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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

会社更生法 第49条(相殺の禁止)

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  1. 更生債権者等は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
  2. 一更生手続開始後に更生会社に対して債務を負担したとき。
  3. 二支払不能(更生会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら更生債権等をもってする相殺に供する目的で更生会社の財産の処分を内容とする契約を更生会社との間で締結し、又は更生会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより更生会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。
  4. 三支払の停止があった後に更生会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。
  5. 四更生手続開始、破産手続開始、再生手続開始又は特別清算開始の申立て(以下この条及び次条において「更生手続開始の申立て等」という。)があった後に更生会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、更生手続開始の申立て等があったことを知っていたとき。
  6. 2.前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
  7. 一法定の原因
  8. 二支払不能であったこと又は支払の停止若しくは更生手続開始の申立て等があったことを更生債権者等が知った時より前に生じた原因
  9. 三更生手続開始の申立て等があった時より一年以上前に生じた原因

この条文の基本情報

相殺の禁止とは何ですか?

定義相殺の禁止とは、会社更生法第49条に定められた規定で、「更生債権者等は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 会社更生法第49条(相殺の禁止)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
  2. 会社更生法第49条の条文原文は「更生債権者等は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。」で始まります。
  3. 会社更生法第49条は第二節に置かれています。
  4. 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
  5. 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 会社更生法第49条の前の条は会社更生法第48条です。
  7. 会社更生法第49条の次の条は会社更生法第49条の2です。
  8. 会社更生法第49条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第49条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154
  • 本サイト収録会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第49条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/49

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点会社更生法49条は、支払不能・支払停止・更生手続開始の申立てを知った後に作った相殺枠を禁止する。危機時期より前に成立した相殺は2項の適用除外で守られる。

Q · 倒産しかけた取引先と「貸し借りを相殺」すれば、確実に回収できるの?

危機を知った後に作った相殺枠は無効になる

原則として相殺は強力な回収手段ですが、会社更生法49条が時限ロックをかけます。更生会社が支払不能・支払停止・更生手続開始の申立てに至った後、その事実を知りながら新たに債務を負担して相殺枠を作った場合、その相殺は禁止されます。鍵は「債務を負担した日」と「相手の危機を知った日」の前後関係です。ただし法定の原因、危機認識前に生じた原因、申立て等の一年以上前に生じた原因に基づく債務負担は、2項の適用除外として相殺が守られます。

解説

取引先のA社にあなたの会社は売掛金が1,000万円ある。同時にA社への買掛金が800万円ある。A社が会社更生手続に入った。「差し引き200万円だけ払えば済む」と考えるのが普通だ。それが相殺、しかも倒産局面では最強の回収手段になる。相殺できれば、あなたの800万円分は他の更生債権者を出し抜いて事実上100% 回収したのと同じ効果を持つからだ。会社更生法49条は、その相殺に時限式のロックをかける。A社が「支払不能」(支払能力を欠いて、弁済期にある債務を一般的かつ継続的に払えない状態)になった後、あるいは更生手続開始の申立てがあった後に、その事実を知りながら新たに債務を負担して相殺枠を作った場合、相殺は禁止される。鍵は二つの日付、つまり「あなたが債務を負担した日」と「あなたが相手の危機を知った日」だ。この前後関係が一日ずれるだけで、同じ800万円の相殺が有効にも無効にもなる。

法的な位置づけ

会社更生法49条は、更生手続における相殺禁止を定める規定である。更生債権者等が、支払不能・支払停止・更生手続開始の申立てといった危機時期に入った後、その事実を知りながら更生会社に対して新たに債務を負担した場合、その債務を用いた相殺を禁じる。ただし法定の原因や危機認識前に生じた原因、申立て等の一年以上前に生じた原因に基づく債務負担は適用除外となる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.債権と債務を発生日で時系列に並べる 相手に対する自社の債権(売掛金等)と債務(買掛金等)を、それぞれ「いつ発生したか」の日付で並べる。相殺の成否は権利の有無ではなく、二つの日付の前後関係で決まる
  2. 2.相手の危機時期と認識時点を特定する 相手が支払不能・支払停止・更生手続開始の申立てに至った時点と、それを自社が知った時点を証拠で固める。この二点が相殺の有効・無効を分ける分水嶺になる
  3. 3.守れる相殺と崩れる相殺を切り分ける 危機時期より前に成立していた相殺枠は49条2項(法定の原因・危機認識前の原因・申立て一年以上前の原因)を根拠に主張する。危機後に作った枠は無理に主張せず切り分ける
  4. 4.債権届出期間内に相殺の意思表示を行う 守れる相殺については、債権届出期間が満了する前に必ず相殺の意思表示を行う(会社更生法48条2項)。期間を過ぎると相殺自体ができなくなる

よくある質問 AI による整理

Q1会社更生法49条とは何ですか?

