国会法 第120条
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議院の会議又は委員会において、侮辱を被つた議員は、これを議院に訴えて処分を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第120条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第120条の条文原文は「議院の会議又は委員会において、侮辱を被つた議員は、これを議院に訴えて処分を求めることができる。」で始まります。
- 国会法第120条は第十四章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第120条の前の条は国会法第119条です。
- 国会法第120条の次の条は国会法第121条です。
- 国会法第120条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第120条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第120条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/120
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法120条は、議院の会議又は委員会で侮辱を受けた議員が、その議院に訴えて相手議員の処分を求めることができると定める。申し立ては議員本人が単独で行える。
Q · 国会の委員会で他の議員に侮辱されたら、議員はどうやって責任を問えるの?
裁判ではなく、所属する議院に処分を求める手続です
国会法120条により、本会議や委員会で侮辱を受けた議員は、所属する議院に訴えて相手議員の処分を求めることができます。申し立ては本人一人で行え、賛成者を集める必要はありません。議長が懲罰委員会に付して審査させ、本会議の議決で戒告・陳謝・登院停止・除名のいずれかが科されます(同法121条・122条)。院内の発言は憲法51条で院外の責任を免除されるため、名誉毀損訴訟よりもこの手続が現実的な救済手段になります。
解説
国会の議場で浴びせられた侮辱には、裁判所への道がほぼ用意されていない。憲法51条により、議員の院内での演説・討論・表決は院外で責任を問われない。罵倒した相手を名誉毀損で訴えても、免責の壁に阻まれる。国会法120条は、その代わりに用意された院内の手続である。侮辱を受けた議員は、自分が所属する院(衆議院または参議院)に申し立てて、相手への懲罰を求めることができる。申し立てを受けると、議長が懲罰委員会に審査させ(121条)、本会議の議決で戒告・陳謝・登院停止・除名のいずれかを科す(122条)。つまり、議場での言葉の責任を最終的に裁くのは、裁判官ではなく、相手の同僚である議員たちだ。あなたが国会中継で耳にする「懲罰動議」の多くは、多数派と少数派の力関係を映す場でもある。この構造を知ると、議場の罵声が「品位の問題」であると同時に、数の論理で決着する政治の問題でもあると分かってくる
法的な位置づけ
国会法第120条は、議院の本会議又は委員会において侮辱を受けた議員が、当該議院に対しその事実を訴え、侮辱した議員の処分を求めることができる旨を定める規定である。申立ては議員一人で行うことができ、懲罰委員会の審査と本会議の議決を経て、同法第122条所定の懲罰が科される。
手順
- 1.侮辱発言の記録を確保する 発言の日時、本会議か委員会か、発言者、発言内容を特定する。速記、中継映像、同席議員の証言を集め、会議録の確定や発言取消しの前に、問題の文言を押さえる
- 2.議長へ処分要求を申し立てる 国会法120条に基づき、侮辱を受けた事実と処分を求める旨を議院に訴える。委員会での事犯は委員長を通じて議長に報告される流れも踏まえ、速やかに意思を伝える
- 3.懲罰委員会の審査に備える 侮辱にあたる理由を、無礼の言・私生活にわたる言論を禁じる国会法119条と結びつけて整理する。相手方の弁明が想定される論点(正当な批判の範囲か)への反論も用意する
- 4.落としどころを決める 戒告・陳謝・登院停止・除名(122条)のうち、どこまでを求めるか、会派の議席数と本会議の議決見込みを踏まえて判断する。陳謝で決着させるか争うかを会派と協議する
よくある質問 AI による整理
Q1国会法120条とは?
本会議や委員会で侮辱を受けた議員が、所属する議院に訴えて処分を求められると定めた規定です。院内の懲罰手続の入口になります。
Q2国会議員の野次は違法?
野次そのものを罰する刑罰規定はありません。ただし無礼の言や私生活にわたる発言は国会法119条で禁じられ、侮辱にあたれば120条の処分要求の対象になります。
Q3懲罰委員会とは何をするところ?
各議院に置かれる常任委員会で、懲罰事犯について審査し、懲罰を科すかどうか、どの種類にするかを本会議に報告します。最終決定は本会議の議決です。
Q4侮辱の処分要求に期限はある?
120条自体に期限の定めはありません。ただし賛成者を集めて出す懲罰動議は、事犯の日から3日以内という制限があります(121条3項)。
Q5委員会で参考人が侮辱されたらどうなる?
