会社更生法 第123条(裁判所による代理委員の選任)
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- 裁判所は、共同の利益を有する更生債権者等又は株主が著しく多数である場合において、これらの者のうちに前条第二項の規定による勧告を受けたにもかかわらず同項の期間内に代理委員を選任しない者があり、かつ、代理委員の選任がなければ更生手続の進行に支障があると認めるときは、当該者のために、相当と認める者を代理委員に選任することができる。
- 2.前項の規定により代理委員を選任するには、当該代理委員の同意を得なければならない。
- 3.第一項の規定により代理委員が選任された場合には、当該代理委員は、本人(その者のために同項の規定により代理委員が選任された者をいう。第六項において同じ。)が前条第一項の規定により選任したものとみなす。
- 4.第一項の規定により選任された代理委員は、正当な理由があるときは、裁判所の許可を得て辞任することができる。
- 5.第一項の規定により選任された代理委員は、更生会社財産から、次に掲げるものの支払を受けることができる。
- 一前条第三項に規定する行為をするために必要な費用について、その前払又は支出額の償還
- 二裁判所が相当と認める額の報酬
- 6.第一項の規定により代理委員が選任された場合における当該代理委員と本人との間の関係については、民法第六百四十四条から第六百四十七条まで及び第六百五十四条の規定を準用する。
この条文の基本情報
裁判所による代理委員の選任とは何ですか?
定義裁判所による代理委員の選任とは、会社更生法第123条に定められた規定で、「裁判所は、共同の利益を有する更生債権者等又は株主が著しく多数である場合において、これらの者のうちに前条第二項の規定による勧告を受けたにもかかわらず同項の期間内に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第123条(裁判所による代理委員の選任)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第123条の条文原文は「裁判所は、共同の利益を有する更生債権者等又は株主が著しく多数である場合において、これらの者のうちに前条第二項の規定による勧告を受けたにもかかわらず同項の期間内に…」で始まります。
- 会社更生法第123条は第八節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第123条の前の条は会社更生法第122条です。
- 会社更生法第123条の次の条は会社更生法第124条です。
- 会社更生法第123条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第123条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第123条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/123
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法123条は、債権者・株主が著しく多数で自ら代理委員を選任しない者があるとき、裁判所がその者のために職権で代理委員を選任できると定める。代理委員は本人が選任したものとみなされる。
Q · 倒産した取引先の債権者になったとき、代理委員って勝手に決められるの?
黙っていると裁判所が職権で選任できる
会社更生法123条により、共同の利益を持つ債権者・株主が著しく多数で、勧告されても期間内に自ら代理委員を選任しない者があり、それが手続の進行を妨げると裁判所が認めるときは、その者のために裁判所が職権で代理委員を選任できます。選任された代理委員は本人が自ら選任したものとみなされ(3項)、その報酬・費用は更生会社財産から支払われます(5項)。配当の原資が削られるため、勧告書が届いたら期間内に自分で代理人を立てるのが得策です。
解説
取引先の大手メーカーが倒れ、会社更生手続が始まった。あなたはその下請けで、未回収の売掛金が数百万円。同じ立場の更生債権者は何千人もいる。会社更生法123条が牙をむくのは、まさにこの瞬間だ。共同の利益を持つ債権者や株主が著しく多数で、しかも勧告されたのに自分で代理委員を選ばない者がいて、その放置が手続の進行を妨げると裁判所が判断したとき、裁判所はあなたのために代理委員を選任できる。怖いのはその効果だ。選ばれた代理委員は、あなた自身が選んだものとみなされる(3項)。さらにその報酬と費用は、更生会社の財産から支払われる(5項)。つまり、あなたが受け取れる配当の原資が、あなたの知らないところで削られていく。沈黙していると、他人があなたの代理人になり、あなたの取り分から報酬が出ていく構造だ。
法的な位置づけ
会社更生法123条は、更生手続における代理委員の職権選任を定める規定である。共同の利益を有する更生債権者等または株主が著しく多数で、勧告にもかかわらず自ら代理委員を選任しない者があり手続進行に支障があるとき、裁判所が当該者のために代理委員を選任することを認める。選任された代理委員は本人による選任とみなされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.手続書類が届いたら代理委員の勧告期限を確認 取引先倒産の更生手続書類が届いたら、机に積まず、まず代理委員の選任勧告(122条2項)の期限を探す。放置すれば裁判所の職権選任の対象になる
- 2.期間内に自分で代理委員・弁護士を選任 勧告期間内に、信頼できる代理委員や倒産事件に詳しい弁護士を自ら選任する。先に動けば123条の裁判所職権選任は発動せず、自分の代理人を自分で選べる
- 3.選任を打診された側は条件を就任前に確認 代理委員就任を裁判所から打診された場合、同意するか否かは自由(2項)。引き受ける前に職務範囲、費用前払の取扱い(5項1号)、報酬の見込み(5項2号)を確認し、善管注意義務(民法644条準用)の負担を理解する
- 4.職権選任後に不満があれば救済を検討 すでに裁判所が代理委員を選任した場合、その者は本人が選んだものとみなされる(3項)。不適任なら代理委員の解任申立てや、別途の手続参加を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1代理委員とは何ですか?
