会社更生法 第140条(退職手当の請求権の届出の特例)
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- 更生会社の使用人の退職手当の請求権についての更生債権等の届出は、退職した後にするものとする。
- 2.更生会社の使用人が第百三十八条第一項に規定する債権届出期間の経過後更生計画認可の決定以前に退職したときは、退職後一月の不変期間内に限り、退職手当の請求権についての更生債権等の届出をすることができる。
- 3.前二項の規定は、更生会社の取締役、会計参与、監査役、代表取締役、執行役、代表執行役、清算人又は代表清算人の退職手当の請求権について準用する。
この条文の基本情報
退職手当の請求権の届出の特例とは何ですか?
定義退職手当の請求権の届出の特例とは、会社更生法第140条に定められた規定で、「更生会社の使用人の退職手当の請求権についての更生債権等の届出は、退職した後にするものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第140条(退職手当の請求権の届出の特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第140条の条文原文は「更生会社の使用人の退職手当の請求権についての更生債権等の届出は、退職した後にするものとする。」で始まります。
- 会社更生法第140条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第140条の前の条は会社更生法第139条です。
- 会社更生法第140条の次の条は会社更生法第141条です。
- 会社更生法第140条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第140条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第140条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/140
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法140条は、更生会社の使用人の退職手当の届出は退職後に行うと定め、債権届出期間経過後に退職した場合は退職後一月の不変期間内に限り届出ができる。役員にも準用される。
Q · 会社が更生手続中に退職したら、退職金はいつまでに届け出ればいいの?
届出期間後に退職したら退職後1ヶ月の不変期間内まで
会社更生法140条により、退職手当の更生債権等の届出は退職した後に行います(1項、退職前の届出は不可)。第138条の債権届出期間内に退職した者はその期間内に届け出ますが、届出期間経過後・更生計画認可決定前に退職した者は、退職後1ヶ月の不変期間内に限り届出ができます(2項)。この1ヶ月は裁判所も伸ばせない不変期間で、1日でも過ぎると退職手当の更生債権部分は手続内で行使できなくなります。役員の退職慰労金にも準用されます(3項)。
解説
勤め先が会社更生手続に入った。長年積み立ててきたはずの退職金がどうなるのか、不安で眠れない夜を過ごしているかもしれない。ここに、ほとんどの人が知らない罠がある。退職金の請求権は、まだ退職していない段階では届け出ることができない(第1項)。そして、第138条の債権届出期間が過ぎた後、更生計画認可の決定より前に退職した場合、あなたに残された時間はたった1ヶ月。しかもこれは「不変期間」、つまり裁判所が伸ばすことを一切認めない締切だ(第2項)。1日でも過ぎれば、退職金の請求権は手続の中で原則として行使できなくなる。さらにこのルールは、平社員だけでなく取締役、会計参与、監査役、執行役、清算人にも準用される(第3項)。役員だから安心ということはない。退職した日の翌日から、見えない砂時計が落ち始めている。
法的な位置づけ
会社更生法140条は、更生会社の使用人および役員の退職手当の請求権について更生債権等の届出時期の特例を定める規定である。届出は退職後に行うべきものとされ、第138条の債権届出期間の経過後に退職した者は退職後一月の不変期間内に限り届出ができる。一般の債権届出期間とは別個の手続的窓口を画する特則である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.退職を決める前に届出期間を確認する 退職届を出す前に、管財人または裁判所書記官へ第138条の債権届出期間と更生計画認可の見込み時期を確認する。届出期間内に退職するか経過後に退職するかで、適用される届出ルールが変わるため
- 2.退職金額の根拠資料を揃える 就業規則・退職金規程・退職金計算書を集め、請求できる退職手当の額とその算定根拠を確定する。共益債権にあたる部分と更生債権にあたる部分の区分も意識して準備する
- 3.退職日翌日からの締切をカレンダーに記入 届出期間経過後に退職した場合、退職した日の翌日を起算点として1ヶ月後を赤で記入する。140条2項の不変期間は裁判所も伸長できないため、最初に締切を可視化することが最大の防御になる
- 4.不変期間内に更生債権等の届出を行う 退職後1ヶ月の不変期間内に、退職金額の根拠資料を添付して退職手当の更生債権等の届出を管財人へ提出する。退職前の届出は認められないため、退職の事実が生じた後に速やかに行う
- 5.並行して立替払制度を相談する 労働基準監督署で賃金の支払の確保等に関する法律の未払賃金立替払制度を相談し、労働者健康安全機構からの別ルートの回収も確保する。更生手続の届出とは独立して進められる
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生中に退職したら退職金はもらえますか?
