(役員等の財産に対する保全処分)
裁判所は、更生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、次に掲げる保全処分をすることができる。
1 発起人、設立時取締役、設立時監査役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人(以下この節において「役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権を保全するための当該役員等の財産に対する保全処分
2 役員等(設立時監査役、会計参与、監査役、会計監査人及び清算人を除く。)に対する会社法第五十二条第一項、第五十二条の二第一項若しくは第二項、第百三条第二項、第二百十三条第一項、第二百十三条の三第一項、第二百八十六条第一項又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払請求権を保全するための当該役員等の財産に対する保全処分
裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
第一項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
(役員等の責任の査定の申立て等)
裁判所は、更生手続開始の決定があった場合において、前条第一項各号に規定する請求権が存在し、かつ、必要があると認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、決定で、当該請求権の額その他の内容を査定する裁判(以下この節において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。
前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。
裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。
第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。
役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、更生手続が終了したときは、終了する。
(役員等責任査定決定等)
役員等責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。
裁判所は、前項の決定をする場合には、役員等を審尋しなければならない。
役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
(役員等責任査定決定に対する異議の訴え)
役員等責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
前項の訴えは、更生裁判所が管轄する。
第一項の訴えは、これを提起する者が、役員等であるときは管財人を、管財人であるときは役員等を、それぞれ被告としなければならない。
第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。
役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。
役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。
(役員等責任査定決定の効力)
前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、取り下げられたとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。