戸籍法 第50条
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- 子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
- 2.常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第50条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第50条の条文原文は「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。」で始まります。
- 戸籍法第50条は第二節 出生に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第50条の前の条は戸籍法第49条です。
- 戸籍法第50条の次の条は戸籍法第51条です。
- 戸籍法第50条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第50条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第50条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/50
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法50条は、子の名に常用平易な文字を用いるよう定め、範囲を法務省令に委ねる。常用漢字・人名用漢字・平仮名・片仮名は使えるが、アルファベットや数字は使えない。
Q · 子どもの名前に、辞書に載っている漢字なら何でも使えるの?
使えない。省令のリストにある字だけが使える
戸籍法50条は、子の名に常用平易な文字を用いるよう求め、具体的な範囲を法務省令に委ねています。戸籍法施行規則60条により、使えるのは常用漢字、人名用漢字、平仮名、片仮名と一部の記号です。リストにない字の出生届は不受理となりますが、不受理処分には家庭裁判所への不服申立てができ、最高裁が省令の違法を認めて受理を命じた例もあります。
解説
子どもの名前は親が自由に決められる。多くの人はそう思っているが、戸籍法50条はその自由に「文字」という枠をはめている。使えるのは常用平易な文字だけで、具体的な範囲は法務省令である戸籍法施行規則60条が決める。使えるのは常用漢字(2136字)、人名用漢字(約860字)、平仮名、片仮名(変体仮名は除く)、そして「々」や長音記号「ー」などの一部の記号である。アルファベット、数字、「♡」などは一切使えない。漢和辞典に載っている美しい一字でも、このリストになければ出生届は窓口で受理されない。ただ、知っておくべきことがもう一つある。法務省令が決めた範囲は絶対ではない。2003年、「曽」の字を使った出生届が受理されなかった親が最高裁まで争い、「明らかに常用平易な文字を省令から外しているのは違法」という判断を勝ち取った。リストは動かせるのである。名前を決める段階でこの二層構造を知っているかどうかで、出生後の14日間の過ごし方が変わる。
法的な位置づけ
戸籍法50条は、子の名に用いる文字を常用平易な文字に限定する規定である。第1項で常用平易性という基準を定め、第2項でその具体的範囲の決定を法務省令に委任する。委任を受けた戸籍法施行規則60条は、常用漢字表の漢字、人名用漢字、平仮名、片仮名等を列挙しており、この範囲外の文字を用いた出生届は受理されない。
手順
- 1.候補名の文字を一字ずつ照合する 出産前のうちに、候補名の漢字を法務省の「子の名に使える漢字」一覧(常用漢字表・人名用漢字)と一字ずつ照合する。旧字・新字や点の有無など字体の違いまで確認する
- 2.出生日を含め14日以内に出生届を提出する 名が決まったら出生届を市区町村に提出する。名が決まらない場合は、名欄を空欄にした「名未定」の出生届を期限内に出し、後で追完届により名を補う
- 3.不受理なら理由を確認し書面で記録を残す 窓口で不受理とされた場合、どの字がなぜ使えないのかを具体的に確認する。字体の修正で足りるならその場で直し、字そのものを争うなら不受理証明書を請求する
- 4.家庭裁判所に不服申立てをする 市町村長の不受理処分を不当と考える場合、家庭裁判所に不服を申し立てる。同じ字で争った裁判例がないかを弁護士・司法書士に事前に確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1人名用漢字とは何ですか?
常用漢字以外で子の名に使える漢字として、戸籍法施行規則の別表に掲げられた漢字です。戸籍法50条の委任に基づき、法務省令で定められています。
Q2子どもの名前に使える漢字 何文字?
常用漢字2136字と人名用漢字約860字を合わせた約3000字です。これに平仮名・片仮名と「々」などの一部の記号が加わります。
Q3子どもの名前にアルファベットは使える?
使えません。戸籍法施行規則60条の範囲にローマ字は含まれていません。外国風の名前は片仮名か、漢字の当て字で届け出ることになります。
Q4名前に旧字体(異体字)は使える?
