会社更生法 第205条(届出をした更生債権者等の権利の変更)
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- 更生計画認可の決定があったときは、届出をした更生債権者等及び株主の権利は、更生計画の定めに従い、変更される。
- 2.届出をした更生債権者等は、その有する更生債権等が確定している場合に限り、更生計画の定めによって認められた権利を行使することができる。
- 3.更生計画の定めによって株主に対し権利が認められた場合には、更生手続に参加しなかった株主も、更生計画の定めによって認められた権利を行使することができる。
- 4.会社法第百五十一条から第百五十三条までの規定は、株主が第一項の規定による権利の変更により受けるべき金銭等について準用する。
- 5.第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。
この条文の基本情報
届出をした更生債権者等の権利の変更とは何ですか?
定義届出をした更生債権者等の権利の変更とは、会社更生法第205条に定められた規定で、「更生計画認可の決定があったときは、届出をした更生債権者等及び株主の権利は、更生計画の定めに従い、変更される。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第205条(届出をした更生債権者等の権利の変更)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第205条の条文原文は「更生計画認可の決定があったときは、届出をした更生債権者等及び株主の権利は、更生計画の定めに従い、変更される。」で始まります。
- 会社更生法第205条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第205条の前の条は会社更生法第204条です。
- 会社更生法第205条の次の条は会社更生法第206条です。
- 会社更生法第205条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第205条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第205条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/205
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法205条は、更生計画認可の決定により届出をした債権者等と株主の権利が計画の定めに従い変更されると定める。届出債権者は債権が確定している場合に限り計画上の権利を行使できる。
Q · 取引先が会社更生になったら、届け出た売掛金はどうなるの?
計画認可で計画どおりに変更され、確定した債権だけ行使できます
会社更生法205条1項により、更生計画認可の決定があると、届出をした更生債権者等と株主の権利は計画の定めに従って一律に変更されます。同意の有無に関わらず、認可決定そのものが権利を作り替えます(形成的効力)。ただし2項により、計画で認められた権利を行使できるのは債権が「確定」している場合に限られます。届け出ただけでは足りず、管財人が異議を述べたら査定の申立てなどで確定まで持っていく必要があります。一方、株主は手続に参加していなくても計画で認められた権利を行使できます(3項)。
解説
取引先の大手メーカーが会社更生を申請した。あなたが持つ売掛金800万円は、更生計画が裁判所に認可された瞬間、計画書に書かれた額(たとえば弁済率8% の64万円)へと自動的に書き換えられる。これが205条の威力だ。あなたが同意しようがしまいが、認可決定さえ下りれば、届出をした全債権者の権利は計画の定めどおりに一律変更される(裁判所の決定そのものが権利を作り替える形成的効力)。さらに残酷な仕掛けが2項にある。計画で認められた権利を行使できるのは、あなたの債権が「確定」している場合に限られる。届け出ただけでは足りない、確定まで持っていかなければ、削られた後の64万円すら受け取れない。一方、株主は手続に参加していなくても計画で認められた権利を行使できる(3項)。債権者には確定という関門、株主にはフリーパス、この非対称をあなたは知っておくべきだ。
法的な位置づけ
会社更生法205条は更生計画認可の決定の効力を定める規定であり、認可決定があったときは届出をした更生債権者等及び株主の権利が更生計画の定めに従い変更される。届出をした債権者は債権が確定している場合に限り計画上の権利を行使でき、手続に参加しなかった株主も計画で認められた権利を行使できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.更生手続開始を確認し届出期間内に債権を届け出る 取引先の更生手続開始を知ったら、まず裁判所が定める届出期間を確認し、期間内に更生債権を届け出る。届出を怠ると計画認可と同時に失権し、原則として1円も戻らない
- 2.管財人の認否を確認する 提出後、管財人が作成する更生債権者表で自分の債権が認められたか(認否)を確認する。異議が付いている場合は確定していないため、放置せず次の手続に進む
- 3.異議が付いたら査定の申立てで債権を確定させる 管財人が異議を述べた債権は、定められた期間内に査定の申立て(または訴訟)を行い、額と内容を確定させる。205条2項の確定要件を満たさなければ計画上の弁済すら受け取れない
- 4.債権者集会の議決で弁済条件を精査・交渉する 計画案の議決前に、自分が属する組の弁済率・弁済期・債権の株式化を精査する。不利なら反対票と意見を出して条件を動かす。認可されれば205条で固定されるため、ここが回収率を上げる唯一のてこ
- 5.認可後、確定債権について計画どおりの弁済を受領する 認可決定後は、確定した自分の債権について計画の定めに従い弁済を受ける。共益債権・少額債権として優先弁済の対象にならないかも併せて確認する
よくある質問 AI による整理
Q1更生計画認可の決定とは何ですか?
