会社更生法 第204条(更生債権等の免責等)
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- 更生計画認可の決定があったときは、次に掲げる権利を除き、更生会社は、全ての更生債権等につきその責任を免れ、株主の権利及び更生会社の財産を目的とする担保権は全て消滅する。
- 一更生計画の定め又はこの法律の規定によって認められた権利
- 二更生手続開始後に更生会社の取締役等(取締役、会計参与、監査役、代表取締役、執行役、代表執行役、清算人又は代表清算人をいう。)又は使用人であった者で、更生計画認可の決定後も引き続きこれらの職に在職しているものの退職手当の請求権
- 三第百四十二条第二号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権
- 四租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)のうち、これを免れ、若しくは免れようとし、不正の行為によりその還付を受け、又は徴収して納付し、若しくは納入すべきものを納付せず、若しくは納入しなかったことにより、更生手続開始後拘禁刑若しくは罰金に処せられ、又は国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第百五十七条第一項若しくは地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二十二条の二十八第一項の規定による通告の旨を履行した場合における、免れ、若しくは免れようとし、還付を受け、又は納付せず、若しくは納入しなかった額の租税等の請求権で届出のないもの
- 2.更生計画認可の決定があったときは、前項第三号及び第四号に掲げる請求権については、更生計画で定められた弁済期間が満了する時(その期間の満了前に更生計画に基づく弁済が完了した場合にあっては、弁済が完了した時)までの間は、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。
- 3.第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責及び担保権の消滅の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。
この条文の基本情報
更生債権等の免責等とは何ですか?
定義更生債権等の免責等とは、会社更生法第204条に定められた規定で、「更生計画認可の決定があったときは、次に掲げる権利を除き、更生会社は、全ての更生債権等につきその責任を免れ、株主の権利及び更生会社の財産を目的とする担保権は全て消…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第204条(更生債権等の免責等)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第204条の条文原文は「更生計画認可の決定があったときは、次に掲げる権利を除き、更生会社は、全ての更生債権等につきその責任を免れ、株主の権利及び更生会社の財産を目的とする担保権は全て消…」で始まります。
- 会社更生法第204条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第204条の前の条は会社更生法第203条です。
- 会社更生法第204条の次の条は会社更生法第205条です。
- 会社更生法第204条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第204条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第204条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/204
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法204条は、更生計画認可の決定により更生会社が更生債権等の責任を免れ、株主の権利と会社財産上の担保権が消滅すると定める。免責は更生会社のみに及び、保証人の責任は残る。
Q · 取引先が会社更生したら、貸したお金は全部消えてしまうの?
会社の債務は消えるが、保証人の責任は消えない
会社更生法204条により、更生計画認可の決定があると、更生会社は更生債権等の責任を免れ、株主の権利と会社財産上の担保権は全て消滅します。つまり債権は計画で定めた弁済率まで圧縮され、残りは法的に消えます。ただし免責されるのは「更生会社」だけです。社長や親会社が連帯保証していれば、その保証債務は204条では消えません(会社更生法203条)。継続在職役員の退職金、一定の罰金、脱税にかかる租税も免責の例外として残ります。
解説
取引先が会社更生に入ったと聞いて、あなたは貸した数千万円を半ば諦めかけている。だが本当の急所はその先にある。更生計画が裁判所に認可された瞬間、会社更生法204条が発動する。更生会社は、計画やこの法律で認められた分を除き、全ての更生債権について責任を免れ、株主の権利も、会社財産にかかっていた担保権も全て消滅する。つまりあなたの債権は計画で決められた割合まで圧縮され、残りは法的に消える。会社は借金を捨てて生き返る。ここまでは多くの人が知っている。見落とされるのは、免責されるのが「更生会社」だけだという一点だ。社長や親会社が個人で連帯保証していれば、その保証債務は204条では消えない。会社が身軽になる裏で、保証人は元の額をまるごと背負い続ける。退職せず在職を続ける役員の退職金、一定の罰金、脱税にかかる租税が免責の例外として残る点も、債権者にとっては反撃の足場になる。
法的な位置づけ
会社更生法204条は更生計画認可の決定の効力を定める規定であり、認可決定によって更生会社が更生債権等の責任を免れ、株主の権利および更生会社の財産を目的とする担保権が消滅する旨を規律する。計画・法律で認められた権利、継続在職役員の退職手当、特定の罰金・租税請求権はこの免責から除外される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.更生債権の届出を期限内に行う 取引先の会社更生手続開始の通知を受けたら、自分の売掛金や貸付金を更生債権として裁判所に届け出る。届出を怠ると計画から排除され、認可決定後の免責で回収不能になる
- 2.保証人・物上保証の有無を契約書で洗い出す 社長や親会社の連帯保証、物上保証の有無を契約書で確認する。204条の免責は更生会社にしか及ばず、保証人の責任は残る(会社更生法203条)。認可前に回収の主戦場を保証人へ移す準備をする
- 3.自分の債権が免責例外に当たるか確認する 自分の債権が継続在職役員の退職金、罰金、脱税租税など204条1項各号の免責例外に該当しないか確認する。例外なら消えずに残るため、回収戦略が変わる
- 4.計画案に不服なら議決権行使・不服申立てを検討する 計画案の弁済率に不服がある場合、債権者集会での議決権行使と認可決定への不服申立てを検討する。手続上の期限があるため、欠席せず債権額の確定と議決権の確保に動く
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生の免責はいつ生じますか?
