要点会社更生法 104 条は、事業の更生に必要な財産について、管財人が価額相当額を裁判所に納付すれば、担保権者の同意なく抵当権など全担保権を消滅させられると定める。
Q · 会社が更生手続に入ったら、抵当権を持っていても同意なしで担保が消されるって本当?
管財人が価額相当額を納付すれば、同意なく担保権が消える
会社更生法 104 条により、裁判所は管財人の申立てに基づき、事業の更生に必要な財産について、その価額に相当する金銭の納付を条件に、特別の先取特権・質権・抵当権・商法や会社法上の留置権をすべて消滅させる許可決定ができます。担保権者の同意は要件ではありません。担保権者は即時抗告(5 項)で決定の当否を、価額決定の請求(次条 105 条)で価額の妥当性を争えます。納付された金銭からは担保権の順位に従って優先弁済を受けられます。
あなたの銀行が更生会社の工場に 5 億円の抵当権を握っていたとする。ある日、管財人が裁判所にこう申し立てる。「この工場は事業の更生に不可欠だ。時価相当の 3 億円を裁判所に納付するから、ついている担保権を全部消滅させてほしい」。会社更生法 104 条は、これを許可する権限を裁判所に与えている。担保権者であるあなたの同意は要件のどこにも書かれていない。価額に相当する金銭が裁判所に納付されれば、特別の先取特権も、質権も、抵当権も、商法・会社法上の留置権も、その財産の上からすべて消える。あなたに残された武器は二本。一つは即時抗告(5 項)、もう一つは次条 105 条の価額決定の請求である。管財人が提示した価額が低すぎると思うなら、裁判所に評価をやり直させる手続だ。だが沈黙していれば、提示額がそのまま回収の上限として固まる。担保を取った側が、その担保を一方的に失う場面が、ここにある。
会社更生法 104 条は、担保権消滅許可の制度を定める規定である。更生手続開始当時に更生会社の財産上に存する特別の先取特権・質権・抵当権・商法または会社法上の留置権について、事業の更生に必要と認められる場合に、管財人の申立てにより、裁判所が当該財産の価額相当額の納付を条件として、その財産上のすべての担保権を消滅させることを許可する決定をする手続を規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
会社更生法 104 条に基づき、管財人が財産の価額相当額を裁判所に納付することを条件に、その財産上のすべての担保権を裁判所の許可で消滅させる制度です。担保権者の同意は不要です。
管財人のみが申立てできます。事業の更生に必要と認められる財産が対象で、担保権者や更生会社自身が直接申し立てることはできません。
更生計画案を決議に付する旨の決定があった後はできません(2 項)。管財人は計画決議の前段階でこの手続を済ませる必要があります。
即時抗告(5 項)は消滅決定そのものの当否を争う手続、価額決定の請求(次条 105 条)は提示された価額が妥当かを争う手続です。目的が異なるため取り違えると争えなくなります。
決定の当否には即時抗告(5 項)、価額には価額決定の請求(次条 105 条)を、いずれも申立書の送達後の法定期間内に行います。沈黙すると提示額のまま確定します。
申立書の送達を受けた時から 2 週間の経過で、根抵当権の担保すべき元本が法律上確定します(7 項)。確定後の新規取引による債権は担保されません。
あります。民事再生法 148 条の担保権消滅請求、破産法 186 条の担保権消滅許可が対応制度です。手続の主体や要件が異なるため混同に注意が必要です。
裁判所に納付された金銭から担保権の順位に従って優先弁済を受けます。価額を超える融資残高は無担保の更生債権として扱われ、回収率は大きく下がります。
侵害にはなりません。104 条は担保権を消す代わりに、価額に相当する金銭を裁判所に納付させ、担保権者はその金銭から優先弁済を受けられるからです。価額に不満があれば即時抗告(5 項)や価額決定の請求(次条 105 条)で争えます。業界裏話ヒント:実務では管財人が提示する価額は更生のために低めに出がちです。価額決定の請求で評価をやり直させると、数千万円から億単位で上がることがある。沈黙したまま期間を過ごすのが一番損をする選択です
裁判所に納付された金銭は、消滅した担保権の優先順位に従って配当され、被申立担保権者はその範囲で優先弁済を受けます。担保価額を超える融資残高は無担保の更生債権として扱われます。業界裏話ヒント:複数の担保権が重なっていた財産では、後順位の担保権者は価額が先順位で食い尽くされてゼロ配当ということも珍しくない。自分の順位と価額の関係を最初に確認しないと、抗告すべきかどうかの判断すら誤ります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 根拠条文・手続 | 会社更生法 104 条:担保権消滅許可(管財人申立て) | — |
| 申立ての主体 | 管財人 | — |
| 目的・前提 | 事業の更生に必要な財産の担保権を一括消滅 | — |
| 担保権者の対抗手段 | 即時抗告(5 項)・価額決定の請求(次条 105 条) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。