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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

会社更生法 第72条(管財人の権限)

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  1. 更生手続開始の決定があった場合には、更生会社の事業の経営並びに財産(日本国内にあるかどうかを問わない。第四項において同じ。)の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した管財人に専属する。
  2. 2.裁判所は、更生手続開始後において、必要があると認めるときは、管財人が次に掲げる行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。
  3. 一財産の処分
  4. 二財産の譲受け
  5. 三借財
  6. 四第六十一条第一項の規定による契約の解除
  7. 五訴えの提起
  8. 六和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)
  9. 七権利の放棄
  10. 八共益債権又は第六十四条第一項に規定する権利の承認
  11. 九更生担保権に係る担保の変換
  12. 十その他裁判所の指定する行為
  13. 3.前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
  14. 4.前三項の規定については、更生計画の定め又は裁判所の決定で、更生計画認可の決定後の更生会社に対しては適用しないこととすることができる。この場合においては、管財人は、更生会社の事業の経営並びに財産の管理及び処分を監督する。
  15. 5.裁判所は、更生計画に前項前段の規定による定めがない場合において必要があると認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、同項前段の規定による決定をする。
  16. 6.裁判所は、管財人の申立てにより又は職権で、前項の規定による決定を取り消すことができる。
  17. 7.前二項の規定による決定があったときは、その旨を公告し、かつ、その裁判書を管財人及び更生会社に送達しなければならない。この場合においては、第十条第四項の規定は、適用しない。

この条文の基本情報

管財人の権限とは何ですか?

定義管財人の権限とは、会社更生法第72条に定められた規定で、「更生手続開始の決定があった場合には、更生会社の事業の経営並びに財産(日本国内にあるかどうかを問わない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 会社更生法第72条(管財人の権限)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
  2. 会社更生法第72条の条文原文は「更生手続開始の決定があった場合には、更生会社の事業の経営並びに財産(日本国内にあるかどうかを問わない。」で始まります。
  3. 会社更生法第72条は第二款に置かれています。
  4. 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
  5. 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 会社更生法第72条の前の条は会社更生法第71条です。
  7. 会社更生法第72条の次の条は会社更生法第73条です。
  8. 会社更生法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第72条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154
  • 本サイト収録会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/72

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点会社更生法72条は、更生手続開始により更生会社の経営権と財産の管理・処分権が管財人に専属すると定める。裁判所の許可を要する行為を無許可でしても無効だが、善意の第三者には対抗できない。

Q · 会社更生が始まったら、取引先の社長と契約や交渉をしても意味がないの?

原則無意味。権限は管財人に専属する

会社更生法72条1項により、更生手続開始の決定があると、会社の事業経営と財産の管理・処分権はすべて裁判所が選任した管財人に専属します。旧社長や取締役は自社の口座から一円も動かせなくなります。裁判所は財産処分・借財・契約解除・訴訟・和解などに「裁判所の許可」を必要とでき(同条2項)、許可なくされた行為は無効です(同条3項本文)。ただしその無効は、管財人の権限を知らずに取引した善意の第三者には対抗できません(同項但書)。

解説

取引先がある日「会社更生手続開始」の通知を送ってきた。あなたの会社はそこに商品を納め、まだ代金を受け取っていない。ここで多くの人が誤る。「社長と話せば何とかなる」と。だが会社更生法72条が発動した瞬間、その会社の経営も、財産の管理も処分も、すべて裁判所が選んだ管財人(裁判所が任命する再建の総責任者)に専属する。社長や取締役は、もはや自社の口座から一円も動かせない。さらに裁判所は、財産処分・借財・訴訟・和解など重要な行為に「裁判所の許可」を必要とでき、許可なくされた行為は無効になる。ただしその無効は、善意の第三者には対抗できない。相手が管財人の権限を知らずに取引した場合、あなたの立場は守られる余地がある。誰と、どの権限に基づいて話すべきか。それを知らない取引相手は、決定権のない相手と契約してしまう。

法的な位置づけ

会社更生法72条は管財人の権限を定める規定であり、更生手続開始の決定により、更生会社の事業の経営ならびに財産の管理および処分をする権利が裁判所の選任した管財人に専属する旨を規定する。裁判所は重要行為につき許可制を課すことができ、無許可行為は無効とされるが、善意の第三者には対抗できないものとされている。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.通知が来たら手続の種類を最初に確認 取引先から倒産関連の通知が届いたら、まず会社更生か民事再生か破産かを確認する。会社更生なら72条により交渉相手は旧経営陣ではなく管財人に総入れ替わりしている。社長の口約束には決定権がない
  2. 2.管財人の氏名と裁判所の連絡先を特定 通知書または官報公告から、選任された管財人の氏名・事務所と、手続を進める裁判所を特定する。以後の連絡・債権届出・交渉はすべてこの管財人を窓口に行う
  3. 3.自分の債権を更生債権か共益債権かに切り分ける 手続開始『前』に生じた売掛金は更生債権(計画でカット・分割)、開始『後』に管財人との取引で生じた債権は共益債権(64条、随時・優先弁済)。早期に切り分け、共益債権なら随時弁済を主張する
  4. 4.継続取引は裁判所許可の有無を書面で確認 更生会社と取引を続けるなら、その行為が72条2項の裁判所許可対象かを管財人に確認し、許可書の写しを確保する。許可ありの取引は正規行為として保護され、後の無効リスクが消える

よくある質問 AI による整理

Q1会社更生の管財人とは何ですか?

