会社更生法 第148条(特別調査期間における調査)
クイックジャンプ
- 裁判所は、第百三十九条第一項若しくは第三項の規定によりその届出があり、又は同条第五項の規定により届出事項の変更があった更生債権等について、その調査をするための期間(以下この条において「特別調査期間」という。)を定めなければならない。ただし、当該更生債権等について、管財人が、第百四十六条第三項の規定により提出された認否書に、同条第二項の規定により同項各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める事項のいずれかについての認否を記載している場合は、この限りでない。
- 2.前項本文の場合には、特別調査期間に関する費用は、当該更生債権等を有する者の負担とする。
- 3.管財人は、特別調査期間に係る更生債権等については、第百四十六条第二項各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。この場合には、同条第四項の規定を準用する。
- 4.届出をした更生債権者等及び株主にあっては前項の更生債権等についての第百四十六条第二項各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める事項につき、更生会社にあっては当該更生債権等の内容につき、特別調査期間内に、裁判所に対し、それぞれ書面で異議を述べることができる。
- 5.前条第三項から第五項までの規定は、特別調査期間を定める決定又はこれを変更する決定をした場合における裁判書の送達について準用する。
この条文の基本情報
特別調査期間における調査とは何ですか?
定義特別調査期間における調査とは、会社更生法第148条に定められた規定で、「裁判所は、第百三十九条第一項若しくは第三項の規定によりその届出があり、又は同条第五項の規定により届出事項の変更があった更生債権等について、その調査をするための期…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第148条(特別調査期間における調査)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第148条の条文原文は「裁判所は、第百三十九条第一項若しくは第三項の規定によりその届出があり、又は同条第五項の規定により届出事項の変更があった更生債権等について、その調査をするための期…」で始まります。
- 会社更生法第148条は第一款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第148条の前の条は会社更生法第147条です。
- 会社更生法第148条の次の条は会社更生法第148条の2です。
- 会社更生法第148条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第148条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第148条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/148
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法148条は、届出が遅れた更生債権等の調査のため裁判所が特別調査期間を定める規定で、その費用は債権者本人の負担となる。
Q · 取引先が会社更生して、うちの債権の届出が遅れたら何が起きるの?
特別調査期間に回され、その調査費用はあなた持ちになります
会社更生法148条によれば、更生債権等の届出が遅れたり届出事項を変更したりすると、裁判所はその調査のために特別調査期間を定めます。一般調査期間(147条)で一斉に調査される他の債権者と異なり、特別調査期間に関する費用は当該債権者本人の負担です(2項)。ただし、管財人が認否書に既にその債権の認否を記載している場合には、特別調査期間は設けられず費用負担も生じません(1項ただし書)。
解説
取引先の大企業が会社更生手続に入った。あなたは数百万円の売掛金を抱えた債権者だ。期限内に債権を届け出れば、一般調査期間(147条)でまとめて調査され、あなたに特別な費用負担はない。ところが届出が遅れたり、後から金額を変更したりすると、裁判所はあなたの債権だけのために特別調査期間を設ける。そして2項が静かに告げる。その調査費用は、債権者であるあなたの負担だ、と。さらに管財人は認否書であなたの債権を認めるか否かを記載し、他の債権者や更生会社は期間内に書面で異議を述べられる。一日の遅れが、回収額そのものを削る費用に化ける。届出のタイミングは、あなたの債権の価値そのものを左右している。
法的な位置づけ
会社更生法148条にいう特別調査期間とは、届出期間経過後に届け出られ、又は届出事項が変更された更生債権等を調査するために裁判所が定める期間をいう。一般調査期間(147条)の例外として位置づけられ、その費用は当該債権者が負担し、管財人が認否書に認否を記載済みの場合には設けられない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.開始決定の通知が来たら届出期間を最優先で確認 取引先の更生手続開始を知ったら、まず届出期間と一般調査期間(147条)の日付を押さえ、期間内に正確な金額で届け出る。これだけで特別調査期間の費用負担を回避できる
- 2.認否書の提出期限前に管財人へ正確な債権額を伝える 管財人が認否書(146条)を固める前に連絡し、自社の債権を正確に伝えて認否書に載せてもらう。1項ただし書が発動すれば特別調査期間そのものが不要になり費用負担もゼロになる
- 3.期間を過ぎていたら追完の届出を準備 既に届出期間を過ぎていれば、追完の届出(139条3項)が可能かその理由を整理する。追完できても特別調査の費用負担は乗るため、根拠資料を早急に揃える
- 4.他者の水増し債権には特別調査期間内に書面で異議 更生会社側または他の大口債権者として遅れて出た債権に疑義があるなら、特別調査期間内に書面で異議を述べる(148条4項)。期間経過後は異議の機会が永遠に失われる
よくある質問 AI による整理
Q1特別調査期間とは何ですか?
