会社更生法 第253条(更生手続の終了等に伴う破産手続開始前の保全処分等)
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- 裁判所は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、職権で、破産法第二十四条第一項の規定による中止の命令、同法第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、同法第二十八条第一項の規定による保全処分、同法第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は同法第百七十一条第一項の規定による保全処分(以下この条及び第二百五十六条第四項において「保全処分等」という。)を命ずることができる。
- 一破産手続開始前の株式会社につき更生手続開始の申立ての棄却の決定があった場合
- 二破産手続開始前の更生会社につき更生手続開始の決定の取消し、更生手続廃止又は更生計画不認可の決定が確定した場合
- 三破産手続開始後の更生会社につき更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に第二百四十一条第一項の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合
- 2.裁判所は、前項第一号又は第二号の規定による保全処分等を命じた場合において、前条第一項本文の規定による破産手続開始の決定をしないこととしたときは、遅滞なく、当該保全処分等を取り消さなければならない。
- 3.第一項第一号の規定による保全処分等は、同号に規定する決定を取り消す決定があったときは、その効力を失う。
- 4.破産法第二十四条第四項、第二十五条第六項、第二十八条第三項、第九十一条第五項及び第百七十一条第四項の規定にかかわらず、第二項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができない。
この条文の基本情報
更生手続の終了等に伴う破産手続開始前の保全処分等とは何ですか?
定義更生手続の終了等に伴う破産手続開始前の保全処分等とは、会社更生法第253条に定められた規定で、「裁判所は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、職権で、破産法第二十四条第一項の規定による中止の命令、同法第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第253条(更生手続の終了等に伴う破産手続開始前の保全処分等)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第253条の条文原文は「裁判所は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、職権で、破産法第二十四条第一項の規定による中止の命令、同法第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、…」で始まります。
- 会社更生法第253条は第三節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第253条の前の条は会社更生法第252条です。
- 会社更生法第253条の次の条は会社更生法第254条です。
- 会社更生法第253条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第253条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第253条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/253
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法253条は、更生手続が失敗して破産開始前の空白期間に、裁判所が職権で保全処分や保全管理命令を命じられると定める。債権者の申立ては不要である。
Q · 会社更生が失敗したら、その会社の財産はすぐ守られるの?
裁判所が職権で保全処分を出せます
会社更生法253条により、更生手続の棄却・取消し・廃止・不認可が確定したのに破産手続がまだ始まっていない空白期間でも、裁判所は職権で破産法上の中止命令・包括的禁止命令・保全処分・保全管理命令を前倒しで命じることができます。債権者が申し立てる必要はありません。重要なのは、この空白期間こそ経営陣が資産を流出させる最も危険な瞬間であり、本条はその継ぎ目を職権で塞ぐ点にあります。財産散逸の兆候を裁判所へ届けることが、債権者にとって最後の回収額を左右します。
解説
取引先の大企業が会社更生を申し立てたが、裁判所がその申立てを棄却した。あるいは一度始まった更生手続が途中で頓挫し、廃止や不認可が確定した。このとき何が起きるか。会社は更生でも破産でもない、宙ぶらりんの状態に落ちる。そしてこの数日から数週間の空白こそ、債権者にとって最も危険な瞬間だ。経営陣が駆け込みで資産を関係者に流す、特定の債権者だけに優先弁済する、そうした行為を止める手続が、まだ正式に動いていないからである。会社更生法253条は、この空白を埋める。裁判所は職権で、破産法上の中止命令、包括的禁止命令、保全処分、保全管理命令を、破産手続が正式に始まる前でも前倒しで命じられる。誰かが申し立てるのを待たない。裁判所が自ら財産を凍結できる。あなたが債権者なら、この条文の存在を知っているかどうかで、最後に回収できる額が変わる。
法的な位置づけ
会社更生法253条は、更生手続の棄却・取消し・廃止・不認可が確定し、破産手続開始前または破産失効後の局面において、裁判所が職権で破産法上の保全処分等を命じうる旨を定める規定である。更生と破産の手続上の継ぎ目で生じる財産散逸を防止する機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取引先の更生手続を常時監視する 納入先の会社更生の状況を継続的に追い、申立棄却・廃止・取消し・不認可の確定情報を裁判所の公告や代理人から早期に入手する。空白期間は読めないため、初動の速さが回収を左右する
- 2.財産散逸の兆候を具体的に記録する 特定債権者への駆け込み弁済、関係会社への資産移転、在庫の不自然な処分など、財産散逸の兆候を日付・金額・相手方とともに証拠化する
- 3.裁判所・管財予定者へ情報提供し職権発動を促す 253条の保全処分は裁判所の職権発動であり申立権ではない。集めた散逸の兆候を裁判所や破産管財予定者へ届け、保全処分・保全管理命令の発令を事実上方向づける
- 4.自社の債権額と担保を整理し配当に備える 破産手続開始決定(252条)に備え、自社の債権額・担保の有無・優先順位を整理する。否認対象になりうる弁済を受けていないかも確認する
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法253条とは何ですか?
