要点会社更生法 113 条は、更生担保権の質権が付いた金銭債権の債務者が、全額を供託すれば債務を免れると定める。供託金には従来の質権者の権利がそのまま移る。
Q · 取引先が倒産して、管財人と担保の銀行の両方から「払え」と言われたら、どちらに払えばいいの?
どちらにも払わず、全額を供託すれば債務は消えます
会社更生法 113 条により、更生担保権に係る質権の目的となった金銭債権の債務者は、債権全額に相当する金銭を法務局に供託することで、自己の債務を免れることができます。管財人と質権者のどちらに払うべきか判断できなくても、満額を供託すれば二重弁済のリスクを断ち切れます。供託後は、質権者であった更生担保権者の権利が供託金に移る(同条 2 項)ため、銀行の担保価値も失われません。争いは当事者間に押し戻されます。
取引先のA社に売掛金を払う立場にあるとする。ところがA社は、あなたへのその売掛金(金銭債権)を担保として、メインバンクB銀行に質権をつけていた。そしてA社が会社更生手続に入る。ここであなたは宙づりになる。A社の管財人が「払え」と言い、B銀行も「これは自分の担保だ」と言う。二重払いの恐怖で手が止まる。会社更生法113条は、その板挟みから一発で抜け出す扉だ。質権の目的になっている金銭債権の債務者は、全額に相当する金銭を供託(法務局にお金を預け、誰に払うべきか確定しないまま自分の債務を確実に消す制度)すれば、それで債務を免れる。供託した瞬間、あなたは舞台から降りられる。質権者だったB銀行の権利は、あなたから供託金へと自動的に移る。本当の権利者は誰かを争うのは、A社、管財人、B銀行の仕事になり、あなたは巻き込まれない。
会社更生法 113 条は、更生担保権に係る質権の目的となっている金銭債権について、その債務者が債権全額に相当する金銭を供託することで債務を免れることを認める規定である。供託後は、質権を有していた更生担保権者が供託金につき質権者と同一の権利を取得し、担保価値が供託金へ移転する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
債権者が誰か確定しない等の理由で弁済できない場合に、法務局(供託所)に金銭を預けて確実に債務を消す制度です。会社更生法 113 条では質権付き金銭債権の債務者の免責手段になります。
債務の履行地を管轄する供託所(法務局)で、債権全額に相当する金銭を供託します。供託書を保管し、管財人と質権者の双方に供託した旨を通知して二重請求を遮断します。
会社更生手続において、更生会社の財産上の担保権(質権・抵当権等)で担保された債権のことです。113 条はこの更生担保権の質権が付いた金銭債権の処理を定めます。
更生手続では管財人と質権者の双方が請求者になり得ます。判断できない場合は、いずれにも払わず全額を供託すれば 113 条 1 項により債務を免れられます。
不要です。113 条の供託は第三債務者自身に与えられた免責の権利であり、更生会社や管財人の許可に従属しません。自分の判断で供託できます。
供託前に質権を有していた更生担保権者の権利が、供託金の上に質権者と同一の権利として移ります(113 条 2 項)。民法 304 条の物上代位と同じ発想です。
質権が付いているなら、安易に管財人へ払うと二重弁済の恐れがあります。全額を供託すれば履行遅滞も避けつつ、権利者の確定を待たず帳簿を閉じられます。
免責されない恐れがあります。113 条 1 項は「全額に相当する金銭」の供託を要件とするため、債権額に争いがあっても満額を供託することが安全です。
債権額の全額を正しく供託すれば、その時点であなたの債務は確定的に消えます(113条1項)。質権者の権利は供託金に移る(同2項)ので、あなたが後から二重に請求されることはありません。業界裏話ヒント:実務で揉めるのは「いくら供託するか」です。債権額に争いがあるのに少なく供託すると免責が認められない恐れがある。迷ったら全額、それも遅延損害金まで含めて満額供託しておくのが、後の蒸し返しを封じる定石です
消えません。113条2項が、供託金について従来の質権者と同一の権利を保障しています。担保の対象が「あなたへの債権」から「供託金」へ姿を変えるだけで、優先弁済の地位はそのまま追いかけます。業界裏話ヒント:これは民法304条の物上代位と同じ理屈です。担保権者にとっては、回収が不確かな第三債務者を追いかけるより、確実に存在する供託金に権利が乗り換わる方が、むしろ回収可能性が上がる場面もあります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 113 条:更生担保権の質権が付いた金銭債権の供託による免責 | — |
| 第三債務者の立場 | 全額供託で確定的に債務を免れる | — |
| 担保権者の保護 | 供託金に質権者の権利が移る(2 項、物上代位的) | — |
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