国会法 第34条
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各議院の議員の逮捕につきその院の許諾を求めるには、内閣は、所轄裁判所又は裁判官が令状を発する前に内閣へ提出した要求書の受理後速かに、その要求書の写を添えて、これを求めなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第34条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第34条の条文原文は「各議院の議員の逮捕につきその院の許諾を求めるには、内閣は、所轄裁判所又は裁判官が令状を発する前に内閣へ提出した要求書の受理後速かに、その要求書の写を添えて、これ…」で始まります。
- 国会法第34条は第四章 議員に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第34条の前の条は国会法第33条です。
- 国会法第34条の次の条は国会法第34条の2です。
- 国会法第34条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第34条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第34条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/34
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法34条は、会期中の議員の逮捕につき、裁判官が令状発付前に内閣へ要求書を提出し、内閣が受理後速やかにその写しを添えて院の許諾を求めると定める。
Q · 国会議員の逮捕を認めるかどうかは、結局だれが決めるの?
各議院が議決で決める。内閣は要求書を院へ回す運び役にすぎない
国会法34条により、会期中の議員を逮捕するには、裁判官が令状を発する前に要求書を内閣へ提出し、内閣は受理後速やかにその写しを添えて当該議院の許諾を求めなければなりません。内閣には可否を判断する裁量がなく、許諾するかどうかは議院の議決で決まります(憲法50条、国会法33条)。なお、院外の現行犯や閉会中の逮捕には許諾は要りません。
解説
国会議員を会期中に逮捕したい検察官は、まず裁判官のもとへ行く。ところが裁判官は、その場で逮捕状を出せない。いったん「要求書」を内閣に提出し、内閣がその写しを添えて衆議院または参議院に「逮捕してよいか」を問う。院の許諾(議院としての同意の議決)が出て、初めて令状が出る。本条は、このバトンリレーの順番と、内閣が「速かに」動く義務を定めた手続条文である。押さえておきたいのは、内閣に要求書を握りつぶす裁量がない点だ。相手が政権与党の議員でも、内閣は受理したら院へ回すしかない。最終判断を下すのは院の多数決である。しかも、この関所が働くのは会期中だけだ。現職議員の逮捕が国会閉会の直後や閉会中に集中しやすいのは偶然ではない。逮捕の日付を見れば、その裏にある計算が読める。
法的な位置づけ
国会法34条は、各議院の議員の逮捕について院の許諾を求める手続を定める規定である。所轄裁判所または裁判官は令状を発する前に要求書を内閣へ提出し、内閣は受理後速やかにその写しを添えて当該議院に許諾を求める義務を負う。憲法50条および国会法33条が定める会期中不逮捕特権を具体化する手続規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.検察官が裁判官に逮捕状を請求 捜査機関が会期中の議員について逮捕の必要があると判断した場合、通常の手続と同じく裁判官に逮捕状を請求する(刑事訴訟法199条)。院外の現行犯であれば、この段階を経ずに逮捕できる
- 2.裁判官が令状発付前に要求書を内閣へ提出 所轄裁判所または裁判官は、その場で令状を出さず、院の許諾を求めるための要求書を内閣に提出する
- 3.内閣が速やかに院へ許諾を求める 内閣は要求書を受理した後、可否を判断せず、速やかに要求書の写しを添えて当該議員の所属議院に逮捕の許諾を求める(国会法34条)
- 4.議院が審査し議決する 許諾請求を受けた議院は、議院運営委員会での審査を経て本会議で許諾するかどうかを議決する。審議の経過は会議録として公開される
- 5.許諾後に裁判官が令状発付を判断 院の許諾が得られて初めて、裁判官は令状を発付するかどうかを判断できる。逮捕後は刑事訴訟法の通常の身柄拘束の時間制限が適用される
よくある質問 AI による整理
Q1逮捕許諾請求とは何ですか?
会期中の国会議員を逮捕するため、内閣が所属議院に逮捕の許諾を求める手続です。根拠は憲法50条、国会法33条・34条です。
Q2逮捕許諾請求の流れはどうなっていますか?
