会社更生法 第203条(更生計画の効力範囲)
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- 更生計画は、次に掲げる者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。
- 一更生会社
- 二すべての更生債権者等及び株主
- 三更生会社の事業の更生のために債務を負担し、又は担保を提供する者
- 四更生計画の定めるところにより更生会社が組織変更をした後の持分会社
- 五更生計画の定めるところにより新設分割(他の会社と共同してするものを除く。)、株式移転(他の株式会社と共同してするものを除く。)又は第百八十三条に規定する条項により設立される会社
- 2.更生計画は、更生債権者等が更生会社の保証人その他更生会社と共に債務を負担する者に対して有する権利及び更生会社以外の者が更生債権者等のために提供した担保に影響を及ぼさない。
この条文の基本情報
更生計画の効力範囲とは何ですか?
定義更生計画の効力範囲とは、会社更生法第203条に定められた規定で、「更生計画は、次に掲げる者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第203条(更生計画の効力範囲)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第203条の条文原文は「更生計画は、次に掲げる者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。」で始まります。
- 会社更生法第203条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第203条の前の条は会社更生法第202条です。
- 会社更生法第203条の次の条は会社更生法第204条です。
- 会社更生法第203条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第203条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第203条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/203
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法203条は更生計画の効力範囲を定め、2項で更生計画は保証人・連帯債務者への権利や第三者提供の担保に影響しないと規定する。会社の主債務が減免されても保証債務は満額残る。
Q · 会社が会社更生で借入金を9割カットされたら、私の連帯保証も9割消えますか?
消えません。保証債務は満額残ります(203条2項)
消えません。会社更生法203条2項は、更生計画が「更生債権者等が保証人その他共に債務を負担する者に対して有する権利」および「更生会社以外の者が提供した担保」に影響を及ぼさないと明記しています。更生計画で会社の主債務が9割減免されても、連帯保証人の保証債務は満額のまま、第三者の物上保証も無傷で残ります。会社は再建し、保証した社長個人は満額債務を抱えて自己破産という事例も珍しくありません。会社の倒産処理と個人保証の処理は別の戦場です。
解説
あなたが経営する会社が会社更生手続に入り、更生計画で10億円の借入金が1億円までカットされた。役員も従業員も胸をなでおろす。だが、もしあなたがその借入を個人で連帯保証していたなら、安堵するのはまだ早い。会社更生法203条2項は、更生計画が「更生債権者等が保証人その他共に債務を負担する者に対して有する権利」に影響を及ぼさないと定める。会社の債務が9割カットされても、それを保証した社長個人の保証債務は10億円のまま残るということだ。第三者が差し出した担保(物上保証)も同じく無傷で残る。一方で1項は、更生計画が更生会社、すべての更生債権者と株主、設立される新会社などを一律に拘束すると定める。会社本体は計画で救われ、しかし保証人個人は救われない。この非対称こそ、会社更生における最大の落とし穴である。
法的な位置づけ
会社更生法203条は更生計画の効力範囲を定める規定である。1項は更生計画が更生会社・すべての更生債権者等および株主・更生のために債務を負担し担保を提供する者・組織変更後の持分会社・新設会社を拘束する旨を定め、2項は更生債権者等が保証人その他の共同債務者に対して有する権利および更生会社以外の者が提供した担保に計画が影響しない旨を定める。
手順
- 1.自分が保証人・物上保証人かを最初に確認 会社の更生手続が始まったら、まず自分が連帯保証人・物上保証人になっている契約を棚卸しする。203条2項により、これらの債務は更生計画で減免されず満額残ると認識する
- 2.会社の更生申立てと個人保証整理を一体で設計 会社の更生申立てと並行して、経営者個人の保証債務整理(経営者保証に関するガイドラインによる準則型私的整理)を同時に設計に乗せる。会社が再建軌道に乗ってから個人保証を放置すると自己破産しか道が残らない
- 3.債権者と弁済方法を交渉、自由財産を確保 ガイドラインの対象なら、一定の自由財産(自宅や当面の生活費に相当する範囲)を手元に残して整理できる余地がある。一括弁済か分割か、難しければ自己破産との比較を専門家と試算する
- 4.求償権を更生債権として届け出る 保証人として弁済する場合、将来の求償権を更生手続内で更生債権として届け出ておく。これを怠ると、払った後に会社へ請求する足場すら失う。届出期間を厳守する
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生したら連帯保証はどうなりますか?
