会社更生法 第107条(費用の負担)
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- 価額決定の請求に係る手続に要した費用は、前条第二項の決定により定められた価額が、申出額を超える場合には更生会社の負担とし、申出額を超えない場合には価額決定の請求をした者の負担とする。ただし、申出額を超える額が当該費用の額に満たないときは、当該費用のうち、その超える額に相当する部分は更生会社の負担とし、その余の部分は価額決定の請求をした者の負担とする。
- 2.前条第五項の即時抗告に係る手続に要した費用は、当該即時抗告をした者の負担とする。
- 3.第一項の規定により更生会社に対して費用請求権を有する者は、その費用に関し、次条第一項又は第百十二条第二項の規定により納付された金銭について、他の被申立担保権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
- 4.次条第五項の場合には、第一項及び第二項の費用は、これらの規定にかかわらず、更生会社の負担とする。この場合においては、更生会社に対する費用請求権は、共益債権とする。
この条文の基本情報
費用の負担とは何ですか?
定義費用の負担とは、会社更生法第107条に定められた規定で、「価額決定の請求に係る手続に要した費用は、前条第二項の決定により定められた価額が、申出額を超える場合には更生会社の負担とし、申出額を超えない場合には価額決定の請求…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第107条(費用の負担)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第107条の条文原文は「価額決定の請求に係る手続に要した費用は、前条第二項の決定により定められた価額が、申出額を超える場合には更生会社の負担とし、申出額を超えない場合には価額決定の請求…」で始まります。
- 会社更生法第107条は第一款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第107条の前の条は会社更生法第106条です。
- 会社更生法第107条の次の条は会社更生法第108条です。
- 会社更生法第107条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第107条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第107条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/107
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法107条は、価額決定の請求の手続費用について、裁判所の決定額が申出額を超えれば更生会社、超えなければ請求者が負担すると定める。
Q · 担保の価額決定を裁判所に求めたら、その費用は誰が払うことになるの?
決定額が申出額を超えれば会社負担、超えなければ請求者負担です
会社更生法107条により、価額決定の請求の手続費用は、裁判所が決定した価額が申出額を超える場合は更生会社の負担、超えない場合は請求した側の負担となります。ただし超過額が費用に満たないときは按分されます。即時抗告の費用は抗告した者の負担(2項)。さらに3項は費用請求権者に他の被申立担保権者へ優先する弁済権を与え、108条5項のルートでは4項により費用が更生会社負担かつ共益債権に格上げされます。請求するかどうかは、鑑定費用と読みの当たる確率を天秤にかける賭けになります。
解説
取引先が会社更生手続に入った。あなたの会社はその取引先に融資をしており、工場の機械に担保を設定していた。ここで命運を分けるのが、その担保の「価値はいくらか」だ。更生手続では、担保でカバーされる範囲(更生担保権)は手厚く守られるが、足りない部分はただの更生債権に格下げされ、回収率が激減する。だからあなたは担保価値を高く見積もりたい。会社側(管財人)は低く抑えたい。この対立を裁判所に裁いてもらうのが価額決定の請求だ。そして107条は、その請求の「費用を誰が払うか」を定める。裁判所が決めた額が申出額を超えれば更生会社の負担、超えなければ請求した側の負担。つまりこの請求は賭けである。読みが外れれば、鑑定費用を含む手続費用を自腹で背負う。気軽に請求させない抑止装置が、この一条に埋め込まれている。
法的な位置づけ
会社更生法107条は、更生担保権の価額決定の請求に要した手続費用の負担者を定める規定である。裁判所が決定した価額と請求者の申出額との大小により負担者を振り分け、費用請求権には他の被申立担保権者に優先する弁済権を付与する。一定の場合には費用が共益債権となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.担保目的物の客観的な時価資料を集める 不動産なら鑑定評価、機械なら中古市場価格、債権なら回収見込額など、申出額や争いの根拠になる客観資料を揃える。これが価額決定の請求の土台になる
- 2.損益分岐点を計算して請求の是非を決める 想定される鑑定費用と、決定額が申出額を超える確率を並べる。外れたとき自腹で負う費用を覚悟できるかを基準に、請求するか管財人の提示額を飲むかを判断する
- 3.請求期間内に価額決定の請求を申し立てる 会社更生法106条が定める請求期間を厳守して、更生裁判所に価額決定の請求を申し立てる。期間を過ぎると評価を争えなくなる
- 4.費用の回収順位を確認する 決定額が申出額を超えれば費用は更生会社負担となる。3項の優先弁済権や、108条5項ルートでの共益債権格上げ(4項)に該当するかを確認し、回収計画に織り込む
よくある質問 AI による整理
Q1価額決定の請求とは何ですか?