施行規則の別表に掲げられた字体に限って使えます。同じ字でも点の有無や旧字・新字の違いで扱いが変わるため、字体まで照合する必要があります。
Q5出生届で名前が受理されないのは違法?
範囲外の文字を理由とする不受理自体は戸籍法50条に基づく処分です。ただし不服があれば家庭裁判所に申し立てることができます。
Q6子の名の漢字 どこで確認できる?
法務省のウェブサイトで「子の名に使える漢字」の一覧が公開されています。常用漢字表と戸籍法施行規則の別表を合わせて確認します。
Q7名前に記号「ー」や「々」は使える?
使えます。戸籍法施行規則60条は、長音記号「ー」や繰り返し記号「々」などの一部の記号を子の名に使える文字に含めています。
Q8人名用漢字はこれからも増える?
法務省令の改正によって追加されてきました。裁判で使用が認められた字や社会的要望の強い字が追加された例があり、範囲は固定されていません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1名前がどうしても決まらないまま14日経っちゃいそうなんですけど、どうすればいいですか?
名前欄を空けたまま「名未定」として出生届を出す方法がある。出生の届出義務(戸籍法49条)は期限内に果たし、名前は後から追完届で補う。実務のポイント:追完で名前を入れると、戸籍には名が後から記載された経緯が残る。気にしない人がほとんどだが、戸籍を完全にきれいに保ちたいなら、期限内に名前を確定させた方がよい。どちらを取るかは親の価値観による
Q2辞書に載ってる普通の字なのに役所に断られました。もう諦めるしかない?
諦める必要はない。市町村長の不受理は、家庭裁判所への不服申立ての対象になる(戸籍法122条)。最高裁は平成15年12月25日の決定で、社会通念上明らかに常用平易な文字を省令が外しているのは法の委任の趣旨を逸脱し違法だとして、「曽」の受理を命じた。実務のポイント:この種の裁判で親が勝った字は、その後の省令改正で人名用漢字に追加される流れが続いてきた。一家族の争いが、全国の親の選択肢を広げてきたのである
Q3漢字がOKなら、読み方はどんなに変わっていても大丈夫なんですよね?
以前はおおむねそうだったが、今は違う。令和5年(2023年)の戸籍法改正で戸籍に振り仮名が記載されるようになり、その読み方は「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているもの」でなければならないとされた(戸籍法13条)。実務のポイント:どこまでが「一般に認められる」読みかは通達と窓口の運用で判断され、事例の蓄積はまだ途上である。攻めた読み方を考えているなら、届け出る前に市区町村に相談しておくのが確実である(最新の運用状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「漢和辞典に載っている漢字なら名前に使える」と思われがちだが、実際には逆で、辞典の5万字を超える漢字のうち子の名に使えるのは約3000字にすぎない。基準は画数や意味の良し悪しではなく、施行規則のリストに載っているかどうかだけである
- 「悪魔ちゃん事件」を持ち出して、変な名前を禁止しているのは50条だと理解している人は多い。だが「悪」も「魔」も常用漢字であり、50条の文字制限には引っかからない。あの事件は親権の濫用という別の論理で争われた。50条が止めるのは文字であって、意味ではない。問いの立て方が、そもそもずれているのである
- 親の目には「窓口で断られたらそれで終わり」と映るが、法の目には、市町村長の不受理は不服申立ての対象になる処分である。家庭裁判所が受理を命じれば役所は従わなければならない。「曽」はこのルートで最高裁まで進んで勝った。窓口の「できません」を最終回答と受け取ると、争える権利をみすみす手放すことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 戸籍法50条:子の名の「文字」 | 戸籍法13条:氏名の「振り仮名(読み方)」 戸籍法107条の2:既存の名の「変更」 |
| 判断基準 | 常用平易な文字(施行規則60条のリスト) | 氏名に用いられる文字の読み方として一般に認められているもの 正当な事由の有無 |
| 判断主体 | 市区町村長(届出の受理) | 市区町村長(届出の受理) 家庭裁判所(許可) |
