会社更生法 第101条(役員等責任査定決定等)
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- 役員等責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。
- 2.裁判所は、前項の決定をする場合には、役員等を審尋しなければならない。
- 3.役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
役員等責任査定決定等とは何ですか?
定義役員等責任査定決定等とは、会社更生法第101条に定められた規定で、「役員等責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第101条(役員等責任査定決定等)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第101条の条文原文は「役員等責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。」で始まります。
- 会社更生法第101条は第五節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第101条の前の条は会社更生法第100条です。
- 会社更生法第101条の次の条は会社更生法第102条です。
- 会社更生法第101条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第101条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第101条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/101
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法101条は、役員等責任査定決定に理由付記・審尋・送達を義務付け、送達日から異議の訴え(102条)の不変期間が起算される手続規定である。
Q · 倒産した会社から「役員等責任査定決定」が届いた。これは訴訟ではないけど無視していいの?
無視は厳禁。送達から一か月で判決と同じ効力になる
査定決定は訴訟ではなく裁判所の「決定」ですが、会社更生法102条により、送達を受けた日から一か月以内に異議の訴えを起こさなければ確定判決と同一の効力を持ちます。101条は、この決定に理由を付すこと(1項)、役員等を事前に審尋すること(2項)、裁判書を当事者に送達すること(3項)を義務付けています。送達日が反撃の時計のスタートであり、届いた日が最も急ぐべき日です。理由付記や審尋に不備があれば、異議の訴えで突ける手続的瑕疵になります。
解説
勤めていた会社が倒産し、会社更生手続が始まった。あなたは数年前まで取締役だった。ある日、裁判所から「役員等責任査定決定」と題する書類が届く。あなたへ会社に数千万円を支払えと書いてある。訴状ではない、判決でもない。だが会社更生法101条は、この一枚の決定に三つの仕掛けを組み込んでいる。第一に、決定には必ず理由を付さなければならない(1項)。なぜあなたが払うのかが書かれていなければ、それ自体が攻撃材料になる。第二に、裁判所は決定を下す前にあなたを審尋しなければならない(2項)。反論の機会が手続上保障されている。第三に、決定の裁判書はあなたに送達される(3項)。そしてこの送達日こそ、あなたが反撃できる時計の針が動き出す瞬間だ。送達から一か月、異議の訴えを起こさなければ、この決定は確定判決と同じ効力で財産を差し押さえにくる。
法的な位置づけ
会社更生法101条は、役員等責任査定決定の手続的要件を定める規定である。更生手続において元役員等の任務懈怠による損害賠償責任を略式の決定手続で確定させる際、当該決定に理由を付すこと、役員等を事前に審尋すること、裁判書を当事者に送達することを義務付け、送達日を異議の訴えの不変期間の起算点とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.決定書末尾の送達日を真っ先に確認 査定決定が届いたら、内容を読む前にまず末尾の送達日付を確認し、その日から一か月後の異議の訴えの期限(102条)をカレンダーに書き込む。不変期間ゆえ延長できないため、起算点の特定が最優先
- 2.理由付記の有無と内容を精査 101条1項の理由付記を確認し、任務懈怠の特定・因果関係・損害額の認定に穴がないかを洗う。なぜ自分が、いくらを、どの行為で払うのかが不明確なら、それ自体が手続的瑕疵となる
- 3.審尋手続の十分性を検討 101条2項の審尋で十分に反論できていたかを振り返る。証拠提出や主張の機会が実質的に保障されていなければ、異議の訴えで手続違反を主張する材料になる
- 4.弁護士へ持ち込み異議の訴えを準備 送達日から一か月以内に倒産・会社法に強い弁護士へ相談し、経営判断の原則を軸に、結果論で責任を問われていないかを争点化する。期間内の提訴を最優先する
よくある質問 AI による整理
Q1役員等責任査定決定とは何ですか?
