会社更生法 第169条(租税等の請求権の取扱い)
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- 更生計画において、租税等の請求権につき、その権利に影響を及ぼす定めをするには、徴収の権限を有する者の同意を得なければならない。ただし、当該請求権について三年以下の期間の納税の猶予若しくは滞納処分による財産の換価の猶予の定めをする場合又は次に掲げるものに係る請求権についてその権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴けば足りる。
- 一更生手続開始の決定の日から一年を経過する日(その日までに更生計画認可の決定があるときは、その決定の日)までの間に生ずる延滞税、利子税又は延滞金
- 二納税の猶予又は滞納処分による財産の換価の猶予の定めをする場合におけるその猶予期間に係る延滞税又は延滞金
- 2.徴収の権限を有する者は、前項本文の同意をすることができる。
- 3.前二項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権については、その権利に影響を及ぼす定めをする場合においても、徴収の権限を有する者の意見を聴けば足りる。
この条文の基本情報
租税等の請求権の取扱いとは何ですか?
定義租税等の請求権の取扱いとは、会社更生法第169条に定められた規定で、「更生計画において、租税等の請求権につき、その権利に影響を及ぼす定めをするには、徴収の権限を有する者の同意を得なければならない。ただし、当該請求権について三年以下…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第169条(租税等の請求権の取扱い)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第169条の条文原文は「更生計画において、租税等の請求権につき、その権利に影響を及ぼす定めをするには、徴収の権限を有する者の同意を得なければならない。ただし、当該請求権について三年以下…」で始まります。
- 会社更生法第169条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第169条の前の条は会社更生法第168条です。
- 会社更生法第169条の次の条は会社更生法第170条です。
- 会社更生法第169条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第169条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第169条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/169
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法169条は、更生計画で租税等の請求権の権利内容を変えるには徴収の権限を有する者の同意が必要と定める。三年以下の猶予や開始決定後一年以内の延滞税は意見聴取で足りる。
Q · 会社更生に入れば、滞納している税金も借金と一緒に減らせるんですか?
原則できません。租税の権利変更には徴収当局の同意が必要です
会社更生法169条により、更生計画で租税等の請求権(国税・地方税のほか滞納処分で取り立てる社会保険料を含む)の権利内容に影響を及ぼす定めをするには、徴収の権限を有する者の同意が必要です。取引先債権は関係人の多数決でカットできても、税金は当局がうなずかない限り別格で残ります。ただし三年以下の納税の猶予・換価の猶予、開始決定から一年以内に生ずる延滞税等については、同意ではなく意見聴取で足りるという例外があります。
解説
会社更生は、関係人の多数決で借金を大幅にカットして会社を立て直す手続だ。ところが、税金だけはそのルールの外側に立っている。会社更生法169条は、更生計画で租税等の請求権(国税・地方税のほか、滞納処分で取り立てられる社会保険料なども含む)の権利内容を変えるなら、徴収の権限を有する者(税務署・年金事務所など)の同意を得なければならないと定める。普通の取引先の債権なら多数決で何割もカットできるのに、税金は当局がうなずかない限り一円も削れない。ただし例外がある。3年以下の納税の猶予や換価の猶予、開始決定の日から1年以内に生じる延滞税などについては、同意ではなく意見を聴けば足りる。つまり、会社を再建できるかどうかの一部は、債権者集会ではなく税務当局との交渉テーブルで決まる。この一条を見落として更生計画を組むと、当局の不同意で計画全体が宙に浮く。
法的な位置づけ
会社更生法169条は、更生計画における租税等の請求権の取扱いを定める規定である。租税等の請求権の権利内容に影響を及ぼす定めをするには徴収の権限を有する者の同意を要し、三年以下の納税の猶予や開始決定後一年以内に生ずる延滞税等については意見聴取で足りるとする。更生計画による権利変更の一般原則に対する特則として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.滞納税・社会保険料を別建てで全部洗い出す 国税・地方税・社会保険料を一般の取引先債権とは別建てで全件リスト化し、本税・延滞税・利子税の内訳を分ける。徴収権者ごと(税務署・都道府県・市町村・年金事務所)に同意を取るべき相手を特定する
- 2.減額ではなく三年以下の猶予で組めないか検討 租税は減額を狙う前に、三年以下の納税の猶予・換価の猶予で組めないか検討する。同意不要(意見聴取で足りる)の枠に収まれば、当局は反対の足場を失い計画が通りやすくなる
- 3.同意が必須な部分を計画提出前の事前折衝で根回し 意見聴取枠に収まらず同意が必須な租税については、計画案の正式提出前に徴収権者へ事前折衝を行う。減額ではなく繰延であることを示し、当局が応じやすい設計にする
- 4.開始決定から一年以内に延滞税の別枠条項を固める 開始決定の日から一年を経過する前に延滞税まわりの計画条項を確定する。一年以内に生ずる延滞税は意見聴取で足りる別枠にあり、このタイミングを逃すと同意必須の重い手続へ倒れ込む
よくある質問 AI による整理
Q1徴収の権限を有する者とは誰ですか?
