国会法 第125条
クイックジャンプ
- 裁判官の弾劾は、各議院においてその議員の中から選挙された同数の裁判員で組織する弾劾裁判所がこれを行う。
- 2.弾劾裁判所の裁判長は、裁判員がこれを互選する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第125条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第125条の条文原文は「裁判官の弾劾は、各議院においてその議員の中から選挙された同数の裁判員で組織する弾劾裁判所がこれを行う。」で始まります。
- 国会法第125条は第十六章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第125条の前の条は国会法第124条の4です。
- 国会法第125条の次の条は国会法第126条です。
- 国会法第125条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第125条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第125条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/125
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法125条は、裁判官を罷免する弾劾裁判所を、衆参各議院が議員から選挙した同数の裁判員で組織すると定める。裁判長は裁判員の互選で選ぶ。
Q · 裁判官を辞めさせる裁判は、誰が担当するの?
衆参同数の国会議員で組織する弾劾裁判所が担当する
国会法125条により、裁判官の弾劾は、衆議院と参議院がそれぞれ議員の中から選挙した同数の裁判員で組織する弾劾裁判所が行います。裁判長は裁判員の互選で決まります。人数は裁判官弾劾法で衆参各7人、計14人とされています。罷免事由は職務上の義務への著しい違反や、裁判官としての威信を著しく失う非行などに限られ、判決内容への不満は対象になりません。
解説
裁判官を辞めさせられる場所は、日本に一か所しかない。最高裁判所でも法務省でもなく、国会議員が裁判員として座る「弾劾裁判所」である。国会法125条は、その法廷を衆議院と参議院から同じ数の議員を選挙して組織し、裁判長も議員同士の互選で決めると定める。人数の内訳は裁判官弾劾法が定めており、衆参それぞれ7人、計14人である。なぜプロの裁判官ではなく政治家が裁くのか。裁判官同士で裁けば身内に甘くなる。一方、内閣に罷免権を渡せば、政府に不都合な判決を書いた裁判官が狙われる。そこで、主権者に選ばれた国会議員に、衆参同数という形で裁かせる。ここで知っておくべきなのは、入口が国民に開かれている点だ。裁判官弾劾法15条により、誰でも訴追委員会(国会に置かれた、裁判官を弾劾裁判所に訴えるかどうかを決める委員会)に罷免の訴追を求められる。判決に不満があるだけでは通らないが、裁判官の非行を見た市民が動かせる仕組みは、条文上きちんと用意されている。
法的な位置づけ
国会法125条は、裁判官の弾劾を担当する弾劾裁判所の組織を定める規定である。弾劾裁判所は、衆議院および参議院がそれぞれ議員の中から選挙した同数の裁判員により組織され、裁判長は裁判員の互選により定められる。憲法64条を受けた組織規定であり、裁判員の具体的な人数等は裁判官弾劾法が定める。
よくある質問 AI による整理
Q1弾劾裁判所とは何ですか?
裁判官を罷免するかどうかを裁判する機関です。憲法64条に基づき国会に設けられ、国会法125条により衆参同数の国会議員で組織されます。
Q2弾劾裁判所の裁判員は何人ですか?
国会法125条は「同数」とだけ定め、具体的な人数は裁判官弾劾法が衆参各7人、計14人と定めています。
Q3弾劾裁判所の裁判長はどうやって決まる?
国会法125条2項により、裁判員がその中から互選します。内閣や最高裁など他の国家機関は関与しません。
Q4弾劾裁判所の判決に不服申立てはできる?
罷免の裁判には上訴の手段がありません。一度罷免されると、その判断がそのまま確定します。
Q5裁判官が罷免されるのはどんな理由?
職務上の義務への著しい違反や職務の甚だしい怠り、裁判官としての威信を著しく失う非行に限られます(裁判官弾劾法2条)。
Q6裁判官を辞めさせる方法はある?
非行を理由とする罷免は、訴追委員会への訴追請求から始まり、弾劾裁判所の罷免判決で決まります。判決が不満なだけでは対象外です。
Q7弾劾裁判所は国会の閉会中も動ける?
動けます。弾劾裁判所は国会の委員会ではなく独立した裁判機関なので、閉会中でも審理を続けられます。
Q8最高裁の裁判官も弾劾の対象になる?
なります。憲法78条の「裁判官」には最高裁の裁判官も含まれます。最高裁の裁判官については、これとは別に国民審査の制度もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弾劾裁判所って、裁判官を裁くのに裁判官が一人もいないんですか?