検察官が逮捕状を請求すると、裁判官が令状発付前に要求書を内閣へ提出し、内閣がその写しを添えて院に許諾を求め、院が議決します。
Q3逮捕許諾請求は誰が出すのですか?
院に許諾を求める名義は内閣です。出発点は検察官の逮捕状請求で、それを受けた裁判官が内閣へ要求書を提出します。
Q4逮捕許諾が否決されたらどうなりますか?
会期中、裁判官は令状を発付できず、その議員は逮捕されません。会期が終われば特権の対象外となり、通常の手続で逮捕できます。
Q5閉会中の国会議員の逮捕に許諾は必要ですか?
不要です。不逮捕特権は会期中に限られるため、閉会中は一般の被疑者と同じく裁判官の逮捕状だけで逮捕できます。
Q6参議院の緊急集会中に議員は逮捕できますか?
緊急集会中の参議院議員は、院外の現行犯を除き、参議院の許諾がなければ逮捕されません(国会法100条)。
Q7逮捕許諾に期限や条件をつけることはできますか?
争いがあります。院が期限付きで許諾した事案で、裁判所が期限部分に拘束されないとして勾留を認めた裁判例(東京地決昭和29.3.6)があります。
Q8地方議員にも不逮捕特権はありますか?
ありません。憲法50条の不逮捕特権は国会の両議院の議員に限られ、都道府県議会や市町村議会の議員は通常の手続で逮捕されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国会議員って結局、逮捕されないんですか?
逮捕される。憲法50条と国会法33条が守るのは会期中の身柄だけで、院外の現行犯なら許諾はいらず、閉会中は通常の逮捕状で足りる。会期中でも、本条の手続を経て院が許諾すれば逮捕できる。実務のポイント:この特権が関わるのは逮捕の時期だけで、起訴や有罪判決を止める力はない。逮捕されないまま起訴される議員がいるのはそのためである
Q2内閣が自分の党の議員をかばって、許諾請求を出さないことはできないの?
できない。本条は内閣に対し、要求書の受理後「速かに」写しを添えて院の許諾を求めるよう義務づけている。内閣はあくまで運び役であり、可否の判断は各議院の議決に委ねられている(国会法33条)。実務のポイント:実際に効いてくるのは内閣ではなく、院の多数派の動向である。そもそも捜査側が許諾請求を避け、閉会を待って逮捕に踏み切る選択をすることも少なくない
間違えやすい点 AI による整理
- 「内閣がその気になれば、議員の逮捕を止められる」と思われがちだが、実は逆である。本条は、要求書を受け取った内閣に「速かに」許諾を求める義務を課しているだけで、可否を判断する権限は与えていない。逮捕を認めるかどうかは、各議院の議決で決まる
- 「国会議員には逮捕されない特権がある」という問いの立て方自体がずれている。憲法50条と国会法33条が守っているのは、会期中の身柄だけである。院外の現行犯なら許諾はいらず、閉会中は通常どおり逮捕できる。起訴されない特権や、有罪にならない特権はまったく含まれていない
- 許諾を形式的な儀式だと考えているなら、その重さを見落としている。院が許諾に条件をつけられるかは古くから争点になってきた。院が期限付きで許諾したのに、裁判所が期限部分に拘束されないとして勾留を認めた裁判例(東京地決昭和29.3.6)がある。院の判断が裁判所をどこまで縛るかは、学説上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 国会法34条:会期中の逮捕に院の許諾を求める手続 | 国会法33条:会期中不逮捕の原則と院外現行犯・許諾の例外 国会法34条の3:会期前に逮捕された議員の釈放要求の発議 |
| 動く主体 | 裁判官(要求書提出)→内閣(運び役)→議院(議決) | 議院(許諾の主体) 議員(20人以上の連名で発議)→議院 |
| 内閣の裁量 | なし。受理後速やかに院へ求める義務 | 定めなし(判断権は院) 関与しない |
他国ではどう定めているか 4 か国
立法委員は現行犯を除き、会期中は立法院の許可なく逮捕・拘禁されない。会期中に限る点は日本と共通する
