第百八十二条の五の規定により更生計画において更生会社が株式交付をすることを定めた場合には、会社法第七百四十条、第八百十六条の二、第八百十六条の五及び第八百十六条の八の規定は、更生会社については、適用しない。
要点会社更生法224条の3は、更生計画で株式交付を定めた場合、会社法の債権者異議手続や反対株主の株式買取請求を更生会社について適用除外とし、更生計画認可手続に一本化する規定である。
Q · 会社が更生手続に入っても、株式交付に反対する株主は買取請求で抜けられる?
いいえ、更生会社では会社法の買取請求や異議手続は使えません
会社更生法224条の3により、更生計画で更生会社が株式交付をすると定めた場合、会社法740条の債権者異議手続、816条の2の事前開示、816条の5の反対株主の株式買取請求、816条の8の債権者異議は、更生会社について適用されません。これらの保護は消滅するのではなく、裁判所が監督する更生計画の認可プロセスに統合されます。反対や異議は、関係人集会での議決権行使と認可前の意見陳述という形に移ります。
あなたが株を持っている会社、あるいはお金を貸している会社が経営破綻し、会社更生手続に入った。その更生計画の中に「株式交付」、つまり他社を子会社化するために自社株を対価として渡す取引が組み込まれていたとする。通常、会社法は株式交付に三つの安全装置を用意している。反対する株主が「私の株を買い取れ」と求める権利(816条の5)、債権者が「その取引には異議がある」と申し立てる手続(816条の8)、計画書類を事前に開示させる仕組み(816条の2)。ところが会社更生法224条の3は、更生会社についてこれらを丸ごと適用除外にする。理由は単純で、更生手続では裁判所が監督する更生計画の認可プロセスが、これらの利害調整を一括して引き受けるからだ。あなたの個別の異議権は消えたのではない、計画認可という一つの関門に統合された。どこで戦えばいいかが、平時とは全く違う場所に移る。それを知らずに会社法の条文を頼ろうとすると、塞がれた扉を叩き続けて時間を失う。
会社更生法第224条の3は、更生計画に株式交付(同法182条の5)が定められた場合における会社法手続の適用除外規定である。会社法740条の債権者異議手続、816条の2の事前開示、816条の5の反対株主の株式買取請求、816条の8の債権者異議を更生会社につき適用せず、これらの利害調整を更生計画認可手続へ統合する。
経営破綻した株式会社を清算せず再建するための倒産処理法です。裁判所が選任した管財人のもと更生計画を作成・認可し、事業を継続したまま立て直します。
会社更生は株式会社専用で管財人が経営権を握る強力な手続、民事再生は規模を問わず原則として経営陣が残るDIP型の手続です。担保権の扱いも会社更生の方が強く制約します。
自社株を対価に他社を子会社化する組織再編手法で、2021年施行の比較的新しい制度です。現金を用意せず買収できる点でM&Aの現場で使われ始めています。
債務超過の更生会社では既存株式が大幅に減資・消却されることが多く、株主の権利は更生計画の中で大きく変動します。残余財産がなければ株式価値はほぼ失われます。
関係人集会での可決後、裁判所が法定要件を満たすと判断したときに認可決定が出されます。可決には組ごとの議決権額の一定割合の同意が必要です。
更生債権者・株主など利害関係人が更生計画案の議決権を行使する場です。更生手続では個別の異議に代えて、この集会での多数決が利害調整の中心になります。
回収率は会社の資産状況と更生計画の内容次第で大きく異なります。担保の有無や債権の種類で組分けされ、組ごとに弁済率や弁済期間が定められます。
株式交換は完全子会社化(100%取得)が前提、株式交付は過半数取得など部分的な子会社化でも使えます。手続や反対株主保護の枠組みも異なります。
株式交付が更生計画に組み込まれた場合に限り、会社法816条の5の反対株主の株式買取請求が更生会社について適用除外になります(会社更生法224条の3)。権利が消えるというより、更生計画への議決権行使という別の経路に統合されると理解するのが正確です。業界裏話ヒント:実務で株式交付が絡む更生計画に少数株主が抵抗する手段は、議決権の組分けと多数決構造の分析にほぼ尽きる。倒産法専門の弁護士は、まず議決権額と組分けを見て勝ち目を判断する
黙って受け入れる必要はありません。会社法816条の8の債権者異議は使えませんが、更生計画案そのものに対して関係人集会で議決権を行使し、認可決定の前に意見を述べる道は残っています(会社更生法の更生計画認可手続)。業界裏話ヒント:個別の異議で取引単体を止める発想は更生手続では通用しない。効くのは『計画全体を認可させない』方向の働きかけで、同じ組の債権者を束ねて議決権を固める動きが実質的な交渉力になる
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| 債権者の異議 | 更生時:会社法816条の8の債権者異議手続は適用除外。関係人集会の議決権行使に統合 | — |
| 反対株主の保護 | 更生時:会社法816条の5の株式買取請求は適用除外。更生計画への反対意思表示のみ | — |
| 事前情報開示 | 更生時:会社法816条の2の書面備置き・閲覧は適用除外 | — |
| 利害調整の場 | 更生時:裁判所監督下の更生計画認可手続に一本化 | — |
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