裁判所が選任し、更生会社の経営権と財産の管理・処分権を専属的に握る再建の総責任者です。会社更生法72条1項により、旧経営陣に代わって会社を動かす唯一の権限者となります。

Q2管財人はどんな行為に裁判所の許可が必要ですか?

財産の処分・譲受け、借財、契約の解除、訴えの提起、和解・仲裁合意、権利の放棄、共益債権の承認などです。裁判所が必要と認めて72条2項で指定した行為に限られます。

Q3裁判所の許可なくした行為はどうなりますか?

72条3項本文により無効です。ただし但書で、管財人の権限を知らなかった善意の第三者には無効を対抗できないため、知らずに取引した相手は守られる余地があります。

Q4更生会社の善意の第三者とは誰のことですか?

許可制や管財人の権限を知らずに更生会社と取引した相手方です。官報公告が出ていると「知らなかった」が通りにくくなるため、善意の認定は実務上厳しめに判断されます。

Q5更生計画が認可されたら経営は誰がするのですか?

72条4項により、更生計画の定めや裁判所の決定で、認可後の更生会社には管財人専属の規定を適用しないとできます。この場合、会社が経営し管財人は監督者として残ります。

Q6更生手続が始まった後、取締役は何ができますか?

ほぼ何もできません。72条1項で財産の管理・処分権は管財人に専属するため、自社財産に手を出すと無効になりうるほか、管財人への引継ぎ協力義務を負います。

Q7管財人は誰がどうやって選ぶのですか?

裁判所が選任します(72条1項)。多くは弁護士などの専門家が選ばれ、更生会社の規模や事情に応じて中立的な再建の責任者として指名されます。

Q8更生計画認可後に管財人の権限が復活することはありますか?

あります。72条6項により、裁判所は管財人の申立てまたは職権で、4項の適用除外決定を取り消すことができ、その場合は再び管財人に権限が専属します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1取引先が会社更生に入ったら、売掛金はもう回収できないんですか?

二つに分けて考えます。手続開始『前』に発生した売掛金は『更生債権』となり、更生計画に従った大幅カットと長期分割の対象です。一方、開始『後』に管財人との取引で生じた債権は『共益債権』(64条)となり、計画に縛られず随時・優先で弁済されます。実務のポイント:開始後も取引を続けるなら、その都度『これは管財人の許可を得た共益債権取引か』を書面で確認しておく。これを怠ると、本来優先されるはずの債権が更生債権に落ちて、回収率が一桁台まで沈むことがある

Q2更生会社の社長と結んだ契約、有効ですか?

手続開始後であれば、原則無効です。72条1項で経営権と財産処分権は管財人に専属し、旧社長にサインする権限はありません。ただし72条3項但書により、あなたが善意(管財人選任を知らなかった)なら、会社側はその無効をあなたに対抗できません。実務のポイント:『善意』の立証は意外と厳しい。官報公告が出ていると『知らなかった』が通りにくくなる。更生会社と取引する前に相手の登記と官報を一度見るだけで、自分が善意側に立てるかが変わる

Q3会社更生と民事再生って何が違うんですか?

最大の違いは『誰が経営するか』です。会社更生は管財人が経営権を専属し(72条)、旧経営陣は原則退場します。民事再生は DIP 型で、原則として旧経営陣がそのまま経営を続けます(民事再生法38条)。実務のポイント:取引先が『民事再生』なら交渉相手は基本そのまま、『会社更生』なら相手が管財人に総入れ替わりする。同じ倒産でも、誰に電話をかけ直すべきかが正反対。通知書のタイトルを最初に確認する

間違えやすい点 AI による整理

  • 管財人が入ったことは知っていても、その権限の専属性がどれだけ重いかを見落としている。旧経営陣との合意は法的に空振りになる。社長が「大丈夫、任せろ」と言っても、その言葉にもう決定権はない
  • 「更生会社と取引していいか」という問いの立て方自体がずれている。本当の問いは「誰の、どの許可に基づく取引か」。相手が会社かどうかではなく、管財人の権限と裁判所の許可の有無が分水嶺になる
  • 許可なくされた行為は「絶対に無効で、自分の取引も全部ひっくり返る」と恐れる人がいるが、72条3項但書がある。善意の第三者には無効を対抗できない。知らずに取引した相手は守られる余地がある
比較の観点この条文ほかの条文
経営権の所在会社更生72条:管財人に専属(旧経営陣は原則退場)民事再生38条:原則として旧経営陣が継続(DIP 型)
破産78条:破産管財人に専属(清算型)
目的事業の再建・継続事業の再建・継続
財産の換価・清算と配当
取引相手の窓口管財人(社長は無権限)原則そのままの経営陣
破産管財人
無許可処分の効力無効(善意の第三者には対抗不可、72条3項)経営権が残るため場面が異なる
破産管財人の権限に服する

