会社更生法 第103条(役員等責任査定決定の効力)
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前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、取り下げられたとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。
この条文の基本情報
役員等責任査定決定の効力とは何ですか?
定義役員等責任査定決定の効力とは、会社更生法第103条に定められた規定で、「前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、取り下げられたとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第103条(役員等責任査定決定の効力)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第103条の条文原文は「前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、取り下げられたとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する…」で始まります。
- 会社更生法第103条は第五節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第103条の前の条は会社更生法第102条です。
- 会社更生法第103条の次の条は会社更生法第104条です。
- 会社更生法第103条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第103条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第103条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/103
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法103条は、役員等責任査定決定に対する異議の訴えが1ヶ月の不変期間内に提起されないと、決定が確定判決と同一の効力を持つと定める規定である。
Q · 会社が倒産して役員等責任査定決定が届いた。放っておいたらどうなるの?
1ヶ月放置すると確定判決と同じ効力を持ち差し押さえられる
会社更生法103条により、役員等責任査定決定の送達を受けてから1ヶ月の不変期間内に異議の訴え(102条)を起こさなければ、決定は「給付を命ずる確定判決と同一の効力」を持ちます。訴えを取り下げたとき、手続上の理由で却下されたときも同じです。確定すれば管財人は決定を債務名義として、役員個人の自宅・預金・給与に強制執行をかけられます。通常訴訟と異なり、動かなかった側が負ける構図です。
解説
勤めていた会社が倒産し、更生手続に入った。あなたは元取締役で、「会社のことはもう終わった」と肩の荷を下ろしたつもりでいる。ある日、裁判所から一通の「役員等責任査定決定」が届く。中には、あなたが会社に与えた損害として数千万円を支払えと書いてある。ここで多くの人が致命的な誤解をする。「これは決定であって判決ではない、無視しても執行されはしないだろう」と。会社更生法103条はその逆を定める。前条(102条)の異議の訴えを、送達から1ヶ月の不変期間内に起こさなければ、この査定決定は「給付を命ずる確定判決と同一の効力」を持つ。つまり管財人は、あなたの自宅、預金、給与を差し押さえる執行力を手にする。通常の損害賠償なら追及する側が訴訟を起こして立証する義務を負うが、この査定手続では構図が反転し、動かなかったあなたが負ける。
法的な位置づけ
会社更生法103条は、役員等責任査定決定の効力を定める規定である。前条の異議の訴えが不変期間内に提起されず、取り下げられ、又は却下されたとき、当該決定は給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。これにより簡易迅速な査定決定が債務名義となり、役員等の財産に対する強制執行の根拠となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.査定決定の送達日を確定し満了日を刻む 役員等責任査定決定が届いたら、まず封筒の送達日を記録し、そこから1ヶ月後の不変期間満了日をカレンダーに二重で記録する。争うかどうか迷う前に、期間管理を最優先で行う
- 2.倒産・会社法に強い弁護士へ直ちに相談 残り期間が短いことを伝え、異議の訴えを提起すべきか、提起する場合の訴訟物の特定と当事者適格を確認する。期間内提起が物理的に難しい事情があれば付加期間の余地も検討する
- 3.不変期間内に異議の訴えを管轄裁判所へ提起 内容に不服があれば、満了日までに必ず会社更生法102条の異議の訴えを更生事件係属裁判所に提起する。訴状の形式不備や出訴期間の数え間違いがないか提出前に再点検する
- 4.却下されない訴えを組み本案審理へ移行 却下されると中身を争えないまま103条で査定決定が確定する。出訴期間の起算日、訴訟物の特定、当事者適格を整え、フルの訴訟手続で任務懈怠の有無を争う
よくある質問 AI による整理
Q1役員等責任査定決定とは何ですか?
更生管財人の申立てを受け、裁判所が簡易な手続で役員等の会社に対する損害賠償責任の額を決める決定です。会社更生法100条以下が根拠で、フルの訴訟手続を経ません。
Q2会社更生の役員責任、いつまでに異議を出せますか?
