会社更生法 第112条(差引納付)
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- 裁判所は、管財人が第百八条第一項の規定による金銭の納付をする前であっても、前条第一項の決定をすることができる。
- 2.管財人は、第百八条第一項の規定による金銭の納付をする前に前条第一項の決定が確定したときは、第百八条第一項の規定にかかわらず、同項の規定により納付すべき金銭の額から当該決定において定める金額を控除した額を、同項に規定する期限までに、裁判所に納付すれば足りる。
この条文の基本情報
差引納付とは何ですか?
定義差引納付とは、会社更生法第112条に定められた規定で、「裁判所は、管財人が第百八条第一項の規定による金銭の納付をする前であっても、前条第一項の決定をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第112条(差引納付)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第112条の条文原文は「裁判所は、管財人が第百八条第一項の規定による金銭の納付をする前であっても、前条第一項の決定をすることができる。」で始まります。
- 会社更生法第112条は第一款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第112条の前の条は会社更生法第111条です。
- 会社更生法第112条の次の条は会社更生法第113条です。
- 会社更生法第112条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第112条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第112条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/112
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法112条は、第111条1項の決定が確定すれば、管財人は第108条1項の納付額から決定額を控除した差額を納めれば足りると定める差引納付の規定である。
Q · 会社更生で管財人が裁判所に納めるお金、いったん満額払ってから一部返してもらうの?
差引納付で、管財人は満額でなく差額だけ納めれば足ります
会社更生法112条により、管財人は第108条1項で納付すべき金銭について、第111条1項の決定が確定していれば、その決定で定める金額を控除した差額だけを期限までに裁判所へ納付すれば足ります。裁判所は管財人が納付する前であっても第111条1項の決定をすることができます。総額の負担が減るわけではなく、いったん満額を納めてから一部の返還を受ける現金の往復を省く効率化の仕組みです。ただし差引が使えるのは決定が「確定」した場合に限られ、確定前に納付期限が来れば原則どおり満額を納付する必要があります。
解説
あなたが管財人として会社更生を回しているとする。裁判所には、ある金額を期限までに納めなければならない(第108条1項)。ところが同じ手続の中で、裁判所はあなたに対して一定の金額を定める決定を出すことがある(第111条1項)。素朴に進めれば、あなたはまず満額を納め、その後で定められた金額を受け取る、という二段階を踏む。会社の現金が一度出ていって、また戻ってくる。資金繰りの苦しい更生会社にとって、この往復は地味に効く。112条はこの無駄を消す条文だ。第111条1項の決定が確定していれば、あなたは満額からその決定額を差し引いた差額だけを納めれば、それで法律上の納付義務を果たしたことになる。さらに裁判所は、あなたが納付する前であっても先にこの決定を出せる。つまり「払ってから一部を返す」を「最初から差額だけ納める」に組み替える、純粋な効率化の仕掛けである。
法的な位置づけ
会社更生法112条は差引納付を定める規定であり、管財人が第108条1項により裁判所へ納付すべき金銭について、第111条1項の決定が確定した場合に、納付額から当該決定で定める金額を控除した差額の納付で足りるとする。裁判所は管財人の納付前であっても当該決定をすることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.第108条1項の納付期限と決定確定見込みを並べて確認 管財人の立場なら、まず第108条1項に定める納付期限と、第111条1項の決定が確定する見込み時期を一枚に並べる。確定が期限前に来そうなら差引納付、間に合わなければ満額納付という分岐が見える
- 2.差引後の額で資金計画を組む 確定が期限前に来る見込みなら、満額ではなく差引後の差額で資金計画を立てる。満額調達のために更生会社の資産を慌てて現金化する必要が消える
- 3.112条1項を使い納付前の決定発令を働きかける 裁判所は管財人の納付前でも第111条1項の決定を出せる(112条1項)。確定を期限に間に合わせるため、早期の決定を裁判所に働きかける
- 4.確定が間に合わない場合は満額納付を前倒し準備 確定が納付期限に間に合わなければ原則どおり満額納付になる。資産の現金化や借入枠の確保を前倒しで準備し、期限を徒過しないようにする
よくある質問 AI による整理
Q1差引納付とは何ですか?
会社更生手続で、管財人が第108条1項で納めるべき満額から、第111条1項の決定で定まった金額を控除し、差額だけ納付すれば足りる仕組みです(会社更生法112条2項)。総額は変わらず現金の往復が消えます。
Q2会社更生法112条はどんな条文ですか?
管財人の差引納付を定める条文です。1項で裁判所は納付前でも第111条1項の決定を出せるとし、2項でその決定が確定すれば差額納付で足りるとします。資金繰りを軽くする効率化規定です。
Q3管財人は満額を納付しなくてよいのですか?
第111条1項の決定が確定していれば、満額ではなく差額だけ納付すれば法律上の義務を果たします。確定前に納付期限が来れば原則どおり満額納付が必要です。
Q4差引が使えるのは決定が出た時点ですか確定した時点ですか?
確定した時点です。会社更生法112条2項は決定の「確定」を条件とします。決定が出ていても不服申立て期間中などで未確定なら、差引はできません。
Q5差引納付で納付の総額は減りますか?
減りません。満額からあらかじめ決定額を控除して納めるだけで、負担総額は同じです。減免ではなく、払ってから返す二度手間を消す仕組みです。
Q6第108条・第111条・第112条はどう関係しますか?
第108条1項が納付義務の本体、第111条1項が控除される金額を定める決定、第112条がその決定額を納付額から差し引く差引納付という三段構成になっています。
Q7裁判所は管財人の納付前に決定を出せますか?