更生会社の元役員等の損害賠償責任を、通常訴訟ではなく裁判所の決定で確定させる略式手続です。会社更生法100条の申立てを受け、101条の要件を満たして下されます。
Q2査定決定に異議があるときはどうすればいいですか?
送達を受けた日から一か月以内に異議の訴えを提起します(102条)。不変期間のため原則延長できず、提訴がなければ確定判決と同一の効力を持ちます。
Q3退任した役員にも査定は及びますか?
及びます。在任中の任務懈怠(会社法423条)が対象であり、退任の事実は対象から外れる理由になりません。送達日から一か月の期限は退任者にも同じです。
Q4査定決定に理由が書かれていなかったら争えますか?
争えます。101条1項は理由付記を義務付けており、なぜいくらをどの行為で払うのかが不明な決定は、異議の訴えで主張できる手続的瑕疵です。
Q5査定の前に審尋はありますか?
あります。101条2項により、裁判所は決定の前に役員等を審尋しなければなりません。十分な反論機会が与えられなかった場合は手続違反を主張できます。
Q6社外取締役や監査役も査定の対象になりますか?
なります。会社法423条の役員等には監査役・会計参与・執行役も含まれます。関与の薄さは責任減免の事情にはなり得ても、対象除外の理由にはなりません。
Q7査定決定はいつ確定しますか?
送達日から一か月以内に異議の訴えがなければ確定します。確定すると確定判決と同一の効力を持ち、財産への強制執行が可能になります(102条)。
Q8破産や民事再生でも同じ査定制度がありますか?
あります。破産法や民事再生法にも役員責任査定の並行制度が置かれています。手続ごとに条文・期間が異なるため、根拠条文の確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が倒産したら、昔の取締役にも責任が回ってくるんですか?
回ってくることがある。管財人は、在任中の任務懈怠(会社法423条)で会社に損害を与えた役員に対し、査定の申立て(会社更生法100条)ができる。退任していても、在任中の行為が対象だ。実務のポイント:通常の損害賠償訴訟と違い、査定は裁判所の決定手続で進むため速い。しかも役員の財産は申立て前に保全処分(99条)で凍結されることがある。「もう辞めたから関係ない」と財産を動かさずにいると、気付いたときには押さえられている
Q2査定決定って普通の判決と何が違うんですか?無視したらどうなりますか?
査定決定は判決ではなく裁判所の「決定」だが、送達から一か月以内に異議の訴え(102条)を起こさなければ、確定判決と同一の効力を持つ。無視は最悪の選択だ。実務のポイント:多くの元役員が「訴状ではないから様子見でいい」と誤解して期間を徒過する。だが101条3項がわざわざ送達を義務付けているのは、その送達日から不変期間の時計が動き出すからだ。決定が届いた日こそ、最も急いで弁護士に相談すべき日になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴えられたわけではないから、まだ慌てなくていい」という前提自体が誤っている。査定決定は訴訟ではなく決定手続だが、送達から一か月で確定判決と同じ効力になる(102条)。問うべきは「これは訴訟かどうか」ではなく「送達日からあと何日残っているか」だ
- 査定制度の存在を知っていても、その速さを甘く見ている人が多い。通常の役員責任訴訟が何年もかかるのに対し、査定は保全処分(99条)で財産を凍結したうえ、決定一本で回収段階へ入る。同じ責任追及でもスピードが段違いに速い、この深刻さを見落とすと防御の準備が間に合わない
- 「社外取締役や監査役は経営に直接関与していないから査定の対象外」と思われがちだが、会社法423条の役員等には監査役・会計参与・執行役も含まれる。関与の薄さは責任を減免する事情にはなり得ても、対象から外れる理由にはならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 101条:査定決定の形式要件(理由付記・審尋・送達) | 100条:役員等責任査定の申立てと棄却決定 102条:査定決定に対する異議の訴えと確定判決同一の効力 |
| 誰が動く局面か | 裁判所が決定を下す手続段階 | 管財人が責任追及を申し立てる入口 役員等が決定を争う出口(送達から一か月) |