更生手続で担保目的物の価値について会社と担保権者の見立てが食い違うとき、裁判所に価額を決めてもらう請求です。会社更生法106条が手続を、107条が費用負担を定めます。
Q2更生担保権と更生債権はどう違いますか?
担保でカバーされる価値の範囲が更生担保権として手厚く保護され、足りない超過部分は一般の更生債権に格下げされます。配当率が大きく変わるため、価額の評価が争点になります。
Q3価額決定の請求はいつまでにできますか?
請求期間は前条(会社更生法106条)が定める期間に従います。期間を過ぎると担保の価値評価を争う道が閉ざされるため、鑑定書の準備と締切管理が重要です。
Q4価額決定の請求にかかる費用はいくらですか?
主に不動産鑑定や動産評価の鑑定費用で、目的物により数十万円から数百万円になりえます。読みを外せば自己負担となるため、費用と勝算を比較して判断します。
Q5即時抗告の費用は誰が負担しますか?
会社更生法107条2項により、即時抗告に要した手続費用は当該抗告をした者の負担です。抗告するかどうかは費用込みで実益を判断する必要があります。
Q6申出額はどう設計すればいいですか?
低く出せば決定額が超えやすく費用を会社に負わせられますが、認められる更生担保権の額も下がります。この二律背反を計算して設計するのが勝負どころです。
Q7価額決定の費用が共益債権になるのはどんな場合ですか?
108条5項の場面では、107条4項により費用は必ず更生会社の負担となり、しかも共益債権として最優先で回収できます。担保処理の入口の選択が結論を左右します。
Q8会社更生と民事再生で担保の扱いはどう違いますか?
会社更生は担保権を更生担保権として手続に取り込み価額決定で争います。民事再生は担保権消滅許可(民事再生法148条)で価値を確定する別構造で、発想は似ています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1担保を取っているのに、なぜわざわざ価値を裁判所に決めてもらう必要があるんですか?
更生手続では、担保でカバーされる範囲だけが更生担保権として優先的に保護され、足りない部分は一般の更生債権に落ちるからです。会社側と担保権者で価値の見立てが食い違えば、裁判所の価額決定で白黒つけるしかありません。実務のポイント:実務では、鑑定費用を恐れて請求せず管財人の提示額を渋々飲む担保権者が多い。だが107条1項は決定額が申出額を超えれば会社負担と定めており、勝算があれば請求は十分に元が取れる。最初から諦める理由はない
Q2結局、費用は誰がどう払うことになるんですか?