参考人は議員ではないため、120条の申し立てはできません。委員長の秩序保持権限による注意や発言取消し、会派間の協議に頼ることになります。
Q6除名された議員はもう一度議員になれる?
なれます。除名された議員が再び当選した場合、議院はこれを拒むことができないと国会法123条が定めています。最終判断は有権者に委ねられます。
Q7登院停止は何日まで?
衆参それぞれの議院規則で、登院停止は原則として30日を超えられないと定められています。懲罰事犯が重なった場合などには例外があります。
Q8国会議員の懲罰はどのくらいの頻度で起きる?
懲罰動議の提出は珍しくありませんが、実際に懲罰が議決される例は少なく、除名は戦後3例にとどまります。多くは委員会付託のまま審査未了で終わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国会で議員にめちゃくちゃ言われたら、裁判で訴えられないんですか?
院内の演説・討論・表決は、院外で責任を問われません(憲法51条)。議員本人を名誉毀損で訴えても、原則として退けられます。侮辱を受けたのが議員なら、国会法120条で院に懲罰を求める道があります。実務のポイント:議員ではない一般人が名指しされた場合、残るのは国家賠償ですが、最判平成9.9.9の基準は非常に厳しく、認められた例はほとんど見当たりません
Q2懲罰動議と、120条の処分要求って何が違うの?
懲罰動議(121条3項)は、衆議院なら40人以上、参議院なら20人以上の賛成者が必要で、事犯から3日以内に出さなければなりません。120条は、侮辱を受けた議員本人が一人で申し立てられます。実務のポイント:少数会派の議員が単独で手続を動かせるのは120条のほうです。報道では両方がまとめて「懲罰動議」と呼ばれがちですが、出発点がまったく違います
Q3懲罰が決まったら、具体的にどうなるの?
122条の四種類から選ばれます。公開議場での戒告、公開議場での陳謝、一定期間の登院停止、除名です。除名だけは出席議員の3分の2以上の賛成が必要です(憲法58条2項)。実務のポイント:陳謝を命じられても本人が拒むと、さらに重い懲罰の理由になりえます。2023年の参議院の除名も、陳謝の懲罰に応じなかったことが除名に至る流れの一部でした
Q4大臣に侮辱されたら、その大臣も懲罰できますか?
その大臣が議員であれば、議員として懲罰の対象になります。議員ではない民間出身の大臣は、懲罰の対象外です。懲罰権は「院内の秩序をみだした議員」に対するものだからです(憲法58条2項)。実務のポイント:その場合、野党は問責決議(参議院)や不信任決議(衆議院)に切り替えます。手続の名前で、相手が議員かどうかを見分けられます
間違えやすい点 AI による整理
- 「国会でひどい暴言を吐いた議員は、名誉毀損で訴えれば勝てる」と思われがちだが、院内の演説・討論は憲法51条で院外の責任を免除されている。被害を受けた議員本人でさえ、まず使うべき手段は裁判ではなく120条の申し立てである
- 懲罰というと議員の首が飛ぶ制度だと思われがちだが、実際の選択肢は四段階ある:公開議場での戒告、陳謝、一定期間の登院停止、除名(122条)。除名には出席議員の3分の2以上の賛成が必要で(憲法58条2項)、戦後の除名は数えるほどしかない。2023年3月に参議院が欠席を続けた議員を除名したのは、戦後3例目と報じられた
- 「侮辱されたかどうか」を判定するのは中立の第三者だという前提そのものが違う。判定するのは懲罰委員会と本会議、つまり政党の議席配分をそのまま映した議員集団である。法的な審査ではなく自律的な判断であり、裁判所は原則として立ち入らない(憲法58条の議院自律権)
- 議場の外からは、懲罰動議は品位を守るための手続に見える。議場の中から見れば、審議日程を止めたり相手陣営の印象を削ったりする駒にもなる。この落差を知らずに報道を読むと、「誰が正しいか」ではなく「誰が数を持っているか」で決着している現実を見落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続を動かせる人 | 国会法120条:侮辱を受けた議員本人(単独で可) | 国会法121条:議長の付託、又は衆議院40人・参議院20人以上の賛成による懲罰動議 国会法124条:議長が懲罰委員会に付する |
| 対象となる行為 | 議院の会議・委員会での侮辱 | 院内の秩序をみだす懲罰事犯全般 正当な理由のない召集不応・欠席 |
| 期限 | 条文上の期限の定めなし | 懲罰動議は事犯の日から3日以内 招状受領から7日以内になお出席しない場合 |