更生計画認可の決定があった時に生じます(会社更生法204条1項)。認可前は免責効はなく、認可決定の瞬間に更生債権等の責任が消滅し、担保権も消えます。
Q2更生計画で消えなかった債権はどうなりますか?
計画・法律で認められた権利、継続在職役員の退職金、特定の罰金、脱税租税は免責の例外として残ります(204条1項各号)。自分の債権がどの箱に入るか確認が必要です。
Q3会社更生で担保権はどうなりますか?
更生会社の財産を目的とする担保権は、認可決定で原則として全て消滅します(204条1項本文)。別除権が認められる破産・民事再生とは扱いが異なります。
Q4更生債権の届出をしないとどうなりますか?
届出を怠ると更生計画に組み込まれず、弁済を受けられなくなる恐れがあります。手続開始の通知を受けたら速やかに債権届出を行う必要があります。
Q5脱税した会社の税金は会社更生で消えますか?
消えません。脱税により拘禁刑や罰金に処せられた分などの租税請求権は204条1項4号で免責の例外となり、計画の弁済期間満了まで弁済・受領もできません(同2項)。
Q6会社更生と民事再生で免責の範囲は違いますか?
会社更生は担保権も消滅させる強力な手続で、民事再生(民事再生法178条)は別除権を残す点が大きく異なります。会社更生の方が抜本的な再建型です。
Q7更生会社の株式はどうなりますか?
認可決定により株主の権利は消滅するのが原則で、株式の価値は法的にゼロになります。出資金は戻らず、これが更生計画の前提となります。
Q8海外子会社の税金も会社更生で免責されますか?
共助対象外国租税の請求権の免責・担保権消滅は、租税条約等に基づく徴収共助との関係でのみ主張できます(204条3項)。国内債権とは別ルートで処理されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が更生して借金が減ったら、保証人の私も同じだけ減りますか?
減りません。204条の免責は更生会社だけに及び、保証人や物上保証人の責任は別途維持されます(会社更生法203条)。むしろ会社から回収できなくなった債権者は、保証人への請求を強めます。実務のポイント:金融機関は更生の申立てを察知すると、認可前から保証人への請求準備を進めます。保証人が「会社が再生するなら自分も大丈夫」と油断している間に、保証債務だけが取り残される。社長個人が同時に自己破産や民事再生を検討するのはこのためです
Q2更生会社に対する税金の滞納は、どうなるんですか?
原則として租税も更生債権ですが、脱税により更生手続開始後に拘禁刑や罰金に処せられた分などは204条1項4号で免責の例外となり消えません。さらに2項で、計画の弁済期間が満了するまでは弁済も受領もできない縛りがかかります。実務のポイント:通常の滞納税は計画でカットされ得ますが、不正・脱税が絡むと別扱いです。租税債権の届出と分類が、当局側の回収可否を分けます(最新の改正状況をご確認ください)
Q3更生計画に反対したのに、なぜ私の債権まで勝手に減らされるんですか?