| 争う手段 | 不受理処分への家庭裁判所への不服申立て | 不受理処分への家庭裁判所への不服申立て 許可審判に対する即時抗告 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も名に用いる文字を通用字典収録の文字に限定するが、日本のような限定列挙リストではなく、辞典への収録を基準とする点で範囲が広い
韓国は大法院規則で人名用漢字の範囲を定める点で日本の構造に近い。ハングルは原則として自由に使える
ドイツは文字リストによる規制ではなく、子の福祉(Kindeswohl)を害する名を判例上排除する方式をとる
米国は連邦の統一規律がなく、州ごとに使用可能な文字や記号の扱いが異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 祖父の名から一字もらおうと決めていた。ところが出生届を出すと、窓口で「その字は子の名には使えません」と言われる。祖父の戸籍にはその字が堂々と載っている。氏や生まれた時期が古い人の名に使われている字と、これから付ける子の名に使える字は別の基準で管理されているのである
- 出生届の期限(出生日を含めて14日)まで、あと3日。夫婦で考えていた漢字が人名用漢字に入っていないことが今日わかった。残りの時間で別の名前を決めるか、名前を空欄にしたまま「名未定」で届け出て、後から追完届で名前を入れるか。役所に遅れて届けると過料の対象になりうるため、判断は急を要する
- 国際結婚で生まれた子に「Emma」と名付けたい場合はどうなるのか? 子が日本国籍を持つなら戸籍に載るため、アルファベットは使えない。「エマ」または漢字で当てるしかない。パスポートのローマ字表記は別の手続で調整する
- あなたは市役所の戸籍担当として、辞書には載っているがリストにない字が書かれた出生届を受け取る側である。親は「読み方も意味も普通の字なのに」と引き下がらない。不受理にするにしても、その理由と家庭裁判所への不服申立てという道を正確に説明できなければ、窓口のトラブルは長引く
- キラキラネームを付けたい友人から「漢字さえリストにあれば、読み方は自由でしょ?」と聞かれる。以前はおおむねその通りだった。しかし2025年から戸籍に振り仮名が載るようになり、読み方にも別の条文で枠がはめられた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 窓口で不受理と言われたら、どの字がなぜ使えないのかを具体的に確認する。字体の違い(旧字と新字など)だけが理由なら、使える字体に直せば済む場合がある2. 期限が迫っているなら、名前欄を空欄にした「名未定」の出生届を14日以内に出し、後から追完届で名を補う3. 字そのものを譲れないなら、不受理証明書を取得し、市町村長の処分に対する不服申立てを家庭裁判所に行う(戸籍法122条) 4. 同じ字で争った裁判例がないか、弁護士や司法書士に事前に確認する
訴えられた側:市区町村の戸籍担当として判断する立場なら、1. 戸籍法施行規則60条と、同条が引用する常用漢字表・人名用漢字の表に照らして機械的に判断し、字体の許容範囲も確認する2. 判断に迷うときは管轄の法務局に照会する3. 不受理とするときは理由と不服申立ての方法を届出人に説明する。説明がないまま断ると、窓口の対応そのものが苦情や紛争の火種になる
時効(請求できる期限):特定の時効はない。ただし出生届は出生日を含めて14日以内(国外で出生した場合は3か月以内、戸籍法49条1項)。正当な理由なく期間を過ぎると過料の対象となりうる(最新の改正状況をご確認ください)。家庭裁判所への不服申立てに法定の期間は定められていないが、出生届の期限とは別に考える必要がある
学説
通説・実務:戸籍法50条は命名権に文字面からの制約を課すにとどまり、名の意味や読みの当否までは規律しない。範囲の具体化は省令に委ねられるが、その範囲は司法審査に服し、明らかに常用平易な文字の除外は委任の逸脱として違法となる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:現行戸籍法の制定に伴い、子の名に常用平易な文字を用いるべき旨と、その範囲を命令で定める旨の規定が置かれた
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