届出が遅れた、又は届出事項が変更された更生債権等を調査するために裁判所が定める期間です(会社更生法148条)。一般調査期間の例外的な後始末の位置づけです。
Q2更生債権の届出が遅れたらどうなりますか?
追完できる場合でも特別調査期間に回され、その調査費用は債権者本人の負担になります(148条2項)。期間内に出した債権者は無料です。
Q3特別調査期間の費用は誰が負担しますか?
当該更生債権等を有する者、つまり届出が遅れた債権者本人の負担です(148条2項)。手続側や更生会社の負担にはなりません。
Q4一般調査期間と特別調査期間の違いは何ですか?
一般調査期間(147条)は全債権を一斉に調査し費用負担なし、特別調査期間(148条)は遅れた債権を個別に調査し費用は債権者負担という違いがあります。
Q5認否書とは何ですか?
管財人が各更生債権等を認めるか否かを記載する書面です(146条)。ここに認否が記載済みなら特別調査期間は不要になります(148条1項ただし書)。
Q6特別調査期間に異議を述べられるのは誰ですか?
届出をした更生債権者等・株主と更生会社です(148条4項)。期間内に書面で異議を述べれば、対象債権の確定を止められます。
Q7届出事項を変更すると特別調査期間になりますか?
はい。139条5項により届出事項を変更した更生債権等は、その変更分のために特別調査期間が定められ、費用も債権者負担になります(148条1項・2項)。
Q8特別調査期間の異議はいつまでに出せますか?
特別調査期間内に書面で出す必要があります(148条4項)。期間を一日でも過ぎると異議の機会は消滅し、その債権はそのまま確定します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が会社更生したら、うちの売掛金は届出さえすれば必ず返ってきますか?
届け出れば調査され確定はしますが、満額返るとは限りません。更生計画で減額や分割弁済となるのが通常です。さらに届出が遅れて特別調査期間に回ると、その調査費用はあなたの負担になります(148条2項)。実務のポイント:実務では、開始決定の通知が届いたらまず届出期間と一般調査期間(147条)の日付を押さえ、期間内に出すのが鉄則。遅れた瞬間に費用負担と異議リスクの二つが同時に乗ってくる。
Q2認否書に自分の債権が載っていれば、特別調査期間はもう要らないんですか?
そのとおりです。1項ただし書により、管財人が認否書(146条3項)であなたの債権の認否を記載していれば、特別調査期間は設けられず、費用負担も生じません。実務のポイント:だから動くべきは認否書の提出期限より前。管財人に債権を正確に伝え、認否書に載せてもらえるよう早期に連絡を取ることが、費用を避ける最大のレバーになる。受け身で通知を待つ人ほど特別調査に回される。
間違えやすい点 AI による整理
- 「債権の調査は手続の一部だから、費用は会社や手続側が持つはずだ」と思いがちだが、特別調査期間の費用は債権者であるあなた自身の負担である(2項)。遅れて出した債権ほど、回収する前に費用が引かれていく
- 「届出が遅れても、追完すれば大丈夫」と知ってはいても、その「大丈夫」の中身を知らない人が多い。追完できても特別調査の費用負担が乗り、しかも他の債権者や会社から書面で異議を出されやすい立場に置かれる。遅れの代償は、費用と異議リスクの二重構造になっている
- 「特別調査期間というからには、自分の債権が特別に扱われて有利になるのでは」と考える人がいるが、問いの立て方が逆である。「特別」は優遇ではなく、本来の一般調査に乗れなかった例外処理であり、コストとリスクを伴う後始末を意味する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調査の対象 | 148条:届出が遅れた/届出事項を変更した更生債権等 | 147条:期間内に届け出られた更生債権等を一斉調査 146条:管財人が認否書で全届出債権の認否を記載 |
| 費用負担 | 当該債権者本人の負担(148条2項) | 債権者個人の特別負担なし 管財人の職務として作成(個別負担なし) |
| 回避・前提 | 認否書に認否記載済みなら不要(1項ただし書) | 期間内の届出が前提 146条3項の期限までに裁判所へ提出 |
| 異議の機会 | 特別調査期間内に書面で異議(148条4項) | 一般調査期間内に書面で異議 認否書の記載が調査の基礎となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の会社更生(公司重整)は公司法に規定され、重整債権の申報と調査の枠組みを持つ。遅延申報の個別処理という発想は日本の特別調査期間と機能的に近い
