会社更生法 第170条(更生債権者等の権利の変更)
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- 全部又は一部の更生債権者等又は株主の権利の変更に関する条項においては、届出をした更生債権者等及び株主の権利のうち変更されるべき権利を明示し、かつ、変更後の権利の内容を定めなければならない。ただし、第百七十二条に規定する更生債権等については、この限りでない。
- 2.届出をした更生債権者等又は株主の権利で、更生計画によってその権利に影響を受けないものがあるときは、その権利を明示しなければならない。
この条文の基本情報
更生債権者等の権利の変更とは何ですか?
定義更生債権者等の権利の変更とは、会社更生法第170条に定められた規定で、「全部又は一部の更生債権者等又は株主の権利の変更に関する条項においては、届出をした更生債権者等及び株主の権利のうち変更されるべき権利を明示し、かつ、変更後の権利の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第170条(更生債権者等の権利の変更)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第170条の条文原文は「全部又は一部の更生債権者等又は株主の権利の変更に関する条項においては、届出をした更生債権者等及び株主の権利のうち変更されるべき権利を明示し、かつ、変更後の権利の…」で始まります。
- 会社更生法第170条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第170条の前の条は会社更生法第169条です。
- 会社更生法第170条の次の条は会社更生法第171条です。
- 会社更生法第170条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第170条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第170条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/170
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法170条は、更生計画で権利を変更する際、届出をした更生債権者等や株主の変更されるべき権利を明示し、変更後の内容を定めることを義務づける。
Q · 取引先が会社更生したら、私の売掛金は勝手にゼロにされるの?
いいえ。計画書に変更後の額を明示する義務があります
会社更生法170条1項により、更生計画で権利を変更する場合、届出をした更生債権者等や株主の変更されるべき権利を明示し、変更後の額や弁済条件まで定めなければなりません。3000万円の債権が500万円に圧縮されるなら、その数字が計画書に書かれていなければ計画として成立しません。2項は影響を受けない権利も明示するよう求めます。ただし172条の少額更生債権は例外です。
解説
取引先が会社更生手続に入った瞬間、あなたが持っていた売掛金や貸付金は、あなたの同意なしに減額されうる。これが倒産法の冷酷な現実だ。だが会社更生法170条は、その冷酷さに一つの歯止めをかける。更生計画で権利を変更するなら、届出をした更生債権者や株主ごとに、どの権利をどう変えるのかを明示し、変更後の中身まで定めなければならない。あなたの3000万円の債権が500万円に圧縮されるなら、計画書にその数字が書かれていなければ計画として成り立たない。さらに2項が効く。影響を受けない権利、つまり減らされない権利があるなら、それも明示する義務がある。あなたが担保を持っているなら、その扱いが守られているかをこの条文が紙の上に可視化する。計画書が届いたとき、あなたの債権の運命は、すでにその一枚の中に書き込まれている。読めるかどうかが分かれ目だ。
法的な位置づけ
会社更生法170条は、更生計画における権利変更条項を規律する規定である。届出をした更生債権者等及び株主の権利のうち変更されるべき権利を明示し、かつ変更後の権利の内容を定めることを義務づける。第2項は、更生計画によって影響を受けない権利についても明示を求める。
手順
- 1.更生手続開始通知が来たら債権届出期間を確認 裁判所が更生手続開始決定で定めた債権届出期間を真っ先に確認し、期間内に必ず債権届出をする。これを逃すと170条の明示の対象にすらならず原則失権する
- 2.更生計画案の自分の債権欄を先に読む 計画案が届いたら総論ではなく、自分の届出債権の権利変更欄から先に読む。170条1項に従い変更後の額・弁済時期・分割条件が明示されているかを精査する
- 3.担保権と影響を受けない権利の扱いを確認 担保があるなら更生担保権として別枠の保護を主張し、2項の『影響を受けない権利』に正しく反映されているかを確認する。記載漏れや不当な分類があれば論点として整理する
- 4.関係人集会で議決権を行使し不認可意見を述べる 不当な減額・分類誤り・記載漏れがあれば、関係人集会の期日までに論点を準備し、議決権を行使して反対し、168条・169条の平等・公平違反を主張する
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法170条とは何ですか?
