会社更生法 第139条(債権届出期間経過後の届出等)
クイックジャンプ
- 更生債権者等がその責めに帰することができない事由によって前条第一項に規定する債権届出期間内に更生債権等の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出をすることができる。
- 2.前項に規定する一月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。
- 3.前条第一項に規定する債権届出期間の経過後に生じた更生債権等については、その権利の発生した後一月の不変期間内に、その届出をしなければならない。
- 4.第一項及び第三項の届出は、更生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
- 5.第一項、第二項及び前項の規定は、更生債権者等が、その責めに帰することができない事由によって、届け出た事項について他の更生債権者等の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。
この条文の基本情報
債権届出期間経過後の届出等とは何ですか?
定義債権届出期間経過後の届出等とは、会社更生法第139条に定められた規定で、「更生債権者等がその責めに帰することができない事由によって前条第一項に規定する債権届出期間内に更生債権等の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第139条(債権届出期間経過後の届出等)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第139条の条文原文は「更生債権者等がその責めに帰することができない事由によって前条第一項に規定する債権届出期間内に更生債権等の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した…」で始まります。
- 会社更生法第139条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第139条の前の条は会社更生法第138条です。
- 会社更生法第139条の次の条は会社更生法第140条です。
- 会社更生法第139条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第139条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第139条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/139
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法139条は、無過失で更生債権の届出期間を徒過した場合に、事由消滅後一月以内の追完届出を認める。この一月は伸長できない不変期間である。
Q · 取引先が会社更生して債権の届出期間を過ぎてしまったら、もう売掛金は回収できないの?
無過失なら事由消滅後一月以内に追完届出できます
会社更生法139条により、責めに帰することができない事由(手続開始の不通知など)で届出期間を徒過した場合、その事由が消滅した後一月以内に限り追完届出ができます。この一月は伸長も短縮もできない不変期間です。また期間経過後に発生した債権は、権利発生後一月の不変期間内に届け出ます。ただし、いずれも更生計画案を決議に付する旨の決定後はできません。単なる社内の見落としは無過失とは認められにくい点に注意が必要です。
解説
あなたの会社が長年取引してきた相手が、ある日突然会社更生手続に入る。裁判所が定める債権届出期間内に、あなたは自社の売掛金を更生債権として届け出なければならない。この一手を逃すと、原則としてあなたの債権は更生計画の認可とともに法的に消滅する。回収できるはずだった数百万、数千万が、書類一枚を出し損ねただけで宙に消える。139条は、その過酷な原則に開けられた狭い非常口だ。あなたの責めに帰することができない事由、たとえば手続開始をまったく知らされず官報にも気付かなかった場合に限り、その事由が消えた後一月以内なら届出ができる。ただしこの一月は伸長も短縮もできない不変期間であり、しかも更生計画案を決議に付する決定が出た後は、もう扉は閉まる。さらに届出期間の後に発生した債権も、権利が生じてから一月以内に届け出る義務がある。救済はあるが、その窓は極めて小さく、時計は容赦なく進む。
法的な位置づけ
会社更生法139条は、更生債権等の届出期間経過後における追完届出を定める規定である。更生債権者等が責めに帰することができない事由により期間内に届出できなかった場合、事由消滅後一月の不変期間内に限り届出を認め、また期間経過後に生じた債権については権利発生後一月の不変期間内の届出を義務づける。決議に付する旨の決定後は届出できない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取引先の会社更生開始と届出期間を確認 官報の公告と裁判所からの通知で、手続開始決定の有無と債権届出期間の末日を確定する。期間を過ぎているかどうかを客観的資料で特定する
- 2.徒過の原因が無過失かを証拠とともに整理 届出を逃した原因が「責めに帰することができない事由」(手続開始の不通知、郵便不着など)に当たるかを、債権者一覧表への記載有無や郵便記録などの客観的証拠とともに整理する
- 3.事由消滅日を特定し一月以内に追完届出 無過失事由が消滅した日を特定し、その日から一月(不変期間、伸長不可)以内に更生債権の追完届出書を管財人・裁判所に提出する。後回しにした分だけ手持ち時間が減る
- 4.期間後発生債権は権利発生から一月以内に別途届出 届出期間経過後に生じた更生債権(継続契約から後で発生した債権など)は、権利発生後一月の不変期間内(139条3項)に別途届け出る。発生時点が微妙なら早い方の解釈で先に届け出る
- 5.決議に付する決定の前であることを確認 いずれの届出も、更生計画案を決議に付する旨の決定(139条4項)の前に行う。管財人や裁判所の公告で手続スケジュールを先回りして把握し、決議段階に入る前に滑り込ませる
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法とは何ですか?