国税は税務署(国税局長・税務署長)、地方税は都道府県・市町村、社会保険料は年金事務所などです。会社更生法169条の同意は、これらの徴収権者から個別に取り付ける必要があります。
Q2税務署が同意しないと更生計画はどうなりますか?
租税等の請求権について不同意があると、その権利変更の定めは効力を生じません。税金が原則満額残ることでキャッシュフロー前提が崩れ、計画全体の認可が危うくなります。
Q3会社更生と民事再生で税金の扱いは違いますか?
会社更生では169条が徴収権者の同意を要求します。民事再生では租税等の請求権は一般優先債権(民事再生法122条)として手続外で随時弁済され、減免は原則できない点で異なります。
Q4納税の猶予と換価の猶予の違いは何ですか?
納税の猶予は納付期限を先送りする制度、換価の猶予は滞納処分で差し押さえた財産の換価(売却)を待つ制度です。いずれも三年以下なら169条但書で同意不要、意見聴取で足ります。
Q5延滞税は更生計画でカットできますか?
開始決定から一年以内に生ずる延滞税・利子税・延滞金は意見聴取で足りる別枠です。これより後の延滞税の権利変更には徴収権者の同意が必要になります。
Q6会社更生法169条で当局の同意が不要になるのはどんな場合ですか?
三年以下の納税の猶予・換価の猶予、開始決定から一年以内の延滞税等、共助対象外国租税の請求権については、同意ではなく意見聴取で足ります。
Q7共助対象外国租税とは何ですか?
租税条約等に基づき日本が徴収を手伝う外国の税です。169条3項により、その権利に影響を及ぼす定めをする場合でも同意は不要で、意見を聴けば足ります。
Q8更生計画の租税条項はいつまでに固めるべきですか?
裁判所の定める更生計画案の提出期限までに同意取得または意見聴取を済ませる必要があります。開始決定から一年を経過する日が延滞税等の別枠扱いの分水嶺です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生すれば、滞納している税金も借金みたいに減らせるんですか?
原則として減らせません。169条は、租税等の請求権の権利内容を変えるには徴収当局の同意が要ると定めます。取引先債権は多数決でカットできても、税金は当局がうなずかない限り別格で残ります。実務のポイント:実務で当局が応じやすいのは減額ではなく分割・猶予です。3年以下の猶予なら同意すら不要(意見聴取で足りる)なので、最初から猶予で設計するのがプロの組み方です
Q2社会保険料の滞納も税金と同じ扱いになるんですか?
なります。169条の租税等の請求権は、国税・地方税だけでなく、滞納処分で取り立てられる社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料など)も含みます。だから年金事務所の同意も関門になります。実務のポイント:資金繰りで社会保険料を後回しにする会社は多いですが、これが膨らむと更生時に同意を取るべき当局の数が増え、調達が一段難しくなります。納付の優先順位が再建の難度に直結します
Q3外国の税金が絡んでいたら、どうなりますか?
