会社更生法 第105条(価額決定の請求)
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- 被申立担保権者は、申立書に記載された前条第三項第二号の価額(第百七条及び第百八条において「申出額」という。)について異議があるときは、当該申立書の送達を受けた日から一月以内に、担保権の目的である財産(次条において「財産」という。)について価額の決定を請求することができる。
- 2.前条第一項の決定をした裁判所は、やむを得ない事由がある場合に限り、被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。
- 3.第一項の規定による請求(以下この条から第百八条までにおいて「価額決定の請求」という。)に係る事件は、更生裁判所が管轄する。
- 4.価額決定の請求をする者は、その請求に係る手続の費用として更生裁判所の定める金額を予納しなければならない。
- 5.前項に規定する費用の予納がないときは、更生裁判所は、価額決定の請求を却下しなければならない。
この条文の基本情報
価額決定の請求とは何ですか?
定義価額決定の請求とは、会社更生法第105条に定められた規定で、「被申立担保権者は、申立書に記載された前条第三項第二号の価額(第百七条及び第百八条において「申出額」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第105条(価額決定の請求)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第105条の条文原文は「被申立担保権者は、申立書に記載された前条第三項第二号の価額(第百七条及び第百八条において「申出額」という。」で始まります。
- 会社更生法第105条は第一款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第105条の前の条は会社更生法第104条です。
- 会社更生法第105条の次の条は会社更生法第106条です。
- 会社更生法第105条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第105条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第105条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/105
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法105条は、担保権消滅の申出額に異議がある担保権者が、申立書の送達を受けた日から1か月以内に価額決定を請求できると定める。請求には予納金が必要。
Q · 管財人から「あなたの担保は3億円で消します」と通知が来たら、もう争えないの?
送達から1か月以内なら価額決定を請求して争える
会社更生法105条により、担保権消滅の申出額に異議がある担保権者は、申立書の送達を受けた日から1か月以内に、担保目的財産の価額決定を更生裁判所に請求できます。請求には更生裁判所が定める予納金の納付が必要で、納付がなければ請求は却下されます(同条5項)。期限を1日でも過ぎれば申出額がそのまま確定し、差額分の財産的価値は失われます。やむを得ない事由がある場合に限り、期間の伸長が認められる余地があります(同条2項)。
解説
取引先が会社更生手続に入った。あなたの銀行はその会社の工場に根抵当権を設定している。ある日、更生会社の管財人から一通の申立書が届く。「この工場、3億円で担保権を消滅させたい」。だが自行評価では5億円の物件だ。ここで黙っていると何が起きるか。会社更生法105条は、その申立書に書かれた申出額に不服があるなら、送達を受けた日から1か月以内に価額決定を請求できると定める。逆に言えば、1か月を1日でも過ぎれば、管財人の付けた3億円が確定し、差額の2億円はあなたの手から消える。さらに請求には更生裁判所の定める予納金が要る。これを納めなければ、請求そのものが却下される(105条5項)。担保を握る者の最後の防衛線は、この一か月の時計と、予納金の振込の上にしか引かれていない。
法的な位置づけ
会社更生法105条は価額決定の請求を定める規定であり、担保権消滅の許可申立書に記載された申出額に異議がある被申立担保権者が、送達を受けた日から1か月以内に、担保目的財産の価額決定を更生裁判所へ請求できる手続を規律する。請求には予納金の納付を要し、不納付の場合は却下される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申立書の送達日を記録し1か月のカレンダーを引く 担保権消滅の許可申立書が届いたら、まず「送達を受けた日」を正確に記録し、そこから1か月の期限を逆算してカレンダーに落とす。起算点は受領日であり、社内決裁の遅れは考慮されない
- 2.申出額と自社評価の差額を確定する 申立書に記載された申出額と、自社(自行)の担保評価額との差を金額で確定する。差が大きく、増額の見込みが予納金を上回るかを判断する
- 3.外部不動産鑑定士へ即発注する 増額の余地があれば、社内評価ではなく独立した外部の不動産鑑定士へ直ちに鑑定を発注する。1か月以内に鑑定書を価額決定請求に添えられるかが、裁判所が引き上げる価額の説得力を左右する
- 4.更生裁判所へ価額決定の請求を提出する 期間内に更生裁判所(管轄は同条3項)へ価額決定の請求書を提出する。鑑定書その他の疎明資料を添付する
- 5.予納金を必ず納付する 更生裁判所が定める手続費用としての予納金を必ず納付する。納付がなければ請求は却下される(105条5項)。納付期限を期限管理表に二重で記録しておく
- 6.鑑定が間に合わなければ期間伸長を申し立てる 鑑定や社内手続が1か月に間に合わないと分かった時点で、期限到来前にやむを得ない事由による期間伸長を申し立てる(105条2項)。期限切れで権利を失う最悪の事態を避ける
よくある質問 AI による整理
Q1価額決定の請求とは何ですか?