裁判所が更生計画を認可する決定です。会社更生法205条により、認可があると届出をした債権者等と株主の権利が計画の定めどおりに一律変更される形成的効力を持ちます。
Q2更生債権の確定とはどういう意味ですか?
届け出た債権について管財人が認め、または査定・訴訟で争いが決着し、額と内容が法的に固まることです。確定しないと205条2項により計画上の弁済を受け取れません。
Q3会社更生で債権を届け出ないとどうなりますか?
届出期間内に届け出ないと、更生計画認可と同時に失権し、原則として弁済を受けられなくなります。205条が保護するのは届出をした債権者に限られます。
Q4共益債権と更生債権の違いは何ですか?
更生債権は手続開始前の原因に基づく債権で計画でカットされます。共益債権は手続開始後の継続取引等で生じ、計画によらず随時優先弁済される点が決定的に異なります。
Q5会社更生と民事再生で権利変更はどう違いますか?
両者とも認可で権利が一律変更されますが、会社更生は管財人主導で担保権者・株主も手続に取り込むのに対し、民事再生は原則として担保権を別除権として扱う点が異なります。
Q6更生計画で株主の権利はどうなりますか?
計画で株主に権利が認められれば、手続に参加しなかった株主も行使できます(205条3項)。ただし実務では100% 減資で株主の権利がゼロになることも多くあります。
Q7更生債権の査定の申立てとは何ですか?
管財人が認否で異議を述べた届出債権について、裁判所に額と内容を確定してもらうための申立てです。期間内に行わないと債権が確定せず弁済を受け取れません。
Q8共助対象外国租税とは何ですか?
租税条約等に基づき日本が外国のために徴収共助を行う対象の外国税です。205条5項により、その請求権の権利変更の効力は共助との関係でのみ主張できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が会社更生になったら、売掛金は全部パーですか?
全部パーとは限りません。205条で権利は『計画の定めに従い』変更されるので、弁済率がゼロでなければ一部は戻ります。さらに手続開始後の取引で生じた債権は共益債権として優先弁済される余地があります。実務のポイント:弁護士が真っ先に確認するのは、あなたの債権が更生手続開始の前か後かです。開始後の継続取引分は満額に近い弁済を受けられることが多く、同じ取引先でも『いつの請求か』で回収率が天と地ほど変わる
Q2債権を届け出たのに弁済が受けられないって、どういうことですか?
2項のせいです。届出をしても債権が『確定』していなければ、計画で認められた権利は行使できません。管財人が認否で異議を述べると、査定の申立てや訴訟で確定させる必要があります。実務のポイント:管財人が異議を付けても、債権者が放置すれば債権は確定しないまま消えます。対応期間は短く、届け出て安心して放置した人ほど、削られた後の弁済すら取り逃がす。毎回この穴に落ちる債権者が一定数いる
Q3株主は何もしなくても権利がもらえるって本当ですか?
本当です。3項により、更生手続に参加しなかった株主も、計画で認められた権利(新株・金銭等)を行使できます。会社法151条以下が準用され、株式に質権があれば質権者の権利も及びます。実務のポイント:会社更生では株主の権利は100% 減資で消えることが多く、3項の『認められた権利』が実際にはゼロのケースも珍しくない。『株主だから安心』ではなく、計画案で株主にいくら割り当てられたかを必ず確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「債権を届け出れば安心」と考えるのは、問いの立て方そのものが間違っている。届出はスタート地点にすぎない。2項が要求するのは「確定」だ。管財人が異議を述べれば、査定や訴訟で確定まで持っていかなければ、計画で認められた弁済すら手に入らない
- 「認可されたら全額あきらめるしかない」と思われがちだが、変更されるのはあくまで計画の定めに従ってであり、ゼロになるわけではない。弁済率・弁済期・債権の株式化など、計画案が固まる前の債権者集会の議決を通じて条件を動かす余地が残っている
- あなた(債権者)から見れば株主は最後に責任を取るべき立場だが、法律から見れば3項は参加すらしなかった株主に権利を自動付与する。経営に失敗した会社の株主が何もせず計画の利益を受け取る、この落差が債権者の神経を逆なでする。ただし実務では株主の権利は減資でゼロになることも多い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 205条:認可決定による届出債権者等・株主の権利の一律変更 | 204条:届出を怠った債権の免責(失権) 207条:更生債権者表の記載の確定判決と同一の効力 |
| 保護される者 | 届出をし、かつ債権が確定した債権者等・株主 | 届出をしなかった者は免責され失権 確定した届出債権者(債務名義に準じる効力) |
