会社更生法 第113条
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- 更生担保権に係る質権の目的である金銭債権の債務者は、当該金銭債権の全額に相当する金銭を供託して、その債務を免れることができる。
- 2.前項の規定による供託がされたときは、同項の質権を有していた更生担保権者は、供託金につき質権者と同一の権利を有する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第113条は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第113条の条文原文は「更生担保権に係る質権の目的である金銭債権の債務者は、当該金銭債権の全額に相当する金銭を供託して、その債務を免れることができる。」で始まります。
- 会社更生法第113条は第二款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第113条の前の条は会社更生法第112条です。
- 会社更生法第113条の次の条は会社更生法第114条です。
- 会社更生法第113条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第113条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第113条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/113
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法113条は、更生担保権の質権が付いた金銭債権の債務者が、全額を供託すれば債務を免れると定める。供託金には従来の質権者の権利がそのまま移る。
Q · 取引先が倒産して、管財人と担保の銀行の両方から「払え」と言われたら、どちらに払えばいいの?
どちらにも払わず、全額を供託すれば債務は消えます
会社更生法113条により、更生担保権に係る質権の目的となった金銭債権の債務者は、債権全額に相当する金銭を法務局に供託することで、自己の債務を免れることができます。管財人と質権者のどちらに払うべきか判断できなくても、満額を供託すれば二重弁済のリスクを断ち切れます。供託後は、質権者であった更生担保権者の権利が供託金に移る(同条2項)ため、銀行の担保価値も失われません。争いは当事者間に押し戻されます。
解説
取引先のA社に売掛金を払う立場にあるとする。ところがA社は、あなたへのその売掛金(金銭債権)を担保として、メインバンクB銀行に質権をつけていた。そしてA社が会社更生手続に入る。ここであなたは宙づりになる。A社の管財人が「払え」と言い、B銀行も「これは自分の担保だ」と言う。二重払いの恐怖で手が止まる。会社更生法113条は、その板挟みから一発で抜け出す扉だ。質権の目的になっている金銭債権の債務者は、全額に相当する金銭を供託(法務局にお金を預け、誰に払うべきか確定しないまま自分の債務を確実に消す制度)すれば、それで債務を免れる。供託した瞬間、あなたは舞台から降りられる。質権者だったB銀行の権利は、あなたから供託金へと自動的に移る。本当の権利者は誰かを争うのは、A社、管財人、B銀行の仕事になり、あなたは巻き込まれない。
法的な位置づけ
会社更生法113条は、更生担保権に係る質権の目的となっている金銭債権について、その債務者が債権全額に相当する金銭を供託することで債務を免れることを認める規定である。供託後は、質権を有していた更生担保権者が供託金につき質権者と同一の権利を取得し、担保価値が供託金へ移転する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取引先倒産の通知時に質権の有無を確認 取引先の会社更生申立ての通知が来た時点で、自社の買掛金・支払債務にかかる金銭債権に質権が設定されていないか確認する。管財人と質権者(銀行等)の双方から連絡が来ていないかをチェックする
- 2.供託する金額を満額で確定 債権全額に相当する金銭を計算する。債権額に争いがある場合でも、一部供託は免責されない恐れがあるため、争いを踏まえて満額を確保する。必要に応じて弁護士に供託方法を確認する
- 3.履行地の供託所で供託する 債務の履行地を管轄する供託所(法務局)に、債権全額に相当する金銭を供託する。供託原因として更生担保権に係る質権の存在と請求者の競合を明記する
- 4.供託書を保管し双方に通知 供託書(供託受理証明)を保管し、管財人と質権者の双方に供託した旨を通知する。これにより二重請求を遮断し、権利者の確定をめぐる争いを自分の外側に押し戻す
よくある質問 AI による整理
Q1供託とは何ですか?
債権者が誰か確定しない等の理由で弁済できない場合に、法務局(供託所)に金銭を預けて確実に債務を消す制度です。会社更生法113条では質権付き金銭債権の債務者の免責手段になります。
Q2会社更生法113条の供託の手続きはどうしますか?
債務の履行地を管轄する供託所(法務局)で、債権全額に相当する金銭を供託します。供託書を保管し、管財人と質権者の双方に供託した旨を通知して二重請求を遮断します。
Q3更生担保権とは何ですか?
会社更生手続において、更生会社の財産上の担保権(質権・抵当権等)で担保された債権のことです。113条はこの更生担保権の質権が付いた金銭債権の処理を定めます。
Q4質権が付いた債権の債務者は誰に払えばいいですか?
更生手続では管財人と質権者の双方が請求者になり得ます。判断できない場合は、いずれにも払わず全額を供託すれば113条1項により債務を免れられます。
Q5供託に管財人の同意は必要ですか?
不要です。113条の供託は第三債務者自身に与えられた免責の権利であり、更生会社や管財人の許可に従属しません。自分の判断で供託できます。
Q6供託金には誰の権利が移りますか?
供託前に質権を有していた更生担保権者の権利が、供託金の上に質権者と同一の権利として移ります(113条2項)。民法304条の物上代位と同じ発想です。
Q7倒産した取引先への売掛金の支払いは止めるべきですか?
質権が付いているなら、安易に管財人へ払うと二重弁済の恐れがあります。全額を供託すれば履行遅滞も避けつつ、権利者の確定を待たず帳簿を閉じられます。
Q8一部だけ供託しても免責されますか?
免責されない恐れがあります。113条1項は「全額に相当する金銭」の供託を要件とするため、債権額に争いがあっても満額を供託することが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1供託って、結局あとで誰かに「払い方が間違ってた」と言われたりしないんですか?