更生手続における相殺を制限する規定です。危機時期(支払不能・支払停止・申立て)を知った後に新たな債務を負担して作った相殺枠を禁止し、更生債権者間の公平を守ります。

Q2倒産した取引先と相殺できますか?

危機時期より前に成立した相殺枠なら可能です。逆に支払不能・支払停止・申立てを知った後に作った相殺は49条1項で禁止され、管財人に否認されます。

Q3相殺禁止の例外はありますか?

あります。49条2項により、法定の原因、危機を知る前に生じた原因、申立て等の一年以上前に生じた原因に基づく債務負担なら、危機時期でも相殺が守られます。

Q4支払不能とはどういう状態ですか?

支払能力を欠き、弁済期にある債務を一般的かつ継続的に弁済できない状態をいいます(49条1項括弧書)。一時的な資金不足とは区別されます。

Q5相殺の担保的機能とは何ですか?

互いに債権債務がある場合、相殺できる分だけ事実上の優先弁済を受けられる効果です。無担保債権者でも担保権者に近い回収力を持つため、倒産局面で制限されます。

Q6破産と会社更生で相殺禁止は違いますか?

趣旨はほぼ同じです。破産法71条、民事再生法93条にも同種の相殺禁止があり、危機時期に作った相殺枠を封じる構造は共通しています。

Q7相殺権はいつまでに行使すべきですか?

債権届出期間の満了前に相殺の意思表示が必要です(会社更生法48条2項)。期間を過ぎると、49条で許される場面でも相殺自体ができなくなります。

Q8危機時期の相殺が否認されるとどうなりますか?

相殺がなかったものとして扱われ、自社の債務は全額弁済義務が残り、債権は一般の更生債権として配当を待つことになります。回収率は大きく下がります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1取引先が倒産したら、銀行みたいに貸し借りを相殺すれば確実に回収できるんですよね?

相殺の担保的機能を使えば、無担保でも事実上の最優先回収ができます(会社更生法48条の相殺権)。ただし49条が時限ロックをかけ、危機時期に作った相殺枠は否認されます。実務のポイント:銀行が強いのは、平時から預金担保や相殺予約で相殺枠を「危機時期より前」に固めているからです。一般企業も、相手が健全なうちに相殺の合意や継続取引の枠を整えておけば、倒産時に同じ守りが効きます。倒産の噂を聞いてから動くのは、ほぼ手遅れ

Q2「支払の停止」って具体的にいつのことですか? 知らなければセーフですか?

支払の停止とは、もう弁済できないと外部に表明する行為で、手形の不渡り、銀行取引停止処分、夜逃げ、弁護士による受任通知などが典型です。それを知った後に作った相殺枠は49条1項3号で封じられます。実務のポイント:ただし書が効きます。支払停止を知っていても、その時点で相手が実際には支払不能でなかったと立証できれば、相殺は救われます。「知っていた=即アウト」ではないので、相手の当時の財務状況を示す資料は捨てずに残しておく

Q3昔からの取引で自然に溜まった債権なら、相手が倒産しても相殺できると聞きました。本当ですか?

本当です。49条2項が適用除外を定めており、法定の原因、危機を知る前に生じた原因、または更生申立て等の一年以上前に生じた原因に基づく債務負担なら、危機時期でも相殺が守られます。実務のポイント:分かれ目は「もっぱら相殺目的か」です。通常の継続取引で自然に積み上がった債権債務は保護されますが、倒産を察知してから急いで作った枠は狙い撃ちされる。発注書や契約書で原因の発生時期を時系列に示せるかが勝負を決める

間違えやすい点 AI による整理

  • 「貸しと借りがあれば、いつでも相殺できる」と思われているが、倒産局面では時限ロックがかかる。支払不能・支払停止・更生手続開始申立てのいずれかを知った後に作った相殺枠は、原則として封じられる。相殺は無制限の権利ではなく、危機時期に入った瞬間から制限される条件付きの権利だ
  • 相殺が「便利な決済方法のひとつ」程度に思われているが、その深刻さが見落とされている。倒産局面での相殺は、無担保債権者が事実上の担保権者へ化ける装置だ。だからこそ管財人は相殺の成否に全力で踏み込んでくる。あなたの相殺が一件通るかどうかで、他の全債権者の配当原資が目に見えて減る。それだけの破壊力がある以上、否認のメスも鋭い
  • 多くの人は「自分はいつ相殺できるか」を問う。だがこの条文の下で本当に効くのは別の問いだ。「自分はいつその債務を負担したか」「相手の危機をいつ知ったか」。問いの立て方を変えない限り、相殺できる前提で動いて足元をすくわれる。法律が見ているのは権利の有無ではなく、二つの日付の前後関係だ
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割49条:危機時期の相殺禁止(債権者側)48条:相殺権の根拠(本条が制限する権利)
50条:債務者側の相殺禁止
規律対象更生債権者が新たに負担した債務による相殺更生債権者の相殺権一般
更生会社が取得した債権による相殺
適用除外の有無2項に適用除外あり(法定原因・危機認識前・一年以上前)届出期間内の行使が要件(48条2項)
50条2項に同種の適用除外あり

