会社更生法 第138条(更生債権等の届出)
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- 更生手続に参加しようとする更生債権者は、債権届出期間(第四十二条第一項の規定により定められた更生債権等の届出をすべき期間をいう。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。
- 一各更生債権の内容及び原因
- 二一般の優先権がある債権又は約定劣後更生債権であるときは、その旨
- 三各更生債権についての議決権の額
- 四前三号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項
- 2.更生手続に参加しようとする更生担保権者は、前項に規定する債権届出期間内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。
- 一各更生担保権の内容及び原因
- 二担保権の目的である財産及びその価額
- 三各更生担保権についての議決権の額
- 四前三号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項
この条文の基本情報
更生債権等の届出とは何ですか?
定義更生債権等の届出とは、会社更生法第138条に定められた規定で、「更生手続に参加しようとする更生債権者は、債権届出期間(第四十二条第一項の規定により定められた更生債権等の届出をすべき期間をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第138条(更生債権等の届出)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第138条の条文原文は「更生手続に参加しようとする更生債権者は、債権届出期間(第四十二条第一項の規定により定められた更生債権等の届出をすべき期間をいう。」で始まります。
- 会社更生法第138条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第138条の前の条は会社更生法第137条です。
- 会社更生法第138条の次の条は会社更生法第139条です。
- 会社更生法第138条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第138条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第138条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/138
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法138条は、更生債権者・更生担保権者が債権届出期間内に債権の内容と議決権の額を裁判所へ届け出る義務を定める。期間内に届け出ない債権は更生計画の認可で原則失権する。
Q · 取引先が会社更生になったら、私の売掛金は黙っていても処理してもらえる?
いいえ。期間内に自分で届け出ないと原則失権します
会社更生法138条により、更生手続に参加したい債権者は、裁判所が定めた債権届出期間内に、各債権の内容・原因・議決権の額を自分から裁判所へ届け出なければなりません。担保を持つ更生担保権者は、担保の目的財産とその価額も届け出ます。会社更生は申告制であり、管財人や裁判所が帳簿を見て自動的に拾ってはくれません。期間内に届け出なかった債権は、更生計画が認可された時点で原則として失権し、契約書のある正当な債権でも回収できなくなります。
解説
長年取引してきた会社が、ある日突然「会社更生手続開始」の通知を送ってくる。あなたの会社にはまだ回収していない売掛金が数百万円ある。ここで多くの経営者がやる致命的なミスは、「裁判所か管財人が帳簿を見て勝手に整理してくれるだろう」と待つことだ。会社更生法138条は、更生手続に参加したい債権者は、裁判所が定めた『債権届出期間』内に、各債権の内容と原因、一般の優先権や約定劣後の有無、議決権の額を、自分から裁判所に届け出なければならないと定める。担保を持つ債権者(更生担保権者)はさらに、担保の目的物とその価額まで届け出る。ここが破産や民事再生と決定的に違う点だ。会社更生では担保権者も勝手に担保を実行できず、この届出の土俵に乗せられる。そして期限内に届け出なかった債権は、更生計画が認可された瞬間に原則として失権する。沈黙はあなたの債権を守らない、消すのだ。
法的な位置づけ
会社更生法138条は更生債権・更生担保権の届出を定める手続規定であり、更生手続に参加しようとする債権者が、債権届出期間内に各債権の内容、原因、一般の優先権や約定劣後の有無、議決権の額を裁判所に届け出るべき義務を規定する。更生担保権者はさらに担保の目的財産とその価額を届け出る。会社更生における債権者の手続参加の入口を画する条文である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.開始通知が届いたら債権届出期間の締切を最優先で特定 取引先の会社更生開始通知が届いたら、分厚い書類の中から『債権届出期間』の締切日だけをまず探し出し、カレンダーに赤丸で記入する。この締切から逆算して準備時間を確保できるかが回収額を左右する
- 2.債権の根拠資料を全部集める 売掛金・貸付金の根拠となる契約書、請求書、納品書、残高確認書を全部集める。金額と発生原因を裏付けられる資料が揃っているかを確認し、不足分は取引先や社内から早急に手配する
- 3.届出書に内容・原因・議決権の額を正確に記載 債権届出書に、各債権の内容と原因、一般の優先権や約定劣後の有無、議決権の額を正確に記載する。担保を持つ場合は更生担保権者として担保の目的財産とその価額も記載する(138条2項)。一行の記載漏れが配当順位や発言力を後退させる
- 4.倒産事件に詳しい弁護士に届出書を点検してもらう 提出前に倒産事件の経験がある弁護士へ届出書を点検依頼する。期限後の追完は原則認められないため、金額の根拠や議決権の主張に不安があれば必ず期限内に専門家チェックを通す
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生の債権届出とは何ですか?
