会社更生法 第224条の2(株式移転に関する特例)
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- 第百八十二条の四の規定により更生計画において更生会社が株式移転をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、更生債権者等は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、同条第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
- 一第百八十二条の四第二号イに掲げる事項についての定めがある場合同号イの株式の株主
- 二第百八十二条の四第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合同号ロの社債の社債権者
- 三第百八十二条の四第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合同号ハの新株予約権の新株予約権者
- 四第百八十二条の四第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
- 2.前項に規定する場合には、会社法第七百四十条、第八百三条、第八百五条の二及び第八百十条の規定は、更生会社については、適用しない。
この条文の基本情報
株式移転に関する特例とは何ですか?
定義株式移転に関する特例とは、会社更生法第224条の2に定められた規定で、「第百八十二条の四の規定により更生計画において更生会社が株式移転をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、更生債権者等は、株式移転設立完全親会社の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第224条の2(株式移転に関する特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第224条の2の条文原文は「第百八十二条の四の規定により更生計画において更生会社が株式移転をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、更生債権者等は、株式移転設立完全親会社の…」で始まります。
- 会社更生法第224条の2は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第224条の2の前の条は会社更生法第224条です。
- 会社更生法第224条の2の次の条は会社更生法第224条の3です。
- 会社更生法第224条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第224条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第224条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/224_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法224条の2は、株式移転をする更生計画が認可されると、更生債権者等が新設完全親会社の成立日に株式・社債等へ振り替えられ、会社法上の債権者異議手続は適用除外になると定める。
Q · 倒産した取引先の更生計画で、私の債権が勝手に新会社の株式に変えられることってあるの?
あります。あなたの同意は不要で、認可後は異議も出せません
会社更生法224条の2により、更生会社が株式移転をする更生計画が認可されると、更生債権者等は株式移転設立完全親会社の成立の日に、計画の定めに従って自動的に新会社の株主・社債権者・新株予約権者等にされます。あなた個別の同意は不要です。さらに第2項が、通常の株式移転に伴う会社法810条(債権者の異議)・803条(書類の備置き)・805条の2などを適用除外にするため、認可後に異議を申し立てる窓口そのものが閉じます。抵抗できるのは更生計画案の議決段階だけです。
解説
取引先が会社更生を申し立て、あなたの売掛金は宙に浮いた。回収を諦めかけたところに届いた分厚い更生計画案を読んで、目を疑う。「あなたの債権は、新しく作る持株会社の株式に振り替える」と書いてある。これが会社更生法224条の2の世界だ。更生会社が株式移転(既存の会社の上に新しい完全親会社を作る組織再編手法)をする更生計画が認可されると、あなたのような更生債権者等は、その新会社(株式移転設立完全親会社)の成立の日に、計画の定めに従って自動的に株主・社債権者・新株予約権者のいずれかにされる。あなた個人の同意は要らない。さらに第2項が効く。通常の株式移転なら必ずついてくる会社法上の債権者の異議手続(会社法810条)も、計画書類の備置き(同803条)も、簡易手続の規定(同805条の2)も、まるごと適用除外される。裁判所が認可した計画だから、もう文句を言う窓口がない。戦える場所は、認可される前の一本道にしか残されていなかったのだ。
法的な位置づけ
会社更生法224条の2は、株式移転をする更生計画に関する地位変動の特例規定であり、更生会社が株式移転を行う更生計画が認可された場合に、更生債権者等が株式移転設立完全親会社の成立日に計画の定めに従い株主・社債権者・新株予約権者等となる旨、および会社法上の債権者異議手続等を適用除外とする旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生における株式移転とは何ですか?
既存の更生会社の上に新しい完全親会社を新設し、更生債権者等の債権をその新会社の株式・社債等に振り替える組織再編手法です。会社更生法224条の2が地位変動の効果を定めます。
Q2更生債権者等とは誰のことですか?
更生手続開始前の原因で生じた債権を持つ更生債権者のほか、更生担保権者や株主等を含む概念です。本条では計画の定めに従い新会社の株主・社債権者等へ振り替えられる対象になります。
Q3会社が更生すると持っている社債は紙くずになりますか?
紙くずにはなりませんが、計画次第で新会社の株式や別の社債に振り替えられ、約束された利率や償還期限が変わります。回収価値は振替先の形態と新会社の再建可否で決まります。
Q4会社更生と民事再生はどう違いますか?
