会社更生法 第252条(更生手続の終了に伴う職権による破産手続開始の決定)
クイックジャンプ
- 破産手続開始前の株式会社について第二百三十四条第一号から第四号までに掲げる事由のいずれかが生じた場合において、裁判所は、当該株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。ただし、当該株式会社について既に開始された再生手続がある場合は、この限りでない。
- 2.破産手続開始後の更生会社について更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に第二百四十一条第一項の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。ただし、前条第一項後段の規定による破産手続開始の申立てに基づいて破産手続開始の決定をする場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
更生手続の終了に伴う職権による破産手続開始の決定とは何ですか?
定義更生手続の終了に伴う職権による破産手続開始の決定とは、会社更生法第252条に定められた規定で、「破産手続開始前の株式会社について第二百三十四条第一号から第四号までに掲げる事由のいずれかが生じた場合において、裁判所は、当該株式会社に破産手続開始の原因となる事…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第252条(更生手続の終了に伴う職権による破産手続開始の決定)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第252条の条文原文は「破産手続開始前の株式会社について第二百三十四条第一号から第四号までに掲げる事由のいずれかが生じた場合において、裁判所は、当該株式会社に破産手続開始の原因となる事…」で始まります。
- 会社更生法第252条は第三節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第252条の前の条は会社更生法第251条です。
- 会社更生法第252条の次の条は会社更生法第253条です。
- 会社更生法第252条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第252条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第252条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/252
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法252条は、更生手続が失敗したとき裁判所が職権で破産手続を開始できる仕組みを定める。破産前の会社は裁量、更生計画認可後の廃止確定なら義務的に破産へ移行する。
Q · 会社更生に失敗したら、また誰かが破産を申し立て直す必要があるの?
いいえ。裁判所が職権で破産手続を開始します。
会社更生法252条により、更生手続が失敗したときは、誰の新たな申立てもなく、裁判所が職権で破産法に従い破産手続開始を決定します。破産前の会社は第1項で裁判所の裁量(できる)、更生計画認可後に廃止が確定した会社は第2項で義務(しなければならない)です。これを実務で牽連破産と呼び、再建から清算への空白期間を作らずに接続する仕組みになっています。
解説
勤め先や取引先が『会社更生』を申し立てたと聞いて、あなたは胸をなで下ろすかもしれない。倒産ではなく再建だ、給料も売掛金もいずれ戻る、と。だがその安心には落とし穴がある。会社更生法252条は、更生手続が失敗に終わったとき、裁判所が自ら(職権で、つまり誰の申立てもなく役所の判断で)破産手続開始を決定できる、あるいは決定しなければならない、と定める仕組みだ。再建の扉が閉じた瞬間、会社は破産へと滑り落ちる。これを実務では『牽連破産』と呼ぶ。重要なのは温度差だ。第1項(破産前の会社)は裁判所が『できる』、つまり裁量。第2項(更生計画が一度認可された後に廃止が確定した場合)は『しなければならない』、つまり義務。あなたが債権者なら、この一語の違いが、回収のタイムラインと配当順位を左右する。
法的な位置づけ
会社更生法252条は牽連破産を定める規定であり、株式会社の更生手続が終了または廃止された場合に、裁判所が職権で破産法に従い破産手続開始の決定をすることができ、または決定しなければならない旨を規定する。第1項は破産前の会社につき裁量的、第2項は更生計画認可後の廃止確定につき義務的に破産への移行を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取引先の更生申立てを知ったら債権と相殺材料を洗い出す 取引先が会社更生を申し立てたら、まず自社の債権額、担保の有無、相手に支払うべき債務(相殺の材料)がないかを直ちに確認する。手続開始後は相殺に制限がかかるため、開始前の把握が分かれ目になる
- 2.更生から破産への移行リスク(252条)を織り込む 更生計画下の弁済と、252条で破産へ転じた後の破産配当はまったく別物。第1項(裁量)か第2項(義務)かを見極め、最悪シナリオを前提に回収計画を立てる
- 3.破産移行後は債権届出期間を必ず確認する 252条で破産が開始したら、裁判所が定める破産債権の届出期間を確認し、期限内に債権届出書を提出する。届け出なければ配当はゼロになる
- 4.優先債権・担保・相殺の行使可否を再確認する 労働債権や租税は優先される枠があり、担保があれば別除権、相手への債務があれば相殺を検討する。回収見込みと費用を天秤にかけ、少額なら届出のみで実費を抑える
よくある質問 AI による整理
Q1牽連破産とは何ですか?