| 争う / 守るポイント | 理由不備・審尋不履行という手続的瑕疵 | 申立要件(任務懈怠・損害・因果関係) 不変期間内の提訴(徒過すれば確定) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は重整手続中の負責人責任を一般の損害賠償責任規定で処理し、日本のような専用の略式査定決定制度は明文化されていない。
韓国は統合倒産法において役員の財産照会・責任査定制度を置き、日本の査定制度と機能的に近い。
ドイツは倒産管財人が役員の Gesamtschaden(共同損害)を追及する枠組みを持つが、日本のような決定型の略式査定ではなく訴訟による。
米国は trustee や debtor in possession が役員の善管注意義務違反を通常訴訟で追及する。日本の母法だが査定の略式性は日本独自の発展。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社更生手続中の会社で、あなたは三年前まで取締役を務めていた。管財人が、当時の過大な設備投資を任務懈怠だと主張し、査定を申し立てた。裁判所はあなたを審尋し(101条2項)、数か月後、五千万円の支払いを命じる査定決定を下す。送達を受けた日から一か月以内に異議の訴えを起こさなければ、この決定は確定判決と同じ効力を持つ(102条)。残された時間はわずかだ
- もし、あなたが管財人として、明らかに会社を食い物にした元役員から損害を回収したいとしたら? 通常の損害賠償訴訟(会社法423条)を一から起こすより、査定の申立て(100条)の方が速く、先に保全処分(99条)で財産を凍結できる。101条は、その査定決定が理由付記と審尋を経た正式なものであることを担保し、確定すれば判決と同じ重みを与える
- 理由のない査定決定は、それ自体が穴になる。101条1項は理由付記を義務付ける。「なぜ自分が、いくらを、どの行為で払うのか」が書かれていない決定は、異議の訴えで真っ先に突ける手続的瑕疵だ
- 退任から五年、すっかり忘れていた頃に決定書が届く。あと三十日で確定するか、それとも法廷で争うか。机に放り投げて一週間悩んでいる間にも、不変期間(102条)は止まらずに減っていく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 役員の任務懈怠や放漫経営の証拠(取締役会議事録、決裁書類、資金移動記録)を保全2. 査定の申立て(100条)の前に、役員の財産への保全処分(99条)を申し立てて凍結3. 申立て後、裁判所が役員を審尋し(101条2項)、理由を付した査定決定(101条1項)を出す4. 決定は当事者へ送達され(101条3項)、役員が一か月以内に異議の訴えを起こさなければ確定判決と同一の効力を得る。通常訴訟より速く確実に回収できる
訴えられた側:1. 査定決定の送達を受けたら、まず末尾の送達日を確認し、一か月の不変期間(102条)を強く意識する2. 決定書の理由(101条1項)を精査、任務懈怠・因果関係・損害額の認定に穴がないかを洗う3. 審尋(101条2項)で十分に反論できていなければ、手続的瑕疵を主張4. 異議の訴えを期間内に提起、逃すと判決と同じ効力で財産を差し押さえられる5. 経営判断の原則を軸に、結果論で責任を問われていないかを争う
時効(請求できる期限):役員等責任査定決定に対する異議の訴えは、決定の送達を受けた日から一か月の不変期間内に提起しなければならない(会社更生法102条)。不変期間ゆえ原則として延長不可。起算点は101条3項の送達日。期間内に提訴がなければ、査定決定は確定判決と同一の効力を持つ(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:役員責任査定は、更生会社の財産回復と債権者配当原資の確保を急ぐため通常訴訟を省略する略式手続であり、その迅速性ゆえに役員の手続保障が問題となる。101条の理由付記・審尋・送達は、迅速性と手続保障の均衡を形式要件の側から担保する規定と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:米国の会社更生制度を母法として旧会社更生法を制定。更生手続における役員責任追及の枠組みを導入。
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法を全部改正(平成14年法律第154号)。役員等責任査定の手続を整理し、理由付記・審尋・送達等の要件を明文化。
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