受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第214条(二人以上の受益者による意思決定の方法の特例)

クイックジャンプ

受益者が二人以上ある受益証券発行信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがあるものとみなす。

この条文の基本情報

二人以上の受益者による意思決定の方法の特例とは何ですか?

定義二人以上の受益者による意思決定の方法の特例とは、信託法第214条に定められた規定で、「受益者が二人以上ある受益証券発行信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第214条(二人以上の受益者による意思決定の方法の特例)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第214条の条文原文は「受益者が二人以上ある受益証券発行信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。」で始まります。
  3. 信託法第214条は第四節 関係当事者の権利義務等の特例に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第214条の前の条は信託法第213条です。
  7. 信託法第214条の次の条は信託法第215条です。
  8. 信託法第214条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第214条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第214条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/214

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法214条は、受益者が複数いる受益証券発行信託では、信託行為に別段の定めがない限り、受益者の意思決定を受益者集会の多数決で行うものとみなす。

Q · セキュリティトークンや上場信託の受益者って、物事を全員一致で決めるの?

約款に別段の定めがなければ、受益者集会の多数決で決まる

信託法では、受益者が二人以上いる場合の意思決定は全員一致が原則です(105条1項)。しかし受益証券発行信託では、信託法214条により、信託行為に別段の定めがない限り、受益者集会の多数決で決める旨の定めがあるものとみなされます。ただし帳簿の閲覧請求や受託者の違反行為の差止請求など、92条各号に掲げる権利の行使は多数決の対象外で、受益者一人でも行使できます。

解説

信託法の原則では、受益者が二人以上いる信託の意思決定は「全員一致」である(105条1項)。受益者が百人いても、一人が反対すれば何も決まらない。ところが受益証券発行信託(信託から利益を受ける権利を証券の形にして、売買できるようにした信託)では、この原則が逆になる。信託行為(信託をつくるときの契約や約款)に特に定めがなければ、受益者集会の多数決で決めると定めたものとみなされる。不動産のセキュリティトークンや一部の上場信託に少額を出した瞬間から、あなたの反対票は多数決で押し切られうる。ただし多数決で奪えない権利もある。帳簿を見せろと求める権利や、受託者の違法な行為を止めさせる権利など、92条が列挙する権利は一人でも行使できる。決議に負けても、一定の重要な変更なら103条で受益権の買取りを求める道が残る。負けた後の出口がどこにあるかを知っているかどうかで、少数派の打てる手は大きく変わる

法的な位置づけ

信託法214条は、受益者が二人以上ある受益証券発行信託において、信託行為に別段の定めがない限り、受益者の意思決定を受益者集会の多数決による旨の定めがあるものとみなす規定である。対象から92条各号の権利行使は除かれ、受益者複数時の全員一致原則(105条1項)に対する特則として機能する。

よくある質問 AI による整理

Q1受益証券発行信託とは?

受益権を有価証券(受益証券)の形にして、売買や譲渡をしやすくした信託です。信託行為に受益証券を発行する旨を定めることで成立します(信託法185条)。

Q2信託法214条とは何を定めた条文?

受益者が二人以上いる受益証券発行信託では、別段の定めがない限り、受益者の意思決定を受益者集会の多数決で行うものとみなす特則です。

Q3受益者集会の決議要件は?

受益者集会の決議は、決議事項に応じて普通決議・特別決議などの要件が113条以下で定められています。議決権の数え方は信託行為の定めも確認が必要です。

Q4受益者集会は受益者から招集できる?

一定の要件を満たす受益者は、受託者に対し受益者集会の招集を請求できます(106条)。少数派が議題を設定する手段として使えます。

Q5家族信託でも受益者の多数決は使える?

家族信託は通常受益証券を発行しないため214条の対象外です。原則は全員一致(105条1項)で、多数決にしたい場合は信託行為に明記が必要です。

Q6多数決で奪えない受益者の権利は?

92条各号に掲げる権利です。帳簿等の閲覧請求、受託者の違反行為の差止請求、受益権取得請求などが含まれ、受益者一人でも行使できます。

Q7受益者集会の決議に反対したら受益権を買い取ってもらえる?

信託目的の変更など一定の重要な信託変更であれば、103条により受託者に受益権を公正な価格で取得するよう請求できます。期間制限に注意が必要です。

Q8受益証券発行信託の多数決を変更できる?

できます。214条は「信託行為に別段の定めがない限り」適用される規定なので、約款に全員一致や加重要件を書けばそれが優先します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1セキュリティトークンを少しだけ持ってるんですが、集会って行かなくても大丈夫ですか?

214条により、約款に別段の定めがなければ受益者集会の多数決で決まる。欠席すれば、あなたの票はその決議に反映されない。実務のポイント:オンライン完結の商品では、書面投票や電磁的方法による投票の締切が会日より前に設定されていることが多い。会日に合わせて動いても間に合わないことがあるので、通知が届いたその日に締切を確認する

Q2多数決で信託の中身を勝手に変えられたら、もう何もできないんですか?

できることは残っている。92条列挙の権利(帳簿閲覧、差止請求など)は決議でも奪えない。信託目的の変更などの重要な変更なら、103条で受益権を公正な価格で買い取るよう求められる。実務のポイント:取得請求では「公正な価格」をめぐって受託者側と対立しやすい。可決前の時価を示す資料(基準価額、鑑定評価の開示)をその時点で保存しておくと、価格交渉の足場になる

Q3自分で信託商品を作るとき、多数決じゃなくて全員一致にできますか?