更生手続に参加したい債権者が、裁判所の定めた届出期間内に債権の内容・原因・議決権の額を裁判所へ届け出る手続です。会社更生は申告制で、届け出ない債権は原則失権します。
Q2債権届出をしないとどうなりますか?
更生計画が認可された時点で、その債権は原則として失権します。契約書があり相手も認めている確実な債権でも、届出がなければ手続上は存在しない扱いとなり回収できません。
Q3担保があれば会社更生でも安心して回収できますか?
担保権者も更生担保権者として担保目的物と価額を届け出る必要があり(138条2項)、破産・民事再生の別除権と違い勝手に競売できません。自由な担保実行は制限されます。
Q4債権届出期間はいつ決まりますか?
裁判所が更生手続開始決定と同時に定めます(会社更生法42条1項)。開始通知に締切が記載されるので、通知到着の当日に締切日を確認することが重要です。
Q5届出書に書く議決権の額とは何ですか?
更生計画案を決議するときの一票の重みを決める金額です。更生債権では原則として債権額が基礎になり、利息や担保の扱いで調整されます。記載漏れは発言力低下につながります。
Q6期間を過ぎてから債権届出はできますか?
原則として認められません。その責めに帰すことができない事由がある場合に限り追完が認められる余地がありますが、ハードルは高いため、迷うより先に期限内に出すべきです。
Q7個人投資家でも債権届出義務はありますか?
あります。社債や貸付型クラウドファンディングに投資した個人も、その企業が更生手続に入れば更生債権者として、機関投資家と同じ届出義務を負います。
Q8会社更生と破産・民事再生の届出は同じですか?
枠組みは似ていますが根拠条文が異なります。破産は破産法111条、民事再生は民事再生法94条、会社更生は本条138条で、特に担保権者の扱いが会社更生では大きく異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が会社更生になりました。放っておいても管財人が私の売掛金を計算してくれますよね?
いいえ。会社更生は申告制で、債権届出期間内に自分から裁判所へ届け出なければなりません(会社更生法138条1項)。届け出ない債権は、更生計画が認可された時点で原則として失権します。実務のポイント:更生会社の帳簿にあなたの債権が載っていても、それだけでは安全ではありません。管財人が認否するのは『届け出られた債権』だけ。帳簿にあるから大丈夫と油断して期限を逃すと、確実なはずの債権が消えます。
Q2うちは抵当権を持っているから、最悪その不動産を競売すれば回収できますよね?
会社更生では、その発想は通用しません。担保権者も『更生担保権者』として担保の目的物と価額を届け出て(138条2項)、手続の中で処理されます。破産や民事再生の別除権と違い、勝手に競売はできません。実務のポイント:更生担保権の額は『担保目的物の価額』が上限になります。評価額が低く査定されると、被担保債権が満額あっても更生担保権としては一部しか認められず、残りは無担保の更生債権に回されます。だから届出時の価額評価への対応が回収額を左右します。
Q3届出書に書く『議決権の額』って何ですか? 回収したい金額を書けばいいんですか?