更生手続で共同の利益を持つ多数の債権者・株主を束ねて手続に関与する代理人です。本人が選ぶのが原則ですが、会社更生法123条で裁判所が職権選任する場合もあります。
Q2代理委員は断ることができますか?
本人(債権者)が裁判所の職権選任を拒む要件はありません。一方、代理委員に選ばれる側は同意しなければ就任しません(123条2項)。引き受ければ善管注意義務を負います。
Q3代理委員の報酬は誰が払うのですか?
更生会社財産から支払われます(123条5項)。費用の前払・償還と、裁判所が相当と認める額の報酬が含まれ、配当原資が間接的に減ります。
Q4裁判所が選んだ代理委員はいつ辞任できますか?
正当な理由があるときは、裁判所の許可を得て辞任できます(123条4項)。本人との関係には委任の規定(民法644条以下)が準用されます。
Q5代理委員の職権選任を避けるにはどうすればいいですか?
勧告書が届いたら期間内に自分で信頼できる代理委員や弁護士を選任することです(122条)。先に動けば123条の職権選任は発動しません。
Q6少額の債権者でも代理委員制度の対象になりますか?
なります。少額の社債や未払い退職金も更生債権です。著しく多数の債権者の一人として沈黙すると、123条の職権選任の射程に入ります。
Q7代理委員と管財人の違いは何ですか?
管財人は更生会社の事業経営と財産管理を担う手続の中心です。代理委員は多数の債権者・株主側の利益を束ねて手続に関与する代理人で、立場が異なります。
Q8代理委員が選任されると債権者本人はどうなりますか?
代理委員は本人が自ら選任したものとみなされ(123条3項)、本人の手続行為は代理委員を通じて行われます。不満があれば解任や別途の手続参加を検討します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判所が勝手に選んだ代理委員、断ることはできないんですか?
本人(あなた)の同意は選任の要件になっていません。123条3項で「あなたが自ら選任したものとみなす」とされ、原則として拒めません。ただし不適任なら解任を求める余地はあります。実務のポイント:実務上、123条の職権選任が実際に使われる場面は限られ、裁判所はまず122条2項の勧告で自主選任を促します。勧告書が来た時点で自分の代理人を立てれば、見ず知らずの代理委員を押し付けられる事態は避けられる
Q2代理委員の報酬は誰が払うんですか?私の取り分から引かれるって本当ですか?