できる。214条は「信託行為に別段の定めがない限り」多数決とみなす規定なので、約款に全員一致や別の決定方法を書けばそれが優先する。実務のポイント:すべてを全員一致にすると、受益権が流通するにつれて受益者が増え、何も決められなくなる。実務では、重要事項だけを加重要件にして、それ以外は多数決に任せる二層構造がよく使われる

間違えやすい点 AI による整理

  • 前提錯誤型:「受益者は多数決で決めるもの」と思って家族信託や事業承継信託を設計する人がいるが、多数決が原則になるのは受益証券発行信託だけである。普通の信託は全員一致が原則(105条1項)で、多数決にしたいなら信託行為に明記する必要がある
  • 深化型:多数決で負ければすべて終わりと思われがちだが、多数決が及ぶ範囲には穴がある。帳簿の閲覧請求、受託者の違反行為の差止請求、受益権取得請求など92条列挙の権利は、受益者集会の決議でも奪えない。少数派にもこれだけの道具が残っているという点が見落とされやすい
  • 視角転換型:投資家から見れば「少額だから議決権など気にしなくていい」商品でも、法律から見れば、約款に別段の定めがない限り受益者集会の多数決に従うと同意した当事者である。数万円の投資でも、物件売却や信託の変更が自分の頭越しに決まりうる
比較の観点この条文ほかの条文
適用される信託信託法214条:受益者が二人以上ある受益証券発行信託信託法105条:受益者が二人以上ある信託一般
信託法92条:受益者の権利行使全般(制限禁止の対象)
意思決定の原則受益者集会の多数決(とみなす)受益者全員の一致(105条1項)
列挙された権利は信託行為でも制限できず、各受益者が単独で行使
信託行為による修正別段の定めがあればそれが優先信託行為で多数決等の別の定めが可能
信託行為による制限は不可
少数派受益者の位置づけ決議に拘束されるが、92条の権利と103条の取得請求が残る各受益者が事実上の拒否権を持つ
多数決の外側で個別に権利を守る

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
不動産証券化条例・金融資産証券化条例

台湾では信託法本体ではなく証券化関連の特別法で受益人会議と多数決を定める構成をとる

韓国
신탁법 제71조

韓国も2011年の信託法全面改正で受益者複数時の意思決定と受益証券発行信託を整備し、日本法と近い構造を持つ

ドイツ
Schuldverschreibungsgesetz §§ 5 ff.

ドイツに信託制度はないが、債券保有者の多数決による条件変更を認める点で、流通証券の集団的意思決定という同種の課題を扱う

アメリカ
Trust Indenture Act of 1939 § 316

保有者の多数決で受託者に指図できる一方、元利金を受け取る個別の権利は同意なく奪えないとする点が92条の考え方に近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 10万円分買った不動産セキュリティトークンの受益者集会の招集通知が届き、議案は「物件の早期売却」。もし欠席したらどうなる? 多数決は出席者の議決権で数えるのが基本だが、商品によっては信託行為に別段の定めがある。委任状や書面投票の扱いを約款で確かめずに放置すると、あなたの意思は一票分も反映されない
  • あなたは信託会社で新しい受益証券発行信託の約款を設計する担当者だ。商品の性質上「信託目的の変更は受益者全員の同意が必要」にしたかったが、その一文を書き忘れた。214条によって多数決とみなされ、のちに少数の投資家から「説明と違う」と追及される火種になる
  • 反対票を投じたのに議案は可決された。それで終わりではない。重要な信託変更であれば、通知から20日ほどの短い期間に受益権取得請求(103条)を出せるかどうかで、出口が開くかが決まる
  • 友人から「家族信託でも多数決で決められるよね?」と聞かれた。家族信託は通常受益証券を発行しないので214条の対象外で、原則は全員一致に戻る。二つの制度を取り違えると、家族会議の設計そのものが崩れる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 信託行為(約款・目論見書)で別段の定めの有無を確認する。全員一致や特別な決議要件が書かれていれば、それが214条より優先する2. 招集通知の議案、決議要件、委任状や書面投票の扱いを確かめる3. 反対なら賛成票を出さず、他の受益者と連携する4. 可決されたら、103条の取得請求ができるかをすぐに検討する。92条の帳簿閲覧請求や差止請求も個別に使える

訴えられた側:受託者・組成者側の場合:1. 約款を作る段階で、214条の多数決に任せる事項と、全員一致や特別な要件にする事項を切り分けて明記する2. 招集手続(通知期限、議案の説明)を厳格に守り、手続の瑕疵で決議の有効性を争われないようにする3. 決議の対象に92条の個別権利を含めない4. 取得請求に備えて、公正な価格の算定根拠と資金を用意しておく

時効(請求できる期限):本条には特定の時効がない。ただし重要な信託変更に伴う受益権取得請求(103条)は、受託者による通知・公告から20日以内という短い期間に限られる(最新の改正状況をご確認ください)。招集通知は原則として会日の2週間前までに発送される。金銭請求には一般消滅時効(民法166条、知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される

学説

一般的理解:受益証券発行信託では受益権が転々流通し受益者が不特定多数となるため、全員一致原則では信託の運営が停止しかねない。本条は流通性と運営の機動性を確保するため多数決を擬制しつつ、92条の個別権利を除外して少数者を保護する趣旨と理解されている

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 受益証券発行信託の制度創設とあわせて新設された。旧信託法(大正11年)には受益証券発行信託や受益者集会による多数決の仕組みはなかった。その後の改正の有無は人による確認が必要

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正(平成18年法律第108号)により、受益証券発行信託の制度創設とあわせて新設。旧信託法には受益者集会による多数決の仕組みはなかった

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第四節 関係当事者の権利義務等の特例

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›