| 行き着く先 | 懲罰委員会の審査→本会議で122条の懲罰 | 懲罰委員会の審査→本会議で122条の懲罰 懲罰委員会の審査→本会議で122条の懲罰 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も立法委員の院内言論を免責しつつ、辱罵や人身攻撃を行為法で禁じ、院内の紀律手続で処理する。司法ではなく議会自律で規律する構造は日本と近い
韓国国会法は侮辱的発言を禁じ、懲戒要求の手続を定める。懲戒の種類も公開回議での警告・謝罪・出席停止・除名と日本に近い
ドイツでは議長が秩序呼びかけ・秩序金・会議からの排除を科す。被害議員の申し立てより議長の秩序維持権限が中心となる点が日本と異なる
米国も各院が議員の無秩序な行為を処罰し、3分の2で除名できる。下院では発言を記録から取り消させる words taken down の慣行がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 予算委員会の質疑中、閣僚席に座る議員が質問者に向かって「お前に聞く資格はない」と声を張り上げた。翌朝、質問した議員は120条に基づいて処分を求める文書を議長に提出する。テレビの切り抜き映像は、懲罰委員会で証拠として読み上げられる会議録の補強材料になる
- あなたが新人議員の政策秘書だったとする。本会議でボスが野次を飛ばし、相手議員が侮辱だと申し立ててきた。陳謝の文案を先方と調整するのか、懲罰委員会で争うのか。最初の24時間の判断で、ボスの党内での立場が決まる
- もし、侮辱した側が国会議員ではない民間出身の大臣だったら、どうなる? 懲罰の対象は議員に限られる(憲法58条2項)。120条の申し立てでは、この大臣を処分できない。残る手段は問責決議や不信任決議という、まったく別の政治的な道である
- 参考人として委員会に呼ばれた大学教授が、ある議員から「御用学者」と罵倒された。教授は議員ではないので、120条は使えない。泣き寝入りしかないのか、それが本当の問いになる
- 会期末まであと2日。審議が荒れて侮辱的な発言が飛び交う中、懲罰の申し立てを今出すべきか迷っている。会期をまたぐと扱いが変わる(121条の2、121条の3)。迷っている時間そのものがコストになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 侮辱の発言日時・場所(本会議か委員会か)・発言内容を、速記・中継映像・同席議員の証言で確保する2. 速やかに議長(委員会なら委員長経由)へ、120条に基づく処分要求の文書を提出する3. 懲罰委員会での審査に備え、侮辱にあたる理由を119条(無礼の言、私生活にわたる言論の禁止)と結びつけて整理する4. 陳謝で決着させるか、登院停止以上を求めるか、会派の議席数を見ながら現実的な落としどころを決める
訴えられた側:1. 発言の正確な文言を会議録と映像で確認し、文脈を切り取られていないか検証する2. 侮辱ではなく正当な批判・討論の範囲だったと主張できるか、所属会派の議運担当と協議する3. 懲罰委員会では弁明の機会がある。事実と意図を簡潔に説明する4. 早期に発言の取消しや謝罪をすれば、懲罰の重さや審査の流れに影響しうる。意地を張ることのコストを、会派全体の審議日程と比べて計算する
時効(請求できる期限):120条自体に申し立て期間の定めはない。ただし議員が賛成者を集めて出す懲罰動議は、事犯があった日から3日以内に提出しなければならない(121条3項)。会期末や閉会中に起きた事犯の扱いは121条の2、121条の3に別の定めがある(最新の改正状況をご確認ください)。院内の懲罰に民事の消滅時効は関係しない
学説
通説:国会の懲罰は憲法58条2項の議院自律権に基づくものであり、侮辱の該当性や懲罰の種類の選択は議院の自律的判断に委ねられ、司法審査は原則として及ばないと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国会法制定時に、議員の懲罰に関する規定の一つとして設けられた。帝国議会の議院法にあった議員懲罰の枠組みを、新憲法の議院自律権の下で引き継いだもの。
- 国会法 第119条無礼の言・私生活言論の禁止
- 国会法 第121条懲罰委員会への付託と懲罰動議の要件
- 国会法 第122条懲罰の四種類を定める
- 国会法 第124条正当な理由のない欠席への懲罰
- 国家賠償法 第1条院内発言による一般人の被害救済の経路
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