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第296条・破產法第114条

台湾は会社の重整につき破産手続の相殺制限規定を準用し、危機時期に取得した債権による相殺を制限する点で日本と同趣旨

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률 제145조

韓国の統合倒産法も会生手続において危機時期に負担した債務による相殺を禁止し、日本に近い構造を持つ

ドイツ
InsO § 96

ドイツ倒産法は危機時期に取得・成立した相殺可能性を不許可とし、否認可能行為により相殺適状が生じた場合の相殺も排除する。日本法の母法的位置にある

アメリカ
11 U.S.C. § 553

米国連邦倒産法は相互債務の相殺権を原則承認しつつ、申立て前90日以内に改善目的で取得された債権による相殺等を制限する。制限の技術的構成は日独と異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 主要納入先のメーカーが資金繰り悪化との情報。あなたの会社はそこに買掛金800万円、売掛金1,000万円。「今のうちに追加発注して買掛金を増やし、相殺枠を広げよう」と動く。だがその発注が支払不能を知った後で、もっぱら相殺目的なら、増やした分の相殺は49条1項2号で丸ごと否認される。判断に残された時間は数日
  • もし、あなたの会社が倒産しかけた取引先の債務を「債務引受」契約で肩代わりして相殺枠を作ったら、どうなる? 49条1項2号は、相殺目的での債務引受を名指しで禁じている。良かれと思った資金繰り協力が、自分の相殺の道を自ら塞ぐ結果になりうる
  • 銀行はA社に融資5,000万円、A社の預金2,000万円を保有。A社が更生手続開始を申し立てた。銀行は預金と融資を相殺して2,000万円を確保したい。だが申立てを知った後に積まれた預金なら、その相殺は通らない
  • 三年前から続く継続的取引の中で自然に積み上がった買掛金。相手が倒産しても、この相殺は49条2項3号の「申立て等の一年以上前に生じた原因」で守られる。危機を知っていたかどうかすら問われない。古い取引関係は、それ自体が盾になる
  • あなたが経理担当として、取引先の手形が不渡りになったと聞いた翌日、その取引先に対する自社の債務を新たに引き受けた。「支払の停止」を知った後の債務負担として49条1項3号に触れる。ただし、その時点で相手が実は支払不能でなかったと立証できれば、ただし書で救われる余地が残る

取るべき行動

被害を受けた側:1. 相手に対する自社の債権と債務を、それぞれ「いつ発生したか」の日付で時系列に並べる2. 相手が支払不能・支払停止・更生申立てに至った時点と、それを自社が知った時点を特定する。この二点が分水嶺になる3. 危機時期より前に成立していた相殺枠は49条2項を根拠に主張、危機後に作った枠は無理に主張せず切り分ける4. 相殺の意思表示は債権届出期間内に必ず行う、期間を過ぎると守れる相殺まで行使できなくなる

訴えられた側:管財人の立場で相手の相殺を否認する場合、相手が債務を負担した日付と、その時点で支払不能・支払停止・申立てを知っていたかを立証材料で固める。1. 債務負担の契約日・引受日を契約書で確定2. 相手が危機を認識していた証拠(取引停止情報の社内共有、督促のやり取り、報道)を収集3. 相手が49条2項の適用除外(法定の原因、危機認識前の原因、一年以上前の原因)を持ち出してきたら、その原因の発生時期を争う

時効(請求できる期限):相殺権の行使は債権届出期間の満了前にしなければならない(会社更生法48条2項)。この期間を過ぎると、たとえ49条で許される場面でも相殺自体ができなくなる。起算点は更生手続開始決定で定められる届出期間で、決定通知の記載を必ず確認すること(最新の手続運用をご確認ください)

学説

通説:相殺の担保的機能を前提に、相殺への合理的期待は保護に値するが、危機時期到来後に意図的に作られた相殺枠は更生債権者間の公平を害するため遮断される。49条2項の適用除外は、保護に値する期待と否認すべき駆け込みを線引きする弁別装置と理解される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 旧会社更生法(昭和27年法律第172号)を全部改正した現行会社更生法(平成14年法律第154号)により現行の相殺禁止規定が整備された。支払不能・支払停止・申立てを基準とする危機時期の枠組みと2項の適用除外が定められた。なお具体的な改正回数・後続改正の有無は人的検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成14年(2002年) 改正:旧会社更生法(昭和27年法律第172号)を全部改正した現行会社更生法(平成14年法律第154号)により、支払不能・支払停止・申立てを基準とする危機時期の相殺禁止と2項の適用除外が整備された。後続改正の有無・回数は人的検証が必要。

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会社更生法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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