会社更生法 第78条(管財人の自己取引)
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- 管財人は、裁判所の許可を得なければ、更生会社の財産を譲り受け、更生会社に対して自己の財産を譲り渡し、その他自己又は第三者のために更生会社と取引をすることができない。
- 2.前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
この条文の基本情報
管財人の自己取引とは何ですか?
定義管財人の自己取引とは、会社更生法第78条に定められた規定で、「管財人は、裁判所の許可を得なければ、更生会社の財産を譲り受け、更生会社に対して自己の財産を譲り渡し、その他自己又は第三者のために更生会社と取引をすることができな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第78条(管財人の自己取引)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第78条の条文原文は「管財人は、裁判所の許可を得なければ、更生会社の財産を譲り受け、更生会社に対して自己の財産を譲り渡し、その他自己又は第三者のために更生会社と取引をすることができな…」で始まります。
- 会社更生法第78条は第二款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第78条の前の条は会社更生法第77条です。
- 会社更生法第78条の次の条は会社更生法第79条です。
- 会社更生法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法78条は、管財人が裁判所の許可なく更生会社と自己取引することを禁じる。許可なき取引は無効だが、その無効は善意の第三者には対抗できない。
Q · 更生会社の管財人が、自分や知り合いの会社と取引するのは許されるの?
原則無効。ただし善意の第三者には対抗できない
会社更生法78条1項により、管財人が更生会社の財産を譲り受けたり、自己又は第三者のために更生会社と取引するには、必ず裁判所の許可が必要です。価格が市場価格どおりでも、許可がなければ同条2項本文により無効になります。判断基準は価格の妥当性ではなく、取引相手が管財人自身か(または第三者のためか)という構造です。ただし2項ただし書により、この無効は事情を知らない善意の第三者には対抗できません。資産が善意の転得者に渡れば取り戻せなくなるため、無効主張は転売前の一瞬しか効力を持ちません。
解説
倒産処理の現場では、会社更生の管財人が更生会社の財産を丸ごと握る。その管財人が、更生会社の優良資産を自分や知り合いの会社へこっそり安値で流したら、損をするのは債権者全員だ。会社更生法78条は、この利益相反を真正面から禁じる。管財人が更生会社と取引するには、自己のためでも第三者のためでも、必ず裁判所の許可が要る。許可なしの取引は無効。ただし、ここに二段構えの仕掛けがある。無効だと言っても、事情を知らずに取引した善意の第三者(取引時に利益相反の事情を知らなかった相手)には対抗できない。つまり管財人から資産を買い、それがさらに転売された先の善意の人は守られる。あなたが更生会社から何かを買う側なら、相手が管財人本人かどうか、裁判所の許可があるかどうかが、後で取引をひっくり返されるかの分かれ目になる。
法的な位置づけ
会社更生法78条は、管財人と更生会社との間の自己取引を制限する規定である。管財人が更生会社の財産を譲り受け、自己の財産を譲り渡し、又は自己もしくは第三者のために更生会社と取引するには裁判所の許可を要し、許可なき行為は無効とされる。ただしその無効は善意の第三者に対抗できない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取引相手と管財人の関係を契約前に確認 更生会社から資産を買う前に、売主側の窓口・実質当事者が管財人本人、その親族、管財人が関与する関連会社でないかを確認する。利益相反取引にあたるかどうかが、後で取引を無効にされるかの分かれ目になる
- 2.裁判所の許可書の写しを先に求める 管財人と取引する立場なら、契約締結前に裁判所の許可(78条1項)が得られていることを確認し、許可書の写しを受領する。契約後に集め直すより、契約前の一通が後日の無効争いを一発で封じる
- 3.管財人として取引する場合は事前に許可を申し立てる 管財人が更生会社と取引する必要があるなら、事後の追認に頼らず取引前に裁判所へ許可を申し立てる。取引の必要性・価格の妥当性・利益相反の有無を疎明する資料を整え、許可申請に添える
- 4.自己取引を疑ったら転売前に保全処分を打つ 管財人の許可なき自己取引を掴んだら、資産が善意の第三者へ転売される前に処分禁止の保全処分を申し立てる。転売後は無効を主張しても善意の第三者に対抗できず、回収できる資産が消える
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法78条とは何ですか?