更生計画で会社の主債務が減免されても、連帯保証債務は満額残ります。会社更生法203条2項が、計画は保証人への権利に影響しないと定めているためです。
Q2経営者保証に関するガイドラインとは何ですか?
会社の再建・廃業時に経営者個人の保証債務を、一定の自由財産を残して整理できる準則型私的整理の枠組みです。法的拘束力はありませんが金融機関も尊重します。
Q3物上保証は会社更生で影響を受けますか?
受けません。203条2項により第三者提供の担保は計画の影響外で、債権者は抵当権等を実行できます。親会社が子会社のため提供した担保も同様です。
Q4会社更生と民事再生で保証人の扱いは違いますか?
ほぼ同じです。民事再生法177条2項も保証人への権利は再生計画の影響を受けないと定め、倒産三法に共通する設計です。
Q5会社更生法203条をわかりやすく教えてください。
1項は更生計画が会社・全債権者・株主・新設会社を拘束すると定め、2項は保証人や第三者担保には影響しないと定める「効力範囲」の条文です。
Q6保証人が会社の借金を全額払ったら会社に請求できますか?
求償権は発生しますが、その求償権も更生債権として計画で減免された範囲でしか行使できず、満額回収は困難です。更生手続での届出が必要です。
Q7会社更生で保証債務の時効はどうなりますか?
保証債務は主債務と別個に時効が進行します。更生計画の認可は会社の主債務を変更しますが、保証債務の時効を当然に更新するわけではありません。
Q8更生計画案に賛成すると保証人への請求はできなくなりますか?
なりません。203条2項で保証ルートは計画と無関係に温存されるため、会社からの回収が薄い計画でも保証人へ別途請求できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの会社が更生したら、私が個人保証している分も消えてくれるんですよね?
消えません。会社更生法203条2項が、更生計画は債権者が保証人に対して有する権利に影響を及ぼさないと明記しています。会社の債務が計画で9割カットされても、あなたの連帯保証債務は満額のまま残ります。実務のポイント:だからこそ経営者保証に関するガイドラインが存在します。会社の再建手続と同時に申し立てれば、一定の自由財産(自宅や当面の生活費に相当する範囲)を手元に残して保証債務を整理できる余地がある。会社の弁護士に「個人保証も一体で組めますか」と最初に確認するかどうかで、その後の人生が変わる
Q2主債務が減ったのに保証だけ満額残るのって、保証の付従性に反しないんですか?
倒産法上の特則で、付従性の原則を修正しています。更生計画による減免は会社の責任を縮減しますが、保証債務まで連動して縮減させると、保証本来の「主債務者が払えないときの備え」という機能が倒産局面でこそ失われてしまう。それを防ぐのが203条2項です。実務のポイント:破産法253条2項、民事再生法177条2項もまったく同じ構造。倒産三法に共通する設計思想なので、どの手続でも保証人は救われないと覚えておくと、保証を頼まれたときの判断が変わる
Q3保証人として会社の借金を全額払ったら、再建した会社にあとで請求できますか?
