要点会社更生法 46 条は、管財人が裁判所の許可を得て、更生計画の成立前に会社の事業等を第三者へ譲渡できると定める。会社が債務超過の場合、株主の反対権は適用されない。
Q · 更生手続に入った会社は、株主の承認なしに事業ごと売れるんですか?
管財人が裁判所の許可を得れば、計画前でも事業ごと売却できる
会社更生法 46 条により、管財人は更生計画の成立を待たず、裁判所の許可を得て更生会社の事業等を第三者へ譲渡できます。許可は「事業の更生のために必要」と認められる場合に限られ、裁判所は更生債権者・更生担保権者・労働組合等の意見を聴かなければなりません(3 項)。会社にまだ純資産があれば株主は 2 週間以内に議決権の 3 分の 1 超を集めて反対できますが(7 項)、会社が債務超過なら株主への通知も反対権も適用されません(8 項)。許可を得ない譲渡は無効です(9 項)。
取引先が会社更生を申し立てた、と聞いてあなたは「あの会社はもう終わりだ、売掛金は戻ってこない」と思うかもしれない。だがこの 46 条を読むと景色が変わる。更生手続に入った会社の事業は、管財人が裁判所の許可を得れば、更生計画の成立を待たずに丸ごと第三者へ売却できる。通常なら事業の譲渡には株主総会の特別決議(会社法 467 条)が要る。ところがこの条文は、その株主の関門を裁判所の許可に置き換える。しかも会社が債務超過なら(8 項)、株主への通知も反対権もまるごと消える。なぜそんな乱暴に見えることが許されるのか。理由は一つ、事業の価値は時間とともに溶けていくからだ。優良部門を早く健全なスポンサーに移せば、雇用も取引も債権者への配当原資も守られる。あなたが債権者なら、この譲渡の場面で意見を述べる法的な席(3 項)が用意されている。
会社更生法 46 条は、更生手続中の事業等の譲渡を規律する規定であり、管財人が更生計画の定めによらず、裁判所の許可を得て会社法 467 条 1 項各号所定の事業譲渡等を行うことを認める。会社法上の株主総会承認を裁判所の許可審査に代替させる、更生手続固有の特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
更生手続中の会社が、管財人の手で裁判所の許可を得て事業を第三者へ売却する手続です。会社更生法 46 条が根拠で、更生計画の成立を待たずに行えるのが特徴です。
不要です。通常は会社法 467 条で特別決議が必要ですが、46 条では裁判所の許可に置き換わります。会社に純資産があれば株主は限定的な反対権を持つにとどまります。
枠組みは似ますが、会社更生は 46 条、民事再生は 42 条が規律します。会社更生の方が管財人主導で株主排除の度合いが強く、担保権者も手続に取り込まれます。
更生計画案を決議に付する旨の決定がされるまでです(2 項)。許可申立ては株主への公告・通知から 1 か月以内でなければ許可が下りません(7 項 1 号)。
聞かれます。3 項により裁判所は更生債権者・更生担保権者・労働組合等の意見を聴かなければ許可できません。委員会があればその意見聴取で足ります。
8 項により、債務超過なら株主への通知も反対権も適用されません。残余価値がないと判断された株主の手続的権利は切り捨てられ、速度が優先されます。
無効です(9 項)。ただし善意の第三者には無効を対抗できません。許可は譲渡の効力要件であり、手続を飛ばすと取引自体が成立しません。
言えます。3 項により、過半数で組織する労働組合、なければ過半数代表者の意見を裁判所が聴く義務があります。雇用承継の有無を左右する重要な場面です。
諦めるのは早い。更生手続は会社を立て直すための手続で、46 条の事業譲渡で優良事業がスポンサーに移れば、その対価が更生財団に入り債権者への配当原資になる。あなたは更生債権者として届け出れば配当を受ける権利がある。業界裏話ヒント:管財人が事業譲渡の意見聴取(3 項)であなたに声をかけてきたら、それは対価に影響を与えられる数少ない場面。沈黙せず、対価が安いと思えば書面で異議を出す。許可が出た後(9 項)は原則有効になり、手遅れになる
条件つきで止められる。会社にまだ純資産があれば、4 項の公告から 2 週間以内に議決権の 3 分の 1 超を集めて書面で反対すれば、裁判所は許可を出せない(7 項 2 号)。ただし会社が債務超過なら 8 項でこの反対権は最初から発生しない。業界裏話ヒント:実務で更生手続に入る会社の多くはすでに債務超過で、株主の反対権が現実に機能する場面は限られる。株主価値はゼロに近いという前提で動いた方が、感情的な消耗を避けられる
原則として引き継がない。46 条の事業譲渡では譲渡対象は事業そのもので、更生会社の債務は更生財団に残り更生計画で処理される。10 項により会社法第 2 編第 7 章(事業譲渡の規律)も適用されない。業界裏話ヒント:ただし偶発債務や特定の契約上の地位までクリーンに切り離せるかは契約設計次第。許可決定や譲渡契約で承継範囲を明示しないと、後で簿外債務を主張されるリスクが残る。デューデリと契約条項で承継範囲を線引きするのが鉄則
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用される手続 | 会社更生法 46 条:更生手続中の事業譲渡 | — |
| 承認の方法 | 裁判所の許可(株主総会決議は不要) | — |
| 株主の地位 | 限定的な反対権、債務超過なら消滅(8 項) | — |
| 債務の承継 | 会社法第 2 編第 7 章不適用(10 項)、債務は更生財団に残る | — |
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