債権額の全額を正しく供託すれば、その時点であなたの債務は確定的に消えます(113条1項)。質権者の権利は供託金に移る(同2項)ので、あなたが後から二重に請求されることはありません。実務のポイント:実務で揉めるのは「いくら供託するか」です。債権額に争いがあるのに少なく供託すると免責が認められない恐れがある。迷ったら全額、それも遅延損害金まで含めて満額供託しておくのが、後の蒸し返しを封じる定石です
Q2担保を持っている銀行の側からすると、勝手に供託されたら担保が消えてしまうのでは?
消えません。113条2項が、供託金について従来の質権者と同一の権利を保障しています。担保の対象が「あなたへの債権」から「供託金」へ姿を変えるだけで、優先弁済の地位はそのまま追いかけます。実務のポイント:これは民法304条の物上代位と同じ理屈です。担保権者にとっては、回収が不確かな第三債務者を追いかけるより、確実に存在する供託金に権利が乗り換わる方が、むしろ回収可能性が上がる場面もあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「供託は誰に払うか分からないときの逃げ道」と理解している人は多いが、その深刻さを取り違えている。質権つき債権では、相手を選んで払うと免責されないリスクがある。供託は単なる便利機能ではなく、二重弁済という実害を断ち切る防御手段だ
- 「供託したら担保権者が損をするから、銀行が文句を言うのでは」と心配する向きがあるが、問いの立て方が逆。供託金には質権者だったB銀行の権利がそのまま移る(2項)。銀行は供託金から優先弁済を受けられるので、誰も担保価値を失わない。あなたが免責されることと、銀行が担保を保てることは両立する
- 「会社更生に入ったら、もう何をしても管財人の許可がいる」と身構える人がいるが、第三債務者であるあなたの供託に管財人の同意は不要だ。これはあなた自身に与えられた免責の権利であって、更生会社側の都合に従属しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 113条:更生担保権の質権が付いた金銭債権の供託による免責 | 47条:更生債権等の弁済禁止の原則 民法366条:債権質一般における第三債務者の供託 |
| 第三債務者の立場 | 全額供託で確定的に債務を免れる | 原則として更生手続外での弁済が禁止される 質権者の取立てに応じるか供託するかを選べる |
| 担保権者の保護 | 供託金に質権者の権利が移る(2項、物上代位的) | 更生計画による弁済で担保価値を確保 供託金還付請求権の上に質権が及ぶ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も債権者の確定が困難な場合の提存による免責を認め、権利質では金銭債権の実行・提存が規律される。倒産局面は公司法の重整手続で扱われる
韓国も弁済供託による免責を認める。倒産時の取扱いは債務者回生及び破産に関する法律が規律し、担保権者保護と第三債務者免責の調整がなされる
ドイツも債権者不確知等の場合の供託による免責を認める。担保権の代替物への追及は物上代位的処理として整理される
米国では複数の請求者に直面する利害関係者(stakeholder)がインタープリーダーにより金銭を裁判所に預け、自らは争いから離脱できる。供託と機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が会社更生を申し立てた。あなたには未払いの買掛金が残っているが、その債権には更生会社の取引銀行の質権が設定されていたと後から知らされる。管財人と銀行の双方から連絡が来て、どちらに払えば免責されるのか分からない。113条の供託なら、どちらにも払わずに債務だけを消せる
- もし、更生会社の管財人に言われるまま支払い、その後に質権者の銀行が「自分に払うべきだった」と主張してきたらどうなるか。あなたは二重弁済のリスクを負う。先に供託しておけば、この争いはあなたの外側で完結する
- 経理の締めまであと数日。倒産した取引先への支払期日が迫り、社内では「払うな」「いや遅延損害金がつく」と意見が割れている。供託すれば履行遅滞も避けつつ、権利者の確定を待たずに帳簿を閉じられる
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが質権者(担保権を持つ立場)なら、1. 更生会社が質入れした金銭債権の第三債務者を把握し、誰がいつ供託したかを確認する2. 供託がされたら、あなたの権利は供託金へ移る(113条2項)ので、供託所に対し供託金還付請求権の上に質権者として権利を主張する3. 更生手続内では、この担保価値を反映した更生担保権として届け出る。供託金という形に変わっても担保価値は守られる点を、管財人と確認しておく
訴えられた側:あなたが第三債務者(支払う立場)なら、1. 自分の債務にかかっている債権に質権が付いていないか、取引先の倒産通知が来た時点で確認する2. 債権額全額に相当する金銭を、債務の履行地の供託所(法務局)に供託する。一部供託は免責されない恐れがあるので必ず満額3. 供託書を保管し、管財人と質権者の双方に供託した旨を通知して二重請求を遮断する4. 債権額に争いがあるなら、争いの内容も踏まえて弁護士に供託方法を確認する
時効(請求できる期限):本条の供託自体に固有の期間制限はないが、あなたの債務が履行遅滞に陥る前に動くのが実益。元になる金銭債権には一般の消滅時効(民法166条、債権は権利を行使できると知った時から5年または行使できる時から10年)が適用される。倒産による権利関係の変動が絡むため、最新の手続状況を確認のうえ早めに供託するのが安全
学説
通説:会社更生法113条1項の供託は、質権付き金銭債権の第三債務者を二重弁済リスクから解放する免責手段であり、債権全額に相当する金銭の供託を要件とする。2項により供託金には従来の質権者の権利が物上代位的に存続するため、第三債務者の免責と担保権者の保護が同時に成立すると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)により現行法が制定。更生担保権に係る質権付き金銭債権の供託による免責と、供託金への質権存続を整備した。
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