信託法 第13条(会計の原則)
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信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。
この条文の基本情報
会計の原則とは何ですか?
定義会計の原則とは、信託法第13条に定められた規定で、「信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第13条(会計の原則)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第13条の条文原文は「信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。」で始まります。
- 信託法第13条は第一章 総則に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第13条の前の条は信託法第12条です。
- 信託法第13条の次の条は信託法第14条です。
- 信託法第13条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第13条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第13条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法13条は、信託の会計を一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従わせる規定。特定の基準は指定されず、家族信託にも商事信託にも等しく適用される。
Q · 家族信託で親のお金を預かったら、会計もきちんとしないといけないの?
はい。家族信託でも公正妥当な会計慣行に従う必要があります
信託法13条は、信託の会計は一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うと定めており、家族信託にも商事信託にも等しく適用されます。受託者は37条により信託帳簿や毎年の財産状況開示資料を作成して受益者に報告し、帳簿は原則10年保存しなければなりません。受益者は38条で閲覧・謄写を請求でき、記録が不十分なら40条の損失てん補を請求される余地があります。
解説
条文はたった一行で、数字の基準は書かれていない。「信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従う」。だからこそ危うい。親の預金や実家を子が預かる家族信託でも、信託銀行が運用する数百億円の信託でも、ものさしは同じこの一行である。受託者(財産を預かって管理する人)が「家計簿のつもりで付けていた」「レシートは捨てた」と言っても通らない。その記録は、37条の帳簿作成義務、38条の受益者による閲覧請求、40条の損失てん補責任(受託者の落ち度で生じた損を穴埋めする責任)に直結するからだ。何が「公正妥当な慣行」かは信託の規模や種類で変わり、法務省令の信託計算規則も詳細な仕訳までは決めていない。中小規模の民事信託にどの水準を求めるかは、実務上、解釈が分かれている。言い換えれば、後で揉めたとき「慣行に従っていたか」を説明できる記録を残した側が勝つ。預ける側なら、記録の形式を契約の段階で指定できる。預かる側なら、その記録があなたを守る唯一の盾になる
法的な位置づけ
信託法13条は信託の会計原則を定める規定であり、信託の会計は一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。特定の会計基準を法律で指定せず、法務省令である信託計算規則とともに、受託者が作成する信託帳簿および財産状況開示資料の作成基準として機能する。
手順
- 1.信託契約で会計ルールを決めておく 信託契約書に会計期間、帳簿の形式、年次報告の時期と方法を明記する。後で「何が慣行か」を争う余地を事前に減らせる
- 2.信託専用口座で入出金を分ける 信託財産の入出金は信託専用口座に集約し、受託者個人の口座と混ぜない。立替が発生した場合は精算日と根拠を必ず記録する
- 3.取引ごとに記帳し証憑を保存する 出金・入金のたびに日付、金額、相手先、使途を帳簿に記入し、領収書や契約書を撮影・保管して紐づける。摘要欄を空欄にしない
- 4.年1回資料を作り報告し、10年保存する 毎年一定の時期に財産状況開示資料を作成して受益者に報告し、報告した事実も記録に残す。信託帳簿等は原則10年間保存する
よくある質問 AI による整理
Q1信託の会計とは何ですか?
受託者が信託財産の増減や収支を記録・計算することです。信託法13条により、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従って行う必要があります。
Q2家族信託の帳簿の付け方は?
信託専用口座の入出金を一件ずつ日付・金額・相手先・使途とともに記録し、領収書等の証憑と紐づけます。年1回、財産の状況を資料にまとめます。
Q3信託帳簿は何年保存する必要がありますか?
信託帳簿等は作成から原則10年間の保存が求められます(信託法37条4項)。財産状況開示資料も別途保存期間のルールがあります。
Q4信託計算規則とは何ですか?
信託法の委任を受けて信託の会計や帳簿の作成方法を定める法務省令です。会計慣行のしん酌を求めますが、詳細な仕訳までは定めていません。
Q5信託の会計期間はいつからいつまで?