更生手続が失敗し破産がまだ始まらない空白期間に、裁判所が職権で破産法上の保全処分や保全管理命令を前倒しで命じられる規定です。財産散逸を防ぐ継ぎ目の制度です。
Q2牽連破産とは何ですか?
更生・再生など他の倒産手続が頓挫した後に、職権で破産手続へ移行することを牽連破産といいます。会社更生では前条252条の破産手続開始決定で始まります。
Q3包括的禁止命令とは何ですか?
すべての債権者に対し、強制執行や仮差押えなどを一律に禁止する裁判所の命令です。破産法25条が根拠で、253条により破産開始前でも前倒し発令できます。
Q4保全管理命令とは何ですか?
会社財産の管理処分権を保全管理人に専属させる命令です。経営陣の独断の資産処分を止め、253条により破産開始前の空白期間でも発令できます。
Q5更生手続が廃止されたらどうなりますか?
自動的に破産にはなりません。前条252条による職権の破産手続開始決定が出て初めて破産が始まり、その間は253条の保全処分だけが財産を守ります。
Q6会社更生の申立てが棄却されたら債権はどうなりますか?
棄却から破産開始までの数日が勝負です。この空白で経営陣が資産を動かせば回収はほぼ不可能になり、253条の保全処分が出るかどうかが回収額を左右します。
Q7取引先が倒産したら売掛金は回収できますか?
更生失敗後の空白期間に財産が散逸すると配当原資が減ります。散逸の兆候を裁判所へ届け、253条の職権保全を促すことが回収機会を守ります。
Q8253条の保全処分の取消しに不服を言えますか?
2項で保全処分が取り消された場合、4項により即時抗告はできません。抗告で争う代わりに、別の保全申立てなど次の救済手段へ切り替える必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生が失敗したら、すぐ破産に切り替わるんですか?
自動では切り替わりません。更生手続の廃止や棄却が確定しても、破産は前条(会社更生法252条)に基づく裁判所の職権による破産手続開始の決定があって初めて始まります。その決定までの空白期間に財産を守るのが253条の保全処分です。実務のポイント:この空白期間の長さは案件ごとにバラバラで、裁判所が破産開始を即決するとは限らない。実務では、この間の駆け込み的な資産移動を見越し、保全処分の発令を裁判所に促す情報提供を早期に行うかどうかで、配当原資が大きく変わる
Q2債権者の自分は、この保全処分を裁判所に求められますか?
