要点会社更生法 64 条は、更生手続が始まっても更生会社に属しない財産を取り戻す取戻権に影響しないと定める。リース物件や所有権留保付き商品は取り戻せるが、対象物が特定できることが前提となる。
Q · 取引先が会社更生を申し立てたら、貸したリース機械や所有権留保で売った商品はもう戻ってこないの?
所有権が残る物は取戻権で丸ごと取り戻せます
会社更生法 64 条により、更生会社に属しない財産を取り戻す取戻権は更生手続の影響を受けません。リース物件、所有権留保付き納品物、寄託在庫など所有権が自分に残る物は更生財産ではなく、あなたは債権者ではなく所有者として全部取り戻せます。9 割カット・分割払いの更生債権とは立場が根本的に違います。ただしファイナンスリースは実質が担保とされ更生担保権に取り込まれる場合があり、対象物が特定できることも前提です。すでに転売されていても代金を取り戻す代償的取戻権(破産法 64 条準用)が用意されています。
取引先から「当社は会社更生手続を申し立てました」という通知が届いた瞬間、多くの経営者は「売掛金は焦げ付いた、貸したリース機械ももう戻ってこない」と肩を落とす。だが、それは半分間違っている。会社更生法 64 条が守るのは、更生会社「に属しない」財産だ。あなたがリースで貸した機械、所有権留保つきで卸した商品、ただ預けただけの在庫。これらは更生会社の財産ではなく、あなたの財産である。だから手続が始まっても、あなたは「取戻権」として丸ごと取り返せる。9 割カットされ、何年もかけて分割でしか払われない更生債権者とは、立っている場所がまるで違う。さらに 2 項では、あなたの物がすでに転売されていてもその代金(代償)を取り戻せる代償的取戻権、運送途中の商品なら売主が取り戻せる権利まで準備されている。問題は、誰もこれを先に教えてくれないことだ。
会社更生法 64 条の取戻権とは、更生手続の開始後も、更生会社に属しない財産をその所有者が更生会社から取り戻すことができる権利をいう。リース物件、所有権留保付き納品物、寄託物など所有権が更生会社にない財産が対象となり、更生債権や更生担保権と異なり手続外で権利を実現できる。同条 2 項は破産法 63 条・64 条を準用し、運送中物品の売主の取戻権および代償的取戻権を認める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
更生会社に属しない自分の所有物を、更生手続外で取り戻せる権利です。会社更生法 64 条が根拠で、更生債権・更生担保権と異なり減額や分割払いを受けません。
取戻しの対象物がすでに転売されていても、その代金や代金債権を取り戻せる権利です。破産法 64 条を準用し、代金が他の財産と混ざる前に主張する必要があります。
取戻権は所有権が自分にある物を手続外で丸ごと取り戻すもの。更生担保権は更生会社の財産に設定された担保で、手続内に取り込まれ更生計画に従って弁済されます。
固有の期間制限はありませんが、対象物が転売・消費・混和されて特定できなくなると事実上行使不能になります。更生手続開始を知った時点で直ちに動くべきです。
買主が更生手続に入った場合、売主は破産法 63 条準用により運送中の商品を取り戻せます。ただし管財人が代金を払って引渡しを請求する選択肢もあります。
リース物件、所有権留保付き納品物、寄託在庫、誤って引き渡した物など、所有権が更生会社に移っていない財産が対象です。
使えます。民事再生法 52 条に並行規定があり、取戻権の扱いはほぼ同じです。大きく違うのは担保権の処理です。
対象物の所有権が自分にあること(契約書の所有権移転条項、納品書、リース契約、登記等)と、対象物が特定できることを示す必要があります。
実務では、ファイナンスリースは実質が金融担保なので取戻権ではなく更生担保権として手続に取り込まれ、丸ごと引き揚げにくいのが一般的扱いです(本条 1 項の「属しない財産」に当たるかが争点)。一方オペレーティングリースは取戻権の対象になりやすい。業界裏話ヒント:契約書の名称が「リース」でも、中身がフルペイアウトか、残価リスクを誰が負うかで扱いが変わる。リース会社自身が自社契約のどちらかを把握していないことすらある
原則取り戻せます。所有権がまだ売主に残っているので、本条 1 項の取戻権の対象です。ただし対象物が特定できることが前提になります。業界裏話ヒント:商品が他の在庫と混ざる集合動産になると特定が困難になり、取戻権が事実上使えなくなる。ロット番号やシリアル管理で「これがうちの納品分だ」と示せるかどうかが、実際の回収の決め手になる
取戻権確認の訴えで決着をつけます。所有権の帰属を裁判で確定させる流れです。業界裏話ヒント:管財人は事業継続のため不可欠な物を引き留めたい動機を持っているので、いきなり訴訟ではなく、会社更生法 61 条の双方未履行双務契約として代金を払ってもらい使用継続させる、という交渉に持ち込めることがある。引き揚げか継続使用かを天秤にかけた協議が現実解になりやすい
取戻権そのものはほぼ同じで、民事再生法 52 条に並行規定があります。大きく違うのは担保権の扱いです。業界裏話ヒント:会社更生では担保権も手続内に取り込まれ(更生担保権)、破産のような別除権がない。だからこそ「これは取戻権か、それとも担保権か」の線引きが、民事再生や破産以上に決定的な意味を持つ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法的性質 | 取戻権(会社更生法 64 条):所有権が自分に残る物を手続外で取り戻す | — |
| 減額・分割の有無 | 減額なし、丸ごと取り戻せる | — |
| 対象 | 更生会社に属しない財産(リース物件・所有権留保品・寄託物) | — |
| 落とし穴 | ファイナンスリースは更生担保権に化ける/物が特定不能で行使不能 | — |
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