受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第118条(受託者の出席等)

クイックジャンプ
  1. 受託者(法人である受託者にあっては、その代表者又は代理人。次項において同じ。)は、受益者集会に出席し、又は書面により意見を述べることができる。
  2. 2.受益者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、受託者に対し、その出席を求めることができる。この場合において、受益者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。

この条文の基本情報

受託者の出席等とは何ですか?

定義受託者の出席等とは、信託法第118条に定められた規定で、「受託者(法人である受託者にあっては、その代表者又は代理人。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第118条(受託者の出席等)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第118条の条文原文は「受託者(法人である受託者にあっては、その代表者又は代理人。」で始まります。
  3. 信託法第118条は第二款 受益者集会に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第118条の前の条は信託法第117条です。
  7. 信託法第118条の次の条は信託法第119条です。
  8. 信託法第118条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第118条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第118条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/118

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法118条は、受託者が受益者集会に出席し、または書面で意見を述べられると定める。受益者集会が受託者の出席を求めるには、その旨の決議が必要である。

Q · 受益者集会に受託者を呼び出して質問することはできる?

できるが、集会として求めるには決議が必要

信託法118条2項により、受益者集会または招集者は、必要があると認めるときに受託者の出席を求めることができます。ただし受益者集会として求める場合は、その旨の決議を経なければなりません。一方で受託者側も、1項により自ら出席するか書面で意見を述べることができます。受託者は、自身が受益者でない限り議決権を持たず、決議は受益者の議決権で成立します(113条)。

解説

票を持たない者が、いちばん詳しい情報を握っている。受益者集会の構造的なねじれはそこにある。信託財産を実際に管理し、帳簿も契約書も修繕履歴も知っているのは受託者だ。それでも決議は受益者の議決権で決まる(113条)。本条はこのねじれをつなぐ通路である。1項は、受託者が集会に出席するか、書面で意見を述べることを認める。法人の受託者なら、代表者か代理人が出てくる。2項は逆向きの通路で、受益者集会か招集者が、必要なら受託者の出席を求められる。ただし集会として求めるには、そのための決議が要る。あなたが受益者なら、採決の前に受託者を席に呼び出し、質問をぶつける段取りが組める。あなたが受託者なら、票がなくても議論の流れに自分の見解を差し込める。なお、出席を求められた受託者が応じなかった場合の効果を条文は明記していない。善管注意義務(29条)との関係でどう評価されるかは解釈に委ねられている

法的な位置づけ

信託法118条は、受益者集会における受託者の地位を定める規定である。受託者は議決権を持たないが、集会に出席し、または書面で意見を述べる権利を有する。法人である受託者は代表者または代理人を通じて出席する。また受益者集会または招集者は、必要があると認めるときに受託者の出席を求めることができ、受益者集会として求めるにはその旨の決議を要する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.招集通知と議案を確認する 招集通知を受け取ったら、議題・議案と開催日を確認し、受託者が当日出席するのか書面意見にとどめるのかを招集者に問い合わせる
  2. 2.事前に情報を取得する 集会前に、受託者に対し信託事務の処理状況の報告請求(36条)や帳簿等の閲覧請求(38条)を行い、質問事項を整理する
  3. 3.出席要求決議の多数を固める 受益者集会として受託者の出席を求める場合はその旨の決議が必要なため、他の受益者と事前にすり合わせ、議事の冒頭で出席要求を議題とするよう招集者に依頼する
  4. 4.集会当日に出席要求を先に決議する 議案の採決より前に出席要求の決議を行い、受託者(法人なら案件を把握した代理人)に質問する。回答内容は議事録に残るよう求める

よくある質問 AI による整理

Q1受益者集会とは何ですか?

受益者が複数いる信託で、信託行為に定めがある場合に受益者の意思を多数決で決める会議体です。信託法106条以下に規定され、平成18年の新信託法で新設されました。

Q2受託者は受益者集会で議決権がありますか?

自身が受益者でない限りありません。信託法118条が受託者に認めるのは、出席と書面による意見陳述の権利であり、決議は受益者の議決権で成立します。

Q3法人の受託者は誰が受益者集会に出席しますか?

法人の代表者または代理人です(信託法118条1項括弧書)。条文上は代理人で足りるため、案件を把握した担当者を指名するよう求めることが実務上重要です。

Q4受託者の出席を求める決議は何条ですか?

信託法118条2項です。受益者集会として受託者の出席を求めるには、その旨の決議を経る必要があります。招集者であれば決議なしで出席を求められます。

Q5受託者は書面だけで意見を出してもいいですか?

差し支えありません。信託法118条1項は出席と書面による意見陳述を選択的に認めています。書面は原文のまま残るため、後の責任判断の材料にもなりえます。

Q6受託者が出席要求に応じなかったらどうなりますか?

拒否の効果は条文に明記されていません。善管注意義務(29条)や公平義務(33条)との関係で不利に評価されるおそれがありますが、評価は解釈に委ねられています。

Q7家族信託でも受益者集会は開かれますか?

受益者が複数いて、信託行為に受益者集会による多数決の定めがあれば開かれます。定めがなければ原則として受益者全員一致による意思決定となります(105条)。

Q8受益者集会の招集通知はいつまでに出しますか?

原則として集会日の二週間前までに発する必要があります(信託法109条)。受託者の出席要求の根回しや書面意見の準備もこの期間内に行うことになります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1信託銀行が受託者なんですけど、集会に来ないこともあるんですか?