全部消えるとは限りません。退職手当は共益債権部分と更生債権部分に分かれ、更生債権部分は会社更生法140条の期限内に届け出れば手続内で行使できます。届出を怠ると更生債権部分は失権します。
Q2退職手当の届出はいつまでにすればいいですか?
第138条の債権届出期間内に退職した者はその期間内、届出期間経過後に退職した者は退職後1ヶ月の不変期間内です(会社更生法140条2項)。退職前には届け出られません。
Q3不変期間とは何ですか?
裁判所が伸長を一切認めない厳格な法定期間です。140条2項の退職後1ヶ月はこれにあたり、病気や書類不備などの事情があっても延長されません。1日でも過ぎれば失権します。
Q4役員の退職慰労金もこの届出期限の対象ですか?
対象です。会社更生法140条3項により、取締役・会計参与・監査役・執行役・清算人等の退職手当請求権にも1項・2項が準用されます。経営側だった人も同じ期限に縛られます。
Q5退職金を届け出る前に退職する必要がありますか?
必要です。140条1項は退職手当の届出は退職した後に行うものと定めており、在職中に将来の退職金を先に届け出ることはできません。退職という事実が届出の前提です。
Q6届出期限を1日過ぎたらもう請求できませんか?
更生債権部分は原則として手続内で行使できなくなります。ただし会社更生法130条の共益債権にあたる範囲は届出がなくても随時弁済の対象になりうるため、全額が消えるわけではありません。
Q7届け出なかった退職金は別ルートで回収できますか?
賃金の支払の確保等に関する法律の未払賃金立替払制度により、労働者健康安全機構から未払退職金の一部を立替払してもらえる可能性があります。更生手続の届出とは別ルートです。
Q8退職手当の更生債権はいくらまで優先されますか?
会社更生法130条により使用人の給料・退職手当の一定範囲は共益債権として随時弁済され、それを超える部分が更生債権として計画に従い扱われます(現行効力を要確認)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が更生手続に入ったら、退職金は全部もらえなくなるんですか?
全部消えるとは限らない。退職金は更生手続で二つに分かれる。一定範囲は共益債権として優先的に随時弁済され(会社更生法 第130条、現行効力を要確認)、それを超える部分が更生債権として計画に従い減額されうる。実務のポイント:更生債権部分が削られても、賃金の支払の確保等に関する法律の立替払制度で労働者健康安全機構から一部を別途回収できる。管財人がこの制度を積極的に案内しないこともあるので、自分から労働基準監督署に問い合わせるのが賢い
Q2退職金の届出を1日でも過ぎたら、本当にもうダメなんですか?
原則として、届け出なかった退職金の更生債権部分は手続の中で行使できなくなる。第2項の1ヶ月は不変期間で、裁判所も延長できない厳格な締切だ。ただし共益債権に当たる部分は届出がなくても随時弁済の対象になりうる。実務のポイント:「退職してから落ち着いて請求すればいい」と考える人ほど取りこぼす。退職を決めた瞬間に届出書類の準備を始め、退職日翌日から日数を自分でも数えるのが鉄則。期限管理を会社や管財人任せにしない人だけが間に合う
間違えやすい点 AI による整理
- 「辞めれば退職金は自動的に支払われる」と思っている人が多いが、視点を法律側に移すと景色が反転する。あなたから見れば「辞めたから受け取る」だが、手続から見れば「届出という能動的行為をしなければ、その請求権は手続上存在しないも同然」。この受け身と能動の落差が、何もしなかった人の退職金を消す
- 「退職金を全額もらえるか」という問いの立て方そのものがずれている。更生手続では退職金は二つに割れる。一定範囲は共益債権として優先的に随時弁済され(会社更生法 第130条、現行効力を要確認)、それを超える部分は更生債権として計画に従い減額されうる。問うべきは「どこまでが優先扱いで、どこから先が期限内の届出を要するか」だ
- 「届出期限があるのは知っている」という人でも、その期限の硬さを知らない。第2項の1ヶ月は普通の締切ではなく不変期間。裁判所ですら一日も伸ばせない。風邪で寝込んでいた、書類が揃わなかった、そんな事情は一切通用しない。知っているつもりが、深刻さを知らない典型例だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 140条:退職手当請求権の届出時期の特例(退職後・1ヶ月不変期間) | 138条:更生債権等の原則的な債権届出期間 130条:給料・退職手当の共益債権としての優先弁済 |
