信託法 第113条(受益者集会の決議)
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- 受益者集会の決議は、議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の過半数をもって行う。
- 2.前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。
- 一第四十二条の規定による責任の免除(第百五条第四項各号に掲げるものを除く。)
- 二第百三十六条第一項第一号に規定する合意
- 三第百四十三条第一項第一号に規定する合意
- 四第百四十九条第一項若しくは第二項第一号に規定する合意又は同条第三項に規定する意思表示
- 五第百五十一条第一項又は第二項第一号に規定する合意
- 六第百五十五条第一項又は第二項第一号に規定する合意
- 七第百五十九条第一項又は第二項第一号に規定する合意
- 八第百六十四条第一項に規定する合意
- 3.前二項の規定にかかわらず、第百三条第一項第二号から第四号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものを除く。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の半数以上であって、当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。
- 4.前三項の規定にかかわらず、第百三条第一項第一号又は第四号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものに限る。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、総受益者の半数以上であって、総受益者の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって行わなければならない。
- 5.受益者集会は、第百八条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。
この条文の基本情報
受益者集会の決議とは何ですか?
定義受益者集会の決議とは、信託法第113条に定められた規定で、「受益者集会の決議は、議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の過半数をもって行う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第113条(受益者集会の決議)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第113条の条文原文は「受益者集会の決議は、議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の過半数をもって行う。」で始まります。
- 信託法第113条は第二款 受益者集会に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第113条の前の条は信託法第112条です。
- 信託法第113条の次の条は信託法第114条です。
- 信託法第113条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第113条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第113条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/113
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法113条は受益者集会の決議要件を定める。通常は出席議決権の過半数で足りるが、信託目的の変更等は総受益者の半数以上かつ総議決権の四分の三以上が必要となる。
Q · 受益者集会って、何票集まれば決議が通るの?
議題で違う。通常は出席者の過半数、目的変更は総受益者の四分の三
信託法113条は議題ごとに決議要件を変えています。通常の議題は議決権の過半数の出席で成立し、出席議決権の過半数で可決されます(1項)。受託者の責任免除や信託の変更・併合・分割・終了の合意などは、出席議決権の三分の二以上が必要です(2項)。受益権の譲渡制限などの重要な信託の変更等は、受益者の頭数の半数以上と議決権の三分の二以上が必要です(3項)。信託目的の変更などは、総受益者の半数以上かつ総議決権の四分の三以上が必要です(4項)。
解説
過半数、三分の二、四分の三。信託法113条には三段階のハードルがある。決める内容が重くなるほど、必要な賛成票が増えるだけではない。票の数え方そのものが変わる。通常の議題は、出席した受益者の議決権を分母にして数える。受託者の責任免除や信託監督人の任務終了の合意(2項)は、出席者の三分の二の賛成が必要になる。受益権の譲渡制限のような重要な信託の変更等(103条1項2〜4号)になると、分母は出席者ではなく「議決権を行使できる受益者全員」に変わる。さらに受益者の頭数でも半数以上が必要になるため、大口の受益者一人では押し切れない。信託の目的変更や、受益者間の権衡(受益者同士の取り分や扱いのバランス)を崩す変更では、分母が「総受益者」になる。欠席も白票も、反対票と同じ効果を持つ。そして5項により、招集のときに示されていない議題は決議できない。あなたが小口の受益者なら、議題ごとの分母の違いが、自分の一票の重さを決めることになる
法的な位置づけ
信託法第113条は受益者集会の決議方法を定める規定である。議決権の過半数を定足数とする普通決議を原則とし、受託者の責任免除や信託の変更・併合・分割・終了の合意には特別決議を、重要な信託の変更等には頭数要件付きの加重決議を課す。招集時に定めた目的事項以外の決議は禁じられる。
手順
- 1.議案ごとに該当する項を判定する 招集通知の目的事項を確認し、各議案が42条の免除・信託の変更や併合等の合意(2項)、103条1項2〜4号(3項)、103条1項1号または権衡を変える4号(4項)のどれに当たるかを分類する。どれにも当たらなければ1項の普通決議となる
- 2.分母と必要な賛成数を試算する 1項・2項は出席議決権、3項は議決権を行使できる受益者の頭数と議決権、4項は総受益者の頭数と議決権を分母にして、可決ラインと否決ラインを計算する。欠席が反対と同じ効果を持つ議案かどうかもここで確認する
- 3.出席・委任状・連携の方針を決める 2項の責任免除議案は出席者基準のため、出席するか反対の委任状を提出する。3項・4項の議案では、他の受益者と連絡を取り、頭数要件と議決権割合の両面で賛否の見込みを確認する
- 4.集会当日に異議と反対を記録に残す 招集時に示されていない議題が出されたら113条5項違反として異議を述べ、議事録への記載を求める。重要な信託の変更等には明確に反対票を投じ、103条の受益権取得請求の道を残す
よくある質問 AI による整理
Q1受益者集会の決議要件とは?