更生や再生の手続が失敗したとき、裁判所が職権で破産手続を開始する仕組みです。会社更生法252条が根拠で、再建から清算への空白を作らず接続します。
Q2会社更生法252条の1項と2項の違いは?
1項は破産前の会社につき裁判所が職権破産を『できる』裁量規定、2項は更生計画認可後の廃止確定につき『しなければならない』義務規定です。
Q3会社更生が失敗したら破産はいつ始まりますか?
第1項は更生手続終了事由(234条1〜4号)の発生時、第2項は更生手続廃止の決定が確定した時点が実質的な起算点です。
Q4職権による破産開始とはどういう意味ですか?
債権者や会社の申立てがなくても、裁判所自身の判断で破産手続を開始することです。252条はこの職権破産を定めています。
Q5更生手続が廃止されると債権はどうなりますか?
破産へ移行すると、債権は破産債権として扱われ配当順位が再編されます。優先・一般・劣後の区別を再確認する必要があります。
Q6牽連破産で破産債権の届出はいつまでにすべきですか?
破産移行後、裁判所が定める破産債権の届出期間内です。期間を過ぎると配当から除斥されうるため、通知が来たら速やかに準備します。
Q7会社更生と民事再生の違いは何ですか?
会社更生は大規模な株式会社向けで手続が重く担保権も拘束します。民事再生は中小・個人にも使え手続が軽い再建型です。
Q8但書「既に開始された再生手続がある場合」とは何を意味しますか?
第1項但書は、その会社に既に民事再生手続が進行している場合は職権破産をしない趣旨で、別の再建ルートへの配慮です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が会社更生を申し立てたら、もう売掛金は戻ってこないんですか?
全額でなくとも、戻る可能性はあります。更生手続では更生計画に従って一部弁済されることが多く、いきなり破産になるより回収率が高い傾向があります。ただし更生が失敗し252条で破産へ移行すると、配当水準はぐっと下がります。実務のポイント:会社更生を申し立てた相手の取引先がまずすべきは、相殺できる債務がないかの確認です。相手に支払う債務があれば、自社の債権と相殺して実質的に優先回収できる場合がある。ただし手続開始後は相殺に制限がかかるので、開始前にどう動くかが分かれ目になります
Q2会社更生と破産で、社員の給料の扱いはどう違うんですか?
どちらでも未払賃金は法律上保護されますが、位置づけが違います。更生では共益債権や優先的更生債権として、破産では財団債権や優先的破産債権として、一般の債権より先に支払われる枠に入ります。実務のポイント:会社が更生でも破産でも賃金を払えないほど資金がない場合、独立行政法人労働者健康安全機構の『未払賃金立替払制度』で一定範囲を国が立て替えてくれます。この制度を知っているかどうかで、実際に手元へ入る金額が変わる。会社側からは積極的に案内されないことも多いので、自分から動く必要があります(最新の改正状況をご確認ください)
Q3更生計画が一度認可されたのに、その後で破産することなんてあるんですか?
あります。252条2項がまさにその場面です。認可決定で当初の破産手続が効力を失った後、計画を履行できず更生手続廃止が確定すると、裁判所は職権で破産手続開始を『しなければならない』。認可はゴールではなく、履行が続く限り破産の影は消えません。実務のポイント:第1項の破産前の会社は裁判所の『裁量(できる)』、第2項の認可後の廃止は『義務(しなければならない)』です。この『できる』と『しなければならない』の一語差が、債権者が次の手続を見守れるのか、自動的に破産が始まるのかを分ける。実務家はまず、その事案がどちらの項に当たるかを見ます
間違えやすい点 AI による整理
- 『会社更生が失敗したら、また振り出しに戻って債権者が改めて破産を申し立て直す必要がある』と思われがちだが、252条は裁判所が職権で破産を開始する仕組みを用意している。空白期間を作らず、更生の失敗が自動的に破産へと接続される。手続の谷間に落ちて宙ぶらりんになる、ということが起きにくい構造になっている
- 会社更生イコール再建、と知っている人は多い。だがその『再建』が失敗したとき何が起きるかまで理解している人は少ない。更生計画が一度認可されても(第2項)、その後に履行できず廃止されれば破産は義務的に開始される。認可はゴールテープではなく、まだ崩れうる途中地点にすぎない。深刻なのは、認可で安心した債権者ほど、この第二の落下に備えていないという点だ
- 『株主だから、会社が生き残れば株の価値も戻る』という前提自体が倒産法では崩れる。更生でも破産でも株主は債権者より後順位で、多くの場合は減資で株式価値が事実上ゼロになる。あなたが見ている『会社が残るかどうか』と、法が見ている『誰がいくら回収するか』は、まったく別の地図だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の場面 | 252条1項:破産前の会社に終了事由(234条1〜4号)が生じた場合 | 252条2項:更生計画認可後に更生手続廃止が確定した場合 251条:牽連破産の申立てに基づく場合 |
