会社更生法 第226条(新会社に異動した者の退職手当の取扱い)
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- 更生手続開始後に更生会社の第二百四条第一項第二号に規定する取締役等又は使用人であった者で、前条第一項に規定する新会社が設立された際に更生会社を退職し、かつ、引き続き当該新会社の同号に規定する取締役等又は使用人となったものは、更生会社から退職手当の支給を受けることができない。
- 2.前項に規定する者の更生会社における在職期間は、退職手当の計算については、同項に規定する新会社における在職期間とみなす。
この条文の基本情報
新会社に異動した者の退職手当の取扱いとは何ですか?
定義新会社に異動した者の退職手当の取扱いとは、会社更生法第226条に定められた規定で、「更生手続開始後に更生会社の第二百四条第一項第二号に規定する取締役等又は使用人であった者で、前条第一項に規定する新会社が設立された際に更生会社を退職し、かつ、引き…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第226条(新会社に異動した者の退職手当の取扱い)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第226条の条文原文は「更生手続開始後に更生会社の第二百四条第一項第二号に規定する取締役等又は使用人であった者で、前条第一項に規定する新会社が設立された際に更生会社を退職し、かつ、引き…」で始まります。
- 会社更生法第226条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第226条の前の条は会社更生法第225条です。
- 会社更生法第226条の次の条は会社更生法第227条です。
- 会社更生法第226条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第226条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第226条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/226
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法226条は、新会社へ移籍した者は更生会社から退職手当を受け取れないが、更生会社での在職期間は退職手当の計算上、新会社での在職期間とみなして通算されると定める。
Q · 会社更生で新会社に移ったら、これまでの退職金は消えてしまうの?
消えません。年数は新会社に通算されます
会社更生法226条1項により、新会社へ移籍した取締役等・使用人は、移籍の瞬間に更生会社(元の会社)から退職手当を受け取ることはできません。ただし退職金そのものが消えるわけではありません。同条2項により、更生会社での在職期間は退職手当の計算上、新会社での在職期間とみなされます。つまり勤続20年で移籍すれば、その20年は失われず、将来新会社を辞めるときの退職金計算にそのまま乗ります。『今は払わない、しかし年数は引き継ぐ』という二段構えです。
解説
勤めていた会社が会社更生手続に入り、事業を引き継ぐ『新会社』が設立された。あなたはそこで働き続けるよう打診される。このとき頭をよぎるのは、これまで積み上げた退職金はどうなるのかという不安だろう。226条はこう答える。新会社に引き続き移った取締役や従業員は、更生会社(元の会社)から退職手当を受け取ることはできない。ここだけ読むと退職金が消えたように見える。だが条文には続きがある。元の会社での在職期間は、退職手当の計算上、まるごと新会社での在職期間とみなされる。つまり勤続20年の人が新会社に移れば、その20年は一日も失われず、将来新会社を辞めるときの退職金計算にそのまま乗る。『今は払わない、しかし年数は引き継ぐ』という二段構えだ。今もらえないことを損と感じる必要はない。むしろ、傾いた会社から無理に退職金を引き出すより、年数を温存して立て直し後に受け取る方が、あなたにとっても会社にとっても合理的なのだ。
法的な位置づけ
会社更生法226条は、更生手続中に設立された新会社へ移籍した更生会社の取締役等・使用人について、更生会社からの退職手当支給を否定する一方、更生会社での在職期間を退職手当の計算上は新会社での在職期間とみなす規定である。退職金の支給時期を繰り延べつつ、勤続年数の連続性を保障し、債権者保護と労働者の期待権保護を両立させる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.新会社への移籍打診時に通算の前提を確認 新会社への移籍を打診されたら、まず会社更生法226条2項の在職期間通算が適用される前提かを確認する。『更生会社を退職し、引き続き新会社の取締役等・使用人になる』ことが要件であり、退職と移籍の連続性が崩れると通算の前提が失われる
- 2.移籍条件書面に通算の明記を求める 移籍の条件書面に、元の会社での勤続年数が新会社に通算される旨が明記されているか確認する。明記がなければ、退職金規程上の通算を書面化するよう求める。新会社に退職金(慰労金)制度自体があるかも併せて確認する
- 3.移籍時の即時清算は要求しない 移籍の瞬間に更生会社から退職手当は支給されない(226条1項)と理解し、無理な清算要求はしない。年数を温存して立て直し後に受け取るほうが、債権者にとっても本人にとっても合理的になることが多い
- 4.将来の退職時に通算年数を検算する 新会社を退職する局面で、元の会社での在職期間が退職金計算に算入されているかを明細で検算する。通算漏れを指摘できれば、見落とされていた数年分の退職金が上乗せされる。退職金明細を受け取った瞬間がチェックの好機
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生になると退職金はどうなりますか?