信託法113条が定める可決の条件です。通常決議・特別決議・頭数要件付きの決議・総受益者基準の決議の四段階があり、議題の重さに応じて厳しくなります。
Q2受益者集会の定足数はいくつ?
1項・2項の決議では、議決権を行使できる受益者の議決権の過半数を持つ受益者が出席する必要があります。3項・4項は定足数でなく、頭数と議決権の割合で判断します。
Q3信託目的の変更 受益者集会で何分の何?
総受益者の半数以上で、かつ総受益者の議決権の四分の三以上の賛成が必要です(113条4項)。出席者ではなく受益者全体が分母になります。
Q4受益権の譲渡制限は多数決で導入できる?
受益者集会の定めがあれば可能ですが、議決権を行使できる受益者の半数以上(頭数)かつ議決権の三分の二以上の賛成が必要です(113条3項)。
Q5招集通知にない議題を当日決議できる?
できません。113条5項により、受益者集会は招集時に定めた目的事項(108条2号)以外の事項について決議をすることができません。
Q6受託者の責任免除は受益者集会で決められる?
42条による責任の免除は、出席議決権の三分の二以上で決議できます。ただし全部免除など105条4項各号に当たる免除は、この多数決の対象外です。
Q7信託の併合や分割の決議要件は?
信託の併合(151条)・吸収信託分割(155条)・新規信託分割(159条)の合意は、113条2項により出席議決権の三分の二以上で決議します。
Q8受益者集会の決議に反対したらどうなる?
重要な信託の変更等に反対した受益者は、受託者に受益権を公正な価格で買い取るよう請求できる場合があります(103条)。賛成するとこの請求はできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1集会に行かなかったら、自分の票ってどう扱われるの?
議案によって扱いが違う。1項・2項の議案は出席者の議決権で数えるため、欠席者の票は計算から外れる。3項・4項の議案は議決権を行使できる受益者全員、または総受益者が分母になるため、欠席は反対と同じ効果を持つ(113条3項・4項)。実務のポイント:重要議案を通したい側が最も恐れるのは、組織的な反対よりも、小口受益者の大量欠席である
Q2受託者のミスを多数決で帳消しにするなんて、許されるの?
2項1号により、42条の責任免除は出席議決権の三分の二で決議できる。ただし責任の全部免除や、悪意・重過失による責任の一部免除など、105条4項各号に当たるものは、この多数決の対象から外されている。実務のポイント:免除議案が出たら、まず免除の範囲が全部か一部か、受託者に悪意や重過失がなかったかを確認する。そこで議案の適法性そのものを争える余地がある
Q3家族信託でも、受益者集会を開かないといけないんですか?
開く必要はない。受益者が複数いる場合の意思決定は、原則として全員一致である(105条1項)。受益者集会での多数決は、信託行為に定めた場合に初めて使われる。実務のポイント:受益者集会を導入する場合でも、3項の頭数要件によって、兄弟二人が組めば一人の大口受益者の暴走を止められる。設計段階で人数の配分まで計算しておく専門家は少ない
間違えやすい点 AI による整理
- 多数決は会場にいる人の票で数えるもの、という感覚は1項と2項にしか当てはまらない。3項と4項では分母に欠席者が残る。「どうせ自分の票では変わらない」と欠席すると、重要議題では反対票を投じたのと同じ効果になる。逆に、賛成してほしい側にとっては、あなたの欠席は痛手になる
- 「議決権の過半数を持つ大口受益者なら何でも決められる」という問いの立て方そのものが誤っている。重要な変更には受益者の頭数要件が付いている。招集時に示されていない議題は決議できない(5項)。責任の全部免除など105条4項各号に当たる免除は、2項の多数決の対象から外されている。議決権の量だけでは開かない扉が、条文のあちこちに仕込まれている
- 受託者の責任免除に三分の二が必要なことは知られている。だが、その母数が「出席者の議決権」であることの重さは見落とされがちだ。定足数が議決権の過半数なので、理論上は総議決権の約三分の一の賛成で受託者の責任が免除されうる。あなたの損失を取り戻す請求権が、出席しなかった集会で消えることがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 意思決定の方法 | 信託法113条:受益者集会の多数決(議題に応じて四段階) | 信託法105条:複数受益者の意思決定は原則として全員一致 信託法149条:委託者・受託者・受益者の合意による信託の変更 |
| 適用される場面 | 信託行為に受益者集会による多数決の定めがある場合 | 信託行為に別段の定めがない場合の原則 信託の変更全般(受益者集会がある場合は113条2項の決議で同意する) |