会社更生は株式会社専用で管財人が経営権を握り担保権も手続に取り込む強力な手続、民事再生は経営陣が残り担保権を別除権として扱う簡易な手続です。株式移転の特例は会社更生側にあります。
Q5株式移転設立完全親会社とは何ですか?
株式移転によって新たに設立され、更生会社の発行済株式の全部を保有する持株会社のことです。本条では、この会社の成立日に更生債権者等の地位が変動します。
Q6更生計画に反対するにはどうすればいいですか?
更生債権者の組(クラス)での議決の際に、議決権を行使して反対の意思を示すのが唯一の実効的手段です。認可後は本条2項により異議手続が閉ざされます。
Q7デット・エクイティ・スワップとは何ですか?
債権(デット)を株式(エクイティ)に転換することです。倒産処理では現金弁済が難しい会社の債権を株式の形で渡す手法で、本条はその一形態を更生計画上で実現します。
Q8更生計画が認可された後に株式移転を覆せますか?
原則できません。本条2項が会社法810条等の債権者異議手続を適用除外にしているためです。認可決定への即時抗告という最後の手段はありますが、計画全体を覆す必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1債権者なのに、勝手に株主にされるなんてことが本当にあるんですか?
あります。会社更生法224条の2は、更生会社が株式移転をする更生計画が認可されると、更生債権者等が新設の完全親会社の成立日に、計画の定めに従って自動的に株主などになると定めています。あなた個別の同意は不要です。実務のポイント:実務ではこれが『デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)』の一形態として使われます。管財人は『どうせ現金では返せない会社だから、株式の形でも価値を渡す方が債権者のためになる』と説明しますが、その株式に流通市場がなければ売るに売れない。振替後の出口(売却先・買取条項)があるかを認可前に確認できるかどうかで、回収の現実味がまるで変わります
Q2認可された後でも、株式移転に異議を申し立てられないんですか?
原則できません。本条2項が、通常の株式移転に伴う会社法810条(債権者の異議)や803条(書類の備置き)、805条の2などをまるごと適用除外にしているからです。裁判所の認可が、それら個別の保護手続の代わりを果たすという建付けです。実務のポイント:だからこそプロは『認可前』に全勝負をかけます。更生債権者の組分け(クラス分け)が自分に不利でないか、議決権の数は適正か、ここを認可前に争うのが定石。認可決定への即時抗告という最後の手段はありますが、計画全体を覆す必要があり、株式移転条項だけを狙い撃ちで外すのはまず通りません
Q3普通株にされるのと、社債や新株予約権付社債にされるのは何が違うんですか?
経済的な立場が根本から違います。182条の4第2号は、債権を普通株式(イ)・社債(ロ)・新株予約権(ハ)・新株予約権付社債(ニ)のどれに振り替えるかを計画で定められるとしています。株式なら議決権と配当、社債なら確定利率と償還期限、というように回収の確実性と上振れ余地のバランスが変わります。実務のポイント:一般に社債型は元本回収の確実性が相対的に高く、株式型は会社が再建に成功したときの値上がり益を狙えるハイリスク型です。どの形にされるかは更生計画次第なので、自分の組がどれに割り当てられているかを認可前に見極めることが、回収戦略の出発点になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「債権者なんだから、最後まで返済を求める権利がある」と考えているなら、問いの立て方そのものが間違っている。株式移転条項のある更生計画が認可された瞬間、あなたの問いは『いくら現金が返ってくるか』から『この新会社の株式に何の価値があるか』へ強制的に書き換えられる。返済を求める相手は、もう存在しない
- あなたから見れば「同意もしていないのに株主にされた」という理不尽だが、法律から見れば「裁判所が認可した更生計画に従っただけ」で完全に適法だ。この落差を理解せず認可後に異議を唱えても、会社法810条の異議手続そのものが本条2項で適用除外になっているため、ぶつける壁すら用意されていない
- 株式移転で『株主にされる』ことは知っていても、その振替先が普通株とは限らず、社債や新株予約権付社債の形を取りうること(182条の4第2号ニ)まで意識している人は少ない。同じ債権の振替でも、普通株か、社債か、予約権付社債かで、あなたが回収できる経済的価値も売却の自由度もまるで違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 組織再編の種類 | 224条の2:株式移転(新設の完全親会社を作る) | 182条の4:株式移転を定める更生計画の根拠規定 224条:株式交換(既存会社を完全親会社にする)の特例 |
| 地位変動の発生日 | 株式移転設立完全親会社の成立の日 | 計画の定めに従う(効果規定は224条の2) 株式交換の効力発生日 |
