要点会社更生法 61 条は、双方未履行の双務契約について管財人が解除か履行かを選択できると定める。履行を選べば相手方の債権は共益債権として優先弁済される。
Q · 取引先が会社更生に入ったら、結んでいた契約はどうなるの?
管財人が解除か履行かを選び、相手方に拒否権はありません
会社更生法 61 条により、双方がまだ履行を完了していない双務契約について、管財人は契約を解除するか、更生会社の債務を履行して相手方に履行を請求するかを一方的に選べます。あなたに拒否権はありません。管財人が履行を選べば、あなたの代金債権は共益債権として更生債権に優先して随時弁済されます(4 項)。解除を選べば、あなたは更生債権者として大幅にカットされた配当に甘んじます。相手方には管財人へ相当の期間内の確答を迫る催告権があり(2 項)、管財人が期間内に答えなければ解除権を放棄したものとみなされます。
あなたの会社が、ある上場メーカーと長期の部品供給契約を結んでいたとする。ある朝、その取引先が会社更生手続の開始決定を受けたと知る。納品はまだ途中、代金もまだ満額もらっていない。ここで会社更生法 61 条が、あなたの運命を握る。双方が履行を終えていない双務契約について、管財人(裁判所が選んだ更生手続の責任者)は、契約を解除するか、それとも更生会社の債務を履行してあなたに履行を請求するかを、一方的に選べる。あなたに拒否権はない。だが救いはある。管財人が履行を選べば、あなたの代金債権は共益債権(更生手続の費用として優先的に随時払われる債権)となり、ほかの更生債権者に先んじて回収できる。逆に解除されれば、あなたは更生債権者として大幅にカットされた配当に甘んじる。さらにあなたには、管財人に対し相当の期間内にどちらか確答せよと迫る催告権がある。これを使えば、宙吊り状態を強制的に終わらせられる。
会社更生法 61 条は、双方未履行の双務契約に対する管財人の選択権を定める規定である。更生手続開始時に更生会社と相手方が共に履行を完了していない契約について、管財人は契約の解除または更生会社の債務の履行請求のいずれかを選択でき、履行を選択した場合の相手方の請求権は共益債権となる。労働協約は本条の適用対象から除外される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
当事者双方が対価的な債務を負担する契約で、更生手続開始時にどちらの債務も履行が完了していないものを指します。会社更生法 61 条の管財人の選択権の対象になります。
共益債権は更生手続の費用として更生債権に優先し随時弁済される債権、更生債権は更生計画に従い大幅カットされる債権です。61 条で履行を選ばれた相手方の債権は共益債権になります。
61 条は双務契約一般の管財人選択権、62 条は電気・ガス・水道など継続的給付を目的とする双務契約の特則です。供給停止で更生会社が即死するため別扱いになっています。
管財人は催告で定められた相当の期間内に解除か履行かを確答する必要があります。確答しなければ解除権を放棄したとみなされ、契約は存続します(61 条 2 項)。
61 条 1 項の選択権自体に確定期限はありませんが、相手方から 2 項の催告を受けると相当の期間内の確答が必要です。実務上 2 週間前後が一つの目安とされます。
されません。61 条 3 項により労働協約は適用除外で、労働組合との集団的約束を管財人が一方的に解除することはできません。
枠組みは類似します。民事再生法 49 条が並行規定で、再生債務者等が双方未履行双務契約の解除または履行を選択できます。優先弁済される債権の名称や手続が異なります。
5 項が破産法 54 条を準用し、解除による損害賠償請求権が更生債権として認められます。既に給付した物は現存する限り取戻し、現存しなければ価額を共益債権として請求できます。
全額回収できるかは管財人の選択次第です。61 条 4 項により、管財人があなたとの契約の履行を選べば、代金債権は共益債権となり、更生債権に優先して随時弁済されます(132 条)。解除されれば更生債権で大幅カット。業界裏話ヒント:手をこまねいて待つと管財人に都合よく解除されがちです。早めに 61 条 2 項の催告を打ち、自社の供給が相手に不可欠だと示せば、履行つまり優先弁済へ持ち込める余地がある
泣き寝入りではありません。5 項が破産法 54 条を準用し、解除によって生じた損害の賠償請求権が認められます。ただしそれは共益債権ではなく更生債権なので、配当は大幅に削られます。業界裏話ヒント:すでに渡した物(給付)があれば、現存する限り取り戻せ(取戻権)、現存しなければその価額を共益債権として請求できる。何をいつ渡したかの記録が、回収ランクを分ける
下請工事の請負契約は双務契約として 61 条の対象で、管財人が履行か解除かを選びます。3 項で対象外なのは労働協約だけ、これは労働組合との集団的約束に限った話で、個別の請負契約は含みません。業界裏話ヒント:出来高がある請負で履行を選ばせれば、残工事代金まで共益債権になりうる。逆に解除されると既施工分が更生債権。だから『あと少しで完成』の局面ほど催告で履行を迫る価値が高い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる契約 | 61 条:双方未履行の双務契約一般 | — |
| 選択権者 | 更生手続の管財人 | — |
| 履行選択時の相手方債権 | 共益債権として優先弁済(4 項) | — |
| 労働協約の扱い | 適用除外(3 項) | — |
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