信託法は毎年1回一定の時期に財産状況開示資料の作成を求めます。期間は信託契約で定めるのが通常で、税務書類は暦年単位で作成します。
Q6受託者が信託財産を使い込むのは違法?
違法です。分別管理義務(34条)や忠実義務に反し、受託者は40条により損失てん補責任を負います。悪質な場合は刑事責任が問われることもあります。
Q7家族信託の受託者は税務署に何を出しますか?
一定の場合、受託者は「信託の計算書」を税務署へ提出します(所得税法227条)。少額の信託など提出が不要となる場合もあります。
Q8信託口座と自分の口座を混ぜてもいい?
原則として混ぜてはいけません。信託法34条は信託財産と受託者個人の固有財産の分別管理を求めており、混在は帳簿上の説明責任を重くします。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家族信託の受託者になったけど、会計ソフトとか使わなきゃダメ?
ソフトの使用は義務ではない。13条が求めるのは公正妥当な会計慣行に従うことで、信託計算規則も特定ソフトを指定していない。小規模なら表計算ソフトと通帳、領収書の保存でも実務上は足りることが多い。実務のポイント:揉めた事件で問題になるのは形式ではなく、出金一件ごとの説明可能性である。表計算ソフトでも摘要欄が埋まっていれば強く、高価なソフトでも摘要欄が空なら弱い
Q2兄が受託者なんですが、帳簿を見せてくれません。見る権利ってあるんですか?
受益者であれば、38条により信託帳簿等の閲覧・謄写を請求できる。受託者は正当な理由がなければ拒めない。実務のポイント:あなたが受益者でなく「将来の相続人」にすぎない場合、38条の請求権者に当たらないことがある。まず信託契約書で受益者が誰か、帰属権利者が誰かを確認するのが最初の一手になる
Q3毎年の報告って、親(受益者)に口で伝えれば十分ですか?
十分とはいえない。37条2項・3項は毎年一回一定の時期に財産状況開示資料を作成し、受益者に内容を報告することを求めている。口頭報告だけでは、資料作成義務を果たした証拠が残らない。実務のポイント:受益者が認知症で理解できない場合でも、資料を作成して保存しておけば、後に相続人から責任を問われたときの最も強い防御材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「家族間の信託なのだから、会計は身内のゆるいやり方で構わない」と思われがちだが、13条は家族信託にも商事信託にも等しく適用される。身内ほど、相続の場面で他の兄弟から最も厳しい目で帳簿を見られる
- 帳簿を付ける義務までは知っていても、その重さまで知っている人は少ない。信託帳簿等は作成から原則10年保存が求められ(37条4項・5項)、受益者はいつでも閲覧・謄写を請求できる(38条)。数年後の紛争で、10年分の記録が証拠として丸ごと検証の対象になる
- 「どの会計基準を使えば正解なのか」という問い自体がずれている。13条は特定の基準を指定せず「慣行」を求めている。問われるのは基準名ではなく、その信託の目的と規模に照らして、第三者が後から検証できる記録になっているかどうかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 信託法13条:会計の物差し(公正妥当な会計慣行に従う) | 信託法37条:帳簿・財産状況開示資料の作成、報告、保存義務 信託法38条:受益者による帳簿等の閲覧・謄写請求 |
| 義務・権利の主体 | 信託の会計全般(実際に担うのは受託者) | 受託者 受益者(請求権者) |
| 実務上の役割 | 帳簿の「質」の基準 | 帳簿の「作成・保存」の義務 帳簿の「検証」の手段 |
| 違反時の影響 | 記録が慣行を外れると説明責任を果たせず、40条の責任追及の材料になる | 作成・報告を怠れば解任請求(58条4項)の材料にもなる 受託者は正当な理由がなければ請求を拒めない |
他国ではどう定めているか 4 か国
受託者に信託ごとの帳簿作成を義務づけ、委託者・受益者に閲覧請求を認める。会計の物差しを慣行に委ねる日本型の一般条項より、帳簿作成義務を直接定める構造に近い
受託者に完全な処理記録の保存と、毎年定期の収支報告を委託者・受益者へ行うことを求める