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第293条(重整人之執行業務權限)

台湾の公司重整では重整人が業務執行・財産管理を担うが、重整監督人および法院の監督下に置かれ、重要行為に許可・同意を要する構造は日本と類似

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률 제56조(관리인의 권한)

韓国の回生手続でも管理人に管理処分権が専属するが、実務上は既存経営者を管理人に選任する運用が広く、DIP 型に近く運用される点が日本と異なる

ドイツ
Insolvenzordnung(InsO)§ 80

ドイツでは倒産手続開始により管理処分権が Insolvenzverwalter に移転するが、Eigenverwaltung(自己管理)を選べば債務者が権限を保持でき、日本の会社更生より柔軟

アメリカ
11 U.S.C. § 1106 / § 1107(Chapter 11)

米国 Chapter 11は原則 debtor in possession(旧経営陣が継続)であり、trustee 選任は例外。旧経営陣を退場させる日本の会社更生72条とは出発点が逆

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 取引先が更生手続に入った。あなたの会社は来月、その相手に大口の商品を納める契約が残っている。納めるべきか、止めるべきか。判断材料は一つ、その取引が管財人の許可を得た行為かどうか。あと数日で出荷期限が来る
  • あなたが更生会社の旧取締役で、手続開始後もうっかり会社の備品を売却してしまった。72条1項により、あなたにはもう処分権がない。その売買は無効になりうるが、買主が善意なら無効を主張できない。あなたの軽率な一筆が、会社と買主の間に紛争を残す
  • 管財人と口頭で和解した。だが裁判所の許可がなかった。その和解は無効だ
  • あなたが保有する株式の会社が更生手続に入った。株主総会の招集通知が来ない理由はここにある。経営権は管財人に専属し、株主の支配は宙に浮いている
  • 更生計画が認可されたあと、管財人から「今後は会社が自分で経営する」と告げられた。72条4項の適用除外決定だ。だが管財人はなお監督者として残る。あなたが交渉する相手は、また少し変わる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 通知が来たら即、手続が会社更生か民事再生かを確認。会社更生なら交渉相手は旧経営陣ではなく管財人2. 自分の債権が開始前(更生債権)か開始後の管財人取引(共益債権、64条)かを切り分け、共益債権なら随時弁済を主張3. 更生債権なら裁判所の定める期間内に債権届出を必ず行う、逃すと原則失権4. 継続取引するなら、その行為が72条2項の裁判所許可対象かを確認し、許可書の写しを確保する

訴えられた側:1. 手続開始後は自社財産に一切手を出さない。72条1項で処分権はすべて管財人に移っている2. 開始後にした処分行為は無効になりうる(72条3項)、既にした行為があれば即、管財人に報告3. 管財人への引継ぎに誠実に協力する、財産隠匿や否認対象行為は刑事・損害賠償リスクに直結4. 更生計画認可後に経営復帰の余地があるか(72条4項の適用除外)を管財人・裁判所と協議する

時効(請求できる期限):本条に固有の時効はない。許可を得ない行為の無効は時的制限ではなく善意要件(72条3項但書)で画される。更生債権の回収には、裁判所の定める債権届出期間という別の期限があり、これを徒過すると原則失権する(会社更生法の債権届出規定を要確認)。なお72条5項・6項の適用除外決定およびその取消しは、手続中いつでも申立て又は職権で可能

学説

通説:72条1項の管理処分権の専属は、再建手続の実効性を確保するための権限一元化と解される。無許可行為を無効としつつ3項但書で善意の第三者を保護する二段構えは、手続内部の規律と取引安全の調和を図る趣旨とされる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成14年(2002年)全部改正 旧会社更生法(昭和27年)を全部改正して現行会社更生法を制定。管財人への権限専属と裁判所許可制の枠組みを整備したが、本条の制定後の個別改正回数は未確認のため人的検証が必要

改正の年表

  1. 1.昭和27年(1952年) 新設:米国連邦破産法の更生型手続を範として旧会社更生法を制定。管財人への権限専属と裁判所許可制の基本枠組みを導入
  2. 2.平成14年(2002年) 改正:旧会社更生法を全部改正して現行会社更生法(法律第154号)を制定。管財人専属・許可制・善意第三者保護の枠組みを整理(制定後の個別改正回数は未確認のため要検証)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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