求償権は理屈上発生しますが、その求償権自体が更生債権として計画で減免された範囲でしか行使できないのが原則で、満額回収は困難です。つまり保証人は満額払わされ、会社からは計画どおりの僅かな配当しか取り戻せない。実務のポイント:保証人は更生手続の中で、自分の将来の求償権を更生債権として届け出ておく必要がある。これを怠ると、払った後に会社へ請求する足場すら失う。保証人になった時点で、自分も更生手続の当事者だと意識して動くこと
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が更生手続で救われれば、保証した自分も一緒に救われる」と思い込みがちだが、法はまったく逆の設計をしている。203条2項は会社の債務減免を保証人に及ぼさない。会社が立ち直るほど、個人保証だけが宙に浮いて残る
- 保証債務が残ること自体は知っていても、その非対称の深刻度を多くの人が見落としている。会社は事業を継続して再建できるのに、保証した社長個人は減免のない満額債務を抱え、自宅も預金も失って自己破産へ追い込まれる。救われる主体と潰れる主体が分離するという、この構造の苛烈さこそ本質である
- 経営者から見れば「身を削って会社を救った」物語だが、債権者から見れば「会社という回収先が痩せても、保証人という別の回収先が満額で温存された」だけのこと。同じ更生計画認可という出来事が、立つ位置によって正反対に見える。この落差を理解せずに保証印を押した人間が、後で潰れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 会社更生法203条:更生計画の効力範囲(保証人・物上保証は影響外) | 会社更生法204条:更生債権等の免責(会社の主債務を減免) 破産法253条2項・民事再生法177条2項:免責・再生計画も保証人に及ばない |
| 保証債務への効果 | 満額のまま残る(減免されない) | 会社の主債務のみ減免、保証は連動しない 破産・再生でも保証人は救われない(同趣旨) |
| 第三者担保への効果 | 影響なし、抵当権等を実行可能 | 会社財産の担保は更生手続内で処理 別除権・物上保証として手続外実行が可能な場合あり |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も会社重整完成後、債権者の保証人・共同債務者に対する権利は重整により影響を受けないと明文化。日本203条2項とほぼ同趣旨で、保証人は重整の恩恵を受けない。
韓国も会生計画は保証人その他への権利に影響しないと定める。会社整理・回生法制が日本法の影響を受けた経緯と整合する。
ドイツの倒産計画(Insolvenzplan)も共同債務者・保証人への債権者の権利を縮減しないと規定。免責の対人効を主債務者に限定する点で日本と同方向。
米国連邦倒産法は債務免責が他の主体(共同債務者・保証人)の責任に影響しないと定める。会社更生法203条2項の源流的発想に近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし会社が更生計画の認可決定を受けて借入金の9割が減免されたら、あなたが連帯保証していた分も9割消えるのか。答えは No。203条2項により、減免されるのは会社の債務だけで、あなたの保証債務は満額残る。会社は再建し、保証した社長は個人破産という事例は珍しくない
- 銀行の融資担当として取引先が会社更生に入った。更生計画で債権は大幅カットされるが、社長個人の連帯保証契約は別軌道で生きている。あなたは更生会社からは計画どおり弁済を受けつつ、回収不能になった残額を保証人個人に請求できる。二本のパイプから回収する設計が、最初の保証契約で組まれていた
- 親会社が子会社の借入のため自社不動産に抵当を設定した。子会社が会社更生。担保は203条2項で一切影響を受けず、銀行は抵当権を実行できる。
- 更生計画案の議決日まであと数日。あなたは主要債権者だが、計画に賛成すれば会社からの回収は減る。ただし保証人への請求権は計画と無関係に温存される。賛成票を投じても保証ルートが残ることを理解した上で、いま判断を下す必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが更生会社の連帯保証人や物上保証人なら。1. 更生計画で主債務が減免されても、自分の保証債務は満額残ると認識する(203条2項) 2. 会社の更生手続と切り離して、経営者保証に関するガイドラインによる保証債務整理を早期に検討、対象なら一定の自由財産を残して整理できる3. 一括弁済か分割か、債権者と交渉、難しければ自己破産との比較を専門家と試算4. 物上保証なら担保不動産の任意売却で抵当権実行を回避できないか検討
訴えられた側:あなたが債権者として回収を図る側なら。1. 自分の更生債権に保証・物上保証が付いているか棚卸し、付いていれば203条2項で計画と無関係に温存される2. 更生計画での減免分を、保証人や物上保証人へ別途請求する設計を組む3. 保証人が経営者保証ガイドラインで整理に入った場合は、その手続での主張に切り替える4. 物上保証なら担保権を更生手続外で実行できるか、別除権類似の扱いを専門家に確認
時効(請求できる期限):保証債務は主債務とは別個に消滅時効が進行し、原則として民法166条により権利を行使できることを知った時から5年。更生計画の認可は会社の主債務を変更するが、保証債務の時効を当然に更新するわけではない点に注意(最新の改正状況および個別事案の時効起算をご確認ください)
学説
通説:更生計画による主債務の減免は会社の責任を縮減するが、保証債務まで連動して縮減させると、保証本来の「主債務者が払えないときの備え」という機能が倒産局面でこそ失われる。これを防ぐため203条2項は付従性の原則を倒産法上修正したものと理解される。
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