新会社へ移籍する場合、移籍時には更生会社から退職手当は支給されません(226条1項)。ただし勤続年数は新会社に通算され、将来退職するときの計算に乗ります。
Q2退職金の勤続年数は通算されますか?
通算されます。会社更生法226条2項により、更生会社での在職期間は退職手当の計算上、新会社での在職期間とみなされます。年数は一日も失われません。
Q3新会社に移籍したら入社日はいつになりますか?
退職金計算上は元の会社の入社日から通算されます。移籍日が入社日になるわけではなく、勤続年数は連続したものとして扱われます(226条2項)。
Q4会社更生の新会社とは何ですか?
更生計画に基づき更生会社の事業を引き継ぐために設立される会社です(会社更生法225条)。従業員はこの新会社への移籍を打診されることがあります。
Q5退職手当の消滅時効は何年ですか?
労働者の退職手当請求権は支払期日から5年で時効消滅します(労働基準法115条)。取締役の退職慰労金は委任関係に基づき、民法166条の一般時効が適用されます。
Q6取締役の退職慰労金は新会社で受け取れますか?
226条の通算規定は取締役等にも及びます。ただし退職慰労金は株主総会決議・定款が根拠のため、新会社にその制度自体がなければ受け取る器がない点に注意が必要です。
Q7更生会社に退職金の即時清算を求められますか?
新会社へ移籍する者は、226条1項により更生会社からの退職手当支給を求められません。無理な清算要求は法律上認められず、一部支給も更生財産の流出として問題になります。
Q8会社更生と会社分割で退職金の扱いは違いますか?
構造は似ています。どちらも『形のうえでは別会社、しかし勤続年数は途切れない』設計です。会社分割は労働契約承継法、会社更生は226条2項が年数の連続性を保障します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が会社更生して新しい会社に移ることになりました。退職金はもうもらえないんですか?
移籍の瞬間には更生会社(元の会社)から退職金は受け取れません(226条1項)。ただし消えるわけではなく、元の会社での勤続年数は新会社での在職期間として通算されます(同条2項)。将来新会社を辞めるとき、その年数を含めて退職金が計算されます。実務のポイント:ここで『今すぐ清算してほしい』と求めても法律上支給できない。むしろ年数を温存して立て直し後に受け取る方が得になることが多く、慌てて移籍を断ると通算の恩恵まで失う
Q2新会社に移らずに自分で辞めた場合はどうなりますか?
226条は『引き続き新会社の取締役・使用人になった者』を対象にした規定です。新会社に移らず更生会社を退職する場合は、この不支給・通算のルールは適用されず、退職手当請求権は更生手続の中で更生債権等として扱われます。実務のポイント:『引き続き』移籍するか、完全に離れるかで法的扱いが正反対になる。どちらが有利かは退職金額・更生計画の弁済率次第で、移籍前に試算する価値がある(最新の更生計画の内容をご確認ください)
Q3取締役だった場合も従業員と同じ扱いですか?