| 効力の性質 | 認可決定の形成的効力(同意不要で権利を変更) | 免責的効力(権利の消滅) 確定判決と同一の確定効・執行力に準じる効力 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公司重整も関係人会議の可決と法院の裁定認可を経て権利が変更される。認可により全関係者を拘束する点で日本と構造が近い。
韓国も会生計画認可決定の効力として権利変更を定め、届出と確定を前提とする点で日本法と並行する。
ドイツの Insolvenzplan も計画の確定(Rechtskraft)により当事者に対し権利変更の効力を生じる。再建型計画で全債権者を拘束する発想は共通。
米国 Chapter 11では plan の confirmation により計画が全関係者を拘束し、債務が discharge・modify される。日本の会社更生法はこの reorganization 手続を継受した。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が更生手続開始。届出期間はあと10日。期間内に債権を届け出なければ、計画認可と同時に失権し、1円も戻らない。205条が守るのは「届出をした」債権者だけで、黙っていた者は地図から消される
- もし、あなたの会社が下請けで、元請けの大企業が会社更生に入ったら? 既存の売掛金は計画認可で大幅カットされる。だが手続開始後の継続取引で生じた債権は共益債権として優先弁済される余地がある。同じ取引先でも「いつの請求か」で回収率が桁違いに変わる
- あなたは更生会社の少数株主。手続に何も参加しなかった。それでも計画で新株や金銭が割り当てられれば、3項により自動で受け取れる
- 債権を届け出たが、管財人が認否で「異議あり」とした。査定の申立てをせず放置したら、債権は確定せず、計画で認められた弁済すら受け取れない。2項の確定要件が牙をむく
- 海外子会社向けの債権を持つあなた。共助対象外国租税が絡む場面では、5項により権利変更の効力主張に特殊な制約がかかる。国内債権と同じ感覚で動くと、徴収共助との関係で足をすくわれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先の更生手続開始を知ったら、まず届出期間を確認し、期間内に債権を届け出る(怠れば認可と同時に失権する) 2. 管財人の認否を確認、異議が付いたら査定の申立てで確定まで持っていく(放置は禁物) 3. 手続開始後の継続取引分は共益債権・少額債権として優先弁済の対象にならないか主張4. 計画案の議決では組ごとの弁済率を精査し、不利なら反対票と意見を出して条件を動かす
訴えられた側:1. 管財人・更生会社側なら、更生債権の認否を正確に行い、不当な請求には異議を述べて確定を争う2. 計画案では債権者の組分けと弁済率を、事業継続と債権者の納得が両立するよう設計3. 認可後は計画の定めに従った弁済を確実に履行、不履行は手続の取消し・牽連破産のリスクに直結4. 株主への権利付与(3項)と会社法151条以下の準用に注意し、質権者への対応も漏らさない
時効(請求できる期限):205条自体に時効はないが、権利行使の前提となる債権の届出・確定には手続上の期間制限がある。裁判所が定める届出期間を過ぎると失権する。認否で異議が付いた債権は、定められた査定の申立期間内に動かなければ確定できない(手続期間は事件ごとに異なるため、最新の決定をご確認ください)
学説
通説:更生計画認可の決定は形成的効力を有し、認可によって届出をした更生債権者等及び株主の権利が計画の定めに従い当然に変更されると解される。2項の確定要件は、権利を現実に行使できる者の範囲を客観的に画する趣旨とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:米国連邦倒産法の reorganization 手続を範に、再建型倒産手続として旧会社更生法(昭和27年法律第172号)を制定。
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法を全部改正(平成14年法律第154号)。現行205条の体系に整理され、共助対象外国租税に関する5項などが後の改正で整備された。
- 会社更生法 第199条更生計画認可の決定、本条の権利変更の前提(現行効力を要確認)
- 会社更生法 第203条更生計画認可の決定の効力発生の時期(現行効力を要確認)
- 会社更生法 第204条更生債権等の免責、届出を怠った債権の失権(現行効力を要確認)
- 会社更生法 第207条更生債権者表の記載の確定判決と同一の効力(現行効力を要確認)
- 会社法 第151条株式の質入れの効果、4項で準用
- 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律 第11条共助対象外国租税の徴収共助、5項で参照(通称 租税条約等実施特例法、現行効力を要確認)
- 民事再生法 第179条再生計画認可による権利変更の並行規定(現行効力を要確認)
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