更生計画で権利を変更する場合に、変更されるべき権利の明示と変更後の内容の確定を義務づける規定です。記載漏れは計画の瑕疵になりえます。
Q2更生計画の権利変更条項とは何ですか?
更生債権者等や株主の権利を、どこまでどう変更するかを定める計画の中核部分です。170条がその明示義務を規定しています。
Q3更生債権の届出をしないとどうなりますか?
届出をしないと170条の明示の対象にすらならず、原則として権利を失います。届出は入口ではなく生死の分岐点です。
Q4更生担保権と更生債権の違いは何ですか?
更生担保権は担保で保全された範囲の権利で、無担保の一般更生債権より手厚く扱われます。弁済率や弁済時期が大きく異なります。
Q5更生計画案に記載漏れがあったら争えますか?
170条1項の明示義務違反の疑いがあり、関係人集会での反対や不認可意見の具体的な手がかりになります。記載漏れは押し返せる欠陥です。
Q6172条の少額更生債権の例外とは何ですか?
少額の更生債権等については、170条の権利変更の明示を簡素化できる例外です。多数の小口債権者を抱える計画の負担を軽減します。
Q7会社更生と民事再生の違いは何ですか?
会社更生は管財人が経営を引き継ぐ抜本型で株式会社限定、民事再生は経営者がそのまま再建を進める DIP 型で対象が広い手続です。
Q8更生計画の権利変更には反対できますか?
関係人集会で議決権を行使して反対できますが、多数決で可決されれば反対債権者も拘束されます。争点は平等・公平違反や記載瑕疵です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生になったら、私の売掛金はゼロになっちゃうんですか?
ゼロとは限りません。170条は変更後の権利の内容を計画に定めるよう求めており、一般の更生債権でも一定割合の弁済と分割が通常です。担保があれば更生担保権として手厚く扱われます。実務のポイント:一般更生債権の弁済率は事案によって数パーセントから数十パーセントまで大きく振れ、自分の債権が担保付きか無担保かで結果は天と地ほど違う。まず自分の債権がどちらの枠かを確認することが、回収戦略の出発点になる
Q2計画書に自分の債権のことが書いてなかったら、もう泣き寝入りですか?
むしろ反撃の材料です。170条1項は届出をした権利のうち変更されるべき権利の明示を義務づけており、記載漏れは計画の瑕疵として関係人集会での反対や不認可意見の根拠になりえます。実務のポイント:ただし大前提として、届出期間内に債権届出をしていなければ明示の対象にすらならず原則失権する。届出を怠った後で「書いてない」と争っても遅い。開始通知が届いた瞬間に動くかどうかが、すべてを分ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社更生に入ったら債権は全部パー」と思われがちだが、170条は変更後の権利の内容を定めることを求めており、ゼロにせよとは書いていない。一般の更生債権でも一定割合の弁済と分割が通常で、担保付きの更生担保権ならさらに手厚い扱いになる
- 「とりあえず債権届出さえすればいい」ことは知られているが、その届出こそが170条1項の明示の前提だという深刻さは見落とされやすい。届出をしなければ計画に明示すらされず、原則として権利は失われる。届出は入口ではなく、生死の分岐点だ
- 「自分の債権が減らされるのを止められるか」という問いを立ててしまいがちだが、問いそのものがずれている。多数決で可決された更生計画は、反対した個別債権者も拘束する。立てるべき問いは、明示された変更内容が平等・公平か(168条、169条)、記載に瑕疵がないか、である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 170条:変更されるべき権利の明示 + 変更後の内容の確定 | 168条:権利変更の対象と組分け(クラス分け) 172条:少額更生債権等の明示義務の例外 |
| 債権者への効果 | 自分の権利がいくらにどう変わるかが紙の上で可視化される | 同種債権者がどのグループで扱われるかが決まる 小口債権は簡素化され個別明示が緩和される |
| 違反・欠落の帰結 | 記載漏れは計画の瑕疵、不認可意見・反対の手がかり | 不当な組分けは平等・公平違反(169条)の争点 例外の濫用は別途不認可リスク |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重整計画に権利変更内容の記載を求める点で共通。会社更生に相当する『重整』は公司法の章で規律される