議決権の額は、更生計画案を決議するときのあなたの一票の重みを決める数字です(138条1項3号、2項3号)。更生債権では原則として債権額が基礎になりますが、利息や担保の扱いで調整されます。実務のポイント:大口債権者になるほど議決権が大きく、更生計画案に反対したり条件交渉したりする実質的な力を持てます。届出を『回収の申請』としか考えていない人は、この再建プロセスへの発言権という側面を見落とします。
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判所や管財人が、帳簿を見て自動的に私の債権を拾ってくれる」と思っている人は多い。だがその問いの立て方そのものが間違っている。会社更生は申告制であり、債権者が自分から届け出るのが原則。管財人が認否するのは、あくまで届け出られた債権についてだけだ。
- あなたから見れば「契約書もあるし、向こうも借金を認めている確実な債権」だ。だが手続から見れば、届出がなければ法的には存在しない債権にすぎない。この『実体はあるのに手続上は無い』という落差が、何百万円もの債権を一夜で蒸発させる。
- 「担保があるから会社更生でも安心」とは知っているかもしれない。だがその安心の中身を理解している人は少ない。会社更生の担保権者は、破産・民事再生と違って担保を自由に実行できず、更生担保権者として届け出て手続に拘束される。担保があっても『いつ、いくら回収できるか』を自分でコントロールできなくなる、その深刻さに気付いていない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 会社更生法138条(更生債権・更生担保権の届出) | 破産法111条(破産債権の届出) 民事再生法94条(再生債権の届出) |
| 担保権者の扱い | 更生担保権者として届出が必要、勝手な担保実行は不可 | 別除権者として手続外で自由に担保実行が可能 別除権者として手続外で自由に担保実行が可能 |
| 届出を怠った場合 | 更生計画の認可で原則失権 | 配当から除斥(原則として配当を受けられない) 再生計画の認可で原則失権 |
| 想定される対象 | 再建型・大規模株式会社の更生手続 | 清算型・あらゆる債務者の破産手続 再建型・中小企業や個人を含む再生手続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公司重整も債権者が重整債権を期限内に申告する申告制を採る。申告しない債権の手続上の扱いが制限される点で日本と類似
韓国は会社整理法を統合した統一倒産法で回生手続を規律。回生債権の届出制と失権効の構造は日本の会社更生に近い
ドイツは単一の倒産手続(Insolvenzverfahren)内で債権を届け出る。再建は Insolvenzplan で処理され、日本のように再建専用の独立手続を持たない点が異なる
米国 Chapter 11では proof of claim を提出するが、スケジュールに記載され争いのない債権は届出不要な場合がある点で、原則届出制の会社更生と運用が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の大手メーカーが会社更生を申し立てた。裁判所からの通知に書かれた債権届出期間の締切まで、あと10日。あなたの売掛金800万円は、この10日で正しい届出書を出せるかどうかに全額がかかっている。
- もし、あなたが担保を取って融資していたとしたら? 会社更生では、抵当権を持っていても勝手に競売を申し立てられない。更生担保権者として担保物件とその価額を届け出て、手続の中で処理されるのを待つことになる。破産なら別除権で自由に実行できたのに、なぜ会社更生だと縛られるのか。その違いを知らないと回収戦略を根本から間違える。
- あなたが更生会社側の経理担当だったら、債権者からの問い合わせが殺到する。『うちの債権、届け出ないとどうなるの』と。正しい案内ができないと、後で『説明されなかった』とトラブルになる。
- 議決権の額を低く書いてしまった、あるいは『一般の優先権がある』という記載を漏らした。届出の内容次第で、更生計画の中であなたが持つ発言力(議決権)も、回収の優先順位も変わる。一行の記載漏れが、あなたの配当順位を後ろに押しやる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知到着の当日に『債権届出期間』の締切日を特定し、カレンダーに最優先で記入する2. 売掛金・貸付金の根拠資料(契約書、請求書、納品書、残高確認書)を全部集める3. 届出書に、各債権の内容と原因、一般の優先権や約定劣後の有無、議決権の額を正確に記載。担保があれば担保の目的物とその価額も記載する(138条2項) 4. 不安なら倒産事件に詳しい弁護士に届出書を点検してもらう。期限後の追完は原則として認められないので、迷うより先に出す
訴えられた側:(更生会社・管財人の立場) 1. 判明している債権者へ確実に開始通知と届出案内を送達し、後の『知らされなかった』というクレームを防ぐ2. 届け出られた債権は調査手続で内容・額・議決権を認否し、争いがあれば異議を述べる3. 帳簿上明らかな債権でも届出がなければ手続に乗らない点を踏まえ、自認債権の扱いを整理する4. 届出内容の過大主張には調査手続で適切に対応し、更生計画の議決権の基礎を正確に保つ
時効(請求できる期限):債権届出期間内(会社更生法42条1項により、裁判所が更生手続開始決定と同時に定める期間)。期間経過後の届出は原則として認められず、その責めに帰すことができない事由がある場合に限り追完が認められる(追完に関する現行条文をご確認ください)。届け出ないまま更生計画が認可されると、当該債権は原則として失権する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:会社更生における債権は申告制であり、管財人の認否の対象となるのは届け出られた債権に限られる。届出を怠った更生債権は、更生計画の認可決定の効力として原則失権するというのが通説・実務の理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:会社更生法(旧法)制定。米国の会社更生制度を母法に、大規模株式会社の再建型倒産手続として債権届出制度を導入
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法全部改正(平成14年法律第154号)。手続の迅速化・合理化を図り、更生債権・更生担保権の届出に関する規律を現行138条として整理
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