正式な申立権という形ではありません。253条の保全処分は裁判所の職権発動であり、債権者が請求権として持つものではないからです。ただし財産散逸の具体的兆候を裁判所へ届ければ、職権発動の判断材料になります。実務のポイント:職権発動だからと受け身でいる債権者が多いが、裁判所は現場の情報を持っていない。誰が、いつ、どの資産を動かそうとしているかを最初に届けた債権者が、結果的に保全のタイミングと範囲を左右している
間違えやすい点 AI による整理
- 保全処分は破産手続が始まってから出されるものだと思っているなら、半分しか理解していない。本当に危ないのは破産が始まる前の空白期間であり、253条はまさにその空白でこそ威力を持つ。タイミングの深刻さを見落とした債権者が、回収機会そのものを失う
- 「債権者の自分が保全を申し立てなければ財産は守られない」と考えているなら、問いの立て方が違う。253条の保全処分は裁判所の職権発動であって、債権者の申立権の問題ではない。あなたがやるべきは申立てではなく、裁判所に情報を届けて職権発動を促すことだ
- 更生手続が廃止されれば自動的に破産に移行すると思われがちだが、自動ではない。前条(252条)による職権の破産手続開始決定が下りて初めて破産が始まる。その判断が出るまでの間、253条の保全処分だけが財産を守る唯一の盾になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 本条の役割 | 253条:更生終了から破産開始前の空白を職権の保全で塞ぐ | 252条:職権による破産手続開始の決定そのもの 256条:同概念の保全処分を用いる移行手続規定 |
| 発動の主体 | 裁判所の職権(債権者の申立権なし) | 裁判所の職権 裁判所の職権 |
| 適用の局面 | 棄却・取消し・廃止・不認可の確定後、破産開始前または破産失効後 | 更生手続が頓挫し破産へ移行すべきと判断したとき 認可後の更生手続廃止に伴う移行局面 |
| 効力の終期 | 1号の保全処分は対象決定の取消決定で失効(3項)、破産非開始判断で取消し(2項) | 破産手続開始決定により破産が正式に始動 移行手続の完了まで |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は重整裁定前後の保全処分を裁判所が命じうる点で類似。職権性と財産保全の趣旨は共通する
韓国は回生と破産を統合した単一法典で移行と保全を規律。継ぎ目の財産保全の発想は日本と近い
ドイツは開始決定前の暫定的保全措置を裁判所が命じうる。職権による財産凍結の構造が共通
米国はChapter 11からChapter 7への転換時にautomatic stayと裁判所命令で財産を保全。会社更生法の母法系統に当たる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社が納入先の会社更生に望みをかけていたのに、その更生申立てが棄却されたと知ったら? 棄却から破産手続開始決定までの数日が勝負だ。この空白で経営陣が資産を動かせば、回収はほぼ不可能になる。残された時間は読めない
- 更生会社の経営側にいるあなた。更生計画が不認可で確定した。ここで安易に取引先へ弁済すれば、後に否認される。253条の保全処分や保全管理命令が出ていれば、その弁済はそもそも止められる
- 更生計画が一度は認可されて破産が失効したのに、その後に計画が破綻し、241条による更生手続廃止が確定した。本条三号の最も複雑な局面だ。債権者として、もう一度財産保全の網がかかるかを見極める必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先の更生手続の状況を常時監視し、申立棄却・廃止・不認可の確定情報を裁判所の公告や代理人から早期に入手する2. 財産散逸の兆候(特定債権者への駆け込み弁済、関係会社への資産移転、在庫の不自然な処分)を具体的に記録する3. その情報を裁判所や破産管財予定者へ届け、253条の保全処分や保全管理命令の職権発動を促す4. 並行して自社の債権額・担保の有無を整理し、後の破産配当に備える
訴えられた側:1. 更生手続が頓挫した局面では、安易な個別弁済や資産処分を即座に停止する。後の否認(破産法160条以下)の対象になる2. 253条の保全処分が発令される可能性を前提に、財産の現状を保全し記録しておく3. 保全管理命令が出れば管理権は保全管理人へ移るため、独断の財産処分はしない4. 2項で保全処分が取り消された場合、4項により即時抗告はできないので、争うより次の手続への対応を優先する
時効(請求できる期限):特定の出訴期間や消滅時効ではなく、手続の局面で効力が決まる。一号の保全処分は対象決定を取り消す決定があれば失効する(3項)。一号・二号の保全処分は、裁判所が破産手続開始の決定をしないと判断したとき遅滞なく取り消される(2項)。その2項の取消決定に対しては即時抗告ができない(4項)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:会社更生法が米国連邦倒産法 Chapter X を母法として制定され、更生手続の枠組みが整備される
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。現行253条を含む牽連破産・継ぎ目の保全処分の規律が整理される
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