査定決定の送達を受けた日から1ヶ月の不変期間内です(会社更生法102条1項)。この期間を過ぎると103条により決定が確定判決と同一の効力を持ちます。
Q3確定判決と同一の効力とはどういう意味ですか?
判決と同じく既判力と執行力を持つという意味です。査定決定が債務名義となり、管財人は役員個人の財産に強制執行をかけられます。
Q4不変期間は延長できますか?
原則できません。不変期間は裁判所の裁量でも伸縮できず、遠隔地の場合に付加期間が認められる余地があるにとどまります。1日の徒過で決定が確定します。
Q5取締役を辞めていても責任を問われますか?
問われます。査定の対象は在任中の任務懈怠(会社法423条)であり、退任の有無は関係ありません。元取締役にも査定決定が送達されます。
Q6破産や民事再生でも同じ査定の仕組みがありますか?
あります。破産法181条、民事再生法145条にも役員責任査定決定の確定判決同一効が並行して定められています。倒産の種類が変わってもリスクは消えません。
Q7査定決定に強制執行力はありますか?
確定すればあります。103条により給付を命ずる確定判決と同一の効力を持つため、別途給付訴訟を起こさずに役員の財産へ強制執行できます。
Q8異議の訴えはどこの裁判所に出しますか?
更生事件が係属する地方裁判所の専属管轄です(会社更生法102条参照)。提起先や出訴期間の起算を誤ると却下事由となり、103条で決定が確定します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1査定決定って、普通の裁判の判決と何が違うんですか?
査定決定は、管財人の申立てを受けて裁判所が簡易な手続で役員の責任額を決めるもので、フルの訴訟手続を経ていません。ただし会社更生法103条により、1ヶ月の不変期間内に異議の訴え(102条)が起こされなければ、給付を命ずる確定判決と同一の効力を持ちます。実務のポイント:実務では、争う気があっても期間管理を弁護士任せにして満了日を勘違いし、不変期間を徒過する事故が起きる。送達日と満了日は依頼者自身もカレンダーに二重で記録しておくのが鉄則
Q2異議の訴えが「却下」されても決定が確定するって本当ですか?
本当です。103条は、訴えが提起されなかったとき、取り下げられたとき、却下されたときに決定が確定すると定めます。却下は中身を審理せず手続上の理由で退ける判断なので、出訴期間の徒過や当事者適格の欠缺で却下されると、査定決定がそのまま確定判決の効力を持ちます。実務のポイント:「異議さえ出せば安心」ではなく、却下されない訴えを正しく組むことが本丸。出訴期間の起算日と訴訟物の特定でつまずくと、争う前に負ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「決定であって判決ではないから、無視しても差し押さえはされない」と思い込む人がいる。逆だ。103条により、異議を出さなければ決定は確定判決と同一の効力を持ち、そのまま強制執行できる。決定書は単なる通知ではなく、放置すれば債務名義に化ける書面である
- 異議の訴えを起こせば争えることは知っていても、その期間が「1ヶ月の不変期間」であることの重さを理解していない人が多い。不変期間は裁判所の裁量でも伸ばせない。1日遅れれば、理由が何であれ門前払いになり、決定が確定する
- 「異議さえ出せば中身を争えるから、とりあえず出しておけば安心」という発想そのものが危うい。出訴期間の徒過や当事者適格の欠缺といった却下事由に当たれば、中身を審理されないまま却下され、103条で査定決定が確定する。出し方を間違えれば、出さなかったのと同じ結末になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 103条:査定決定の確定(簡易手続の結果に執行力を付与) | 102条:異議の訴え(フルの訴訟手続への移行口) 100条:査定の申立て(手続の起点) |
| 立証構造 | 役員が動かなければ確定、立証なく執行力が生じる | 通常訴訟と同じく当事者が主張立証を尽くす 管財人が損害賠償請求権の存在を疎明して申立て |
| 期間制限 | 異議不提起・取下げ・却下で確定(1ヶ月の不変期間が前提) | 送達から1ヶ月の不変期間内に提起必須 更生手続中、管財人が随時申立て可能 |
