国会法 第119条
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各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第119条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第119条の条文原文は「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」で始まります。
- 国会法第119条は第十四章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第119条の前の条は国会法第118条の2です。
- 国会法第119条の次の条は国会法第120条です。
- 国会法第119条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第119条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第119条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/119
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法119条は、衆参各議院で議員が無礼の言を用いること及び他人の私生活にわたる言論をすることを禁じる規定。違反は議長の発言取消しや懲罰の対象となる。
Q · 国会で議員が他人の私生活を暴露するような発言をしても許されるの?
許されない。発言取消しや懲罰の対象になる
国会法119条は、各議院で無礼の言を用いることと、他人の私生活にわたる言論をすることを禁じています。違反した発言は、議長や委員長が同法116条に基づき取り消させることができ、悪質な場合は懲罰動議(121条)を経て、戒告・陳謝・登院停止・除名(122条)が科されえます。ただし憲法51条の免責特権により、議場の発言を理由に議員個人が院外で法的責任を問われることは原則ありません。同じ内容を議場の外で繰り返した場合は免責されません。
解説
国会中継でヤジが飛び、議長が「ただいまの発言は取り消させます」と告げる。その場面を支えているのが、国会法119条の二十数文字である。禁じられているのは「無礼の言」と「他人の私生活にわたる言論」の二つだけだ。これを知っておくと、ニュースの見え方が変わる。議員は憲法51条の免責特権(議院での演説・討論・表決について、院外で法的責任を問われない特権)によって、議場の発言を理由に名誉毀損で訴えられることがほとんどない。その代わりに議院の内側で働くのが本条と懲罰制度である。外の裁判所が裁けないぶん、議院が自分たちで裁く。ただし免責されるのは議場の発言だけだ。同じ内容を記者会見や SNS で繰り返せば、普通の名誉毀損として責任を問われる。議員に私生活を暴かれた私人が反撃できるのは、この「院外での繰り返し」の場面である。
法的な位置づけ
国会法119条は、各議院において無礼の言を用いること及び他人の私生活にわたる言論をすることを禁止する規定である。憲法51条の免責特権によって院外での責任が免除される議場内の発言を、議院自律権に基づき議院自らが規律するものであり、違反は同法116条の議長の秩序保持権及び121条以下の懲罰手続の対象となる。
よくある質問 AI による整理
Q1国会法119条とは?
各議院で「無礼の言」と「他人の私生活にわたる言論」を禁じる条文です。議場の品位を保ち、第三者の私生活を守るための議院内ルールです。
Q2無礼の言とは具体的に何ですか?
相手の人格をおとしめる侮辱的な表現や品位を欠く暴言を指します。何が該当するかは議長・委員長や議院運営委員会の判断に委ねられ、明確な定義規定はありません。
Q3国会議員の発言取り消しとは?
議長や委員長が国会法116条に基づき、不適切な発言を取り消させる措置です。取り消された部分は会議録に掲載されません。
Q4国会議員 懲罰 種類は?
国会法122条により、戒告、陳謝、一定期間の登院停止、除名の4種類です。除名には出席議員の3分の2以上の賛成が必要です(憲法58条2項)。
Q5懲罰動議 いつまでに出す?
国会法121条により、事犯があった日から3日以内に提出する必要があります。期限を過ぎると原則として懲罰動議は出せません。
Q6国会議員の免責特権 どこまで?
憲法51条により、議院で行った演説・討論・表決について院外で責任を問われません。記者会見や SNS での発言は対象外です。
Q7地方議員のヤジは違法?
地方自治法132条が国会法119条とほぼ同じ趣旨で無礼の言や私生活への言及を禁じています。地方議員には憲法51条の免責特権が及ばないとされます。
Q8国会での発言で名誉毀損は成立する?
議場での発言は免責特権により議員個人の責任は問えません。国家賠償も最判平成9年9月9日により特別の事情がある場合に限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国会のヤジって、法律で禁止されてるんですか?
ヤジ一般を禁じる条文はないが、内容が「無礼の言」や他人の私生活に触れるものであれば国会法119条違反になる。議長は116条で発言を取り消させることができ、悪質な場合は121条以下の懲罰手続に進む。実務のポイント:実際に懲罰委員会まで進む例は少なく、大半は理事会での協議と本人の撤回・謝罪で決着する。懲罰動議は処分を目的とするより、相手に撤回させるための交渉カードとして提出されることが多い
Q2国会で議員に名前を出されて悪口を言われました。訴えられませんか?