| 反対した受益者の保護 | 加重要件・頭数要件・目的事項の限定(5項)による事前の防御 | 一人でも反対すれば決まらない(拒否権) 重要な信託の変更等は103条の受益権取得請求で事後に退出できる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾信託法には一般的な受益者集会の規定がなく、投資信託や不動産証券化などの特別法で受益人會議が置かれている
韓国も2011年の全部改正で수익자집회制度を導入した。日本の新信託法と同時期の制度整備である
ドイツには英米型の信託法はないが、社債権者の多数決制度で重要事項に75% の特別多数を課す点が類似する
社債信託では多数決で受託者に指図できる一方、元利金の支払請求権は各保有者の同意なしに奪えない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 不動産信託の受益権を小口で持っている。受託者の管理ミスで評価損が出たところ、大口受益者が受託者の責任免除(42条)を議案に出してきた。2項の基準では、出席した議決権の三分の二で可決される。定足数ぎりぎりの出席なら、総議決権の約34% で免除が通りうる。この議案では、あなたが欠席すると相手に有利に働く
- 招集通知には「受託者報酬の件」としか書かれていなかったのに、当日になって信託目的の変更が動議として出されたら、どうなる? 113条5項により、招集時に定められた目的事項(108条2号)以外は決議できない。その場で異議を述べ、議事録に残させればよい
- あなたは受託者側の担当者で、受益権の譲渡制限を導入したい。大口2社で議決権の80% を押さえていても、議決権を行使できる受益者が10人いれば、5人以上の賛成がなければ3項の頭数要件で否決される。根回しの名簿は、議決権の多い順ではなく人数で作る必要がある
- 集会まであと14日。議案は信託目的の変更で、総受益者の議決権の四分の三が必要になる。反対派は過半数を集める必要がない。四分の一を超える議決権が賛成しなければ、それだけで否決できる。この差を知っている側は、委任状集めを始める前に勝ち筋が見えている
- 兄弟三人が受益者の家族信託。信託行為に受益者集会の多数決の定めがなければ、113条の出番はない。原則は全員一致(105条1項)であり、一人の反対ですべてが止まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 招集通知の議題と添付資料を確認し、各議案が113条の何項に当たるかを判定する2. 3項・4項の議案なら、欠席が反対と同じ効果を持つことを踏まえ、他の小口受益者と連絡を取る3. 2項の責任免除議案は出席者基準なので、必ず出席するか、反対の委任状を出す4. 招集時に示されていない議題が出されたら、5項違反として異議を述べ、議事録への記載を求める5. 重要な変更が可決された場合に備え、反対票を投じて受益権取得請求の道を残す
訴えられた側:1. 受託者または大口受益者の側なら、招集時に目的事項を漏れなく特定する(108条2号、113条5項) 2. 議案ごとに必要な分母と頭数要件を事前に試算し、議決権ではなく人数ベースの賛成見込みも数える3. 105条4項各号に当たる責任免除は、2項の多数決の対象外であることを確認する4. 反対受益者からの取得請求に備え、買取資金と公正な価格の算定根拠を準備しておく
時効(請求できる期限):決議そのものに特定の時効はない。招集通知は原則として集会の日の2週間前までに発する必要がある(109条)。重要な信託の変更等に反対した受益者の受益権取得請求は、受託者による通知または公告の日から20日以内(103条)。受託者の損失てん補責任の追及には、民法166条の一般消滅時効(5年または10年)の規律が及ぶ(信託法43条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
立案趣旨:受益者集会の決議要件は、会社法の株主総会決議(普通決議・特別決議・特殊決議)の段階構造に倣ったものとされる。議題の重要度に応じて分母と賛成割合を引き上げ、少数受益者の利益を守る設計である
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 大正11年制定の旧信託法には受益者集会の制度がなかった。新信託法で受益者集会制度とともに新設された(平成19年(2007年)施行)。その後の改正の有無は人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正により受益者集会制度とともに新設(平成19年(2007年)施行)。旧信託法には受益者集会の規定がなかった
- 信託法 第105条複数受益者の意思決定方法の原則
- 信託法 第103条重要な信託の変更等と受益権取得請求
- 信託法 第108条招集時に定める目的事項
- 信託法 第42条受託者の損失てん補責任等の免除
- 信託法 第149条関係当事者の合意による信託の変更
- 投資信託及び投資法人に関する法律 第17条投資信託約款の重大な変更の書面決議(現行効力を要確認)
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