電気事業法 第26条の3(電気工作物の台帳の作成等)
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- 一般送配電事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その事業の用に供する電気工作物の設置の時期、耐用年数その他経済産業省令で定める事項を記載した台帳を作成し、これを保管しなければならない。
- 2.一般送配電事業者は、前項の台帳の内容を踏まえ、長期的な観点から、その供給区域における需要に鑑み、その事業の用に供する電気工作物を計画的に更新しなければならない。
この条文の基本情報
電気工作物の台帳の作成等とは何ですか?
定義電気工作物の台帳の作成等とは、電気事業法第26条の3に定められた規定で、「一般送配電事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その事業の用に供する電気工作物の設置の時期、耐用年数その他経済産業省令で定める事項を記載した台帳を作成し、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第26条の3(電気工作物の台帳の作成等)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第26条の3の条文原文は「一般送配電事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その事業の用に供する電気工作物の設置の時期、耐用年数その他経済産業省令で定める事項を記載した台帳を作成し、…」で始まります。
- 電気事業法第26条の3は第二款 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第26条の3の前の条は電気事業法第26条の2です。
- 電気事業法第26条の3の次の条は電気事業法第27条です。
- 電気事業法第26条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第26条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第26条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/26_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法26条の3は、一般送配電事業者に設備の設置時期・耐用年数を記した台帳の作成・保管と、その台帳と地域需要を踏まえた計画的な設備更新を義務づける。
Q · 電柱や鉄塔の老朽化って、電力会社に管理する義務はあるの?
ある。送配電会社に台帳作成と計画的更新の義務がある
電気事業法26条の3により、地域の電線網を持つ一般送配電事業者は、電気工作物ごとに設置時期や耐用年数などを記載した台帳を作成・保管しなければなりません(1項)。さらに、その台帳の内容を踏まえ、供給区域の需要を見ながら長期的な観点で設備を計画的に更新する義務を負います(2項)。小売の新電力会社ではなく、送配電会社が負う義務です。
解説
電柱や送電鉄塔、変電所、地中ケーブル。毎日使っているのに、多くの人はこれらがいつ建てられ、あと何年もつのかを考えたことがない。電気事業法26条の3は、北海道電力ネットワークから沖縄電力までの一般送配電事業者(地域の電線網を持ち、電気を家まで届ける会社)に二つの義務を課している。一つ目は、設備ごとに設置時期と耐用年数を記した台帳を作り、保管すること。二つ目は、その台帳をもとに、地域の需要を見ながら長期的な観点で設備を計画的に更新することである。ポイントは、更新が「壊れたら直す」から「年齢を把握して先回りで替える」へ、法律上の義務に格上げされたことだ。しかも更新にかかる費用は託送料金(電線網の使用料)を通じて、あなたの電気料金の一部になる。新電力に乗り換えても、電線は地域の送配電会社のものだ。停電リスクと毎月の請求額、その両方の根っこにこの台帳がある。
法的な位置づけ
電気事業法第26条の3は、一般送配電事業者の設備管理義務を定める規定である。事業の用に供する電気工作物について、設置の時期、耐用年数その他経済産業省令で定める事項を記載した台帳の作成・保管を義務づけ、当該台帳の内容と供給区域の需要を踏まえた長期的・計画的な更新を求める。
よくある質問 AI による整理
Q1一般送配電事業者とは?
地域の送電線・配電線・変電所などの電線網を保有・運用し、各家庭や事業所まで電気を届ける事業者です。北海道から沖縄まで地域ごとに10社あります。
Q2電気工作物の台帳には何を書く?
電気事業法26条の3第1項により、設置の時期、耐用年数のほか、経済産業省令で定める事項を記載します。具体的な項目は省令で確認が必要です。
Q3新電力会社にも設備台帳の義務はある?
ありません。本条の義務を負うのは一般送配電事業者です。小売電気事業者は電線網を持たないため、台帳作成や計画的更新の義務の対象外です。
Q4計画的更新の義務に違反するとどうなる?
本条自体に罰則は書かれていませんが、経済産業大臣による報告の徴収や立入検査などの監督の対象になりえます。具体的な処分は監督規定の確認が必要です。
Q5工場の自家用電気設備にもこの条文は適用される?
適用されません。本条は一般送配電事業者が事業に用いる電気工作物が対象です。自家用電気工作物は保安規程や技術基準など別の規定で管理されます。
Q6送配電設備の老朽化はなぜ問題なの?
高度経済成長期に集中して建てた鉄塔や電柱が一斉に寿命を迎えつつあるためです。更新が遅れると、台風などの災害時に大規模停電のリスクが高まります。
Q7人口が減る地域でも設備は同じ規模で更新するの?
必ずしも同じ規模である必要はありません。本条は供給区域の需要に鑑みた更新を求めており、需要の変化に応じて設備の規模を見直す余地があります。
Q8設備台帳は誰がチェックするの?
一般送配電事業者を監督する経済産業省(資源エネルギー庁)が、報告の徴収などを通じて確認しうる立場にあります。料金審査で更新計画が検討されることもあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの近所の電柱がいつ建てられたか、電力会社に聞けば教えてもらえるんですか?
本条は台帳の作成と保管を義務づけているが、一般の人への開示までは定めていない。送配電会社は民間企業であり、情報公開法の対象でもない。ただし、倒れそうな電柱や傷んだ設備の点検依頼には通常応じている。実務のポイント:個人で問い合わせるより、自治体や町内会を通じて防災の観点から照会するほうが、具体的な回答を引き出しやすい
Q2設備の更新費用って、結局は私たちの電気代に上乗せされるんですか?