経済的に窮境にある株式会社を、清算ではなく事業を維持しながら再建するための裁判所主導の手続です。管財人が選任され、更生計画に従って債権者等の権利を調整します。
Q2更生債権の届出期間はいつまでですか?
裁判所が手続開始決定時に定める債権届出期間内です(会社更生法138条)。この期間内に届け出ないと、原則として計画認可とともに失権します。
Q3取引先が会社更生したら売掛金はどうなりますか?
売掛金は更生債権となり、届出期間内の届出が必要です。届け出ても更生計画で大幅に減額されることが多く、届出を逃すと原則として全額が失権します。
Q4会社更生と民事再生の違いは何ですか?
会社更生は株式会社限定で管財人が経営権を握る強力な手続、民事再生は法人個人を問わず原則として経営者が事業を継続する手続です。担保権の扱いも異なります。
Q5不変期間とは何ですか?
裁判所が裁量で伸長も短縮もできない法定の期間です。139条の一月はこれにあたり、頼み込んでも一日も延びません。起算点の見極めが極めて重要になります。
Q6更生債権を届け出ないとどうなりますか?
原則として更生計画の認可決定により失権し、債権そのものが消滅します。あとから請求しても相手に支払義務はなく、「遅れる」ではなく「消える」結果になります。
Q7会社更生の情報はどこで確認できますか?
手続開始決定や届出期間は官報に公告され、債権者には個別に通知されます。管財人や裁判所の公告でスケジュールを先回りして把握することが回収のカギです。
Q8「責めに帰することができない事由」とは何ですか?
自己責任の範囲を超えた事情を指し、手続開始の不通知や郵便不着などが典型です。社内の見落としや多忙は原則として該当せず、追完届出は認められにくいです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うっかり届出期間を過ぎたんですけど、これも無過失で救ってもらえますか?
原則として救われません。139条1項の「責めに帰することができない事由」は、社内の見落としや多忙のような自己責任の範囲を超えた事情、たとえば手続開始がまったく通知されず官報でも知り得なかった場合などに限られます。実務のポイント:実務では、債権者一覧表に名前が載っていて通知が届いていたかどうかが分かれ目になります。会社の郵便管理がずさんで通知を紛失した程度では、無過失とは認められにくい。だからこそ取引先の異変を察したら、自分から裁判所の手続情報を取りに行く側が生き残る
Q2期間が過ぎた後に発生した債権は、もう手遅れですか?
手遅れではありません。139条3項が、届出期間の経過後に生じた更生債権等について、権利発生後一月の不変期間内の届出を認めています。継続的契約から後で生じた債権などが典型です。実務のポイント:この一月は不変期間なので、いつ「権利が発生した」と評価するかが勝負どころ。発生時点の解釈が遅い方にずれるほど届出の余地は広がりますが、判断を誤って動かないでいると失権します。発生時点が微妙なら、早い方の解釈で先に届け出ておくのが安全策です(最新の運用をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「届出を忘れても、後から請求すればいい」と思っている経理担当者は多い。だが届出をしなかった更生債権は、計画認可とともに失権し、債権そのものが消える(会社更生法204条系の権利変更)。あとから請求書を送っても、相手にはもう支払う法的義務がない。これは「遅れる」のではなく「消える」次元の話だ
- 「期間を過ぎても無過失なら必ず救済される」と楽観する人がいるが、無過失の救済期間は一月で、しかも更生計画案を決議に付する決定が出た後は、たとえ無過失でも届出はできない(4項)。救済の窓には、時間軸の二重のロックがかかっている。無過失であることと、間に合うことは別問題だ
- 「裁判所に事情を話せば、一月の期限くらい延ばしてもらえる」と考えるのは前提から誤っている。2項は、この一月を伸長も短縮もできないと明記する。裁判官に裁量の余地はなく、頼み込んでも一日も動かない。交渉対象ですらないのが不変期間だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 139条:期間経過後の追完届出(救済の例外) | 138条:通常の更生債権等の届出と債権届出期間 204条:更生計画認可による権利変更・未届出債権の失権(現行効力を要確認) |
| 時間軸 | 事由消滅後一月、または権利発生後一月の不変期間(伸長不可) | 裁判所が手続開始決定時に定める債権届出期間内 更生計画の認可決定時 |