ドイツには一般信託法がなく、Treuhand は委任法理で処理される。受任者の報告・計算書提出義務が実質的な対応規範となる
受託者に受益者への情報提供と定期報告の義務を課す。採用の有無と内容は州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認知症対策で父の預金3,000万円を長男が受託者として管理して5年。父が亡くなった途端、次男が「通帳の出金の使い道を全部見せろ」と言ってきた。領収書が半分しか残っていなければ、使途不明金として40条の損失てん補を請求されかねない
- 受託者を任された長女が、信託口座から自分の生活費口座へ「立替精算」として一括で振り替えていた。本人に悪気はない。だが帳簿上で信託財産と固有財産(受託者個人の財産)の区別が説明できなければ、34条の分別管理義務違反を疑われるのは長女の側である
- もし受託者が毎年の財産状況開示資料を作らず、受益者である母に口頭で「大丈夫、増えているよ」とだけ伝えていたらどうなる? 37条が求める資料作成と報告を果たしていないことになり、解任請求(58条4項)の材料にもなる
- アパート一棟を信託財産にした家族信託。確定申告の時期が迫り、税理士から「信託の計算書と収支内訳が必要」と言われた。帳簿がなければ、残り2週間で一年分の家賃入金と修繕費を通帳から再構成することになる
- 友人から「家族信託の受託者を頼まれたけど、会計って何をすればいいの」と相談された。答えの出発点は、この一行と信託計算規則にある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受益者または相続人として受託者の管理に疑問があるなら、まず38条に基づき信託帳簿と財産状況開示資料の閲覧・謄写を書面で請求する2. 通帳の出金と帳簿の記載を突き合わせ、説明のつかない支出を一覧化する3. 説明を求めても応じない場合、40条の損失てん補請求や58条4項の受託者解任申立てを、信託に詳しい弁護士と検討する4. 税務上の論点があれば税理士にも並行して相談する
訴えられた側:1. 使い込みを疑われたら、まず信託口座の全取引履歴を金融機関から取り寄せる2. 支出ごとに領収書、契約書、委託者の指示メモなどの裏付けを紐づけ、時系列の説明資料を作る3. 自分の口座と混ざった支出は、立替精算の根拠を明示する4. 感情的な反論は避け、帳簿を開示して説明する姿勢を示す。開示を拒むほど疑いは深まる
時効(請求できる期限):13条自体に特定の時効はない。ただし受託者への損失てん補請求等は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が基本となり、信託法上の特則(43条など)がある場合はそれによる(最新の改正状況をご確認ください)。信託帳簿は作成から原則10年保存(37条4項)
学説
一般的理解:13条は商法19条1項・会社法431条と同型の会計慣行条項であり、特定の基準を強制せず、信託の目的・規模に応じた慣行を基準とする。民事信託にどの水準を求めるかは実務上見解が分かれている
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)新信託法制定 大正11年制定の旧信託法を全面的に見直した新信託法の制定により新設された。信託の会計について一般に公正妥当と認められる会計慣行に従うことを明文化した
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:大正11年制定の旧信託法を全面的に見直した新信託法(平成18年法律第108号)の制定により新設。信託の会計が公正妥当な会計慣行に従うことを明文化した
- 信託法 第37条信託帳簿等の作成・報告・保存義務
- 信託法 第38条受益者による帳簿閲覧・謄写請求
- 信託法 第34条信託財産と固有財産の分別管理
- 信託法 第36条委託者・受益者への事務処理状況報告
- 信託法 第40条任務懈怠による損失てん補責任
- 所得税法 第227条受託者の信託の計算書提出義務
- 信託業法 第27条信託会社の信託財産状況報告書交付(現行効力を要確認)
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