| 効果 | 給付を命ずる確定判決と同一の効力(債務名義化) | 判決により査定決定を認可・変更・取消し 査定決定の発令 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は重整手続を公司法に置くが、役員責任を簡易な査定決定で確定し執行力を付与する独立の制度はなく、原則として通常訴訟による
韓国は『債務者回生及び破産に関する法律』に조사확정재판(調査確定裁判)を置き、役員責任を簡易に確定する点で日本の査定手続に近い
ドイツの倒産法は役員責任の簡易査定決定を持たず、管財人が通常訴訟で損害賠償を追及する構造
米国は管財人や DIP が取締役の信認義務違反を通常の adversary proceeding で追及し、略式の査定決定に確定判決同一効を付与する制度はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 更生手続中の会社の元代表取締役。手元に役員等責任査定決定が届いた。支払額3,000万円。異議を申し立てられるのは送達から1ヶ月の不変期間、残りあと18日。この期間を過ぎれば、決定は確定判決と同じ執行力を持ち、自宅が差し押さえの対象になる
- もし、あなたが何の落ち度もないと思っているのに査定決定が届いたら? 黙っていれば認めたことになる。異議の訴えを起こさない限り、あなたの言い分は一度も裁判所で審理されないまま、決定が確定する
- 管財人として役員の放漫経営を追及したい。通常訴訟なら数年かかる。査定の申立てなら簡易な手続で決定が出て、相手が動かなければ確定判決と同じ効力。回収までの時間が一気に縮む
- あなたは期間内に異議の訴えを起こした。だが訴状の不備や出訴期間の数え間違いで「却下」された。中身は一度も審理されていない。それでも103条により、元の査定決定がそのまま確定判決の効力を持つ。手続のミス一つで、争う前に終わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 役員の責任を追及する側なら、通常の損害賠償訴訟と役員等責任査定の申立て(会社更生法100条)のどちらが速いかを比較する2. 査定申立てを選べば、簡易な手続で決定が出る3. 相手が1ヶ月の不変期間内に異議の訴えを起こさなければ、103条により決定は給付を命ずる確定判決と同一の効力を得る4. その後は決定を債務名義として役員個人の財産に強制執行をかけられる。立証の負担を負わずに回収まで進める
訴えられた側:1. 査定決定が届いたら、まず送達日を記録し、1ヶ月の不変期間の満了日を特定する2. 内容に不服があれば、満了日までに必ず会社更生法102条の異議の訴えを管轄裁判所に提起する3. 訴状の形式不備や当事者適格に細心の注意を払う、却下されれば中身を争えないまま103条で決定が確定する4. 期間内の提起が間に合わない事情があれば付加期間の余地や訴訟代理人の即時手配を検討。倒産・会社法に強い弁護士に直ちに相談する
時効(請求できる期限):前条(会社更生法102条1項)の異議の訴えは、役員等責任査定決定の送達を受けた日から1ヶ月の不変期間内に提起しなければならない。不変期間は裁判所でも伸縮できず、遠隔地の場合に付加期間が認められる余地があるにとどまる。1日でも徒過すれば、提起されなかった場合と同じく決定が確定する
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)制定 現行会社更生法(平成14年法律第154号)の全部改正による制定で新設。旧法(昭和27年)を全面的に置き換え、破産法・民事再生法と平仄を合わせた役員等責任査定の簡易迅速手続と、不出訴等による確定判決同一効を整備した
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:現行会社更生法(平成14年法律第154号)の全部改正により新設。旧法(昭和27年)を全面的に置き換え、破産法・民事再生法と平仄を合わせた役員等責任査定の簡易迅速手続と、不出訴等による確定判決同一効を整備した
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