226条は『204条1項2号に規定する取締役等又は使用人』を対象とし、取締役等も従業員も同じく不支給・通算の枠内に入ります。ただし退職金の法的根拠は異なり、取締役は株主総会決議・定款に基づく退職慰労金、従業員は退職金規程に基づくものです。実務のポイント:取締役の退職慰労金は更生手続で減額・カットの対象になりやすい。通算規定があっても、新会社で慰労金制度自体が設けられなければ受け取る器がない点に注意
間違えやすい点 AI による整理
- 『新会社に移ったら退職金は消えるのか』という問いの立て方自体がずれている。226条は退職金を消すのではなく、支給のタイミングを将来に繰り延べ、勤続年数を新会社にそのまま引き継ぐ。問うべきは『消えるか』ではなく『いつ、どの会社の計算で受け取るか』だ
- 退職金がもらえないことは知っていても、その代わりに在職期間が通算されるという2項の効果まで意識している人は少ない。1項だけ読んで損だと早合点すると、本来主張できる通算をうっかり放棄しかねない。深刻なのは不支給そのものより、通算を知らないことだ
- あなたから見れば『退職金の不支給』という不利益に映る。だが制度から見れば、傾いた会社の財産を債権者のために温存しつつ、あなたの勤続年数は守るという両立策だ。この視点のずれに気づかないと、得をしているのに損したと感じ続ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 226条:移籍者の退職手当不支給と在職期間の通算 | 225条:更生計画に基づく新会社の設立 204条:新会社の取締役等・使用人の範囲を定義 |
| 適用の前提 | 新会社設立 + 更生会社退職 + 引き続き新会社へ移籍 | 更生計画で新会社設立が定められること 新会社の取締役等・使用人に該当すること |
| 本人への効果 | 退職金は繰り延べ、勤続年数は丸ごと承継 | 移籍先となる受け皿会社が誕生する 通算・不支給の対象者かどうかが決まる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は事業改組・転讓の際に留用された労働者の年資(勤続年数)が新事業主に承継されるとする。退職金算定上、年数を失わせない発想は日本226条2項と共通。
韓国は営業譲渡における労働関係の包括承継を判例法理で広く認め、勤続年数も承継される。倒産局面では債務者回生及び破産に関する法律が枠組みを与える。
ドイツは事業移転(Betriebsübergang)の際に労働関係が当然に新使用者へ承継され、勤続年数も維持される。倒産時の特則は Insolvenzordnung が定める。
米国は雇用承継を当然に定める一般制定法はなく、随意雇用が原則。承継は資産買収契約や successor liability の判例法理、州法により個別に決まる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤続15年であなたの会社が会社更生に入り、新会社への移籍を打診されたら、退職金はどうなる? 移籍の瞬間に受け取ることはできないが、15年はまるごと新会社に引き継がれる。慌てて『今すぐ退職金を清算してくれ』と要求しても、226条がそれを封じている
- あなたが更生管財人や新会社の人事担当だった場合、移籍する従業員から『退職金を今払え』と求められても、226条を根拠に支給できないと説明する義務がある。ここを曖昧にして一部だけ支払うと、債権者から更生財産の流出だと追及されかねない
- 新会社に移ったあと、数年で自己都合退職した。退職金の勤続年数は、元の会社の在職期間から通算される。入社日は移籍日ではない
- 新会社への移籍に同意するか、あと数日で返事を求められている。ここで『退職金が消える』と誤解して移籍を断ると、年数通算の恩恵ごと手放すことになる。断る前に、226条2項の通算規定を確認する時間はまだある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 新会社への移籍を打診されたら、まず226条2項の在職期間通算が適用される前提かを確認する。引き続き新会社の取締役・使用人になることが要件だ2. 移籍の条件書面に、元の会社での勤続年数が新会社に通算される旨が明記されているか確認、なければ書面化を求める3. 移籍の瞬間に退職金は出ないと理解し、無理な清算要求はしない4. 将来新会社を退職する際、通算された年数で退職金が計算されているか明細で検算する
訴えられた側:1. 移籍する取締役・使用人に対し、更生会社からの退職手当は支給できない(226条1項)と早期に文書で説明し、後の紛争を防ぐ2. 一部支給など例外的扱いをしないこと、債権者から更生財産の流出と追及される3. 在職期間の通算(226条2項)を退職金規程・移籍条件に正確に反映し、後年の計算ミスを防ぐ4.『引き続き』の要件を満たすか(退職と移籍の連続性)を個別に確認、空白期間があると通算の前提が崩れる
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はない。ただし退職金(退職手当)の請求権は、労働者の場合は支払期日から5年の消滅時効にかかる(労働基準法115条)。取締役の退職慰労金は委任関係に基づき、一般消滅時効(民法166条、5年または10年)が適用される。通算の有無は退職金請求の段階で確定するため、退職時に必ず検算すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:226条は、傾いた更生会社の財産を債権者のために温存する要請(1項の不支給)と、移籍労働者の長年の勤続を無視しない要請(2項の通算)を二段構えで両立させた規定と解される。退職金は消滅するのではなく、支給時期の繰り延べと年数の承継により実質的価値が保全される。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年) 現行会社更生法(平成14年法律第154号、平成15年4月1日施行)の全部改正により制定。昭和27年の旧会社更生法を全面的に作り直す中で、新会社移籍者の退職手当不支給と在職期間通算の規律が現行の形に整理された
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:現行会社更生法(平成14年法律第154号、平成15年4月1日施行)の全部改正により制定。昭和27年の旧会社更生法を全面的に作り直す中で、新会社移籍者の退職手当不支給と在職期間通算の規律が現行の形に整理された。
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