裁判所が決めた価額が申出額を超えれば更生会社の負担、超えなければ請求した人の負担です(107条1項)。ただし超過額が費用より小さいときは按分されます。即時抗告の費用は抗告した人の負担(同2項)。実務のポイント:見落とされがちなのが107条3項で、費用請求権を持つ担保権者は納付された金銭から他の担保権者に優先して回収できる。さらに108条5項のルートなら4項で共益債権に格上げされ最優先で支払われる。費用負担の条文の顔をして、回収順位を動かすカードが隠れている
間違えやすい点 AI による整理
- 「担保さえ取っていれば全額守られる」と思い込んでいるが、更生手続では担保価値の範囲しか更生担保権にならない。価額決定で評価が低く出れば、超過分は更生債権に転落し、配当率が一気に下がる
- 価額決定の請求ができること自体は知っていても、それが「読みを外したら費用を全部かぶる賭け」だと知らない人が多い。鑑定費用は数十万から数百万円になりうる。軽い気持ちで請求して、決定額が申出額に届かなければ、その費用はそっくり自分に返ってくる
- 「費用負担なんて些末な事務処理」と問いを立てた時点で、すでにずれている。107条3項は費用請求権に他の被申立担保権者へ優先する弁済権を与え、4項では一定の場合に共益債権へ格上げする。費用の条文に見えて、実は回収の優先順位を動かす条文だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 107条:価額決定の請求の手続費用の負担者を定める | 106条:価額決定の請求そのものの手続を定める 108条:金銭納付による担保権の消滅を定める |
| 費用負担の基準 | 決定額が申出額を超えれば会社、超えなければ請求者(按分あり) | 費用負担の基準は規定せず手続の前提を定める 費用負担は107条4項により会社負担・共益債権化される場面あり |
| 回収順位への影響 | 3項で費用請求権に優先弁済権、4項で共益債権化 | 回収順位そのものは規定しない 納付金銭が112条等で弁済原資となる |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は独立した会社更生法を持たず、公司法の重整章で重整擔保權として扱う。担保価値の届出・評価をめぐる構図は類似するが、価額決定の費用負担の専用規定の有無は要検証
米国 Chapter 11では § 506(a) が担保債権の価額決定を、§ 506(b) が超過担保時の費用・利息の扱いを定める。担保価値で secured と unsecured を分ける発想は日本の更生担保権と更生債権の区分と共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社が融資先に工場の機械を担保に取っていて、その融資先が会社更生に入ったらどうなる? 機械の評価額が低く出れば、担保でカバーされない分はただの更生債権に転落し、回収率は数パーセントまで落ちる。価額決定を請求して争うか、泣き寝入りするか、その判断を迫られる
- あなたが管財人として更生会社を立て直す側に立ったとする。担保権者が担保価値を高く主張してくる。低い申出額を出して争うと、価額決定で覆されたとき費用を会社が負い、しかも3項により優先弁済まで取られる。申出額をどこに置くかが、再建の資金計画を直接左右する
- 価額決定の請求期間は決まっている。あと数日で締め切りなのに、鑑定書がまだ揃わない。請求するかどうか、今夜決めなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:担保権者として価額決定を請求する側のとき。1. 担保目的物の客観的な時価資料を集める。不動産なら鑑定評価、機械なら中古市場価格、これが申出額の根拠になる2. 申出額を戦略的に設計する。低すぎれば更生担保権の額が減り、高すぎれば決定額が届かず費用を自腹で負う3. 価額決定の請求期間(106条が定める期間)を厳守、過ぎれば争えない4. 請求するなら鑑定費用と勝算を天秤にかけ、外れたときの自己負担を覚悟したうえで踏み切る
訴えられた側:更生会社・管財人として申出額を出す側のとき。1. 申出額は担保目的物の実勢価格を正確に反映させる。低く出しすぎると価額決定で覆され、3項4項により費用負担と優先弁済の重荷を負う2. 相手が価額決定を請求してきたら、自社評価額の根拠資料を整える3. 即時抗告は当該抗告をした者の費用負担(2項)なので、抗告の実益を費用込みで判断する4. 108条5項のルートに進む場合は、費用が会社負担かつ共益債権になる点を資金繰り計画に織り込む
時効(請求できる期限):即時抗告は決定の告知を受けた日から原則1週間以内(会社更生法の即時抗告期間、現行の起算点を要確認)。価額決定の請求自体の期間は前条(106条)が定める期間に従う。期間を過ぎると評価を争う道が閉ざされる
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正(新法制定、要検証) 旧会社更生法(昭和27年)を全面的に改める新法として制定され、更生担保権の価額決定制度が整備されたと解されるが、本条の新設・改正の別および以後の改正履歴は確信がないため人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。旧会社更生法(昭和27年)を全面的に改める新法として制定され、更生担保権の価額決定制度が整備されたと解されるが、本条の新設・改正の別および以後の改正履歴は人的検証が必要
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