韓国は旧『회사정리법』(日本会社更生法を参照)を2005年に債務者回生法へ統合。回生計画による権利変更の明示構造は日本と類似
ドイツは倒産手続を Insolvenzordnung に一本化。Insolvenzplan の gestaltender Teil(形成的部分)で権利変更を定める点が機能的に対応する
米国 Chapter 11は plan で class ごとの請求権の treatment を明示する。日本会社更生法が制度的に参照した源流に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 部品を納入していた取引先が会社更生を申し立てた。あなたの売掛金3000万円はどうなるのか。やがて届く更生計画案には、170条1項により、あなたの債権がいくらに変更され、いつ弁済されるのかが明示されているはずだ。逆に言えば、その記載がなければ計画には瑕疵がある。あなたが読むべきは総論ではなく、自分の名前が載った権利変更欄だ
- もし届いた計画案のどこを探しても、あなたの届出債権の扱いが書かれていなかったら、どうなる。それは170条1項の明示義務違反の疑いがあり、関係人集会での反対や不認可意見の具体的な手がかりになる。記載漏れは、押し返せる欠陥である
- 議決の関係人集会まであと10日。あなたは自分の更生債権が、2項にいう「影響を受けない権利」に正しく入っているかを確認する必要がある。担保があるなら、その扱いを今夜のうちに精査する
- あなたが更生会社側で計画案を作る立場なら、全届出債権者と株主の権利変更を一人残らず明示しなければならない。172条の少額債権という例外はあるが、それ以外の記載漏れは計画全体の不認可を招く。一人分の抜けが、数百人の再建計画を吹き飛ばす
取るべき行動
被害を受けた側:1. 更生手続開始の通知が来たら、まず裁判所が定めた債権届出期間を確認し、期間内に必ず債権届出をする。これを逃すと原則失権する2. 更生計画案が送られたら、170条に基づき自分の債権の変更内容(変更後の額、弁済時期、分割条件)を精査する3. 不当な減額・分類誤り・記載漏れがあれば、関係人集会で議決権を行使して反対し、不認可の意見を述べる4. 担保があるなら更生担保権として別枠の保護を主張し、2項の明示が正しいかを確認する
訴えられた側:1. 更生会社・管財人側として計画案を作る際は、170条1項に従い全届出債権者・株主の権利変更を漏れなく明示し、変更後の内容まで定める2. 影響を受けない権利は2項に従い明示する3. 172条の少額更生債権等の例外を活用し、簡素化できる範囲を整理する4. 記載漏れや内容の不明確さは不認可リスクに直結するため、議決前に第三者の目で記載を総点検する
時効(請求できる期限):特定の消滅時効ではなく手続上の期間が決定的。債権届出期間(裁判所が更生手続開始決定で定める、通常は数週間から2か月程度)を過ぎると原則失権する。計画案への意見・議決権行使は関係人集会の期日が区切りとなる(最新の手続日程は裁判所の通知で確認すること)
学説
通説:170条の明示義務は、多数決で可決される更生計画が個別債権者の財産権を集団的に変更する強力さに対する手続保障として理解される。届出をした権利の変更内容を一件ずつ可視化させることで、平等・公平(168条・169条)の審査と不認可意見の足場を確保する趣旨とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 現行の会社更生法は昭和27年(1952年)の旧法を全面的に作り替えて成立し、翌年施行された。本条もこの新法に置かれた権利変更条項の規律であるが、その後の個別改正の有無・回数は確証がないため人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:会社更生法(旧法)制定。米国の会社更生制度を参照し、株式会社の抜本的再建手続として権利変更条項の枠組みが導入された
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法を全部改正(平成14年法律第154号)、翌年施行。本条はこの新法に置かれた権利変更条項の規律。個別改正の有無は人的検証を要する
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