裁判官が令状発付前に体捕同意要求書を政府に提出し、政府が遅滞なく写しを添えて国会に同意を求める構造で、日本の本条とほぼ同型
ドイツは会期中に限らず任期中の免責(Immunität)とし、逮捕だけでなく刑事訴追にも連邦議会の許可を要する点で日本より範囲が広い
反逆罪・重罪・治安妨害を除く逮捕からの特権を定めるが、実際には民事上の逮捕に限られると解され、刑事逮捕に議院の許諾手続はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- なぜ現職議員の逮捕は、国会が閉じた直後に行われることが多いのか? 会期中なら、裁判官は要求書を内閣に送り、院の許諾を待たなければならない。閉会中なら、その関所自体がない。逮捕の日付は、捜査側が選んだ戦略そのものである
- あなたは議員の政策秘書で、事務所に家宅捜索が入った。会期末まであと5日。会期中に許諾請求が出れば、議院運営委員会と本会議での審議が公になり、報道は連日続く。弁護人と詰めるべきなのは逮捕そのものへの備えだけではない。許諾審議までの数日間に、どんな事実説明を院へ届けるかである
- 内閣が政権与党の議員に関する要求書を受け取った。握りつぶせるのか。答えは否である。受理後速やかに院へ回す義務がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 議員の不正で被害を受けた場合や告発したい場合は、まず検察庁または警察に告訴状・告発状を出す。許諾手続は捜査側が動かすもので、被害者が直接申し立てる仕組みではない2. 会期中でも、任意捜査や起訴は妨げられない。逮捕されないことと、処罰されないことを混同しない3. 民事の損害賠償(民法709条)は、不逮捕特権とは関係なく別に請求できる4. 許諾審議の経過は会議録で確認し、代表者の判断を記録しておく
訴えられた側:1. 会期中に捜査対象となったら、許諾請求が内閣を経て院に届く前に弁護人を選任し、事実説明を準備する2. 院外の現行犯は許諾不要(国会法33条)なので、会期中でもその場で逮捕されうる3. 会期前に逮捕された場合は、議員20人以上の連名で釈放要求を発議できる(国会法34条の3)。所属会派との連携が鍵になる4. 許諾は逮捕を認めるだけであり、黙秘権や弁護人選任権などの被疑者の権利は通常どおり使える
時効(請求できる期限):特定の時効や期間の定めはない。内閣は要求書の受理後「速かに」許諾を求める義務を負うが、具体的な日数は決められていない。許諾が問題になるのは会期中に限られ、閉会中は不要である(参議院の緊急集会中については国会法100条の特則がある)。許諾後に逮捕された場合は、刑事訴訟法の通常の時間制限が適用される。逮捕から勾留請求まで最大72時間、勾留は原則10日で、延長により最大20日まで(最新の改正状況をご確認ください)
学説
条件・期限付き許諾否定説:院の権限は逮捕を許諾するか否かの判断に尽き、許諾に条件や期限を付しても裁判所を拘束しないとする立場。東京地決昭和29.3.6の結論と整合する
条件・期限付き許諾肯定説:不逮捕特権の趣旨は議院の審議機能の保護にあり、許諾しないことができる以上、期限などを付した限定的な許諾も可能であるとする立場
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国会法(昭和22年法律第79号)の制定により新設。日本国憲法50条の会期中不逮捕特権を受け、許諾を求める手続を内閣経由と定めた
- 国会法 第33条会期中不逮捕と院外現行犯・許諾の例外
- 国会法 第34条の2会期前に逮捕された議員の通知義務
- 国会法 第34条の3会期前に逮捕された議員の釈放要求の発議要件
- 国会法 第100条参議院緊急集会中の逮捕許諾の特則
- 刑事訴訟法 第199条逮捕状による通常逮捕の一般規定
- 刑事訴訟法 第212条現行犯人の定義、許諾不要となる場面
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