担保権消滅の申出額に不服がある担保権者が、担保目的財産の価額を裁判所に決めてもらうよう求める手続です。会社更生法105条が根拠で、送達から1か月以内に行う必要があります。
Q2価額決定の請求はいつまでにすればよいですか?
担保権消滅の許可申立書の送達を受けた日から1か月以内です(105条1項)。起算点は受領日のため、社内決裁や鑑定の手配を含めると実際に動ける期間は2、3週間しかないことが多いです。
Q3価額決定の請求にお金はかかりますか?
かかります。請求する者は更生裁判所が定める予納金を納付しなければならず(105条4項)、納付がなければ請求は却下されます(同5項)。鑑定費用に充てられるため数十万円から数百万円に及ぶことがあります。
Q41か月の期限を過ぎたらどうなりますか?
管財人が付けた申出額がそのまま確定します。やむを得ない事由がある場合に限り裁判所が期間を伸長できますが(105条2項)、社内手続の遅れ程度では認められないと考えるべきです。
Q5担保権者の同意なく担保を消せるのですか?
会社更生では更生会社が裁判所の許可を得れば担保権者の同意なく担保権を消滅させられます(104条)。担保権者に残された対抗手段が、対価である価額への異議=価額決定の請求です。
Q6価額決定の請求はどこの裁判所にしますか?
価額決定の請求に係る事件は更生裁判所が管轄します(105条3項)。担保権消滅の許可決定をした裁判所と同一系統で手続が進みます。
Q7予納金を納め忘れたらどうなりますか?
更生裁判所は価額決定の請求を却下しなければなりません(105条5項)。鑑定を求める権利を持っていても、振込を失念すれば権利そのものが消えます。
Q8期間の伸長はどんな場合に認められますか?
やむを得ない事由がある場合に限り、被申立担保権者の申立てにより裁判所が伸長できます(105条2項)。鑑定が間に合わないと分かった時点で、期限到来前に申し立てることが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1担保を持っているのに、なぜ会社の言い値で手放さないといけないんですか?
会社更生では、更生会社が裁判所の許可を得れば、担保権者の同意なく担保権を消滅させられます(104条)。担保権者に残された対抗手段が、申出額への異議である価額決定の請求(105条)です。実務のポイント: 申出額は更生会社側が決めるので、当然低めに設定されがち。これに1か月以内に動かなければ低い額が確定する。実務では「申立書が届いた日」を起点に逆算すると、動ける期間は実質2、3週間しかなく、鑑定の手配が間に合うかどうかで結果が分かれる
Q2価額決定の請求をすればお金はかからないんですか?
かかります。請求する者は、更生裁判所が定める金額を手続費用として予納しなければなりません(105条4項)。これを納めないと、裁判所は請求そのものを却下します(同5項)。実務のポイント: 予納金は鑑定費用に充てられるため、対象財産の規模次第で数十万円から数百万円に及ぶことがある。「請求すれば裁判所がタダで適正額を出してくれる」わけではなく、評価増額が見込める金額と予納金を天秤にかけて請求の可否を判断するのが実務の勘所
間違えやすい点 AI による整理
- 「担保権者なのだから、勝手に担保を取り上げられるわけがない」と思い込んでいる。だが会社更生では、更生会社が裁判所の許可を得て担保権を消滅させられる(104条)。あなたの同意は要らない。残された手は、その対価である価額に異議を出すことだけだ
- 1か月の期限があることは知っていても、その1か月が「申立書の送達を受けた日」から起算される点を軽視している。社内決裁や鑑定の手配に2週間使えば、実際に動ける時間は半分。期限の存在より、起算点の早さこそが命取りになる
- 「価額決定さえ請求すれば、あとは裁判所が適正額を出してくれる」と考えがちだが、問い自体がずれている。請求しただけでは足りず、予納金を納めて初めて手続が動く。予納がなければ却下(105条5項)。あなたが立てるべき問いは「請求できるか」ではなく「予納金まで段取りできているか」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の局面 | 105条:申出額への異議=価額決定の請求(担保権者の防衛) | 104条:担保権消滅の許可の申立て(更生会社・管財人の攻め) 148条(民事再生法):民事再生における担保権消滅請求 |
| 起算点・期限 | 申立書の送達を受けた日から1か月以内 | 事業継続に不可欠な財産につき随時申立て可 申立書の送達を受けた日から1か月以内(並行構造) |
| 費用負担 | 請求者が予納金を納付(不納付なら却下、105条5項) | 申出額を低く設定すれば更生会社の負担は軽い 再生債務者が価額相当額を裁判所に納付 |