更生会社の管財人が裁判所の許可なく更生会社と自己取引することを禁じる規定です。許可なき取引は無効ですが、善意の第三者には対抗できません。
Q2管財人が裁判所の許可なく取引したらどうなりますか?
その行為は無効になります(78条2項本文)。価格が適正でも許可がなければ無効で、財団へ資産を取り戻す道が残ります。ただし善意の第三者には対抗できません。
Q3管財人の自己取引で善意の第三者はどこまで守られますか?
取引時に利益相反の事情を知らなかった第三者は保護されます(78条2項ただし書)。転得者が善意であれば、無効を主張されても資産を保持できます。
Q4管財人の自己取引を見つけたらどうすればいいですか?
相手が管財人本人・親族・関連会社か、裁判所の許可があったかを確認し、資産が善意の第三者へ転売される前に処分禁止の保全処分を急ぐことが重要です。
Q5会社更生の管財人はどんな取引に許可が必要ですか?
更生会社の財産を譲り受ける、自己の財産を譲り渡す、その他自己又は第三者のために更生会社と取引する場合に、78条1項により裁判所の許可が必要です。
Q6民事再生の監督委員や管財人にも同じ制限がありますか?
民事再生にも利益相反を規律する仕組みがありますが根拠条文は異なります。会社更生では本条が、財産管理処分権を持つ管財人の自己取引を直接縛ります。
Q7管財人の自己取引で損害が出たら賠償請求できますか?
管財人の善管注意義務違反(会社更生法80条)にあたれば、利害関係人として損害賠償を検討できます。無効主張と責任追及を併行するのが定石です。
Q8倒産企業から資産を買うとき注意することは何ですか?
売主側の窓口が管財人本人や関連会社でないか、裁判所の許可書があるかを契約前に確認します。許可書の写しを得ておけば後日の無効主張に強く対抗できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1管財人が市場価格どおりに売買したら、許可がなくても有効ですよね?
有効になりません。78条1項は価格の妥当性ではなく、取引の相手が管財人自身か(または第三者のためか)で線を引きます。許可がなければ、価格が適正でも78条2項により無効です。実務のポイント:実務では「価格は適正だから大丈夫」と考えて許可申請を省く管財人が後で問題になります。許可は形式要件に見えて、取らなければ取引そのものが崩れる必須手続。価格論争に持ち込む前に、許可の有無が先に決着をつけます
Q2管財人から買った資産を、さらに別の人に売った場合、その人は守られますか?
守られる可能性が高いです。78条2項ただし書は、無効を善意の第三者に対抗できないと定めます。事情を知らずに取得した転得者は保護されます。実務のポイント:ここで効くのが「善意」の立証構造です。更生手続中だと知っていただけでは悪意とは限らず、利益相反取引だと知り得たかが問われる。取引時に裁判所の許可書を確認した記録があれば、善意の強力な裏付けになります
Q3管財人の自己取引って、そんなに頻繁にあるんですか?
珍しくありません。管財人が関与する別会社や知人企業との取引は現実に起こります。だから法は性善説をとらず、72条で財産管理処分権を管財人に専属させる一方、78条で自己取引だけは裁判所の許可で縛ります。実務のポイント:管財人の善管注意義務(会社更生法80条)と組み合わせると、許可なき自己取引は無効になるだけでなく、管財人個人の損害賠償・解任にも直結します。債権者側は「無効主張」と「責任追及」を二枚看板で進めるのが定石です
間違えやすい点 AI による整理
- 「適正な価格で売買したのだから問題ないはず」という考え方は、問いの立て方そのものが誤っている。78条が見ているのは価格の妥当性ではなく、取引の相手が管財人自身か(または第三者のためか)という構造だ。たとえ市場価格でも、許可がなければ無効になる
- 管財人の自己取引が「無効になる」ことは知っていても、その無効が善意の第三者には対抗できないという深刻さを見落としている。資産が一度善意の第三者に渡れば、もう取り戻せない。無効の主張は、転売される前の一瞬しか効力を持たない
- 「管財人は中立な専門家だから自己取引などしない」と思われがちだが、現実には管財人が関与する別会社や知人企業との取引は珍しくない。だからこそ法は性善説に頼らず、許可制で構造的に縛っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 会社更生法78条:管財人と更生会社の自己取引 | 会社更生法72条:管財人への財産管理処分権の専属 会社法356条:取締役の利益相反取引 |
| 事前チェックの方法 | 裁判所の許可 | (権限付与のみ、個別許可は他条) 取締役会(または株主総会)の承認 |
| 違反した場合の効果 | 無効(ただし善意の第三者に対抗不可) | — 原則有効、会社は損害賠償・差額返還等を追及 |