ありうる。本条1項は受託者の権利であり、出席せず書面で意見を述べるだけでも足りる。出席させたいなら、招集者から求めるか、集会で出席要求の決議を経る(本条2項)。実務のポイント:当日いきなり質問するより、聞きたい事項を事前に書面で招集者経由で送っておく方がよい。受託者は書面意見でそれに答える形を取りやすく、回答の精度も記録性も上がる

Q2受託者が議案に反対意見を出したら、決議は止まるんですか?

止まらない。決議は受益者の議決権で成立し(113条)、成立した決議は全受益者に効力が及ぶ(121条)。受託者の意見に拘束力はない。実務のポイント:それでも受託者の反対意見は軽くない。受託者が事前に明確な警告を出していたのに受益者側が押し切った場合、後で損失が出ても受託者の責任を追及する主張は組み立てにくくなる。反対意見が出たら、その根拠を集会の場で詰めておくべきだ

間違えやすい点 AI による整理

  • 「受託者は集会でどれだけ票を持つのか」と問う人が多いが、問いがずれている。受託者は、自分も受益者でない限り議決権を持たない。本条が受託者に与えるのは票ではなく発言の場である。決議の行方を左右するのは、票数よりも、採決前にどんな情報が場に出たかだ
  • 受益者から見れば、出席要求は「呼べば来る」権利に見える。法律から見ると違う。受益者集会として求めるには決議が必要で、少数派の受益者が一人で受託者を呼びつける道具ではない。招集者でもなければ、まず多数を固めなければ扉は開かない。この落差を知らないまま当日を迎えると、質問の機会そのものを失う
  • 書面で意見を述べられる、という一文の重さは軽く見られがちだ。口頭のやり取りは記憶や議事録の要約に頼るしかないが、書面は受託者自身の手元にも原文のまま残る。決議が信託財産に損失を生んだとき、受託者が事前に何を警告していたかを示す材料になりうる
比較の観点この条文ほかの条文
規律する内容信託法118条:受託者の出席・書面意見と出席要求信託法113条:受益者集会の決議要件
信託法36条:受託者への報告請求
権利の主体受託者(1項)、受益者集会・招集者(2項)議決権を持つ受益者
委託者・受益者
受託者の関与発言の場はあるが議決権はない決議に参加しない(受益者でない限り)
報告義務を負う
使う場面集会の議論の場で受託者の見解を引き出す・述べる議案を可決・否決する
集会前に情報を取得する

他国ではどう定めているか 2 か国

台湾
不動產證券化條例・金融資產證券化條例

台湾では受益人會議は証券化商品の特別法で規律され、一般の信託法には日本のような受益者集会の総則規定は置かれていない

韓国
신탁법(2011年全部改正)

韓国も全部改正で受益者集会制度を導入しており、日本法との類似性が指摘される領域

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 招集通知が届いた。集会は二週間後、議題は信託不動産の売却だ。受託者の信託会社は書面意見を出すだけで、当日は来ないらしい。売却価格の根拠を本人に直接聞く手はないのか? 集会の冒頭で出席要求の決議を通せば、受託者に出席を求められる(本条2項)。議決権の過半数を押さえるため、他の受益者への根回しは今週中に済ませる必要がある
  • あなたは亡父の家族信託で、賃貸アパートを預かる受託者になった長男だ。受益者である弟と妹が分配方針に不満を持ち、受益者集会で方針変更を決議しようとしている。あなたに票はない。当日出席して口頭で反論するか、修繕積立の必要性を数字で示した書面意見を出すか。後で責任を問われたときに残るのは、どちらの記録だろうか
  • 法人の受託者が集会に送ってきたのは、案件の経緯を何も知らない若手社員だった。条文上は「代理人」で足りる。質問の答えは「持ち帰って確認します」だけで終わった

取るべき行動

被害を受けた側:受益者の立場の場合。1. 招集通知を受け取ったら、受託者が出席するか書面意見にとどめるかを招集者に確認する2. 出席が必要なら、冒頭で出席要求の決議(本条2項)を議題とするよう他の受益者と事前にすり合わせる3. 集会前に信託事務の処理状況の報告請求(36条)、帳簿等の閲覧請求(38条)で情報を先に取る4. 決議に反対なら、反対の意思が議事録に残るよう明確に表明する

訴えられた側:受託者の立場の場合。1. 議案ごとに、出席して口頭で説明するか書面意見にとどめるかを決める2. 法人なら、案件の経緯を把握した担当者を代理人に選ぶ3. 決議が信託目的や受益者間の公平を害するおそれがあれば、書面で懸念を記録しておく4. 出席を求められたら原則として応じる。拒否の効果は条文にないが、善管注意義務(29条)や公平義務(33条)の観点から不利に評価されるおそれがあり、評価は実務上分かれうる

時効(請求できる期限):本条固有の期限はない。ただし招集通知は原則として集会日の二週間前までに発する必要があり(109条)、出席要求の根回しや書面意見の準備はこの期間内に行うことになる。本条に関連して生じる金銭請求には特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法(大正11年)には受益者集会の制度がなく、新信託法の制定により受益者集会の規定群(106条以下)とともに新設された。平成19年(2007年)9月30日施行

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正により、受益者集会の規定群とともに新設。旧信託法(大正11年)には受益者集会制度がなかった。平成19年(2007年)9月30日施行

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第二款 受益者集会

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›