169条3項は、共助対象外国租税(租税条約等に基づき日本が徴収を手伝う外国の税)の請求権については、権利に影響を及ぼす定めをする場合でも同意は不要で、意見を聴けば足りるとします。実務のポイント:国際展開した会社の更生では、この3項により外国税の処理が国内税より柔軟になります。クロスボーダー案件を扱う弁護士しか普段意識しない条項で、ここを知っているかで計画設計の幅が変わります
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社更生に入れば、税金も借金と一緒にカットできる」と思われがちだが、逆である。租税等の請求権は徴収当局の同意がない限り、原則として権利内容を変えられない。多数決の外にある別格の債権だ
- 「当局の同意が要る」とは知っていても、その同意が計画全体の生殺与奪を握ることまでは意識されていない。当局が一つの租税債権について不同意を貫けば、その部分の定めは効力を生じず、再建計画のキャッシュフロー前提が根本から狂う。深刻度は一項目の不成立では済まない
- 「税金は全額守られるのだから交渉の余地はない」という問いの立て方そのものが誤っている。169条但書は、3年以下の納税猶予や換価の猶予なら同意不要(意見聴取で足りる)と定める。あなたが当局に求めるべきは減額ではなく繰延であり、そこには現実に応じてもらえる余地がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権利変更の方法 | 会社更生法169条(租税等の請求権):徴収権者の同意が必要 | 会社更生法168条(一般の更生債権):関係人の多数決で変更可 民事再生法122条(租税等の請求権):一般優先債権として手続外で随時弁済 |
| 多数決の対象か | 対象外(別格の債権、当局が拒否権を握る) | 対象(多数決でカット可能) 対象外(一般優先債権、減免は原則不可) |
| 柔軟化・例外 | 三年以下の猶予・開始決定後一年以内の延滞税は意見聴取で足りる | 更生計画の定めに従い縮減・期限猶予が可能 原則として権利変更不可、徴収猶予は税法上の制度による |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公司重整手続で重整債権を扱うが、租税は税捐稽徵法で優先権が認められる。当局の個別同意を権利変更要件とする日本ほど明文の枠組みは強くない(要人的検証)。
韓国の統合倒産法でも回生手続における租税債権は優先的に扱われ、減免には課税当局の関与を要する点で日本と類似する。
ドイツの Insolvenzplan でも租税債権(Steuerforderungen)は扱われるが、原則として他の債権者と同等に計画の対象となり、徴収権者の個別同意を一律の要件とはしない構造。
米国 Chapter 11では priority tax claims は計画認可の要件として一定期間内の全額弁済等が求められるが、課税当局の同意そのものを要件とする日本とは仕組みが異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が資金繰りに行き詰まり、更生手続を申し立てた。滞納していた消費税と社会保険料が数千万円。これを取引先債務と同じく7割カットする計画を描いたが、提出期限まであと2週間。税務署と年金事務所の同意を取り付けていなければ、その部分は認可されない。残された時間で当局を口説けるかが分水嶺だ
- もし、更生計画案の決議で関係人の多数が賛成したのに、税務署だけが税金の権利変更に同意していなかったら? その定めは効力を持てず、税金は原則として満額残る。多数決を制しても、当局の一票が欠ければ計画は足元から崩れる
- 開始決定から1年以内に膨らんだ延滞税。これは同意ではなく意見聴取で足りる別枠だ。当局の机に資料を置けば前に進む
- 一般の更生債権者であるあなたは、自分の債権が大幅にカットされる一方で税金が満額守られるのを見て憤る。だが169条の構造上、税は原則として手をつけられない。あなたが本当に働きかけるべきは、当局を動かして税の繰延に同意させ、会社のキャッシュフローを楽にし、結果として自分の配当原資を増やす方向だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 滞納している国税・地方税・社会保険料を債権者リストとは別建てで全部洗い出し、本税・延滞税・利子税の内訳を分ける2. 計画では減額を狙う前に、3年以下の納税猶予・換価の猶予で組めないかを検討し、同意不要(意見聴取)の枠に収める3. 同意が必須な部分は計画提出前の事前折衝で当局へ根回し4. 開始決定から1年以内の延滞税など別枠扱いの債権は早めに条項化し、当局の一票が要る範囲を最小化する
訴えられた側:1. あなたが一般の更生債権者なら、税金が満額守られる前提で自分の配当見込みを計算し直す2. 税の繰延・猶予が会社のキャッシュフローを改善し、結果として配当原資を増やす方向に働くなら、管財人に当局との猶予交渉を促す3. 当局の不同意で計画が頓挫しそうな兆候は早く掴み、別の再建スキームや清算配当の見込みへ頭を切り替える
時効(請求できる期限):169条自体に消滅時効の定めはない。租税の徴収権の消滅時効は国税通則法72条(原則5年)等による。手続上は、裁判所の定める更生計画案の提出期限までに当局の同意取得または意見聴取を済ませる必要があり、開始決定の日から1年を経過する日が延滞税等の別枠扱いの分水嶺となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:更生手続では租税等の請求権を一般の更生債権と区別し、徴収権者の同意を権利変更の要件とすることで租税法律主義と公平な税負担を維持する。他方、三年以下の猶予や開始決定後一年以内の延滞税を意見聴取で足りるとして再建に不可欠なキャッシュフロー調整の余地を残す、確保と再建の二段階調整と理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)制定 現行会社更生法(平成14年法律第154号)の制定に伴い整備された。租税等の請求権について、同意と意見聴取という二段階の取扱いを定めている。旧法からの引継ぎ・修正の詳細は人的検証が必要
- 共助対象外国租税(3項)の追加年は要確認 3項の共助対象外国租税に関する規律は、租税の国際的な徴収共助の制度化に伴い後年に追加されたものと解されるが、改正年と新設・改正の別の確定には人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 制定:現行会社更生法(平成14年法律第154号)の制定に伴い整備された。租税等の請求権について、徴収権者の同意と意見聴取という二段階の取扱いを定める。旧会社更生法からの引継ぎ・修正の詳細は人的検証が必要。
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