更新投資の費用は、託送料金を通じて最終的に利用者全体で負担する構造になっている。2023年4月からのレベニューキャップ制度では、送配電会社が一定期間の事業計画を作り、国の審査を経て収入の上限が決まる。実務のポイント:審査の過程では資料や審議会の議事が公開されている。どの設備にいくら投資する計画なのか、関心があれば一般の人も読める(最新の制度運用をご確認ください)
Q3台風で三日停電したのは、設備が古かったせいだと訴えられますか?
可能性はあるが、ハードルは高い。小売供給契約や託送供給等約款には、天災による停電の免責条項が入っていることが多い。不法行為(民法709条)で争うなら、設備管理の過失と損害の因果関係を被害者側が立証する必要がある。実務のポイント:本条ができたことで、更新を計画的に管理していたかどうかが過失を判断する一つの物差しになりうる。台帳と計画の記録は、訴訟で文書提出命令の対象にできる場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「新電力に乗り換えたから、停電対応も新電力の責任」と考える人は多い。しかし小売の契約先を替えても、電気を運ぶ電線と鉄塔は地域の一般送配電事業者が持ち、維持している。台帳の作成と計画的更新の義務を負うのも送配電会社だ。停電時の問い合わせ先を間違えると、時間だけが過ぎていく
- 台帳と聞くと事務的な帳簿を想像しがちだが、その重さを分かっていない人が多い。耐用年数を過ぎた設備が台帳上どれだけ残っているかは、託送料金の審査で更新投資の必要性を説明する材料になる。地味な記録が、何十年分もの投資規模と、利用者全体が負担する料金の水準につながっている
- 「老朽設備は全部すぐ替えるべきだ」と考えると、問いの立て方がずれる。本条は一斉更新ではなく、需要を見ながら長期的な観点で計画的に更新することを求めている。人口が減る地域では、同じ規模で替えないことが合理的な場合もある。問うべきは「全部替えたか」ではなく「優先順位に筋が通っているか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 電気事業法26条の3:設備の年齢管理(台帳)と計画的更新 | 電気事業法26条:供給する電気の電圧・周波数の維持 電気事業法39条:事業用電気工作物の技術基準への適合維持 |
| 義務を負う者 | 一般送配電事業者 | 一般送配電事業者 事業用電気工作物を設置する者 |
| 時間軸 | 長期的観点からの先回りの更新 | 日々の供給品質の維持 現時点での技術基準への適合 |
| 判断の基準 | 台帳の内容+供給区域の需要 | 経済産業省令で定める電圧・周波数の値 経済産業省令で定める技術基準 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では2017年の電業法改正で発電・輸配電・売電の区分が進み、輸配電業が電力網の維持と整備を担う構造となった。日本の一般送配電事業者に近い位置づけ
ドイツでは系統運用者に、安全で信頼性のある系統を運用・保守し、需要に応じて拡充する義務が課されている。日本の計画的更新義務と同種の発想
フランスでは配電系統運用者(主に Enedis)の任務として、配電網の運用・保守・整備が法定されている
米国では連邦レベルで信頼度基準を定め、送電設備の保守・計画を規律する。台帳義務という形ではなく基準遵守の監督が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風の翌朝、あなたの町だけ三日たっても停電が続いている。倒れたのが昭和に建てられた鉄塔だと報じられたら、問うべきは「天災だったか」だけでは足りない。その鉄塔は台帳でどう管理され、更新計画のどこに入っていたのか。自治体議員や消費者団体が送配電会社に説明を求めるときの切り口になる
- 工場の操業を一日止めると数千万円の損失が出る。新しい生産ラインの立地を選ぶとき、その地域の変電所や配電線がどの程度更新されているか、送配電会社に何を聞けばいい? 設備の更新状況は、立地調査で意外と見落とされる
- あなたは送配電会社の設備部門の担当者だ。監査の前日、台帳に記録された耐用年数と現場の実物が一致しない設備が数十件見つかった。どれから直すかの判断根拠を、明日の朝までに説明できる形にしなければならない
- 電気料金の明細を見て「託送料金って何?」と思ったことはないか。電線網の更新費用は、ここを通ってあなたの財布から支払われている
- マンション管理組合の理事として、敷地内の電柱移設を送配電会社と協議することになった。会社側の回答が「更新計画上、当面は対象外」だったとき、その計画がどんな台帳にもとづくものかを知っていれば、交渉の質問がまったく変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 長期停電で損害が出たら、停電の日時、継続時間、被害の内容(冷蔵品の廃棄、営業の停止など)を写真と領収書で記録する2. 問い合わせ先は小売電気事業者ではなく地域の一般送配電事業者だと確認する3. 賠償は、託送供給等約款や小売供給契約の免責条項にまず左右されるため、約款を確認する4. 設備管理に過失がうかがわれる場合は、民法709条にもとづく請求の可否を弁護士に相談する。台帳や更新計画の記録は、証拠として裁判で提出を求める対象になりうる
訴えられた側:1. 送配電会社の担当者は、台帳の記載事項が省令の定める項目を満たしているか、現場の実物と一致しているかを定期的に突き合わせる2. 更新の優先順位を決めた根拠(劣化診断、需要見通し、災害リスク)を文書に残す3. 経済産業大臣による報告の徴収や立入検査に備え、説明できる記録を一元管理する4. 事故が起きた場合は、計画どおりに管理していたことを示す記録が、過失を否定する最大の防御材料になる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。停電被害の賠償については、不法行為なら損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年(民法724条、724条の2)。契約責任による場合は一般消滅時効(民法166条、知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(要検証) 送配電網の強靱化とレベニューキャップ制度導入の一環として、台帳作成と計画的更新の義務が設けられたとみられる。新設か改正か、施行日を含め人による検証が必要
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