更生計画は法定多数の同意と裁判所の認可で成立すれば、反対した債権者も含め全員を拘束するからです。認可決定で204条の免責効が生じ、消えた部分はもう請求できません。実務のポイント:だからこそ債権者集会での議決権行使が重要です。議決権の額や行使の有無で計画の成否が変わる。諦めて欠席するより、債権額の確定と議決権の確保に動く方が、最終的な弁済率に影響することがあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が更生したら、保証していた自分も借金から解放される」と思い込む保証人が多い。逆だ。204条の免責は更生会社にしか及ばず、保証人の責任は別途温存される(会社更生法203条)。会社が身軽になるほど、債権者は回収先を保証人に集中させてくる
- 更生計画で債権がカットされることは知っていても、その削減が「踏み倒し」ではなく法的に確定した消滅であることの重みを理解していない人が多い。認可決定後は、消えた部分をもう請求できない。あなたが同意していなくても、計画に拘束される
- 「更生債権なら全部同じように免責される」という前提自体が誤っている。租税、脱税の罰金、継続在職役員の退職金は例外として残る(204条1項各号)。自分の債権がどの箱に入るかを確認せずに「どうせ消える」と諦めるのは早計だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効力の対象 | 204条:更生会社の更生債権等を免責、担保権・株主権を消滅 | 203条:保証人・物上保証人の責任は免責の対象外 199条:免責効を生む更生計画認可の決定(要確認) |
| 誰が救われるか | 更生会社本体(債務から解放され再生) | 誰も救わない(保証人に請求が集中) 手続全体の前提(認可の有無を決める) |
| 債権者への影響 | 計画弁済率まで圧縮、残額は消滅 | 会社から回収不能でも保証人へ全額請求可 認可されなければ免責効も生じない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社更生に相当する制度を会社法の公司重整として規律し、重整完成により債権が計画に従って処理される。独立の倒産法ではなく会社法内に置かれる点が日本と異なる
韓国は会社更生・破産・個人回生を統合した「統合倒産法(債務者回生及び破産に関する法律)」で規律し、回生計画認可の効力として面責を定める。日本の旧三本立てに近い構造を一本化した
ドイツは Insolvenzordnung の Insolvenzplan により債務者の責任を整理する。日本のように担保権を一律消滅させるのではなく、別除権(Absonderungsrecht)の扱いを計画内で個別に定める設計が中心
米国 Chapter 11では計画確認(confirmation)により債務者が discharge される。会社更生法204条はこの米国型 plan confirmation discharge を母法とする再建型免責で、系譜上の親にあたる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の製造業者が会社更生を申し立て、あなたの売掛金2000万円が更生債権になった。認可決定が出れば計画通りの弁済率(多くは数%から十数%)でしか戻らず、残りは消える。だが社長個人の連帯保証を取っていれば、その人に全額請求できる。保証や担保を取っていたかどうかで、回収額は天と地ほど違う
- もし、あなたが更生会社の元取締役で、認可決定後も役員を続けているとしたら? あなたの退職金請求権は204条1項2号で免責の例外となり、消えずに残る。ただし在職を続けていることが条件であり、辞めた後ではこの保護は受けられない
- あなたが更生会社の株主だったなら、認可決定の瞬間にその株式の価値は法的にゼロになる。出資金は戻らない。それが更生計画の前提だ。
- 国税を滞納したまま会社が更生に入った。あなたが税務当局側なら、脱税で罰金刑を受けた分の租税は免責されないが、計画の弁済期間が満了するまでは弁済を受けることすらできない(204条2項)。残り時間の管理を誤れば、回収のタイミングそのものを逃す
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の債権が更生債権として届出されているか確認。届出を怠ると計画から排除され回収不能になる2. 社長や親会社の連帯保証・物上保証の有無を契約書で洗い出す。会社が免責されても保証人の責任は残る(会社更生法203条) 3. 自分の債権が租税・継続役員退職金など免責の例外(204条1項各号)に当たらないか確認4. 計画案の弁済率に不服なら、債権者集会での議決権行使と認可決定への不服申立てを検討する
訴えられた側:1. 更生会社側は、計画案で残す権利(継続役員の退職金、担保付債権の扱い)を204条1項各号に沿って正確に設計する2. 免責される範囲と消滅する担保権を整理し、認可後の貸借対照表を見通す3. 租税・罰金は免責例外で、弁済期間満了まで弁済できない制約(204条2項)を資金計画に織り込む4. 社長個人が保証している場合、会社更生と並行して個人の民事再生・破産の要否を弁護士と詰める
時効(請求できる期限):204条の免責は更生計画認可の決定があった時に生じる。1項3号・4号の罰金・租税については、計画で定められた弁済期間が満了する時(期間満了前に弁済が完了した場合は完了時)まで、弁済・受領その他これを消滅させる行為(免除を除く)が禁止される(204条2項)。債権届出や認可への不服申立てには手続上の期限があるため、手続開始の通知を受けたら速やかに動く
学説
通説:204条の免責は更生計画認可の決定により当然に生じる法定の効果であり、更生会社の更生債権等を一律に免責し担保権・株主権を消滅させる。免責は更生会社にのみ及び、保証人・物上保証人の責任(203条)は別途維持される点が一貫して強調される。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)新法制定 現行会社更生法(平成14年法律第154号)の制定に伴い、認可決定による免責・担保権消滅の規律として現在の構成が整えられた。新設か旧法からの承継かの厳密な区別は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑事法の拘禁刑統合に伴い、1項4号の刑罰表記が「懲役」から「拘禁刑」に改められた。条文本文に拘禁刑の文言が反映されている
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:旧会社更生法の制定。米国連邦倒産法 Chapter X を範に、認可決定による更生債権の免責と担保権の取り込みという再建型倒産の枠組みが導入された(旧法からの承継関係は人的検証が必要)
- 2.平成14年(2002年) 改正:現行会社更生法(平成14年法律第154号)の全部改正に伴い、認可決定による免責・担保権消滅・免責例外の規律として現在の204条の構成が整えられた
- 3.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正による拘禁刑の統合に伴い、1項4号の刑罰表記が「懲役」から「拘禁刑」へ改められた(令和7年・2025年6月1日施行)
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