議場での発言そのものについて、議員個人を訴えるのは憲法51条の免責特権によりほぼ不可能である。国家賠償については最判平成9.9.9が、虚偽と知りながらあえて事実を摘示したなど特別の事情がある場合に限るとしており、ハードルは高い。実務のポイント:現実的な突破口は院外である。議員が同じ内容を会見、ブログ、SNS、後援会報で語れば免責の対象外となる。議場の発言だけを見て諦めず、院外の発信を追うことが実務の定石だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「国会議員が国会で人を中傷しても何のおとがめもない」と思われがちだが、それは院外での法的責任の話にすぎない。院内では本条違反が懲罰事犯となり、国会法122条により戒告、陳謝、登院停止、そして出席議員の3分の2以上の賛成による除名(憲法58条2項)まで用意されている。処罰する主体が裁判所ではなく、議院そのものであるという点が違う
- 「議員の発言で名誉を傷つけられたら、議員本人を訴えればいい」と考える人は、問いの立て方を間違えている。議場での発言について議員個人は院外で責任を負わない。国家賠償法上も公務員個人への直接請求は否定されるのが判例の立場である。問うべきは「誰を訴えるか」ではなく、「その発言は議場の外でも繰り返されたか」である
- 国会での本条違反は懲罰で終わるため、裁判所は原則として口を出さない(議院自律権)。一方、地方議会の議員に対する出席停止の懲罰は、最大判令和2.11.25によって司法審査の対象になった。同じ「議会の懲罰」でも、国会と地方議会では裁判所に駆け込めるかどうかが逆になる。この違いを知らずに地方議会の紛争を国会の感覚で語ると、判断を誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 国会法119条:無礼の言・私生活にわたる言論の禁止(行為規範) | 国会法116条:議長による制止・発言取消し・退場命令(秩序保持の手段) 国会法122条:戒告・陳謝・登院停止・除名(懲罰の種類) |
| 発動する主体 | 全議員に向けられた禁止規定(主体はなし) | 議長(委員会では委員長)の職権 懲罰委員会の審査を経て議院の議決 |
| 被害を受けた議員の手段 | 違反の指摘・取消し要求の根拠となる | 議長に取消しを求める 国会法120条の懲罰請求・121条の懲罰動議を経て処分 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も立法委員の院内言論に免責を認めつつ、立法委員行為法で議事中の人身攻撃などを禁じ、院内の紀律委員会が処理する構造で日本と類似する
韓国国会法は「他人を侮辱し、又は他人の私生活について発言してはならない」と定めており、日本の本条とほぼ同じ構造を持つ
ドイツ連邦議会では議長が Sachruf・Ordnungsruf で秩序違反の発言を戒める。私生活への言及に特化した禁止規定ではなく、一般的な議事秩序として扱われる
米国下院規則は討論における品位を求め、他議員への人格攻撃(personalities)を禁じる。違反した発言は記録から削除される(taking down the words)慣行がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 委員会の質疑で、議員が官僚の家族の離婚歴を持ち出した。議事録に残るのか? 委員長が秩序保持権で発言を取り消させれば、会議録には載らない。抗議が早いほど取消しにつながりやすい
- あなたは議員秘書で、議員が本会議のヤジで対立議員を侮辱した。相手会派は懲罰動議を出せるが、国会法121条により提出は事犯から3日以内に限られる。週明けまでに謝罪の方針を決めなければ、懲罰委員会の付託という最悪の展開がありうる
- 国会の質疑であなたの会社の社長が実名を挙げられ、私生活の噂まで語られた。議場の発言そのものは免責特権に守られている。しかし翌日、その議員が自分の YouTube で同じ話を繰り返した。ここからは免責の外側である
- 市議会で議員に人格を否定するヤジを飛ばされた友人から相談を受けた。地方議会には地方自治法132条という同じ趣旨の規定があり、しかも地方議員には憲法51条の免責特権が及ばないとされる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 私人として議場で私生活を暴露された場合、まず衆参の会議録検索システムと国会中継のアーカイブで発言を特定し保存する2. 議長・委員長宛てに、本条違反として発言の取消しを求める申入れを、関係議員や会派を通じて行う3. 同じ内容が会見・SNS・後援会報など院外で繰り返されていないか監視し、見つけたらスクショと URL を確保する4. 院外の発言は通常の名誉毀損(民法709条、刑法230条)として弁護士と検討する。議場の発言について国家賠償を求める道は、最判平成9.9.9が虚偽と知りながらの事実摘示など特別の事情を要求しているため、極めて狭いと覚悟する
訴えられた側:1. 議員として不規則発言を指摘されたら、議長・委員長の取消し指示には速やかに従う。従わない場合、国会法116条により発言禁止や退場命令に進みうる2. 懲罰動議の提出期限(事犯から3日以内)の間に、自発的な撤回と謝罪をするかを判断する。早い撤回は懲罰委員会での情状になる3. 同じ発言を院外の会見や SNS で繰り返さない。免責特権の保護は議場の外には及ばない4. 秘書・スタッフにも、議場の発言の切り抜きを拡散する際は事実と評価を分けるよう徹底させる
時効(請求できる期限):懲罰動議は事犯があった日から3日以内に提出しなければならない(国会法121条、議院規則と併せて最新の改正状況をご確認ください)。院外での発言による名誉毀損は、民事では損害および加害者を知った時から3年(民法724条)。刑事告訴は犯人を知った日から6か月以内(刑事訴訟法235条、名誉毀損罪は親告罪)
学説
通説:本条は、憲法51条の免責特権により院外の法的責任から切り離された議場内の言論を、憲法58条2項の議院自律権に基づき議院自ら規律する規定と解される。違反の判断と懲罰は議院の専権に属し、司法審査は及ばないとするのが一般的理解である
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に合わせて国会法が制定され、議員の言論規律として本条が設けられた
- 国会法 第116条議長による制止・発言取消し・退場命令
- 国会法 第120条侮辱を受けた議員の懲罰請求権
- 国会法 第121条懲罰事犯の付託手続と懲罰動議
- 国会法 第122条戒告・陳謝・登院停止・除名の四種
- 地方自治法 第132条地方議会における同趣旨の言論規律
- 国家賠償法 第1条議員発言による損害の国家賠償の可否
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