5項により、報酬と費用は更生会社の財産から支払われます。配当の原資が減るという意味で、間接的に債権者全体の取り分に影響します。金額は「裁判所が相当と認める額」です。実務のポイント:代理委員の費用が財産から出る以上、多数の債権者が放置して職権選任が増えるほど、回収できる配当は目減りする。自分で弁護士を選んで手続参加した方が、コントロールも回収見込みも良くなるケースが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「代理委員なんて自分には関係ない、必要なら弁護士を雇えばいい」と考えるのは、問いの立て方そのものがずれている。123条が起動するのは、あなたが何もしないとき。沈黙それ自体が、裁判所の職権選任を呼び込むスイッチだ
- 代理委員が選ばれること自体は知っていても、その報酬と費用が更生会社財産から出る(5項)という重みを見落としている人が多い。配当の原資が削られる以上、これはあなたの回収額に直結する数字の問題だ
- あなたから見れば「勝手に代理人を立てられた」だが、法律から見れば「あなたが自ら選任したものとみなす」(3項)。この落差が、後から「そんな代理人は知らない」という主張を封じてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 会社更生法123条:裁判所による代理委員の職権選任 | 会社更生法122条:本人による代理委員選任と裁判所の勧告(前提) 会社更生法2条:更生債権者等・株主の定義(対象者の範囲) |
| 選任の主体 | 裁判所(職権) | 本人(更生債権者等・株主) —(定義規定) |
| 本人の同意 | 本人の同意は不要、ただし代理委員自身の同意は必要(2項) | 本人が自ら選任するため当然に本人の意思に基づく — |
| 効果 | 本人が自ら選任したものとみなされる(3項)、報酬は会社財産負担(5項) | 本人と代理委員の間で委任関係が成立 — |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の会社更生(重整)では関係人会議を通じて多数の債権者・株主が手続に関与するが、日本のような個別の代理委員職権選任の明文はない
ドイツは Gläubigerausschuss(債権者委員会)が多数債権者の利益を代表する。委員は裁判所が任命でき、構成の調整も裁判所が関与する
米国 Chapter 11では US Trustee が creditors' committee を任命し、多数債権者の利益を集約する。職権による個別代理人選任とは枠組みが異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勧告書が届き「期間内に代理委員を選任せよ」とある。残された時間はあと数日。放置すれば、裁判所が見ず知らずの人をあなたの代理人にする。今自分で動くか、他人に委ねるか、その分岐に立っている
- もし、あなたが選任を打診される側だったら? 裁判所から「多数の債権者の代理委員になってほしい」と声がかかる。同意しなければ就任しない(2項)が、引き受ければ善管注意義務を負い、報酬も受け取れる。引き受ける前が、条件を詰める唯一の機会だ
- あなたは更生会社の少数株主。何千人もいる株主の一人として、知らぬ間に代理委員がつき、その費用が会社財産から出ていた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 勧告書が来たら、まず代理委員選任の期限を確認、放置は禁物2. 期間内に自分で信頼できる代理委員(弁護士等)を選任すれば、123条の裁判所選任を回避できる3. すでに裁判所が選任した場合、その代理委員はあなたが選んだものとみなされる(3項)ので、不満があれば代理委員の解任や別途の手続参加を検討4. 報酬・費用が会社財産から出る分、自分の配当への影響を見積もっておく
訴えられた側:1. 裁判所から代理委員就任を打診されても、同意するか否かはあなた次第(2項)、引き受ければ善管注意義務(プロとして当然払うべき注意のレベル)を負う2. 就任前に職務範囲、費用前払いの取扱い(5項1号)、報酬の見込み(5項2号)を確認3. 引き受けた後に正当な理由が生じれば、裁判所の許可を得て辞任できる(4項) 4. 本人との関係は委任の規定(民法644条以下)が準用されるので、報告義務・受取物引渡義務を怠らない
時効(請求できる期限):代理委員選任の勧告には前条(122条2項)の期間が定められ、その期間内に自ら選任しなければ裁判所による職権選任の対象となる。固有の消滅時効はないが、更生手続には厳格な期日・期間が設定されるため、勧告書記載の期限が事実上の分水嶺となる(最新の手続運用をご確認ください)
学説
通説:代理委員の職権選任(123条)は、著しく多数の債権者・株主が関与する更生手続の円滑な進行を確保するための制度的手当てと解される。本人の自主選任を促す勧告(122条2項)が前置され、職権選任が実際に用いられる場面は限定的とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(旧法は昭和27年法律第172号)。手続の迅速化・合理化が図られ、代理委員制度を含む多数当事者の手続関与に関する規律が再編された。
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