出せます。会社更生法112条1項は、管財人が第108条1項の納付をする前であっても第111条1項の決定をすることができると定めています。
Q8決定の確定は管財人の納付額にどう影響しますか?
決定が確定すると、管財人の納付は満額から決定額を差し引いた差額に切り替わります。確定の遅れは満額納付や手続全体の停滞につながります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1差引納付って、管財人が払う金額をまけてもらえるってことですか?
金額が減るわけではありません。第108条1項で納めるべき満額から、第111条1項の決定で定まった金額を差し引いて、差額だけ納めれば足りるという仕組みです(112条2項)。総額の負担は同じで、お金の往復が消えるだけです。実務のポイント:実務では満額を一度に納める現金を用意できるかが手続のボトルネックになることがあり、差引が使えるかで資産の換金を急ぐ必要があるかが変わる。資金繰り表を引くとき、まず差引の可否を確認する管財人は手続を止めない
Q2決定がもう出ているのに、差引はできないと言われました。なぜですか?
決定は出ていても「確定」していないからです。112条2項の差引は決定の確定が条件で、不服申立て期間中などで確定前なら、納付期限が来れば原則どおり満額を納めるしかありません。実務のポイント:差引を当てにして現金を用意していないと、確定が一日遅れただけで満額納付に追い込まれる。「出たか」ではなく「確定したか」を、納付期限から逆算して管理するのが実務の勘所です
間違えやすい点 AI による整理
- 「差引納付は単なる事務処理の簡略化」と片付けられがちだが、その深刻さは資金繰りに表れる。満額を一度納める体力のない更生会社にとって、差引が使えるかどうかは、手続を止めずに進められるかの分かれ目になりうる。簡略化ではなく、生命線に近い意味を持つ
- 「決定さえ出れば自動的に差し引かれる」と思って待っていると足をすくわれる。差引が使えるのは決定が確定したときであり(112条2項)、確定前に納付期限が来れば、原則どおり満額を納めるしかない。問うべきは「決定が出たか」ではなく「決定が確定したか」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 112条:差引納付(差額のみで足りる) | 108条1項:納付義務の本体(満額の根拠) 111条1項:控除される金額を定める決定の根拠 |
| 差引が使える条件 | 第111条1項の決定が確定していること(2項) | 期限までに満額を納付すること 決定が出ていること(確定は112条が要求) |
| 裁判所の前倒し | 納付前でも決定を発令可(112条1項) | — 発令時期は112条1項により前倒し可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公司法の重整制度で会社の再建を図るが、裁判所への納付額から確定決定額を控除する差引納付に正面から対応する個別規定はなく、手続全体の金銭処理の文脈で類比される
韓国は回生・破産を統一法典で規律する。会社更生に対応する回生手続の枠組みで対照されるが、本条と同一の差引納付規定の有無は要個別確認
ドイツは倒産手続を統一的に規律する。費用・金銭処理の技術的規定の比較対象となるが、本条の差引納付に一対一で対応する条文は要個別確認
米国連邦倒産法の再建手続。管財人・DIP の費用や納付の処理は各規定・連邦倒産規則で扱われ、本条のような納付前決定+確定後差引の仕組みとは構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 納付期限まであと数日、更生会社の口座には満額を一度に出すだけの現金がない。もし第111条1項の決定が確定していたら? その差額だけ納めれば期限を守れる。満額か差額か、手元資金の有無で手続全体の進行が左右される
- 更生担保権者として、自分に関わる金額がいくらに定まるかを待っている。その決定が確定した瞬間、管財人の納付は差引後の額に切り替わる。あなたの決定が、現実に動く現金の額を直接決めている
- 更生会社の取引先として配当を待つあなたは、なぜ帳簿上の納付額と実際に動いた金額がずれるのか分からず、計算間違いを疑って明細を何度も見返す。答えは差引納付。満額が動いていないのは、最初から差額だけを納める仕組みが働いているからだ
取るべき行動
被害を受けた側:管財人の立場なら:1. 第108条1項の納付期限と、第111条1項の決定が確定する見込み時期を並べて確認する2. 確定が期限前に来そうなら、満額ではなく差引後の額で資金計画を組む3. 112条1項を使い、納付前でも決定を出してもらえないか裁判所に働きかける4. 確定が間に合わなければ原則どおり満額納付になるため、資産の現金化を前倒しで準備しておく
訴えられた側:更生担保権者・利害関係人の立場なら:1. 自分に関わる第111条1項の決定がいつ出て、いつ確定するかを把握する2. その決定額が管財人の納付額から差し引かれる関係にあると理解し、争うべき点と受け入れる点を切り分ける3. 不服があれば確定前に争い、確定すれば差引が動いて手続が進む4. 確定を引き延ばすことが配当全体の遅れにつながらないか、自分の利益とのバランスを計算する
時効(請求できる期限):第108条1項に定める納付期限が起点となる。差引が使える条件は第111条1項の決定が「確定」していることであり、確定が納付期限に間に合わなければ差引は使えず、原則どおり満額を期限までに納付する必要がある(具体的な期限は第108条1項及び裁判所の定めによるため、最新の運用をご確認ください)
学説
通説:本条の差引納付は、満額の納付と一部の返還という二段階を一段階に組み替える効率化規定と理解される。差引の可否を決定の『確定』に絞ることで、未確定の不安定な金額による差引で後に納付額が狂う事態を避け、手続の金銭管理の安全を確保している。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)により現行法が制定され、本条を含む管財人の金銭納付・差引の規律が整備された。旧会社更生法(昭和27年法律第172号)に代わる新法として成立。
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