| 裁判所の権限 | 職権で破産開始『できる』(裁量) | 職権で破産開始『しなければならない』(義務) 申立てに基づき開始 |
| 但書による例外 | 既に再生手続がある場合は職権破産しない | 251条1項後段の申立てに基づく場合は本項によらない — |
| 債権者への影響 | 再生への切替え余地が残るため移行は見送られうる | 宙ぶらりんを確実に解消し秩序ある清算へ 申立人主導で時期をコントロール可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社の重整(公司法)と破產(破產法)が別制度。重整裁定の駁回や重整失敗時の破產宣告は、日本の牽連破産に近い接続だが職権連続の自動性は弱い。
韓国は会生(再建)と破産を一本の法律(DRBA)で規律し、6条が견련파산(牽連破産)を明文化。回生手続廃止後の職権破産は日本252条と機能的にほぼ同じ。
ドイツは倒産手続が一元化されており、再建(Insolvenzplan)と清算が単一手続内で連続する。独立した『牽連破産』概念はなく、計画頓挫時も同一手続のまま清算へ移る点が日本と構造的に異なる。
米国は Chapter 11(再建)から Chapter 7(清算)への conversion を § 1112が規律。日本の旧会社更生法は Chapter X を範としており、252条の発想の源流に近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が会社更生を申し立てた。あなたは納品済みの代金800万円が未回収のまま、更生計画が動けば一部は戻ると期待していた。だが計画が頓挫し252条2項で破産へ移行すれば、あなたの債権は破産債権として扱われ、配当の列の後ろへ回される。回収率は更生計画下の弁済とは別物になる
- もし、勤め先が会社更生に失敗して破産に切り替わったら、未払いの給料はどうなる? 労働債権は破産手続でも優先的に保護される枠があるが、債権届出をしなければ一円も配当されない。残された時間は裁判所が定める届出期間まで。通知を待って動き出すと間に合わないことがある
- あなたが中小の株式会社の経営者で、再建を信じて会社更生を選んだとする。だが計画が認可されても履行できず廃止が確定すれば、252条2項で破産は義務的に開始される。再建か清算か、入口の選択がそのまま出口の分岐になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先が会社更生を申し立てたら、まず自社の債権額、担保の有無、相手に対して払うべき債務(相殺の材料)がないかを洗い出す2. 更生でも破産でも『債権届出』をしなければ配当はゼロ、裁判所が定める届出期間を必ず確認し期限内に届け出る3. 252条で破産へ移行したら、破産債権としての順位(優先・一般・劣後)を再確認、労働債権や租税は優先される枠がある4. 担保があれば別除権、相殺できるなら行使時期に注意。回収見込みと費用を天秤にかけ、少額なら届出のみで実費を抑える
訴えられた側:1. 入口で会社更生・民事再生・破産のどれを選ぶか専門家と詰める。更生は大規模な株式会社向けで手続が重い2. 更生計画は『認可』がゴールではない、履行できなければ252条2項で破産が義務的に開始される前提で資金計画を組む3. 第1項但書(既に再生手続がある場合は職権破産にしない)を踏まえ、民事再生への切替え余地も検討4. 経営者保証がある場合、会社の破産と経営者個人の責任は別問題、個人の再生や自由財産の確保も並行して相談する
時効(請求できる期限):252条自体に当事者が動く期限はないが、破産移行後は裁判所が『破産債権の届出期間』を定め、これを過ぎると配当から除斥されうる(破産法198条等、最新の改正状況をご確認ください)。第1項は更生手続終了事由(234条1号から4号)の発生時、第2項は更生手続廃止の決定の確定が実質的な起算点となる
学説
通説:252条1項を裁量(できる)、2項を義務(しなければならない)と区別するのは、1項では民事再生など別の再建ルートが残りうるのに対し、2項では認可決定により当初の破産手続が失効した宙ぶらりんの状態を確実に解消する必要があるためと解する。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)新法制定 現行会社更生法(平成14年法律第154号)の全部改正により、旧会社更生法を全面的に置き換えて成立。更生手続の終了に伴う職権破産(牽連破産)の規律が現行252条として整備された。その後の個別改正の有無・内容は要人的検証
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:現行会社更生法(平成14年法律第154号)の全部改正により旧会社更生法を全面的に置き換え、更生手続の終了に伴う職権破産(牽連破産)の規律が現行252条として整備された。その後の個別改正の有無・内容は要人的検証。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める