| 責任の追及根拠 | 会社更生法80条(善管注意義務) | 会社更生法80条(善管注意義務) 会社法423条(任務懈怠責任) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は会社更生に相当する公司重整制度で重整人を置き、自己代理・双方代理の禁止は民法106条の一般原則が補う。日本のような統合的な許可制条文の明文は限定的。
ドイツは破産管財人(Insolvenzverwalter)制度を InsO で規律し、自己契約の禁止は BGB § 181が一般原則として機能する。日本の許可制と機能的に対応する。
米国は bankruptcy trustee の disinterestedness(§ 327)と資産処分の裁判所許可(§ 363(b))で自己取引を統制。会社更生法はこの Chapter X/11型の発想を継受している。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが管財人に選任され、更生会社の倉庫に眠る機械を、自分が経営する別会社で買い取りたいと考える。たとえ市場価格で適正だと信じても、裁判所の許可を取らずに契約した瞬間、その取引は78条で無効になる。価格の妥当性ではなく、相手が自分だという構造そのものが問題なのだ
- 更生手続中の会社から土地を買った。後になって、売主側の窓口が実は管財人の関連会社だったと分かったら、あなたが取得した土地は安全か。あなたが事情を知らない善意であれば守られるが、利益相反を知り得たと疑われれば、取引を無効と主張される側に立たされる
- 債権者集会で配当額が想定よりはるかに少ない。管財人が更生会社の資産を身内へ流していた疑いが浮上する。78条違反なら、その取引自体を無効にして資産を財団へ取り戻す道が残っている
- 管財人の自己取引を見つけた。だが当の資産は既に転売され、次の買い手は善意かもしれない。転売がさらに進む前に処分禁止の保全処分を打たないと、無効を主張しても誰にも対抗できなくなる。動ける時間は数週間しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 管財人が更生会社と自己取引した疑いを掴んだら、まず相手方が管財人本人・親族・関連会社でないか、裁判所の許可があったかを確認する2. 許可なしと判断できれば、その取引は無効(78条2項本文)。資産が手元に残っていれば返還を求める3. 資産が転売されている場合、次の取得者が善意かどうかが勝負を分ける。善意なら対抗できないため、転売前に処分禁止の保全処分を急ぐ4. 管財人の任務懈怠なら、利害関係人として損害賠償も検討する(善管注意義務違反、会社更生法80条)
訴えられた側:1. 管財人として更生会社と取引する必要があるなら、取引前に必ず裁判所の許可を申し立てる。事後の追認に頼らない2. 取引の必要性・価格の妥当性・利益相反の有無を疎明する資料を整え、許可申請に添える3. 既に許可なく取引してしまった場合、相手が善意の第三者であれば無効を対抗されない余地があるが、自己取引の当事者間では無効が貫かれる4. 利益相反を疑われた管財人は、解任や損害賠償のリスクを見据え、早期に裁判所へ事情を説明する
時効(請求できる期限):78条の許可は取引の前に得るのが原則で、特定の出訴期間が定められた制度ではない。ただし無効主張の実益は、資産が善意の第三者へ移転する前に限られる。無効を前提とした原状回復・不当利得返還請求には、特定の時効はないが一般消滅時効(民法166条、債権は権利行使できると知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される
学説
通説:78条の自己取引制限は価格の妥当性ではなく取引構造そのものを規律し、許可なき自己取引は無効。無効は善意の第三者に対抗できず、転売後は財団による回収が困難になる。管財人の善管注意義務(80条)と結びつき、無効主張と損害賠償・解任の責任追及が併存しうる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)全部改正 旧会社更生法(昭和27年法律第172号)を全面的に改め、現行会社更生法を制定。管財人の自己取引制限を現行78条として整理し、許可制・無効・善意の第三者保護の構造を明文化した
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:旧会社更生法(昭和27年法律第172号)を全部改正し現行会社更生法を制定。管財人の自己取引制限を現行78条として整理し、許可制・無効・善意の第三者保護の構造を明文化した。
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