会社更生法 第171条(債務の負担及び担保の提供)
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- 更生会社以外の者が更生会社の事業の更生のために債務を負担し、又は担保を提供するときは、更生計画において、その者を明示し、かつ、その債務又は担保権の内容を定めなければならない。更生会社の財産から担保を提供するときも、同様とする。
- 2.更生計画において、前項の規定による定めをするには、債務を負担し、又は担保を提供する者の同意を得なければならない。
この条文の基本情報
債務の負担及び担保の提供とは何ですか?
定義債務の負担及び担保の提供とは、会社更生法第171条に定められた規定で、「更生会社以外の者が更生会社の事業の更生のために債務を負担し、又は担保を提供するときは、更生計画において、その者を明示し、かつ、その債務又は担保権の内容を定めなけ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第171条(債務の負担及び担保の提供)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第171条の条文原文は「更生会社以外の者が更生会社の事業の更生のために債務を負担し、又は担保を提供するときは、更生計画において、その者を明示し、かつ、その債務又は担保権の内容を定めなけ…」で始まります。
- 会社更生法第171条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第171条の前の条は会社更生法第170条です。
- 会社更生法第171条の次の条は会社更生法第172条です。
- 会社更生法第171条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第171条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第171条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/171
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法171条は、更生会社以外の第三者に債務を負担させ又は担保を提供させるには、更生計画に内容を明示し、かつ本人の同意を得なければならないと定める。
Q · 会社更生でスポンサーや保証人にされたら、同意なしに債務を負わされるの?
いいえ、第三者は自分の同意なしに債務を負いません
会社更生法171条により、更生会社以外の第三者に債務を負担させ又は担保を提供させるには、更生計画にその者と債務・担保権の内容を明示し(1項)、かつ本人の同意を得なければなりません(2項)。多数決と裁判所の認可で債権者を一括して拘束する更生手続でも、その効力が手続の外にいる第三者に及ぶのは本人が同意した範囲に限られます。ただし、既存の保証人の責任は本条の対象外で、更生計画による債務カットの影響を受けず全額残る点に注意が必要です。
解説
取引先の上場企業が会社更生手続に入った。あなたの会社はスポンサーとして資金を出し、債務を肩代わりする話が進んでいる。あるいはあなた個人がその会社の連帯保証人だ。ここで知っておくべき一線がある。会社更生は、何百人もの債権者の権利を多数決と裁判所の認可で一括して書き換える手続だ。個々の債権者が反対しても縛られる。ところが第171条はその力に例外を設ける。更生会社以外の第三者に債務を負わせ、担保を出させるには、更生計画にその人の名前と債務・担保の内容を明記し、かつ本人の同意を得なければならない。つまり、多数決の力が及ぶのは更生会社と債権者の内側まで。外部にいるあなたを巻き込むには、あなた自身のサインが要る。この境界を知っているかどうかで、スポンサー契約の交渉で何を守れるかが根本から変わる。
法的な位置づけ
会社更生法171条は、更生会社以外の者による債務負担・担保提供の規定であり、これを更生計画に定めるには、当該債務又は担保権の内容を計画に明示し(1項)、債務を負担し又は担保を提供する者の同意を得ること(2項)を要件とする。集団的債務処理の効力が手続外の第三者に及ぶ場面を、本人の同意により画する規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の立場を確定する 更生会社の外部にいる第三者(スポンサー・親会社・担保提供者)なのか、それとも既存の保証人なのかを最初に切り分ける。前者なら171条2項により同意なしに債務を負わないが、後者なら更生計画でも責任は減らない
- 2.同意書を出す前に条件を書面で確定する スポンサーとして同意を求められたら、サイン前に債務の上限・対価・事業の優先取得権・出資比率・担保解除条件を一括で書面化する。管財人は計画成立を急ぐため、この時点の交渉力が最大化する
- 3.同意は書面で、範囲を明確に 171条2項の同意は実務上書面による明確な意思表示が求められる。負担する債務・提供する担保の範囲を確定的に記載し、後日の解釈紛争を防ぐ。口頭・黙示の了解は効力を争われる余地を残す
- 4.保証人なら手続初期に当事者として関与する 既存の保証人は、求償権の扱いやスポンサーへの債務移転を計画に反映させるよう、管財人と早期に接触する。計画案が固まってからでは保証人は蚊帳の外になり、回収の道が消える
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法171条とは何ですか?