| 届出の要否 | 更生債権部分は期限内の届出が必要 | 一般の更生債権は届出期間内に届出が必要 共益債権部分は届出なしで随時弁済の対象 |
| 期限の硬さ | 退職後1ヶ月の不変期間(裁判所も伸長不可) | 裁判所が定める債権届出期間 期限ではなく弁済順位の問題 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重整手続で債権申報期間を設けるほか、積欠工資墊償基金により未払退職金の一部を別ルートで保護する点が日本の立替払制度と機能的に類似する
韓国も回生手続で会生債権の届出を要求し、賃金・退職金債権に優先弁済を認める点で日本と構造が近い
ドイツは倒産手続で債権をInsolvenztabelleに届け出る制度をとり、労働債権の保護はInsolvenzgeld(倒産手当)の別制度で補完する
米国はproof of claimの提出を要し、賃金債権に一定額の優先順位(priority)を付与する。再建型はChapter 11が担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが債権届出期間の最終日の翌日に退職届を出したら? 通常の届出の窓はもう閉じている。残されるのは退職日の翌日から数えて1ヶ月、この不変期間だけが、あなたの退職金を手続の中で守る最後の窓になる
- あなたは更生会社の監査役。役員報酬とは別に退職慰労金が積み立てられていた。第3項の準用で、あなたも従業員とまったく同じ1ヶ月の届出期限に縛られる。経営側だったはずの人が、突然「期限を守らねば請求権を失う一債権者」に変わる
- 同僚が「もう辞めて転職する、退職金なんて後でゆっくり請求すればいい」と言っている。だがこの会社は更生手続中。届出期間の前に辞めるか後に辞めるかで手続が全く変わると、あなたが三分で説明できるかどうかで、その人の退職金が残るか消えるかが決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず管財人または裁判所書記官に、債権届出期間と更生計画認可の見込み時期を確認する2. 第138条の届出期間内に退職するなら、その期間内に通常の更生債権等の届出を行う3. 期間経過後に退職した場合は、退職日の翌日から1ヶ月の不変期間内に必ず届け出る(第2項、退職前の届出は不可)4. 退職金額の根拠(就業規則・退職金規程・計算書)を揃えて届出に添付する5. 並行して労働基準監督署で未払賃金立替払制度を相談し、別ルートの回収も確保する
訴えられた側:1. 更生会社の管財人は、退職者が出た時点で第2項の1ヶ月不変期間を本人へ速やかに教示する2. 退職金のうち共益債権に当たる部分(第130条、現行効力を要確認)と更生債権部分を正確に区分し、随時弁済すべき額を漏らさない3. 役員退職慰労金も第3項の準用対象であることを失念しない4. 届出の受理と調査を適切に行い、後の異議手続に備えて記録を残す
時効(請求できる期限):第138条第1項の債権届出期間内に退職した者は、同期間内に届出。届出期間経過後、更生計画認可決定より前に退職した者は、退職後1ヶ月の不変期間内(起算点は退職日の翌日)に限り届出可能。この不変期間は裁判所も伸長できない。退職前の届出は認められない(第1項)
学説
通説:140条2項の退職後一月は不変期間であり、裁判所による伸長を許さない。退職手当請求権は退職という事実によって初めて確定するため、届出は退職後に行うものとされ、在職中の先行届出は認められないと解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年) 会社更生法の全部改正により旧法(昭和27年法律第172号)を全面的に作り直し、退職手当の請求権の届出特例として現行条文を制定
- 平成17年(2005年) 会社法制定に伴う関係法律整備法により、第3項の準用対象に会計参与を追加
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)により旧法を全面的に作り直し、退職手当の請求権の届出特例として現行条文を制定
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う関係法律整備法により、第3項の準用対象に会計参与を追加
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