| 失権リスク | 期限徒過・予納金不納付で申出額が確定 | 過度に低い申出額は価額決定請求を誘発し時間とコスト増 期限徒過で申出額が確定(同様) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公司法の重整手続で担保付債権を重整債権として扱うが、日本のように担保権者の同意なく裁判所許可で担保権を消滅させ価額に異議を出す独立手続は明確には対応しない。価額評価をめぐる攻防という機能面で参照される。
韓国の統合倒産法は회생절차(再生手続)で担保権者を別除権者として扱いつつ、担保目的物の評価をめぐる手続を有する。日本の担保権消滅・価額決定と機能的に近い局面がある。
ドイツ倒産法は担保目的物の換価権を管財人に与え、評価と費用控除(Feststellungs- und Verwertungskostenbeitrag)の枠組みで担保権者と倒産財団の利害を調整する。価額評価が攻防の中心となる点が共通する。
米国連邦倒産法は § 506で担保債権の価額を評価し、§ 363(f) で担保権を消滅させた財産売却(sale free and clear)を認める。担保価額の評価が手続の要となる点で本条と構造的に類似する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- メインバンクとして3億円を融資し、本社ビルに根抵当権を設定していた。取引先が会社更生を申し立て、管財人から「申出額2億円で担保権を消滅させる」と通知が来た。あなたに残された時間は1か月。鑑定書を取り直して価額決定を請求しなければ、1億円が静かに蒸発する
- あなたが更生会社の管財人だとして、事業継続に不可欠な工場の担保権を消滅させたい。申出額を低く設定すれば会社の負担は軽い。だが被申立担保権者から価額決定の請求が来れば、裁判所の鑑定で価額が引き上げられ、予納金や手続の時間も食う。最初の申出額の設計が、その後の攻防の全部を決める
- もし1か月の期間内に価額決定の請求を出し忘れたら、どうなる? 申出額がそのまま確定する。やむを得ない事由があれば裁判所が期間を伸長してくれる余地はあるが(105条2項)、「社内決裁が間に合わなかった」程度では通らないと考えておくべきだ
- 価額決定を請求したのに、裁判所が定めた予納金の振込を失念した。期限が来ても入金がなければ、裁判所は請求を却下しなければならない(105条5項)。鑑定を求める権利を持っていても、振込用紙一枚で権利は消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 申立書が届いたら、まず「送達を受けた日」を記録し、そこから1か月のカレンダーを引く2. 申出額と自行評価の差を金額で確定し、差が大きければ即座に外部鑑定士へ発注3. 期間内に更生裁判所へ価額決定の請求を提出し、裁判所が定める予納金を必ず納付する(納付なきは却下、105条5項) 4. 鑑定が間に合わなければ、期限到来前にやむを得ない事由による期間伸長を申し立てる(105条2項)
訴えられた側:1. 担保権消滅の申立て前に申出額を客観的鑑定で裏付け、過度に低い設定を避ける(価額決定請求を誘発し時間とコストを失う) 2. 被申立担保権者から価額決定の請求が出たら、対抗鑑定の準備と予納金未納の有無を確認3. 事業継続スケジュールと価額決定手続の所要期間を逆算し、更生計画の前提に織り込む4. 価額が引き上げられた場合の資金繰りインパクトを事前に試算しておく
時効(請求できる期限):申立書の送達を受けた日から1か月以内に価額決定の請求をしなければならない(会社更生法105条1項)。起算点は「送達を受けた日」。やむを得ない事由がある場合に限り、被申立担保権者の申立てにより裁判所が期間を伸長できる(同2項)。予納金を納めなければ請求は却下される(同5項)
学説
通説:担保権消滅制度は事業継続に不可欠な財産の担保を対価により外して再建を加速させる仕組みであり、105条の価額決定請求権は、申出額を更生会社側が一方的に決める構造に対する担保権者の財産権保護手段と位置づけられる。予納金と起算点の厳格な期限は、請求の濫用と手続遅延を抑える均衡装置と解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 昭和27年の旧会社更生法を全部改正した新法(平成15年施行)で、民事再生法を参考に担保権消滅制度(104条以下)を新設。本条はその価額決定請求手続として設けられた
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:昭和27年の旧会社更生法を全部改正した新法(平成15年施行)で、先行する民事再生法を参考に担保権消滅制度(104条以下)を整備。本条はその価額決定請求手続として設けられた。
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