| 債権の振替先 | 新会社の株式・社債・新株予約権・新株予約権付社債(182条の4第2号) | 計画で株式・社債等のいずれかを指定 完全親会社の株式・社債等 |
| 会社法手続の適用除外 | 会社法740・803・805条の2・810条を適用除外(2項) | 規定なし(根拠条文のため) 対応する会社法手続を適用除外 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重整計畫の中で債権の株式化を行いうるが、株式移転という持株会社新設型の組織再編を更生計画上で一括処理する明文の特例構造までは持たない。
韓国も回生計画における出資転換(債権の株式化)を認め、認可決定が会社法上の手続を代替する点で日本と類似する。
ドイツは2012年の ESUG 改正で Insolvenzplan における debt-equity swap を明文化し、株主の同意を要さずに資本再編できる点で本条と思想を共有する。
アメリカは reorganization plan で債権を株式に転換でき、計画の裁判所認可(confirmation)が全関係者を拘束する。会社更生法はこの Chapter 11/旧 Chapter X 型を母法とする。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが破綻企業の社債を握っていたら、どうなる? 更生計画で社債が新会社の株式に振り替えられた瞬間、あなたは『返済を求める債権者』から『会社を所有する株主の一人』へ立場が裏返る。優先順位も権利の中身も別物になり、約束された利息も償還も消える
- あなたが再生ファンドの担当者で、破綻企業をスポンサーとして買収する側に立つとする。株式移転で持株会社を新設し、旧債権者を少数株主としてその下に組み込む設計を描く。本条2項のおかげで会社法の異議手続を一つずつ踏まなくてよく、新体制の立ち上げが数か月早まる。本条は再建スキームの高速道路だ
- 更生会社が持株会社体制へ移行した。あなたの債権は新会社の株式に化けた。気づけばあなたは、上場廃止になったグループの端株主だ。
- 更生計画案が郵送されてきて、債権者集会の議決まであと10日。この案には株式移転条項が静かに埋め込まれている。今のうちに反対の議決権を行使しなければ、認可後は異議の窓口そのものが閉じる。机に放り込んで忘れた瞬間、あなたは黙って株主にされている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 更生計画案が届いたら、まず株式移転・株式交換・新株発行に関する条項(182条の4など)を探し、あなたの債権がどの形(株式・社債・新株予約権・新株予約権付社債)に振り替えられるかを特定する2. 振替後の経済的価値を試算、普通株なら議決権と配当、社債なら利率と償還期限、を比較し回収の現実味を測る3. 不利と判断したら、更生債権者の組での議決で反対の意思表示と議決権行使を必ず行う、ここが唯一の抵抗点だ4. 認可決定前に管財人や裁判所へ意見を述べる手続を活用し、振替先の出口(売却先・買取条項)の有無を確認する
訴えられた側:ここでの『相手方』は更生会社・スポンサー・管財人など計画を設計する側を指す。1. 株式移転を計画に組み込むなら、182条の4各号(イ株式・ロ社債・ハ新株予約権・ニ新株予約権付社債)のどれを誰に割り当てるか配分を確定する2. 本条2項により会社法740・803・805条の2・810条が適用除外になる前提で、債権者異議手続を省いたスケジュールを組む3. ただし手続省略はあくまで会社法上の話、更生債権者の議決と裁判所の認可という更生法上の関門は残る、ここを軽視すると認可が下りない4. 株式移転設立完全親会社の成立日と債権者の地位変動日を一致させ、設立登記と通知の段取りを詰める
時効(請求できる期限):本条による地位変動は『株式移転設立完全親会社の成立の日』(会社法上の設立登記の日)に生じる。これを実質的に争える期限は更生計画の認可決定より前であり、抵抗するなら計画案の議決段階が事実上の最終期限だ。認可決定に対しては即時抗告の余地があるが(会社更生法の不服申立て規定、現行条番号を要確認)、計画内容そのものを覆すのは極めて困難(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条2項による会社法上の債権者異議手続等の適用除外は、瀕死の更生会社における再建の迅速性を確保する趣旨であり、個別の異議という『点』の保護を、更生債権者の組による議決と裁判所の認可という『面』の保護に置き換えたものと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備法により、株式移転に係る本条の引用条文を旧商法から会社法へ整序し、株式移転設立完全親会社等の概念と接続させた。
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