更生会社以外の第三者に債務を負担させ又は担保を提供させる場合の規定です。更生計画に内容を明示し(1項)、本人の同意を得る(2項)ことを要件とします。
Q2会社更生のスポンサーになると債務を全部負わされますか?
いいえ。171条2項により同意が要件のため、引き受ける範囲・上限は計画に明示され、同意した範囲にしか拘束されません。同意前に条件を確定するのが重要です。
Q3更生計画で会社の借金が減ったら保証人の債務も減りますか?
減りません。171条は第三者に新たな債務を負わせる場面の規定で、既存の保証人の責任は更生計画の影響を受けず全額残ります。
Q4口頭でスポンサー支援を約束したら更生計画に書かれますか?
書けません。171条2項は債務負担者・担保提供者の同意を要件とし、実務では書面による明確な同意が求められます。口頭の意向表明では争えます。
Q5一度同意した債務引受は後から撤回できますか?
認可決定が確定すると更生計画の効力が生じ、撤回・修正は原則認められません。撤回の自由が残るのは正式な同意書にサインする前までです。
Q6会社更生法171条と民事再生法159条は何が違いますか?
いずれも第三者の債務負担・担保提供を計画に定める際の同意要件を扱う並行規定です。会社更生は更生計画、民事再生は再生計画で適用されます。
Q7親会社が子会社の更生で担保を出す場合も同意が要りますか?
要ります。親会社は更生会社以外の第三者にあたるため、171条2項により親会社本体の同意が必須です。担当者の口頭約束では計画に載せられません。
Q8更生会社の財産から担保を出す場合も171条が適用されますか?
適用されます。1項後段は更生会社の財産から担保を提供する場合も同様にその内容を計画に明示すべき旨を定めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生でスポンサーになると、債務を全部かぶらされるんですか?
いいえ。第171条2項により、あなたの同意なしに債務を負わされることはありません。引き受ける債務の範囲・上限・条件はすべて更生計画に明記され(同条1項)、あなたが同意した範囲にしか拘束されません。実務のポイント:管財人は計画成立を急ぐため、スポンサー候補の同意条件には驚くほど柔軟に応じることがある。事業の優先取得権や債務の上限を同意の交換条件として書面化できるかどうかで、最終的に背負う金額が大きく変わる
Q2保証している会社が会社更生に入りました。会社の借金が減ったら、私の保証も減りますか?
減りません。更生計画で更生会社の債務が大幅にカットされても、保証人の責任はそのまま全額残ります。第171条は第三者に新たな債務を負わせる場面の規定であって、既存の保証人を救う規定ではありません。実務のポイント:会社が更生で立ち直っても、保証人が代わりに払ったあとの求償権は更生債権として大幅カットされ、ほとんど回収できないことが多い。「会社が助かれば自分も助かる」は最も高くつく誤解です
Q3口頭でスポンサー支援を約束したら、それで更生計画に書かれてしまいますか?
書けません。第171条2項は債務を負担し、担保を提供する者の「同意」を要件とし、実務では書面による明確な同意が求められます。口頭や曖昧な意向表明の段階では、後に効力を争うことができます。実務のポイント:裏を返せば、正式な同意書にサインするまでは降りる自由がある。デューデリジェンスで想定外の簿外債務が出てきたら、同意前なら撤退できる。サインのタイミングこそ最後の安全弁です
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社更生は裁判所が決めるのだから、スポンサーも従わされる」という問いの立て方そのものが間違っている。裁判所と多数決が縛れるのは更生会社と債権者まで。あなたが外部の第三者なら、あなたの同意なしに債務を負わされることはない。問うべきは「従わされるか」ではなく「どの条件でなら同意するか」だ
- 保証人の責任が更生計画で減らないことを何となく知っている人もいる。だがその深刻さを見誤っている。会社の債務が9割カットされても保証人は全額のまま。しかも会社が更生で立ち直ったあと、保証人が肩代わりして得た求償権は更生債権として大幅カットされ、ほぼ回収できない。「会社が助かるなら自分も楽になる」という直感が、最も高くつく
- 「同意書にサインすれば手続が前に進む」と前向きに捉えがちだが、逆だ。サインは交渉の終点ではなく、あなたが最大の梃子を手放す瞬間。同意の前に債務の上限、対価、担保の範囲を確定させなければ、後からの修正は効かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 171条:更生会社以外の第三者の債務負担・担保提供 | 167条:更生計画に定めるべき事項の総則 203条:更生計画認可決定の効力範囲 |
| 同意の要否 | 債務負担者・担保提供者本人の同意が必須(2項) | 計画記載事項の枠組み、同意は条文趣旨に従う 可決・認可された計画の効力として一律に及ぶ |