| 適用前提 | 無過失で期間を徒過、または期間後に債権が発生したこと | 通常の更生債権者等であること 届出の有無により失権するか否かが判断されること |
| 閉じる時点 | 更生計画案を決議に付する旨の決定後は届出不可(4項) | 債権届出期間の末日 認可決定により権利関係が確定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社の再建を会社法上の重整手続で扱い、重整債権の申報期間を定める。逾期申報の救済の枠組みは倒産法理として日本と類似する
韓国は統合倒産法(채무자회생법)で会生手続を規律し、申告期間経過後の追完申告を認める。無過失に近い事由を要する点で日本と共通
ドイツは倒産手続を統一した InsO で規律し、調査期日後の遅延した債権届出(nachträgliche Anmeldung)に追加費用負担等の規律を置く
米国はチャプター11で proof of claim の遅延届出を『excusable neglect』基準で許容するか判断する。柔軟な裁量判断による点で日本の硬い不変期間と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社の主要取引先が会社更生に入ったのに、その通知が経理の机の上で他の書類に埋もれ、届出期間を過ぎてから気付いたとしたら? そのとき問われるのは、見逃したことが本当に「責めに帰することができない事由」と言えるかどうか。単なる社内のうっかりでは救済されない。郵便の不着、手続開始自体が一切知らされていなかった、そこまでの事情が要る
- あなたが更生会社側の管財人だとする。届出期間を過ぎてから「無過失だった」と主張する債権者が次々現れる。一人認めれば配当原資が薄まり、他の届出済み債権者の取り分が減る。だから無過失の事由が本物かを精査し、根拠が弱ければ届出の効力を争う。ここが他の債権者の利益を守る最前線になる
- 取引先が更生手続に入った後、まだ履行されていなかった継続契約から新たな債権が発生した。これは届出期間より後に生じた債権なので、3項により権利発生から一月の不変期間内に届け出る。あと数日でこの一月が切れる。今日動かなければ、その新債権も失権する
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず本当に届出期間を過ぎたか、裁判所の公告と通知で確定日を確認2. 過ぎている場合、見逃した原因が「責めに帰することができない事由」(手続開始の不通知、郵便不着など)に当たるか、客観的証拠とともに整理3. その事由が消滅した日を特定し、そこから一月以内(伸長不可)に届出書を提出4. 期間後に発生した債権なら、権利発生から一月の不変期間内に別途届出5. いずれも更生計画案を決議に付する決定の前に行う、決定後は提出不能
訴えられた側:1. 更生会社や管財人の立場では、期間後届出を受けたらまず「責めに帰することができない事由」の有無と、事由消滅からの一月を徒過していないかを精査2. 根拠が薄い無過失主張は、他の更生債権者の利益を守るために争う3. 決議に付する決定後の届出は4項により不適法、受理しない4. 5項の準用に注意、既届出事項を他の債権者に不利益に変更する申出も同じ厳格な要件で審査する
時効(請求できる期限):無過失の場合は事由消滅後一月以内(1項)、期間後発生債権は権利発生後一月の不変期間内(3項)。この一月は伸長も短縮もできない(2項)。さらに更生計画案を決議に付する旨の決定後は、いずれの届出もできない(4項)。起算点を一日でも読み違えると救済は失われる
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)全部改正 昭和27年制定の旧会社更生法を全面的に改め、現行会社更生法(平成14年法律第154号)として成立。期間経過後の届出の救済要件、一月の不変期間、決議に付する決定後の届出制限を現行の形に整理した
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:旧会社更生法(昭和27年法律第172号)制定。米国の会社更生制度を母法として、株式会社の再建型倒産手続を導入
- 2.平成14年(2002年) 改正:現行会社更生法(平成14年法律第154号)として全部改正。期間経過後の届出の救済要件、一月の不変期間、決議に付する決定後の届出制限を現行の形に整理
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める