韓国は倒産法を統合した DRBA の回生手続において特別調査期日に相当する制度を持ち、遅延した会生債権の個別調査という構造が共通する
ドイツは遅れて届け出られた債権について特別の検査期日(besonderer Prüfungstermin)を設け、その費用を遅延した債権者に負担させる点で日本148条2項と発想が一致する
米国 Chapter 11では bar date(届出期限)を設定し、遅延届出は原則失権するが excusable neglect 等の救済がある。費用負担より失権で規律する点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社の最大の取引先が会社更生を申し立て、届出期間を一日過ぎてから多額の債権の存在に気付いたら、どうなる。追完の届出はできるが、その債権の調査は特別調査期間に回され、費用はあなた持ちになる。間に合った債権者は無料、出遅れたあなただけが自腹を切る
- 届出済みの債権額を、後から証憑が出てきて増額変更した。その変更分だけのために特別調査期間が設けられ、追加の調査費用が発生する。あと数日で管財人の認否書の提出期限が来る。今夜、証憑を整理して管財人に正確な額を伝えきれるかが分かれ目
- あなたが更生会社側、または別の大口債権者で、遅れて出てきた巨額債権が水増しに見える。特別調査期間内に書面で異議を述べれば、その債権の確定を止められる。だが期間を一日でも過ぎれば、その債権はあなたの配当原資を削ったまま確定し、異議の機会は永遠に消える
- 管財人が認否書で既にあなたの債権を認否済みなら、特別調査期間は設けられない(1項ただし書)。費用負担も生じない。認否書に載るかどうか、それだけが分水嶺になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先の更生手続開始を知ったら、何より先に届出期間を確認し、期間内に正確な金額で届け出る。これだけで特別調査の費用負担を回避できる2. 既に期間を過ぎていれば、追完の届出(139条3項)が可能か、その理由を整理する3. 特別調査期間に回された場合、管財人の認否書(146条)で自分の債権がどう扱われたか必ず確認する4. 認否書の提出期限の前に管財人と連絡を取り、認否に載せてもらえれば特別調査自体が不要になる余地を探る
訴えられた側:1. あなたが更生会社側、または他の債権者で、遅れて出てきた債権に疑義があるなら、特別調査期間内に書面で異議を述べる準備をする(4項) 2. 異議の根拠(債権の不存在、金額の過大、証憑の不備)を期間内に整理し、書面化する3. 期間を一日でも過ぎると異議の機会は失われ、その債権が確定するので、期間の起算日と末日を正確に把握する4. あなたが管財人なら、認否書を裁判所の定める期限までに提出する(3項)。遅延は手続全体を止める
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はないが、手続上の期限が厳格である。管財人は特別調査期間前の裁判所が定める期限までに認否書を提出し(3項)、届出をした更生債権者等及び株主、更生会社は特別調査期間内に書面で異議を述べる(4項)。期間経過後は異議の機会が消滅する。届出自体の追完は139条3項の事由がある場合に限られる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(手続法的理解):特別調査期間は救済ではなく後始末の制度と理解される。集団的・画一的処理を旨とする更生手続において、一般調査期間に乗れなかった債権を例外的に処理するものであり、費用を本人に負担させ(2項)、他者に書面異議の機会を与える(4項)ことで手続全体の迅速性と公平を確保する。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)全部改正 旧会社更生法(昭和27年法)を全部改正した現行会社更生法により、更生債権等の調査手続が再編され、特別調査期間に関する本条が現行の形で整備された。2002年以降の本条に対する個別改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:旧会社更生法(昭和27年法)を全部改正した現行会社更生法(平成14年法律第154号)により更生債権等の調査手続が再編され、特別調査期間に関する本条が現行の形で整備された。2002年以降の本条に対する個別改正の有無は人的検証が必要。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める