いない。国会法125条により、裁判員は全員、衆参各議院が議員の中から選挙した国会議員で、裁判長も互選で決まる。法律の専門家ではない議員が判断するのは、身内である裁判官同士の甘さを排除し、主権者の代表に判断させるためである。実務のポイント:実際の審理には議員の秘書や衆参の法制スタッフが事務局として深く関わっており、法律論の土台はそこで固められている
Q2一般人が訴追請求したら、本当に弾劾裁判まで進むことがあるんですか?
制度上は誰でも請求できる(裁判官弾劾法15条)が、毎年寄せられる多数の請求のほとんどは判決への不満で、訴追に至ることは極めてまれである。訴追されれば国会法125条の弾劾裁判所で審理される。実務のポイント:これまでに罷免された裁判官は10人に満たず、罷免後に資格回復の裁判(同法38条)で法曹資格を取り戻した例もある。「罷免=永久追放」とは限らない
間違えやすい点 AI による整理
- 「判決がおかしいなら弾劾で裁判官を辞めさせればいい」という発想は前提がずれている。弾劾の罷免事由は、職務上の義務への著しい違反や、裁判官としての威信を著しく失う非行などに限られる(裁判官弾劾法2条)。判決の内容が気に入らないという理由で裁判官を罷免できるなら、裁判官は世論に迎合した判決しか書けなくなる。判決の誤りは上訴で正すものであり、弾劾の対象ではない
- 弾劾裁判所は国会の中の委員会のようなものだと思われがちだが、法律から見れば性質がまるで違う。憲法64条が直接設置を命じた独立の裁判機関であり、国会の閉会中でも活動できる。罷免の裁判には上訴の手段がなく、罷免されると弁護士になる資格まで失う(弁護士法7条)。政治の場に置かれてはいるが、下される判断の重さは本物の法廷と同じかそれ以上である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 国会法125条:罷免の裁判(弾劾裁判所) | 国会法126条:罷免の訴追(裁判官訴追委員会) 国会法127条:裁判員と訴追委員の兼職禁止 |
| 構成 | 衆参各議院が選挙した同数の裁判員 | 衆参各議院が選挙した同数の訴追委員 同じ議員が訴追と裁判の両方に就くことを排除 |
| 長の選び方 | 裁判長は裁判員の互選 | 委員長は訴追委員の互選 — |
| 制度上の意味 | 訴追を受けて罷免の可否を判断する | 訴追請求を調査し、訴追するかを決める 訴える側と裁く側を分け、公正さを確保する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では、裁判官の懲戒は司法院の職務法庭が担い、監察院が弾劾を提起する。議員が直接裁く日本とは担い手が違う。
韓国では国会が弾劾訴追を議決し、憲法裁判所が審判する。訴追は議会、審判は司法機関と分けている。
ドイツでは連邦議会が裁判官訴追(Richteranklage)を提起し、連邦憲法裁判所が判断する。
米国では下院が弾劾訴追し、上院が審判する。日本のような衆参同数の独立した法廷は置かない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 2024年4月、SNS 投稿などで刑事事件の遺族を傷つけたとして、仙台高裁の裁判官が弾劾裁判所で罷免された。ニュースで「国会が裁判官をクビにした」と聞いて引っかかったなら、その法廷を組織する根拠がこの125条である
- 法廷で裁判官が当事者に侮辱的な発言を繰り返した場合、何ができるのか? 判決に不服なら上訴だが、裁判官の非行そのものについては訴追委員会に訴追請求ができる(裁判官弾劾法15条)。日時、発言内容、同席者を記録しておくことが出発点になる
学説
通説:弾劾裁判所は、憲法64条が直接設置を定めた、国会とは別個の独立した裁判機関であり、国会の委員会ではない。そのため国会の閉会中も活動でき、その裁判は司法権の例外として位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国会法の制定にともない、憲法64条を受けて弾劾裁判所の組織(衆参同数の裁判員・裁判長の互選)を定める規定として新設された。
- 国会法 第126条訴追を担う裁判官訴追委員会の組織
- 国会法 第127条裁判員と訴追委員の兼職禁止
- 国会法 第128条弾劾の詳細を別の法律に委ねる規定
- 裁判官弾劾法 第16条裁判員を衆参各7人と定める
- 裁判官弾劾法 第2条弾劾による罷免事由の限定
- 裁判官弾劾法 第15条何人にも認められる訴追請求権
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める