合わせの席で、義母が「これでうちの籍に入るのね」と言った。戸籍法上、夫が親の戸籍にいるなら、夫婦には新しい戸籍が作られる。義実家の戸籍には、夫の欄に「婚姻により除籍」と書かれるだけである
- もし、離婚歴のある彼の氏を選んだらどうなる? 彼が前の結婚でも自分の氏を名乗っていて、離婚後もその戸籍の筆頭者なら、あなたはその戸籍に入る(16条2項)。戸籍謄本を取ると、元妻の欄に「除籍」と表示された記録と、彼の離婚事項が同じ紙に並んでいる。婚姻届を出す前に知っていれば、転籍(108条)で見た目を整える選択肢があった
- あなたは再婚を控え、自分の氏を名乗る筆頭者である。新しい配偶者は、あなたの前の結婚の記録が残る戸籍に入ることになる。相手に話す前に、戸籍謄本を自分で取って確認しておくべきである
- ハワイの教会で挙式し、現地の方式で婚姻が成立した。日本の戸籍に反映させるには、成立から3か月以内に在外公館か本籍地へ婚姻証書の謄本を提出しなければならない(戸籍法41条)。帰国後の引っ越しに追われて忘れがちな手続である
- 外国籍のパートナーとの婚姻届が受理された。相手の名前は戸籍の身分事項欄に書かれるだけで、あなたは一人だけの新戸籍の筆頭者になる。相手の氏を名乗りたいなら、婚姻の日から6か月以内に届け出れば家庭裁判所の許可は要らない(107条2項)。この期限を過ぎると、家庭裁判所で「やむを得ない事由」を認めてもらう必要が出てくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 元交際相手などに勝手に婚姻届を出されるおそれがあるなら、本籍地または住所地の市区町村で不受理申出をしておく(戸籍法27条の2第3項)。本人が窓口に行って手続する2. すでに出されてしまった場合は、家庭裁判所に婚姻無効の調停を申し立てる。合意に相当する審判や判決が確定したら、1か月以内に戸籍訂正を申請する(116条) 3. 悪質な場合は、電磁的公正証書原本不実記録罪(刑法157条1項)で刑事告訴することも検討する
訴えられた側:1. 自分が再婚する側の筆頭者で、新しい配偶者に過去の記録を見せたくない場合は、婚姻届の前に転籍(108条)するという選択肢がある。ただし除籍謄本には記録が残ることを、正直に伝えておく2. 義家族から「籍」の話で圧力をかけられたら、16条1項により夫婦の新戸籍が作られることを冷静に説明する3. 国際結婚では、婚姻届と同時に氏変更の届出(107条2項)をするかどうかを決めておく
時効(請求できる期限):婚姻届そのものに期限はない(届出によって婚姻が成立する創設的届出、民法739条)。外国の方式で婚姻した場合は、成立から3か月以内に報告的届出をする(戸籍法41条)。外国人配偶者の氏への変更は、婚姻の日から6か月以内なら家庭裁判所の許可が要らない(107条2項)。無効の審判や判決が確定した後の戸籍訂正申請は、確定日から1か月以内(116条)。
学説
通説:本条は、明治民法下の「家」単位の戸籍を廃し、夫婦とその同氏の子を単位とする戸籍編製原則(戸籍法6条)を婚姻の場面で具体化したものである。筆頭者は戸籍の検索上の見出しにすぎず、実体法上の権限を伴わない
改正沿革 AI による整理
- 昭和22年(1947年)制定、昭和23年(1948年)1月1日施行 現行戸籍法の制定により、家制度に基づく戸籍が廃止された。婚姻の際に夫婦単位で新戸籍を編製する原則が採用された
- 昭和59年(1984年)改正(要人的検証) 国籍法改正に伴い、日本人と外国人の婚姻について日本人の新戸籍を編製する3項が整備されたとされる。改正の年や改正内容については確認が必要
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:現行戸籍法の制定(昭和23年1月1日施行)により、婚姻の際に夫婦について新戸籍を編製する原則と、筆頭者の戸籍に入る例外が定められた
- 2.昭和59年(1984年) 改正:国籍法改正に伴う戸籍法改正により、日本人と外国人の婚姻について日本人の新戸籍を編製する第3項が設けられた
- 戸籍法 第6条夫婦と同氏の子を単位とする編製原則
- 戸籍法 第19条離婚による復籍と新戸籍の編製
- 戸籍法 第74条婚姻届の記載事項(夫婦の称する氏)
- 戸籍法 第107条外国人配偶者の氏への変更届
- 戸籍法 第108条転籍による本籍の移転
- 民法 第750条実体法上の夫婦同氏原則
- 民法 第739条婚姻は届出により効力を生ずる
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