| 拘束される対象 | 同意した第三者(外部者) | 更生計画全体の記載構造 更生会社・債権者・株主・同意した第三者 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重整計畫に第三人の債務負担・担保提供を記載し、当該第三人の同意を要する点で日本と類似する
韓国の回生手続でも回生計画に第三者の債務負担を定める枠組みがあり、第三者を拘束するには同意を要する構造は日本と共通する
ドイツでは Insolvenzplan に第三者が引受や担保提供を行う場合、その者の同意の意思表示を計画に添付することが求められ、日本171条2項と機能的に一致する
米国 Chapter 11では計画に履行手段として第三者の拠出を組み込めるが、第三者免責(§524(e))の可否は判例で争いがあり、第三者拘束は同意ベースが原則となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が、更生手続中の同業大手のスポンサーに名乗りを上げた。管財人は「御社が債務を引き受けてくれれば計画が通る」と迫る。だが第171条により、その引受はあなたの同意なしには計画に書き込めない。逆に言えば、同意の条件として事業の優先取得権、債務の上限、出資比率を一括で交渉できる。同意書にサインする前が、あなたの交渉力が最大化する唯一の瞬間だ
- もし、あなたが保証人になっている会社が会社更生に入り、更生計画で会社の債務が9割カットされたら、あなたの保証債務はどうなる? 答えは「1円も減らない」。第171条は第三者に新たな債務を負わせるには同意を要すると定めるが、既存の保証人の責任は更生計画の影響を受けない。会社は救われ、保証人だけが全額を抱えることになる
- 親会社が子会社の更生を支えるため担保を差し入れる。第171条で親会社本体の同意が必須になる。取締役会の決議を経ずに担当者が口頭で約束しても、計画には載せられない
- 更生計画案の決議まであと2週間。管財人からスポンサーとしての債務引受の同意書を求められている。一度同意して計画が認可されれば、その債務負担は確定し、後から「やはり撤回したい」は通らない。同意の範囲と条件を詰める時間は、もう今しか残っていない
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分の立場を確定する。更生会社の外部の第三者か、それとも既存の保証人か。前者なら同意なしに債務を負うことはなく(171条2項)、後者なら更生計画でも責任は減らない2. スポンサーとして同意を求められたら、同意書を出す前に債務の上限、条件、対価(事業取得・出資比率)を書面で確定させる3. 既存の保証人なら、求償権の扱いと会社更生手続への関与の仕方を弁護士と早期に設計する4. 同意は撤回が困難。サインの前にすべての条件を詰めきること
訴えられた側:1. 第三者に債務負担や担保提供を求めるなら、171条1項どおり計画にその者を明示し、債務・担保の内容を確定的に定める2. 必ず本人の同意を書面で取得する(2項)。口頭や黙示の了解では、後に効力を争われる余地を残す3. 同意の対象範囲を明確化し、後日の解釈紛争を防ぐ4. 同意なき記載は計画認可後もその第三者に効力を及ぼさず、手続のやり直しリスクを招く
時効(請求できる期限):第171条自体に固有の期限はないが、第三者の同意は更生計画案の作成・決議・裁判所の認可までに確定的に取得しておく必要がある。認可決定が確定すると更生計画の効力が生じ、後からの撤回・修正は原則として認められない。引き受けた債務そのものには、別途一般の消滅時効(民法166条、債権は5年または10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:171条2項の同意要件は、集団的債務処理の効力が手続外の第三者の私的自治・財産権を侵害しないための個別的な歯止めと解される。同意は計画認可後の効力発生を基礎づける確定的なものでなければならず、実務上は書面による明確な意思表示が要求される。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 昭和27年の旧会社更生法を全面的に改め、現行会社更生法(法律第154号)として制定。本条が旧法のどの条文から承継または新設されたかは条文単位での照合が必要であり、改正回数は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:昭和27年の旧会社更生法を全部改正し、現行会社更生法(法律第154号)として制定。第三者の債務負担・担保提供に関する規律が現行171条に整理された。本条が旧法のどの条文を承継・整理したかは条文単位での照合を要する
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